ありふれたヒーローオタクは世界最高を目指す【未完】   作:びよんど

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ハジメ君達、今どうしてるのって話です。

※8/11更新しました!


七話目 奈落の底

 

 

悪夢(ゆめ)を見た。

 

何気ない自分、何気ない今日、何気ない家族、何気ない自宅、何気ない外、何気ない友達、何気ない学校、何気ない日常、何気ない―――………

 

 

グアッ

 

 

全てが白い光に包まれ、吹き飛んだ。

 

 

―――暗い、痛い…………

 

 

気付けば一人、暗闇に閉じ込められていた。

 

 

―――誰か、誰か……

 

 

何処までも無限に闇が広がっているのに、身動き一つ取れない―――……〝地獄〟

 

声を発する事は許されず、当然助けなど現れない。

 

そして―――……そこには誰もいない。

 

 

―――誰でもいい、助けて……ください……

 

 

希望(ひかり)の閉ざされた牢獄(せかい)に一人、当然助けなど現れない。

 

全てを諦め――………絶望に浸るのも悪くないだろう。

 

 

―――()()()()()()()()()()()()()()……

 

 

……()()()()()()簡単に諦めもついた。

 

誰もいなかった筈の牢獄(せかい)に命が一つ灯る。

 

あまりにも儚く、吹けば消え入りそうな小さな()

 

 

―――……メ君だけは……

 

 

何度でも言う、ここは希望(ひかり)の閉ざされた牢獄(せかい)

 

絶望に浸り、溺れる事こそが当然の摂理なのだ。

 

 

―――…ジメ君だけでも……

 

 

抗うな、全てを委ねろ。

 

()に全てを委ね―――………

 

 

―――ハジメ君は………

 

 

 

 

「ハジメ君は、私が助けるッッ!!!」

 

 

 

 

……牢獄(せかい)に差す希望(ひかり)は何処までも眩しく温かく―――……何より憧憬(ひかり)を抱かせた。

 

抱いた憧憬(ひかり)はやがて目指すべき目標(ひかり)となり―――……やがて救いを求める誰かの希望(ひかり)となる。

 

どれだけ力及ばずとも構わない、誰かにとっての希望(ひかり)で在り続けるなら―――……人はそれを〝ヒーロー〟と呼ぶ。

 

 

 

 

――― ジャスティスボンバー ―――

 

 

 

 

牢獄(せかい)は解き放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――〝オルクス大迷宮〟 ???―――

 

 

「……ン……こ、こは……?」

 

 

身体中に走る痛みに悶えながらゆっくりと上体を起こし、周囲を見渡すカオリ

 

人一人がやっと入れる程度の洞穴に、その中心で細々と燃える焚き火。

 

記憶が徐々に鮮明になってゆく。

 

……あの時、誰かの放った魔法からハジメを庇い奈落に落ちたところまでは覚えている。

 

そこから先の記憶はない、という事はカオリは誰かによって助けられたという事だ。

 

その誰かとは―――……

 

 

「カオリッ! 良かった、目覚めたんだね!!」

 

「………ハジメ君? ここはいったい……?」

 

 

ふと声のする方へ振り返ると、そこには狼や兎、熊の死骸を洞穴の中に無理矢理詰め込みながらカオリの無事を喜ぶ、全身傷だらけながらも()()()()なハジメがいた。

 

 

「ハ、ハジメ君ッ!? け、怪我が……ッ!!」

 

「こんな怪我大した事ないよ。

ハハ……()()()大金星……ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメから自分が気を失っている間の事を聞いたカオリ。

 

()()()自分を助ける為にハジメも落ちた事。

 

鉄砲水の如く水が噴き出した滝に何度も吹き飛ばされながら次第に壁際に押しやられ、最終的に壁からせり出ていた横穴からウォータースライダーの如く流されてきた事。

 

自分達が落ちてきた()()は恐らく世間一般で知られている〝オルクス大迷宮〟の更に下層に位置する場所であり、遭遇した魔物は〝ベヒモス〟以上の脅威しかいなかった事。

 

そして―――……自分がしばらく目を覚まさなかった事。

 

 

「昼夜の感覚なんてもう分からないけれど、火傷くらいしか負っていなかった筈なのにしばらく寝込んでいた時は本当に心配したんだよ? ……もし目を覚まさなかったらどうしようって……」

 

「そ、それはごめんなさい。 私はもう大丈夫だから。

……それよりハジメ君、なんか、ワイルドになった?」

 

 

カオリが不思議に思うのも無理なかった。

 

というか、不思議に思わない方がおかしいだろう。

 

一番最初に目を引くのはなんと言ってもその髪色。

 

記憶違いでなければ黒黒としていた髪は白一色に染まっていた。

 

両目は真っ赤に染まり、服に隠れていない顔や手には薄っすらと赤黒い線が何本か浮き出ている。

 

175cmあった身長は188cmまで伸び、身体そのものが全体的にバルクアップしている。

 

非常に精悍さが増した点も含めて、どこかキングを彷彿とさせる雄臭い漢になっていたハジメ。

 

 

「……僕の身に起こった事を説明しておかないとね」

 

 

そうして語られるハジメのトチ狂った話に更に度肝を抜かされるカオリ。

 

この場所が強力な魔物の跳梁跋扈する地獄だと直感したハジメは即座にカオリを担ぎながら〝錬成〟によって適当な壁に穴を開けて安全地帯(セーフティーゾーン)を設けた。

 

その判断は正しかった。

 

魔物に気付かれぬよう深く深く掘り進めていく内に偶然()()()()()を発見したのだから。

 

そこにはバスケットボールぐらいの大きさの青白く発光する鉱石が存在していた。

 

その鉱石は周りの石壁に同化するように埋まっており、下方へ向けて水滴を滴らせている。

 

神秘的で美しい石であり、アクアマリンの青をもっと濃くして発光させた感じが一番しっくりくる表現だろう。

 

恐る恐る掬い取ってひと舐めするとあら不思議、身体の痛みや消耗した魔力がみるみる内に回復していったのだ。

 

すぐに[+鉱物系鑑定]で調べるみると――……

 

 


 

 

神結晶

 

〝神水〟と呼ばれるどんな怪我や病も治す液体を出す鉱物。

 

欠損部位を再生するような力はないが、飲み続ける限り寿命は尽きない。

 

 


 

 

……しばらくは〝神水〟のみを摂取しながら魔物に気付かれぬよう外の鉱物をこっそり採取して武器の製作に励んでいたハジメ。

 

〝緑光石〟やら〝燃焼石〟やら〝タウル鉱石〟やらを採取して〝錬成〟で再び銃を作り上げた(前回作った銃はどこかに落としてしまった)ハジメは飢餓感に突き動かされるままに魔物を射殺。

 

魔物の肉は人間にとって猛毒だと知ってはいたが、それはもしかしたら〝神水〟が解決してくれるかもしれないと楽観視して思い切り齧り付いた。

 

吐く程不味く、追い打ちの如く激痛が身体中を走り軽く地獄を見たハジメ。

 

〝神水〟をがぶ飲みし、痛みを緩和する為に身体中を指で突きまくった事が功を奏したのか、どうにか事なきを得たハジメであったが、先程カオリに指摘された()()が身体に起こってしまうのだった。

 

 

「魔物を食べた事でステータスも高くなったんだよ」

 

 


 

 

ハジメ 17歳 男 レベル:9

 

天職:錬成師

 

筋力:9800

体力:9800

耐性:9800

敏捷:9800

魔力:550

魔耐:550

 

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査]+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+圧縮錬成][+高速錬成][+自動錬成][+イメージ補強力上昇][+消費魔力減少][+鉱物分解][+構造把握]・疲労耐性[+痛覚耐性][+物理耐性]・整体術[+回復効果上昇][+浸透看破][+回復速度上昇][+イメージ補強力上昇]・限界突破[+覇潰]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷[+雷耐性][+出力増大]・天歩[+空力][+縮地]・風爪・言語理解

 

 


 

 

「魔物の実食はオススメ出来ないけれ―――……って、カオリッ!?」

 

 

ハジメが説明しきる前に魔物の肉片に手を伸ばし迷いなく口の中に放り込むカオリ。

 

 

ごっくん―――……なぁにハジメ君?」

 

「僕の話聞いてたァ!?

魔物肉ってスゴく不味いしメチャクチャ痛いんだよ、早くペッしなさいペッ!」

 

「イヤ。

……私だけが置いていかれるなんてごめんだよ」

 

「カオリ………」

 

「ひぐぁぁああぁ!! ふぎゅぅう!!」

 

「カオリッ!! これを飲むんだッ!!」

 

 

〝錬成〟で作った水筒に詰めた〝神水〟をカオリの口元に当てるが、中々飲ませる事が出来ない。

 

仕方なくハジメは〝神水〟を口に含み、口移しでカオリに飲ませその効果を発揮させる。

 

カオリの美しい黒髪が白く染まるにつれて徐々に肉体にも変化が表れていく。

 

ハジメと同じように目が赤く染まり、肌に赤黒い線が何本も浮かび上がる。

 

身長も170cm程になり、全体的に程よく引き締まっていながらもどこか蠱惑な雰囲気を漂わせる肉感的な体つきになった。 ……ところどころ破れた服の隙間から覗かせる胸や太腿、臀部が眩しい。

 

 

「ハジメ君―――……私も強くなるよ……ッ!」

 

「カオリ……」

 

「ハジメ君を絶対に一人にさせない、これが私がハジメ君に捧げる決意(あい)だよ?」

 

「……何度だって言うよ、カオリ。 僕は君が好きだ」

 

「ハジメ君……」

 

「カオリ……僕もう我慢できない……ッ!」

 

 

ギュッ

 

 

「キャ!? ………ハ、ジメ、君」

 

「こんな事をしている場合じゃないのは分かっているけど、それでも今はただ、君を感じていたい……ッ!」

 

「ハジメ君……うん、良いよ―――……キて?」

 

「なるべく優しくする、けど、今の僕は(ケダモノ)だから、容赦は出来ない―――……それでも大丈夫か?」

 

 

あまりにも愛おしい恋人の心優しい気遣いに、カオリの内で湧き上がっていた愛情と()()が爆発する。

 

そして一言、後戻り出来ない言葉(あい)を囁く。

 

 

「ハジメ……優しくならないで……乱暴に愛して?」

 

 

……ここは〝オルクス大迷宮〟の更に下層…魔物ひしめく地獄にして(ケダモノ)達の花園である。

 

今も絶えず(ケダモノ)達が雄叫びをあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからというものの、ハジメとカオリは入念に準備を進めていた。

 

今の階層に留まり続けて助けを待つか、それとも()()()進み続けるか。

 

カオリが気を失っている間、ハジメによって既にこの階層の8割は探索が済んでいる。

 

〝爪熊〟すら屠ったハジメにとって脅威となる存在はおらず、広大ではあるものの探索は順調に進められていた―――……にも関わらず、いくら探しても上階への道が見つからなかった。

 

階下への道なら既に発見している。

 

ここが迷宮で階層状になっているのなら上階への道も必ずある筈なのだが、どうしても見つからなかったのだ。

 

助けを待つなど現実的ではない、故にハジメはカオリとともに階下に進む事を決断する。

 

様々な鉱石をブレンドして作り上げた回転式拳銃〝ドンナー〟(ハジメ命名)をハジメが、同じく回転式拳銃〝シュラーク〟(ハジメ命名)をカオリが持つ事となった。

 

動く魔物(まと)には事欠かなかった為、両者共に中々の腕前になったと自負している。

 

そして、諸々の準備が整った事で2人は階下への探索を本格的に進めようと動き出した。

 

 

「……ここで出来る事はやり尽くした。

行こうカオリ。 ……出発だ!」

 

「うん! 行こうハジメ!!

私とハジメ、二人いれば〝最強〟だよ!」

 

 

飛び込んだ闇の先にあるものを知るため二人は突き進む。

 

それは絶望か―――……はたまた希望か。

 




かなり話をすっ飛ばしていきました。

……他に投稿している小説がドンドン低評価になり、それに比例するようにやる気がドンドン低下していく……。

もしかしたら投稿頻度が落ち込むかも知れません。

あらかじめご容赦を……。
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