処刑人達とありふれた・・・本当にありふれてるのか?転生者の暗躍   作:yuni12

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原作通りのアリナさんならやりそうな事をやりました。


第1話 異世界に呼ばれるようです。その11

第1話 異世界に呼ばれるようです。その11

 

 休憩終わり俺達は二十階層を探索する。

 

 二十階層の一番奥の部屋はまるで鍾乳洞のようにツララ状の壁が飛び出していたり、溶けたりしたような複雑な地形をしていた。この先を進むと二十一階層への階段があるらしい。

 

 そこまで行けば今日の実戦訓練は終わりだ。

 神代の転移魔法の様な便利なものは現代にはないので、また地道に帰らなければならない。

 俺達は、若干、弛緩した空気の中、せり出す壁のせいで横列を組めないので縦列で進む。

 

 ある程度歩くとメルド団長が立ち止まったので俺達も立ち止まった。それに気づいてクラスメイト達は立ち止まるも疑問に思ってるに対し白銀の剣のメンバーは既に武器を構えていた。

 

 「スキル発動。百眼の獣士(シグルス・ビースト)。アリナさん、あそこだ」  

 

「そう、あそこなのね。スキル発動。巨神の破鎚(ディア・ブレイク)

 

 ジェイドさんはスキルを発動すると目を赤く光らせ剣を構え剣を壁に向けアリナ様はスキル発動させて大鎚(ウォーハンマー)は構え壁に対して睨んでいる。

 

 ロウさんは気楽な顔をしてるが何時でも魔法を撃てる状態にルルリも杖を構えていた。

 

 それを見て俺はいや他の転生者達も思い出してるに違いない。

 ここの階層の敵を・・・・・・似非ルパン擬きを。

 俺は思わず顔をしかめざるえなかった。

 

「擬態しているぞ!周りを「消えろ!私の自由時間の為に!」あっ!?」

 

 メルド団長の忠告が飛ぶがその前にアリナさんがいやアリナ様によってその目論見は崩れた。

 

 アリナ様の大鎚によって壁が変色途中の魔物に上から振り下ろされ魔物は何が起きたのか理解出来ずに亡くなった。

 

「い、今のがこの階層のモンスターのロックマウントだ!

 見ての通り姿を壁に擬態して冒険者が来るの隠れて待っている。それと特に二本の腕に注意しろ!豪腕だぞ!」

 

 メルド団長の声が響く。

 然し心無しか覇気が無くなんとも言えない顔をしてた。

 どこか俺の同じ気配を感じた。

 

 更に奥の壁も破壊した。

 パラパラと部屋の壁から破片が落ちる。

 そしてその威力に誰もが冷や汗をかく。

 アリナ様を怒らせれば同じ目に会うと理解させられたからだ。

 

「アリナさん。よっぽど食べ歩きしたかったんですね」

「アリナがいると楽出来るな」

「その代わり俺達の出番ないけどね」

 

 俺達が恐怖で慄く中ルルリは楽しそうに語りロウは気楽に話しジェイドは苦笑してた。

 

 「この馬鹿者が。気持ちはわかるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが! 崩落でもしたらどうすんだ!」

 

 そんな中勇者メルド団長が笑顔でアリナ様に説教をかました。

 

「大丈夫よ。むしろ風通しが良くなって安全になるわ」

 

 然し勇者メルド団長のお叱りもアリナ様には効果無かった。

 清々しい顔して語るのだから。

 俺達は勇者メルド団長に寄って慰める。

 

 それから数分して香織が崩れた壁の方に視線を向けた。

 

「・・・・・・あれ、何かな? キラキラしてる・・・・・・」

 

 その言葉に、全員が香織の指差す方へ目を向けた。

 

 そこには青白く発光する鉱物が花咲くように壁から生えていた。

 

 まるでインディコライトが内包された水晶のようである。

 

 香織を含め女子達は夢見るように、その美しい姿にうっとりした表情になった。

 

「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい」

 

 補足は必要かはわからないがグランツ鉱石とは、言わば宝石の原石みたいなものらしい。

 

 特に何か効能があるわけではないが、その涼やかで煌びやかな輝きが貴族のご婦人ご令嬢方に大人気であり、加工して指輪・イヤリング・ペンダントなどにして贈ると大変喜ばれるらしい。

 

 求婚の際に選ばれる宝石としてもトップ三に入るとか。

 

「素敵・・・・・・」

 

 香織が、メルドの簡単な説明を聞いて頬を染めながら更にうっとりとする。

 そして、誰にも気づかれない程度にチラリと光輝に視線を向けた。もっとも、雫とジータだけは気がついていたが・・・・・・

 

 同じようにアリナ様も興味を「どれくらいのお値段なるのかしら」そんな事は無かった。

 

 ルルリも「貰えるのは嬉しいのですが私の好みの方でないと受け取れないのです」貴女の基準が高過ぎて渡す人はいないと思いますよ。

 

「お姉ちゃん、弟くんが渡してくれるんなら喜んで受け取るよ」

 

「わ、私もです。お兄ちゃんから貰えるのなら」

 

「えっ?!う、うん。そうだね、手に入れたら作るね」

 

 そして安定の南雲ファミリーの団欒に俺は気を抜いた。

 ここがターニングポイントだと言うのに・・・・・・

 

「だったら俺等で回収しようぜ!」

 

 そう言って唐突に動き出したのは檜山だった。

 グランツ鉱石に向けてヒョイヒョイと崩れた壁を登っていく。

 それに慌てたのはメルド団長だ。

 

「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」

 

 しかし、檜山は聞こえないふりをして、とうとう鉱石の場所に辿り着いてしまった。

 

 メルド団長は、止めようと檜山を追いかける。

 同時に騎士団員の一人がフェアスコープで鉱石の辺りを確認する。そして、一気に青褪めた。

 

「団長! トラップです!」

 

「ッ!?」

 

 しかし、メルド団長も、騎士団員の警告も一歩遅かった。

 

 檜山がグランツ鉱石に触れた瞬間、鉱石を中心に魔法陣が広がる。

 グランツ鉱石の輝きに魅せられて不用意に触れた者へのトラップだ。美味しい話には裏がある。世の常である。

 

 魔法陣は瞬く間に部屋全体に広がり、輝きを増していった。

 まるで、召喚されたあの日の再現だ。

 

「くっ、撤退だ! 早くこの部屋から出ろ!」

 

 メルド団長の言葉に俺達が急いで部屋の外に向かうが・・・・・・間に合わなかった。

 

 部屋の中に光が満ち、俺達の視界を白一色に染めると同時に一瞬の浮遊感に包まれる。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 それと同時に俺達は空気が変わったのを感じた。

 次いで、ドスンという音と共に地面に叩きつけられた。

 

 着地に失敗し尻の痛みに呻き声を上げながら、俺は周囲を見渡す。クラスメイトのほとんどは俺と同じように尻餅をついていたが、メルド団長や騎士団員達、龍太郎達など一部の前衛職のクラスメイトは既に立ち上がって周囲の警戒をしている。

 無論白銀の剣のメンバーも同じだった。

 

 ジェイドさんは「油断した」周囲を警戒しつつ盾を構え剣を抜いた。 

 

 ロウさんは「あの馬鹿!警戒心ないのか!あの三馬鹿と同じ事をしやがって!」かなり御立腹である。

 件の元凶はロウさんの剣幕に恐怖に震える。

 ついでにあの三人組も震えていた。

 

 ルルリは「皆さん、落ち着いて!」皆を励ましていた。

 数少ない癒やしに癒やされる。

 

 アリナ様は「私の自由時間を削る馬鹿はどこだ!」怒り心頭である。檜山、お前はとんでもない地雷を踏み抜いたな。

  

  俺は改めて周囲を確認し原作やアニメにあった場所だった。

 巨大な石造りの橋の上だった。ざっと百メートルはありそうだ。天井も高く二十メートルはあるだろう。橋の下は川などなく、全く何も見えない深淵の如き闇が広がっていた。

 まさに落ちれば奈落の底といった様子だ。

 

 橋の横幅は十メートルくらいありそうだが、手すりどころか縁石すらなく、足を滑らせれば掴むものもなく真っ逆さまだ。

 

 俺達はその巨大な橋の中間にいた。橋の両サイドにはそれぞれ、奥へと続く通路と上階への階段が見える。

 

 それを確認したメルド団長が、険しい表情をしながら指示を飛ばした。

 

「お前達、直ぐに立ち上がって、あの階段の場所まで行け。急げ!」

 

 雷の如く轟いた号令に、わたわたと動き出すクラスメイト達。

 

 

 しかし、迷宮のトラップがこの程度で済むわけもなく、撤退は叶わなかった。階段側の橋の入口に現れた魔法陣から大量の魔物が出現したからだ。更に、通路側にも魔法陣は出現し、そちらからは一体の巨大な魔物が・・・・・・

 

 

 

 その時、現れた巨大な魔物を呆然と見つめるメルド団長の呻く様な呟きがやけに明瞭に響いた。

 

 

 

――まさか・・・・・・ベヒモス・・・・・・なのか・・・・・・

 




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