TCG逆行主人公モノ 【World fall 】 作:鳥ささみ@パインコン
荒廃した大地に灰色の空、スカイグレーと聞こえはいいが大気成分のほとんどは汚染されている状態であり、まともに出歩くことは不可能な状態である。
ただこの大気を汚染しているのは毒ガスや核といった汚染物質などでは無く…
ここに満ちている汚染物質は魔力である
そして…
「殺せ!!『ドラゴンゾンビ』で攻撃宣言!!」
「私は『砲手の機天使』でブロック!」
今、荒廃したビル群の二人の目の前では腐肉をただらせる死の竜が小柄なローブを着た人物にめがけてその爪を振るいその命を刈り取ろうとしている。
それを錆びた鎧を纏わせた天使を連想する作りをした機体に命令をすると銃を両手で構え抗戦するものの、その存在は竜が放ったブレスにより溶解していく。
「この瞬間、破壊された『砲手の機天使』の効果を起動!このユニットは相手ターンに破壊された時相手のユニットを1体選びタップさせる、対象は『黒虐の屍王 スカルロード』!!」
溶けかけである錆鉄の天使は主人の命令により残った片腕でその銃を構えて光弾を放つ
それを受けた身体が複数の人の骨で構成されたそれは人ふたり分の胴体の骨でできた腕で受け止めるが使役されてる身である為、理に抗えずカードが横向きになる。
「おいおい?そのユニットを封じるなんて長時間の戦闘で魔力が枯渇して判断力が鈍ったのか?…『狂乱する剣闘士』で攻撃!攻撃時に手札を2枚捨てて、そのままトドメをさしてなぶり殺してやるよぉ!!」
勝利を確信した荒くれ者。
血管が浮き出た肉体を持つその戦士の瞳は明らかに正気でないことは分かる。
その腕から振るわれる棍棒のような剣で少女の命を狩ろうとしている。
「この瞬間、手札の『シールドプロテクション』の効果を発動する!」
「なっ⁈」
「ダメージを受ける時に自分のルーンが5枚以上あるなら手札からコストを支払わずに発動、そしてこのターン次に受けるダメージを0に変更する!」
その打撃が少女に届く前に青色の障壁が現れその攻撃を遮る。
ライカ ダメージ7→7
そして攻撃可能なユニットが0になりターンが返される。
「私のターン ドロー」
山札からカードを引いて私は目の前のクズに目を向ける。
「私は手札から魔法カード『機天使の帰還』を発動し墓地からコスト3以下の系統に[天使]を持つユニットを場に出すする、再起動よ『砲手の機天使』」
墓地からカードを一枚引き抜きそれを腕に装着したディスクの魔法陣に入れる。
そして少女の目の前に白い魔法陣が地面に刻まれ、地の底から機械仕掛けの天使がはいでる、その行動が忠誠故の行動かただの命令故かは知る由もない。
「更に!7コストを支払い手札から『信仰偽典機構 ラインステラ』を召喚!!」
コストを生み出す役割を持つカードをタップして生成されたルーンを7つを構えたカードに集めて、先程魔法カードを使った時と同じように魔法陣に入れる。
そして空中に白い縦向きの魔法陣が浮かび上がり、そこから神官服のようで修道服を思わせる物を纏った女性体の機械ユニットが現れしその手に剣を持ち召喚される。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コスト7 属性・白
ユニット 系統 機械/信仰
『信仰偽典機構 ラインステラ』
【召喚時】自分のリーダーのダメージを4回復する(ダメージゾーンの蓄積ダメージを墓地に置く)
このユニットが場にいる間自分は【トリガー・キャンセラー】を使用出来ない。
STR4000 2 VIT4000
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「召喚時能力により蓄積ダメージを4回復するわ」
ディスクからカードが4枚引き抜かれてそれらを墓地に送る、そしてローブを深く被った少女の足場にある魔法陣の外側の8つあるダメージカウンターがわりである円の中の点の7つのうちが4つ消灯する。
「クソッタレ!また回復しやがって!!いい加減負けろやぁぁぁ!!!」
目の前の荒くれ者が吠える、当然だろう千日手にも近い遅延が続いてるのだから。
「嫌だね…ラインステラ!あの下衆に斬首を!! ラインステラで攻撃!!」
「バカめ!たかだか1打点【ディフェンストリガー】を引けば…「それはないわ」は?」
「貴方自分の墓地、ルーン、場、手札を確認しなかったの?」
「どいうことだ?…」
決闘に用いられているカードゲーム【World fall】ではデッキを組む際のルールがありその一つが。
「【ディフェンストリガー】をデッキに入れられる枚数は制限がある…そして貴方の墓地、ルーンなどの公開されたカードのうち【ディフェンストリガー】はいくつある?」
「まさか!?」
【World fall】ではダメージを受けると山札から一枚目が蓄積ダメージとして置かれる、それが【ディフェンストリガー】であるならコストを支払わずにカードを使用できるのだが、デッキに最大20枚までしか入れる事が出来ない。
自らの公開されているカード領域を確認していた目の前の荒くれ者の顔から血の色が引いていく、そしてわかりたくもない事実を理解した子供のように慌て始める。
「ひぃぃぃ!!」
先程までの粗暴で尊大な態度は無く、ただ命の終わりという事実に恐怖し目の前にいつの間にか接近していた銀鉄の神官が今まさに剣をその首めがけて振り下ろそうとしている。
「わ、悪かった!悪かったから!!頼む命だけは…」
みっともなく命乞いを始めるクズそれに対する少女の回答など既に決まってる。
「見逃すわけないじゃない、貴方から決闘を仕掛けたのだから…ラインステラ、欲望に塗れた罪人に浄化の轍をふるいなさい」
銀鉄の腕がその首を落とすかのように剣を振るう。
「だ、ダメージチェック…」
藁にも縋る思いで男は山札からカードをめくる、奇跡を祈るという今まで決闘を仕掛けて嬲り殺して来た者たちに対して嘲笑っていた行動を唾液以外の顔からの出るものが全て出るに出た状態で見窄らしく神に縋った。
【トリガー無し】
しかし結果は無情にも死刑宣告に等しい物であることを理解するのに数秒、「あ…」と何かを喋ろうとしたその男は自身の足元にある魔法陣の円の中に点が8つ灯った。
それが意味するのは決闘の敗北をであり、男の命の終わりである。
ダメージが蓄積されたそれにより首筋が蒼く光る、先程振られた剣をなぞるかのように…その首を落とす。
【GAME SET】
ぼとりと首が落ちて物言わぬ肉塊が生成される、その腕につけていた魔術儀式によるカードバトルを行うためのディスクが発火する。
「ああっ!?」
擦り切れたローブを着た少女は慌てて走りながら死体の腕から火を吹いてるディスクに魔術を用いて消火する。
「あの野郎…なんで破棄魔術なんて地味に取得が難しい魔術使えるんだよ…くそーただの骨折り損じゃん…」
首元まで短めの銀髪を持つ少女は恨み言をぶつぶつと呟く。
「『スカルロード』と『ドラゴンゾンビ』は破棄魔術で消滅…あ、でも食用にできる魔獣カードは燃えてないのね」
決闘中に欲しくなったカードが燃えたのは業腹だけど当初の目的を達成できた事に彼女は満足する。
「あ、でも魔力使い過ぎたから実体召喚出来ないし…時間もかけ過ぎたから今からキャンプに戻らないと夜までに間に合わない…この野郎…死んでも恨む」
文字通りの魔術を用いた死体撃ちをしながら彼女は拠点としているベースキャンプに帰還する事にした。
「はぁ、あーもう無駄に魔力使ったから息切れしたし…暑いけどローブはずせないし…」
猛毒の魔力が大気に満ちる荒野で彼女は口を覆っていたローブを深く被り帰還を始める
この世界では魔術を用いてカードに使役する存在を封じて、人々が欲望、切望等の理由を元に争い荒廃したと言われてるこの世界を生きる事だけを考える少女の物語である。
ハーメルンを覗いていたら新しいTCGモノがあったので去年のTCG小説が活発になっていた際にメモ帳に書いていた小説を書き直して投稿しました、初投稿なので誤字脱字、感想もドシドシお願いします。
まだ作品の展開、ルール説明は勿論投稿するので楽しんでくれた方はしばらく首を長くしてお待ち下さい、皆さんもTCG小説を盛り上げていきましょう。