クロノトリガー西暦2025(ガルディア歴1000年)(元チラ裏) 作:ロン毛リオン
当日、人々が最も注目しているのはテレポート装置を開発したとの噂が流れていたルッカアシュティアのブースだった。
ルッカは大学生でありながらAIに関する技術特許を複数所有する。ルッカは機械工学に特に詳しく、商業用の宴会盛り上げカラオケロボや軍事兵器に転用できそうな護衛ロボを開発したりと、政府や企業が一目置いている。影のファンが数万人規模でいて、当日はルッカが出店するという事で会場はルッカのファンでごったがえしている。 千年祭委員会はルッカのブース周辺に警備員を30人前後配備し、観客がブースに雪崩れ込まない様に非常線をはっていた。
ルッカはテレポート装置の発明については極秘扱いにしていて、当日発表でのサプライズにしようとしていたが、どこからともなくその情報が漏れていた。準備段階からマスコミの問い合わせに困っていたルッカはタメ息を吐きながら弁解した。
「実は私にもどうやってテレポート現象が発生するのかが分からないのよ。これは科学なんていう代物なんかじゃないの。まるで魔法よ。」
技術の核となる部分についてルッカ自身も理解が追い付かない。強いていうなら魔法陣である。特定の図式に沿うように電気を走らせると科学で説明のつかない現象が発生する。実験中の不可抗力で現象を発見したもの、その仕組みを応用してできた装置について、発明をしたという実感が得られなかった。ルッカは、大手をふって喜べず、せめて自分以外には喜んで貰おうと、幼馴染にさえ秘密にしていた。
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朝7時、ブルーインパルスが上空を駆け巡り、ガルディア文字が浮かび上がる。祭典のセレモニーが開始されると、オリンピックの様な開会式が披露される。セレモニーが終わるとガルディア陛下の挨拶があり、8時丁度に千年祭は開催された。
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その日、マールは王族として父の公務に同席していたが、途中からその場にはいなかった。護衛の監視をふりきり、王女の立場から逃げようとしていた。
マールは王家のしがらみに不満があった。常に護衛をつけられる監視生活。一般人の様な生き方に憧れがあった。同年の人達の様に友達や恋人と作ったりしたかった。マンガの様な出会いにも憧れた。
16歳なればどこかのバイトで雇ってもらえると思っていたマール。
髪型をポニーテールにして変装しつつ、着ていた正装服を脱ぎ捨て、変装用のメガネをかける。自由になるオカネを持たされていなかったので出店企業の中から当日バイトの面接を受けるつもりで走っていた。マールはキャンディー屋さんや、スイーツ屋さんで働きたかったのでそのブースへと走った。
ガルディア王は演説の最中だった。その隙にマールはキャンディー屋さんで面接を持ち掛けるが担当者に断られる。履歴書を握りしめてマールは悲しくなるものの、心機一転し、別のスイーツ店に走っているところで、クロノとぶつかった。
クロノはルッカのブースにて実験をサポートする予定だった。寝坊をした訳ではない。クロノはルッカの家から何の装置だか分からない装置のミニチュアを取りに戻っていた。大型装置を作る為の模擬機として小型のサイズを作っていたルッカだったが、インタビュアーからそれを見せて欲しいと頼まれて取りに走らされていた。
千年祭会場の出入口はテロ対策に手荷物検査が実施されていて、人々の出入りには時間がかかる。開演直前でもあり、人々の行列の横をクロノは関係者証(ルッカから貰っための)を持って素通りする。
父親のタバンや母のララはルッカ宅にはいなかった。タバンは仕事でアメリカに出張中であり、ララは新型義足の実演ショーの為に他のブースにいた。
汗だくになってミニチュア装置を取りに行かされたクロノ。汗が目に入り、前が良く見えていなかった。
ぶつかったマールに謝ると急いでルッカの元にかけていく。
千年祭会場は開演したばかりで、まだリーネの鐘の前に人はいなかった。目立つ場所であり、マール自身この場にては捕まってしまうと思い、クロノと並走しながら走った。
遠目から見ればマールは出店する関係者の仲間に見えなくもない。関係者クロノに紛れる事でマールはカモフラージュした。