神にチート能力を貰った俺は、最強の力を駆使して成り上がる。 作:ウルトラ暇人
新たな街へと足を運ぶ奴隷と俺。
「ここは眠らない街、トロツコです。ここでは皆眠らないんですよ。」
それは眠れない街の間違いではないのか?と思うが、無視して先に進む。
ネオンの明かりが俺たちを照らす。ハイファンタジーとはなんだったのか。
右手には大きなカジノがあり、ガラス越しにはスロットが並んでいる。
そして目の前にあるこの街のシンボルとも言えるメリーゴーランドがそこにあった。
「トロツコのシンボル、メリゴーラウンドです。これに乗ると整うんですよ!」
サウナみたいなことを奴隷に言われる。なんだよ整うって。
「それとも勇者様…ゆうた様はカジノのほうがお好きですか?バニーガールとかいますしね。どうせ童貞でしょ?」
3発くらい鉄拳をぶち込みたくなったが、ぐっと堪えてカジノへ向かう。
とりあえずバニーガールだけは見ておこう。
カジノに入ると、グラマラスな女性たちが際どいバニーを着て接客していた。
中にはルーレットやらなんやらある。
「初めてのお客様ですね?今ならアプリをご登録いただくと新規登録記念としてメダル300枚プレゼントキャンペーンを行っています!」
バニー衣装に身を包んだ奴隷が俺を案内する。
存在が八百長だなこいつは。
アプリってどうやってやるの?と聞いてみる。
「スマホの方からこちらのQRコードを読み取り頂いて…」
ハイファンタジーにスマホとかあるわけないだろ。当然のように要求してくるなよ。
「でしたらこちらの紙の方に署名頂いて…頂きました!」
そう言うと奴隷は勝手に紙に俺の名前や住所を書いて奥へと進む。
この世界の俺には住所なんてないんだけどな。と思いながらよく目を凝らして見てみると、転生前の住所が書いてあった。
前の世界の住所でも通用するんだ。
「こちらメダル300枚になります」
小さなバケツのような容器いっぱいに詰められたメダルを渡され、カジノの中を歩いていく。
ルーレット、スロット、トランプ…どのゲームも前世で見たことあるやつばかりだな。と見ていると、何やら露骨に人が多いスポットを発見する。
「転けろ!!」「足折れろ〜!!!」「気絶しろ!!!」
なにやらこの世の物とは思えない声援を飛ばしている。
筐体の前に人が座ってメダルを入れており、なにやら中央で走っている…女?の着順を当てるゲームのようだ。
ゲーム名は…ドベ娘RISING…?
競馬メダルゲームと大手ソシャゲに喧嘩を売る勢いのゲームに絶句していると、後ろからバニーを着た大男に話しかけられる。
「兄ちゃん、ここは初めてかい」
色々な意味で初めてだなと思った。このゲームも、こんな人間に話しかけられるこの状況も。
「このゲームはね、ドベを当てるゲームさ。普通は一番を決めるんだが、このゲームではドベに誰がなるかを賭けて当てるのさ」
最悪なゲームすぎる。だから最悪な声援が飛んでいたのか。
「兄ちゃんもやってみな。俺のお勧めはこの【ドウベイテイオー】だ。」
トウカイテイオーに直接怒られてくれ。
とりあえずドウベイテイオーに150枚全賭けして、ゲームの開始を待つ。
これってドベ決まれば勝ちだからわざと転んだりしたらいいんじゃないか?八百長仕放題なんじゃ…
「と、思うだろ?走る奴等は人間だからな。ただドベになったやつはそれはきついお仕置きが待ってる。」
人の思考を読むなよ。
すると、ゲートが開き、ドレスを着た女性たちが競走場へと入場していく。
走る格好じゃなさすぎるのはご愛嬌なのだろうか。
『各ドベ、揃いました。有ドベ記念、まもなくスタートです。』
真ん中の競走場の様子は、大きなモニターによって確認できるらしい。目を細めなくていいのはありがたい。
『スタートしました!!おおっと!ドベサクラ!いきなりドウベイテイオーのドレスの裾を踏んだぞ!!』
「なにすんのよ!!」「てめえこそ!!!」
『殴り合いが始まったーー!!!』
え?スマブラ?
絶句していると、バニーおっさんが口を開く。
「このゲームではレースで最下位になったやつがドベになるが…気絶での棄権は最下位として認められない。つまり、ああやって殴って全員気絶させるのも戦略なのさ。」
競馬をモチーフにしただけで残りの要素はスマブラらしい。あとさっき言ってたお仕置きはどこにいったんだよ。
「刺せ!刺せーー!!」
漢字一文字違うだけで声援ってここまで悪意を孕むんだな。
ため息をついてモニターを見ると、ドウベイテイオーが全員殴り倒してドベになっていた。
『終了ーー!!ドベはドウベイテイオー!!』
うおおおおおおおおおおお!!と歓声が上がる。
正気か?ノリが地下格闘技編すぎるだろ。
一応賭けは当たりなので500枚が払い出しされる。
モニターに再度目を映すと、なにやらドウベイテイオーがこちらの方向を見て…飛んできた。
は?飛んできた?
「あんた、奴隷市を解放したゆうたね?」
筐体の上に飛び降りると、ドウベイテイオーが話しかけてくる。
オイ、四天王かよ。そういう流れじゃなかっただろ。
「あたしはおにゃんこぽんファンクラブ四天王の一人、孤独死のドウベイテイオー、あんたを倒すわ。」
友達いなさそう。というか第2話から組織の名前引用するのサボったせいで大変なことになってるし。
「ククク…そうか、貴様が奴隷市を解放したゆうたであったか。」
バニーおっさんがポージングをする。
「吾輩は猫ちゃん本舗ファンクラブ四天王が一人、鉄拳のバリー!!貴様を倒させて頂く!!」
泥や土が付きまくり、足跡だらけのドレスを着た女と、バニーを着た筋肉質の男がポージングを取る。
悪い、具合悪くなってきたから帰ってもいいか?
「まずは私から行かせてもらうわ。二人同時に、と行きたいところだけど、数にモノを言わせるのはねこちゃんファンクラブ精神に傷がつくから。」
傷だらけのドレスをゆらゆらさせながら言う。
騎士道精神を持ち込むなら先程までお前が参加してたあの名ばかりのレースをどうにかしろよ。
無情にも、ドウベイテイオーとの勝負が始まろうとしていた。