NEED FOR SPEED × Blue Archive   作:アキ・レーシング

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へぇい...お待たせしました。

出来に自信はあまりありませんが、温かい目で見てくれるとありがたいです!

今回もよろしく!!


2.実況するノアと先生。

「さぁ、まもなくスタートしますミレニアムスプリント。実況は私ミレニアムサイエンススクール2年の生塩ノア、解説はチューニングショップ『ブリットオートワークス』のオーナーにして、シャーレの先生でもある輪堂 レンカさんとなります。先生、今日はよろしくお願いします。」

 

「はい、よろしくお願いします。」

 

 

自分のほうを向きながら微笑むノアを横目にマイクにそう喋りかける先生。だがその内心は(あれ...何でこんなことになったんだっけ...?)と思っていた。

 

時はユウカのWRXが完成してレースの打ち合わせが終わり、ユウカがWRXに乗ってミレニアムの自室に戻った時までさかのぼる。

 

 

 

「さてさて~...私もそろそろ休もうかn...ん? モモトークの通知? 誰からだろ...」

 

 

寝ようとしていた先生の携帯電話が鳴り、画面が明るくなる。

スマホのロックを解除し、相手を見てみると、それは見慣れた相手からのものだった。

 

 

【すみません。お話したいことがあるのですが、少しお時間いただけますでしょうか?】

 

 

「うーん、今からか...ちょっと遅い気がするけど...まぁいいや。『分かったよ。私がミレニアムに行けばいい?』っと」

 

 

返事を送信すると、即座に既読が付き、彼女からの返信が返ってきた。毎度思うが、彼女たちは自分のメッセージを全部即時に既読をつけないと嫌われるとでも思っているのかな...?

 

 

 

【いえ、こちらからシャーレに向かうのでお気になさらず。それでは、後で】

 

 

「OK,気を付けてね」

 

 

 

そのメッセージを受けてからおよそ10分後。VarisのS耐バージョンのフルエアロを身に纏った白いミツビシ ランサーエボリューション9がシャーレのガレージに入ってくる。

 

そのランエボのドライバーはエンジンを切ると車を降りてきて、先生に笑顔を向けた。

 

 

「ご無沙汰しております、先生。」

 

「やぁ、ノア。ずいぶんイカついエアロをつけたエボ9だね。」

 

「はい、私もレースに参戦していますので...大体550馬力ほどまでチューンしてあります」

 

「そっかぁ。ま、立ち話もなんだからさ、そこ座りなよ」

 

 

しばらく二人とも立ったまま会話をしていたが、流石に疲れるだろう、ということで執務室から拝借してきたソファに腰掛け、本題に入った。

 

 

「先生、単刀直入に申し上げます。ユウカちゃんが出るレースの解説をしていただきたいのです。」

 

「えーと? 私がレースの解説?」

 

 

思わずオウム返しにそう問いかけるとノアは「はい。そうです」と即答する。ますます混乱した。

 

 

「本来は私が解説で、実況はクロノススクールのシノンさんがするはずだったのですが...前回の実況でレーサーの生徒を煽るような発言をしてたためにそのまま退場、しばらくの間は出禁となってしまいまして...」

 

 

「あぁ...そゆことか...」

 

 

ノアにそう説明された先生はいつぞやのテレビでやっていたニュースを思い出す。生中継で話していた彼女があまりにストレートな発言をしていたためにブツっと生中継が中断されたのだ。

 

 

「それでレース経験もあるわたしに解説をお願いしたいってことで間違いないね?」

 

「はい。流石先生ですね。その通りです。報酬は私たちセミナーから払わせていただきますので...」

 

「そこまでしてもらうことはないよ。それじゃ明日レース会場に早めに行くから、その時に合流しよっか」

 

 

話はそこで終わり、「それでは先生、また明日お会いしましょう」と言い残してエボ9に乗り込み、ガレージを出ていったノアを見送った後にシャワーを浴び、そのまま眠りについたのだった。

 

 

 

 

そして時は今に戻る。トラックの荷台部分を改造されて作られた実況席に座るノアと先生。目の前のモニターにはレース会場に設置された各カメラの映像が映されており、現在はスターティンググリッドに並べられた各マシンたちが映されている。

 

一番前から、NDロードスター、NCロードスターが2台、GRコペンなどのライトウェイトスポーツからVAB型WRX、ラリーファイターなどの4WD車、中にはAZ-1で並んでいる人もおり、ユウカのWRXは5番グリッドに車を止めている。

 

 

そういう間にも配信は続いており、トークの際のコメント欄には「先生マジか」やら「反吐が出る...」などの様々なコメントで溢れかえっていた。

 

 

「はは...皆さんコメントありがとね~。さて、そろそろレース開始の時間になります。それじゃノア、カウントよろしく!」

 

「承知いたしました。それではレース開始です」

 

 

ノアのその言葉の後にスタート前のライトが点滅する。

 

 

各車がエンジンを吹かし、【Go!!!】の文字が出るとレースが始まった。

 

 

「さぁレースが開始いたしました。先生、今回のレースはミレニアムスタディーエリアの高速道路を封鎖してのレースとなりますが、どのようなレース展開が望ましいでしょうか?」

 

「そうだね~。今回のレースのポイントと言ったらやっぱり最終コーナー後のホームストレートだろうね。最終コーナーを曲がったところから全力でストレートを駆け抜ける。単調なコーナーが多いからこそ如何にスピードを落とさずに走れるかが大きなポイントになるかな。」

 

「さて第一コーナー、先頭はなんとオートザム AZ-1。恐らくエンジニア部のテスト車両でしょうか。そして少し遅れてC&Cのラリーファイター、ユウカちゃんのWRXと続いております。ゲーム開発部のNCロードスターたちはちょっと出遅れてますね。あまり乗り慣れてないのでしょうか?」

 

 

こうして解説は続いていく。その頃ユウカはというと前を走るラリーファイターに少々苛立っていた。

 

 

「もう! 抜けそうなところに限ってイン側に詰めてくる! あの後ろに貼ってあるステッカーは多分C&Cね...さすがに誰かまでは分からないけど、負けてなんかいられないんだから!」

 

 

第一コーナーだけでなく他のコーナーでもイン側を塞がれながら走る彼女はレース前に先生の言っていたことなどとっくに忘れ、フラストレーションが着々と溜まっていた。

 

ギアを3速から4速に上げ、ストレートを駆け抜けて2周目にいくユウカのWRX。スタートライン付近にいるギャラリーたちは歓声を上げ、前を走るラリーファイターとは徐々に距離が縮まっていく。

 

 

「現在3位のWRX、結構攻めたコーナリングをしていきますね。どんどんと2番手に追いついています。」

 

「あれは勝利をもぎ取ろうと必死に走っている感じがするね。悪い結果にならないといいんだけど...」

 

「そして現在1位であるAZ-1が少し失速しています。流石にこのスピードコースをWRXたち相手にAZ-1で戦おうとするのは無茶だったのでしょうか。先ほどよりm...ここで1位がスピン!! どんどんと追い抜かれていきます!」

 

「まぁしょうがないかな...そもそもラリーファイターとかWRXがいる中でよくAZ-1でレース出ようと思ったね...」

 

 

 

一方、実況席以上に混乱が起こっていたのはユウカたちである。ラリーファイターはもちろんの事、WRXよりもサイズが小さいAZ-1が先頭を抑えて走っていくその様子はかなり変わっている様だったが、スピンした時にマフラーからは炎が上がっており、おそらくは一時的に操縦が出来なくなってしまったのだろうかとユウカは結論付けた。

 

そしてスピンしたAZ-1に巻き込まれないように慎重に追い抜いていく2台。その少し後にまた後にはロードスターたちが駆けていく。すっかり最後尾になってしまったAZ-1に乗っていたドライバー、白石ウタハは落胆などしておらず、その顔には笑みが浮かんでいた。

 

 

「やはりこうなってしまったか。先生からも注意はされていたが...だがこれもF1LMのデータのためだし、ヒビキの車を借りるわけにはいかなかったからね。でもこれはあくまでレースだから、完走だけでもするとしよう」

 

 

そう呟くとエンジンをスタートし、マシンに負荷をかけすぎないように走らせながらまたコースに復帰していったのだった。

 

 

 

「さぁ、気づけばもうファイナルラップとなりました。順位は依然としてラリーファイターとWRXが先頭争いを繰り広げてます。2周目の後半からWRXが追い抜いては抜き返す展開が続いています。先生はこの展開をどう思いますか?」

 

「うーん...WRXであれだけ攻めてるのに抜けないってなるとラリーファイターに乗ってる子は運転テクだけ見ればユウカよりも強いってことになるね。ユウカも筋はいいんだけど大会のクラス分けの通り、この界隈ではルーキーだし、ここまで出来れば上出来だね。でもまぁゴールするまでがレースだからね。レースでは一瞬の油断が命取りになる。」

 

「なるほど、ありがとうございます」

 

 

コース上に設置されたカメラから状況を確認しながらそんな会話をする2人。

 

 

レースもかなり後半に差し掛かり、ギャラリーはさっきよりも盛り上がっている。中には「もっと飛ばせぇ!!」とか「あのWRX、カウンターステアが遅いんだよなぁ...」という声も聞こえてくる。

 

 

 

ユウカ「あーもう、思い通りにいかないわ! こうなったら...」

 

 

ギャラリーが何を言ってるかはあまり聞こえてないが相変わらずブロックされ続けているユウカは若干キレ気味にハンドルに取り付けられたスイッチをチラ見する。

 

それは先生が話していた「秘密兵器」のスイッチ。

 

 

「いいかい? ユウカ。これは本当にいざという時、ここで必ず勝ちたいって時に使うんだよ」

 

 

後部座席の中央に鎮座する大容量のNOSタンクを指差しながらそう説明する先生の姿が脳をよぎる。

 

勝負所を見誤ってはいけない。だが、かといって先生の見ている前で負ける姿は見せたくない。その2つの感情がユウカの中でせめぎあっていた。

 

 

 

「さぁレースもいよいよ大詰め! 仕掛けられそうなのはもうラストのコーナーのみとなります。」

 

「ラリーファイターが安定してk...ここでユウカ仕掛けたね! 外側から追い抜いて行った!」

 

 

 

その光景にギャラリーの熱狂は最高潮に達する。ギリギリの差で追い抜かれたのを見ていたのラリーファイターのドライバーの瞳には、マフラーから蒼い炎を出しながら加速していくWRXの姿が焼き付いていた。




次回は一体いつになるのか自分でも見当もつきませんが、またゆっくり待っていてください!


それではまた次回!
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