【書籍発売】汝、現代ダンジョンに希望を持つべからず 作:鋼我77
「もはや試合しかあるまい! 実力を示さねば、誰も納得することはないだろう!」
「彼の発言に乗るのはいささか抵抗がありますが、一理あるかと。我ら、武によって身を立てる生き方故に」
「本座も同意してやろう。強者こそが敬意を得る。強者尊こそ本教のあり方である」
そして、ただ者じゃない感じの女性も頷いている。やっぱり腕力交渉なのか。……何でこんなに、野蛮なの? 蛮族なの? ああ、ここ、
そんなわけで試合となった。具体的に言うと、各派閥一人づつ選出して我が社の人間と勝負する。勝った方の言い分を聞く。そういう感じだ。
「で。天魔神教ってなーに?」
バカっぽく、宏明が首をかしげた。その隣で歩が眼鏡を光らせる。
「ぬう……天魔神教だと!?」
「知っているのか、森沢」
「芦名、最高の問い返しありがとう。……長々と解説できるが、時間が押しているので手短に。聖火……火の神様を信仰している、宗教団体だ。ただし先ほどあちらがおっしゃっていたように、強い奴がえらいという超腕力実力主義社会。彼女はその中のトップ2の位置にいる。つまり超強い、はずだ」
「なるほど……なんで森沢は知ってるの?」
「最近、フィクションでボチボチ出てくるから。まさか実在するとは思ってなかった。やったぜ資料」
こやつめ。とはいえ、ここに来てさらにややこしくなったというか、腕力でしか解決できなくなったというか。
ともあれ、誰が戦うかという話である。あちらはそれぞれ、モーリーさん、リエンウー、そして小教主
「暗殺者、剣士、なんかよくわからないやべーの、って感じですけど。社長、どーすんの?」
「どーしようかねえ、憲治君。……先に聞いておこう。戦いたい人、手あげて」
全員上げたよ。うーん、戦意いっぱいでなにより。
「とりあえず、マリアンヌさんは依頼主なのでダメ」
「ですよねー。残念です」
まとまる話がまとまらなくなるからね。しょうがないね。
「社長。あの最後に来た女。あれは私が相手します。多分、ほかの皆には辛いでしょうから」
いつもこうい時は一歩引いている一樹さんが、率先して前に出来た。彼がそう言うのだ、多分間違いないのだろう。ただ、心配はある。
「大丈夫? 手加減できる? 回復不能な呪いとかかけない?」
「ご安心下さい。俺も最近は器用になったので」
胸を張って自信満々に言ってのける。負けるとは欠片も思わないけど、事故を起こしたら後が怖いからね。
「さっき言ったとおり、あのとっぽいのは私が斬りますね」
「アビリティなしでいけます? ガチでバッサリしちゃだめですよ?」
「バッサリはしません」
「じゃあ、お願いします……で、だ。あとはモーリーさんの相手を誰がするかという問題だ。……見ろよ、あの人の格好」
さっきまで黒ずくめだったのに今はなんというか、カンフー映画に出てきそうな格好になっている。日差しも無いのに広いつばのついた帽子まで被っているのだ。この状況で、ただ着替えたというのは無いだろう。
「思いっきり、何か仕込んでますよね」
「だよね。どうしようかヒロっち」
「俺は無理ですね! 超能力が対人特効ってよく言われますけど、俺は対人戦闘得意じゃ無いですもん!」
「うん、知ってる。リューもウォーカーも同じ理由で除外だな」
「すみません。勝てる自信が全くありません」
「レースとかだったら、絶対勝てる自信があるんスけどねー」
というわけで、元一般人組は除外である。
「……俺はワンチャン、行けるかもしれない」
「「「却下」」」
すげえ、全員が声揃えたよ。代表して勝則が詰めてくる。
「社長、そのワンチャンですがアビリティに依存したものですよね? 効果時間が終わるまでに、勝つ自信があるので?」
「わ、ワンチャン……」
「はい、却下です。そんな分の悪い賭けを社長にさせる理由がありません。入川春夫、除外」
「そんなー」
まあ確かに、わざわざ勝率の低い人間を出す理由はないよな。戦力外通知、甘んじて受けよう。では続き。
「俺たちより戦えるけど、得意ではない。というわけで憲治くんと広美さんも降りて貰う」
「あー……まあ、プロとやりあえるかっていうと、ちーっと厳しいよな-」
「そうね。同業者なら、よっぽどの相手じゃない限り負けないけど」
となると、自然に残るのはハガクレ組になる。なんと言ってもこのメンバーはかつてその手の訓練を受けた経験がある。間違いなく俺たちより対人戦に秀でている。
「さて……ぶっちゃけ、一番勝てるのは誰かしら?」
そして俺は専門家ではない。ここは、本人達の意見を参考にしようと思う。勝則達は互いを見合った。数秒そうしていたが、二人ほど肩を落とした。
「くそ。今回はパスで。俺じゃあ、絡め手に対応しきれねえわ」
「私も、正面からヨーイドンは苦手なので」
三郎くんと綾乃さんが降りた。パワータイプとアサシンタイプ。確かに、相手と場が悪いか。そうすると残り三名。勝則、小百合、とわ。正直この三人なら、誰が出ても勝てそうではある。御影兄妹の魔法は多くの状況に対応できるし、とわは……。
「やはりここは、とわに任せるのが良いかと」
「ほんとーに悔しいですけど、適任は彼女です」
と、ここで二人の推薦により元ハガクレ序列一位が担当者に選ばれた。一応本人に尋ねる。
「いけそう?」
「まかせてください社長。この場なら、勝てます」
自信をにじませながら、そう言ってのける彼女。では早速行って貰おう。俺は審判を買って出てくれた楼主(いわゆる支配人)に手で合図した。
「それでは純金老師の同道者の座を賭けて、ミナカタと崋山派、閻王殿、天魔神教の試合を開始します。殺傷を目的とした攻撃は禁止。
「また知らない用語が出てきた。森沢、頼む」
「任せろ芦名。あくまでフィクションの知識だが、プラーナ、内功の力を持っている武器に宿して威力を上げる技術だ。大変難しく、何十年と武芸をやっていないと実現できない奥義みたいなものだな。剣芒は刃が軽く光る。剣糸は気でできた糸が何本も伸びる。作品によってはそれで切断もできるらしいな」
「……断神様、そんな感じの事やってなかったっけ?」
「断神様だぞ、不思議は無い」
そんなやり取りをしている二人を横目にしつつ、準備が整うのを待つ。なお、舞台は正方形、一辺二十五メートルほど。俺たちはそれぞれ一辺づつ、舞台の外に陣取っている。四グループ居るからね。ただ、対戦相手が変わるときはそれぞれ対面に立てるよう移動するらしい。細かいけど、そうしないと具合が悪いからね。
「第一試合。ミナカタから、
わー! と歓声が上がる。……いつの間にやら、宴会場である塔には観客がたっぷり連なっていた。まだ朝と言っていい時間なのに、もう酒を片手にしているよ。
とはは緊張した表情で拳を構える。モーリーさんの表情は仮面のせいで全く見えない。直立不同な姿が、ひたすら不気味だ。
「それでは……試合、開始!」
楼主の合図と共に、銅鑼が激しく打ち鳴らされた。……そんな物まであるの。俺、実際に使用されるところ始めてみたよ。
俺がそちらに気を取られている間に、舞台では早くも動きがあった。とわが斜めに走り出し、さらに緩急を付けながらジグザグとランダムに移動する。そして俺たちの目の前で、次々と金属音が聞こえるじゃないか。何かと思って目を落とせば、舞台の縁に細身のナイフが転がっているじゃないか。
縁に落ちた理由は分かる。この舞台には結界が張られている。解除されるまで、内外の攻撃を逆側に通さない。疑問なのはナイフそのものだ。
「……は? これ何?」
「モーリー氏が投げているようです」
「投げるって……どうやって?」
勝則がそう教えてくれたが……彼は最初からずっと、同じ場所に立っているだけだ。強いて言うなら、正面は常にとわへ向いているが。
「理由は……思いつく限りでは三つ。まず一つはあの服です。広くゆったりとした袖の中で最低限腕を動かし、ナイフを投げています」
「……服を全く動かさず?」
「はい。二つ目……と三つ目は重なっているのですが。プラーナによる強化とそれによる技術、つまりは武功です。武功によってあの威力と隠密性を確保していると」
「なんて厄介な芸達者!」
これはとてつもなく厄介だ。相手の動きを見て回避行動が取れない。彼女もそのせいで、ランダムな移動しかできていないのだ。このままでは、攻撃に移ることもできない。
「相手の弾切れを期待するしか無いのか?」
「いやあ……そんな悠長な状態じゃないですね、これは」
三郎君は鼻を一度鳴らす。
「毒使ってますよ、相手。ヒリヒリするから、麻痺かな?」
「麻痺毒ぅ!?」
「命に危険はありません。ご安心ください」
わざわざ舞台上からモーリーさんがそう教えてくれる。ルールを守っていますよというアピールでもあるんだろうけど。
「俺たち毒については昔からそれなりに耐性つけてます。最近さらに丹薬とかでアップグレードしてますから、すぐにやられるってー事はないですが」
「長引くと不味いですね-」
小百合もそれに同意する。見えない射撃に時間制限。流石はグループのリーダー。なんて強敵なんだ。俺がそんな感じに戦慄を感じていると、綾乃がさらにとんでもないことを言い出した。
「手札全部縛ってアレなんですから、本気になったらどれだけなんでしょうね」
「……え?」
「あの人、得意技一切出してないはずですよ。こんな衆人観衆の中で、暗殺者が手札をさらせるわけないですよ」
「ええー……」
何だよそれ。武人はハンター以上に、現代の常識から外れているのは知っている。濡れた紙の上を、しわひとつつけず歩く。建築用ハンマーに腹を殴られても平然としている。自分で投げたナイフを走って追い越し、落ちる前に拾うなど。
だがこれは、そういった超人ぶりとはジャンルの違う凄さだ。鍛えられた身体能力と、バレても構わない能力。それだけでここまで戦ってみせる。玄人の凄まじさを感じる。
「そこまでやっても勝てる相手だとナメられてるってこと?」
「いやまさか。相手だって利益がかかっているんです。本気で勝ちたいはずですよ。なのに全力が出せない。メチャクチャ苦しいはずですし、必死で本気のはず」
綾乃の説明に、うめき声を上げてしまう。あの不気味な戦い方で、勝ちに来ている……やはり恐ろしい達人だ。
「なんとかなるのか? 近づけば毒、離れればナイフだ。彼女は接近戦しかできない。勝ち目は……」
「ありますよ。あれは根拠も無しに勝てるなんて言わない女ですから」
面白くなさそうに、小百合が語る。腕を組んで、不機嫌さを隠そうともしていない。
「……かっつん。サッチーのあの様子はどういうこと?」
「ライバルの不甲斐なさに腹を立てているだけです。同時に同じくらい心配もしているわけですが」
「兄さん? 社長?」
じろりと睨まれた。笑い返しておく。ケツを蹴られた。その間にも舞台の状態は変わっていく。毒が回り始めたのか、とわの動きが鈍りつつある。直撃はもらっていないが、ナイフが服をかすめる回数も増えた。じり貧、という言葉がぴったりな状況だった。
しかし、次の瞬間状況が一変した。己に向かって投げられた一本のナイフ。なんと彼女はそれを掴んで見せたのだ。もちろん、刃を避けて。
「馬鹿な!?」
観客が驚愕の声を上げている。俺も同じ気分だ。目にもとまらぬ早さで飛来するそれを、つかみ取るとかできるのか?
その疑問の答えが、舞台の上で展開されていく。二本、三本とつかみ取る。そして投げ返す。流石の墨礼もこれは回避する。ただし、直立不動のまま。服も揺らさず動く姿は、はっきり言って不気味だ。
「とわが、なんで私たちの中で序列一位になれたか知ってますか?」
「そういえば、聞いたことがなかったな。教えてくれサッチー」
「あれはですね、学習力が高いんですよ。コツを掴むのが上手いんです」
不機嫌な表情のままで、小百合が続ける。その視線は舞台の上の攻防に固定されたままだ。
「誰よりも早く覚えて、それをさらに練習する。熟達が早いから、次のステップへ進める。まったく、あれの後ろについて行くのは本当に大変でしたよ」
「ちなみに、その天才の背を常に脅かし続けたのが家の妹です」
「お前の妹も大概だってのが改めてよく分かったよかっつん」
とはいえ、彼女の学習能力の高さはよく知っている。なにせ、崑崙マーケットで手に入れた武功書。その技術を一番吸収しているのが彼女なのだから。俺が未だに最初の基礎技術を訓練しているのに、彼女は次の本に進んでいる。
我が社の中で、彼女より強い者はもうほんの一握りしかいない。御影兄妹でさえ、最近は黒星が目立ち始めているくらいだ。そんな実力だからこそ、俺も彼女を舞台に上げることに同意できた。
そしてその実力は、この窮地の中にあってさらに発揮されている。一本投げ返すごとに、相手との距離を詰め始めたのだ。
「距離を詰めるだと!? あの娘、毒が怖くないのか」
「違う。投擲勝負では勝てんから、拳の届く距離に間合いを詰めているのだ。よく戦況を見ろ酔っ払い」
「なにおう!?」
観客が勝手を言っているが、実際その通り。いよいよとわは、有効打を与えられる所まで近づこうとしていた。毒にあらがえるのは後どれくらいか。おそらく長くはないだろう。ここで勝負に出なければ……。
俺はそんな風に焦っていた。しかしとわは違ったらしく、突然の奇襲を丁寧に対処して見せた。モーリーさんの袖より突然伸びたのは、黒い紐に繋がれた分銅。それが振り回され、彼女の頭部を襲ったのだ。
当たれば頭蓋骨陥没もあり得る、危険な攻撃。それを身をかがめて避けると、さらに一歩踏み込んだ。恐怖など感じぬとばかりに、その顔には戦意にあふれた笑みが浮かんでいる。
「あれは、流星錘!」
「知っているのかウォーカー」
「中国武術で使用される武器の一つです。あのように、先端に分銅が付いた紐を振り回して使います。ただ振り回してぶつける、というだけでなく……」
彼の説明は続いていたが、状況が大きく動いた。今まで直立不動だったモーリーさんが、より行動的に攻勢に出たのだ。分銅を振り回し、投げる。とわが避ける。そこで紐を引っ張り、分銅の軌道を変える。直撃かと思いきや、紐を払いのけてその威力を弱める。痛そうだが、骨までダメージが通っていないはずだ。
「……あのように、巧妙に軌道を変えて不意を打つのが特徴的な武器です」
「カンフー映画にしか出てこないような武器だな」
「実際間違いなく、難しい武器でしょうね。アレを使えるとは……カメラがあれば! 動画がとれれば!」
「歩さん、どうどう」
さりげなくカップルがいちゃついている気がするがあえて見なかったことにして。状況はさらに悪くなった。変幻自在な軌道で振り回される分銅。振る、引く、蹴る、踏みつける。横の動きが斜めになり、あるいは下から跳ね上がる。
本当に彼女はよくやっている。直撃すれば重傷必至の攻撃を、最低限のダメージでしのぎ続けているのだ。並のハンターなら、とっくにやられていたことだろう。
それでもいよいよ限界だ。腕、背、足。あちこちに打撃をもらっている。プラーナで防いでいるだろうが、それにだって限りがある。戦闘開始からずっと使い続けているのだから。
「そろそろ、限界ですか?」
軽妙に流星錘を振り回しながら、モーリーさんが問う。それにたいしてとわは、指を一本立てて見せた。
「後一手。これがダメだったら降参します」
「ほう……よほど自信があるようですね。心して、応じさせていただきましょう」
舞台の上で二人がにらみ合う。分銅が空気をかき混ぜる音がのみがその場を支配する。動いたのは、墨礼が先だった。
ここに来て、大量のナイフ。おそらく手持ちの全てを吐き出したのだ。横殴りの雨のようなそれを前にして、とわは動いた。あえて前へ。紙一重でそれを避けて、モーリーさんめがけて一直線。それは相手もあらかじめ予測していた。
しかし予想外だったことがある。それは速度だ。まるで稲妻、一瞬の輝き。瞬く間に距離を詰めたとわは、相手の胸板に肘打ちをたたき込んだ。いわゆる
「ご、はぁ……」
流星錘が舞台の上を転がる。胸を押さえてうずくまるモーリーさん。プラーナが込められた、常識を越えた一撃だった。その威力はそれこそハンマー、いや馬の蹴りに匹敵したことだろう。彼が達人であり、プラーナによる防御をしていなければ命に関わったかもしれない。
それを放った彼女も無事ではない。ふらつきながら荒い息をしている。追い打ちをする余力は無い。これで決まらなければ、負けるのは彼女だろう。
やがて、モーリーさんがゆっくりと手を上げた。
「降参、します。お見事でした」
「勝者、ミナカタのとわ!」
観客が歓声をあげる。とわがその場で崩れ落ちる。結界が消えるのと同時に、魔法まで使って小百合が彼女へ駆けつける。
「この意地っ張り! 試合でここまでやる馬鹿がどこにいるのよ!」
悪態をつきつつも、その手は的確に彼女に触れて状態確認をする。マリアンヌさんを呼び寄せて、解毒まで頼み込む。あまのじゃくもここまで来ればたいしたものだ。
「勝ったわよー。私がいちばんよー」
「全力出せない相手に勝って、喜んでるんじゃないわよ本当」
「いえいえ、本当にお見事でした」
何事もなかったかのように、モーリーさんが立ち上がる。顔は見えないが、声の感じから無理はしていないようだ。あるいはごまかす技術にも長けているのか。
「本当は飛刀術だけで勝負を決めるつもりだったんですよ? なのに投げても投げても当たらない。むしろどんどん対応される。ああ、天才なんだって気付いたときには遅かったですねえ。いやはや、世の中は広い」
「今回は勝負の舞台だったので、勝たせていただきました。勉強になりました、ありがとうございます」
頭を下げるとわ。抱拳礼で返すモーリーさん。観客から拍手と歓声が送られる。舞台から人が降りていくのを眺めながら、とりあえずやるべき事をしよう。
「ヒロっち。とわさんの看病係に命ずる。何でも言うことを聞いあげて」
「え? こういうのは同性がするべきでは? っていうか小百合ちゃんがすでに付いてますし」
「いいからいけ。邪魔っていわれたら止めていいから」
「う、ういっす……」
腑に落ちないまま、とりあえず足を動かす宏明。その背を眺めて憲治がぼやく。
「社長、露骨すぎねえ?」
「俺は社員の幸せを望む社長。野暮かもしれないけど、こういう場面ならアリじゃないかと思ったりする」
「うーん、うーん、審議必要、かな?」
広美が苦笑する。何が正解なんてわからん。間違ったら後で謝ろう。
「それよりさ、社長。ぶっちゃけ……今日出発するの無理じゃない?」
「この展開になった時点で諦めてるよ」
そんな風に返しながら、脳裏にとある思いが浮かんだ。この対決をただトラブル処理として片付けるのは、もったいないなと。
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お手にとっていただけたら幸いです。