【書籍発売】汝、現代ダンジョンに希望を持つべからず 作:鋼我77
早速各自が動き出した。勝則達は情報収集。半戸代表はもとより、今回の祭りがどのようなものであるか。その詳細を調べて貰うこととなった。
いざという時の予備人員以外は、そちらに回ってもらっている。なにをするにもまずは情報。しかも本番まで時間が無い。人手は多い方が良い。
そんな中俺は、マリアンヌさん、一樹さん、オステアさん、
「……なんというか、全体的に大きな建物ですねここ」
とりあえず、言葉を選んで感想を言ってみる。
「はっきり言って良いんだよ春夫君? 無駄にデカイって。ぜーんぶ、元の持ち主だったクロック・ブラックのせいだよ。あいつが自分の身体のサイズを基本に作ったからこのザマさ。維持費だってばかにならない。アレが洗脳レベルで鍛え上げた従業員がいなかったら、とっくに廃墟になってたよ。いっそその方が小さく建て替えられて楽だったろうね」
そして、管理者であるオステアさんが直球でグチを言う。うーん、呪いと実感が籠もっている。彼女がお金お金と騒ぐのも、この辺が理由の一端なのだろう。
そんな雑談をしているうちに、目的地に到着した。あの巨大な骨のある広間と同じくらい豪華で大きな扉が設置されている。オステアさんは、もうはっきりと悪趣味と言うべき金銀財宝で作られた鍵を取り出した。
「偉大なる我にふさわしき財、ここにあり」
先日と同じように、音を立てて扉が開き始める。
「……なんというか、どこまでも自信過剰だったんですね。クロック・ブラック」
「おかげで倒せたんですよ。あいつは時間魔法が使えるって事をどこまでも過信してたから。おかげでそれ以外がおろそかで。……アレが無ければ、シェンシア一人で仕留められるぐらいの実力しかなかったのです」
「時間、苦手」
……一樹さんより強い武仙様が倒さなかった理由はそういうことだったのか。つくづくズルなのだな、時間を操る力って。
やがて開ききった扉に広がっていたのは、これ以上無いほどに悪趣味に飾り立てられた宝物庫だった。真っ赤な絨毯。明るすぎる照明。展示された様々な品々。見栄という感情が形になった部屋。それがこの宝物庫だった。
「うわあ、すげえ」
なので、俺のこの発言も呆れが結構混じってしまった。
「春夫君に教えてあげよう。昔の宮殿は、割とこれに近かった」
「もうはっきり言いますけど、クロック・ブラックってバカだったんじゃないですか?」
「バカでした。そんなバカに人類文明は一度、崩壊させられたのです」
「うわー、認めたくなーい」
一樹さんが告げる残酷な事実を耳を塞いで遠のける。やだよ。時間を操るチート能力だけでのし上がった成金バカドラゴンに人類追い込まれましたとか、誰が喜んで受け入れるよ。
「はい、そんなわけでバカドラゴンが作らせたバカ装備がこちらになります。社長に履いていただく高下駄でーす」
え。この流れで装備を紹介されるの。すでに嫌な予感がバリバリするんだけど。そう思って目を向ければ、なるほどと頷かざるを得ないトンデモアイテムがそこに鎮座していた。文字通りの意味で。
「これ、なんですか?」
「『最高の俺様が考えた最強に強い鎧』でございます」
いわゆる西洋鎧は、大抵直立の状態で飾られている。しかしこの鎧は日本鎧のように着座している。理由は一目見て分かった。重いのだ。あからさまに、装甲が分厚い。鉄板というよりは装甲板。量るための単位はミリメートルじゃなくてセンチメートルが必要と思われる。バカかよ。
……などとあきれ果てた気分になるのだが、不思議と別の感情が浮かぶ。この色艶、どこかで見たことがある? いやまさか。普通の鉄……だよな? いやでも、やっぱり何か引っかかる。何だろう? ……駄目だ、思い出せない。まあ、いい。それより目先の問題を片付けよう。
「これ、実用品なんですか?」
美術品、あるいは芸術作品と言ってほしかった。兜は竜の頭を模しているし、腕や足にも爪っぽいパーツがあるし。こんなの普通に考えればデッドウェイトでしょう。それでなくても重そうなのに、さらに増やしてどうするの。
「うーん、良いところに気がついたね春夫君。私が見つけた記録によれば、これを着た者は無双の大暴れを成したらしい。それこそ、ドラゴンやジャイアントを一人でぶちのめしたのだとか。複数の文献で、大々的な勝利の記載があった」
そんなに凄まじい代物なのか。なるほど、高下駄と言うだけはある。確かにそんな物ならば、俺だって蛮王と殴り合えるようになる、かもしれない。
「……なのだけど、具体的な性能がいまいち分からない。何せそっち方面は記録が残っていなかったからね。たぶん、情報漏洩への対策だったんじゃないかと思うけど。だから私たちも調べたんだけど……ああ、全く酷い話でさ。最初はね、特別な鍵が必要だと思ったんだよ。だって、こんな重い鎧使い物にならないだろう?」
「そうですね」
何かしらの操作をすれば、作動する。軽々動くようになる。自然な考えだ。
「だけどね……逆だったんだよ。この重さこそがセーフティだったんだ。マッスルな英雄にしか使えない。この重さに耐えうるものだけが使える。ああ、確かにこれ以上無い仕掛けだ。最初の使用者の後、誰も引き継げなかったことを除けばね!」
「クロック・ブラックって本当にバカ」
「ちなみに私たちも頑張ってはみたよ。この街の力自慢や、専用のネクロゴーレムなど色々試したけど全滅! 宝の持ち腐れ、ここに極まれり!」
「クロック・ブラックって本当にバカ!!!」
なんでそんなキワモノに仕上げたんだ。すごい勢いで会ったこともない時間竜への評価が落ちていく。このまま行くと、縁を切った姉と同じランクまで転落しそうだ。俺の中でそれは最底辺を意味する。
「何か、少しでも情報は残ってなかったんですか?」
「素材については、別の記録を見つけたよ。その資料によればこの鎧、スチールドラゴンの素材をたっぷり使ってるんだってさ」
「スチールドラゴン?」
「そう。全身鋼でできたファンタジックなドラゴン。骨は神秘金属、筋肉は金属繊維、血液はオイル、吐く息は蒸気、鱗は鋼っていう、本当に生命体なのか首をかしげるドラゴン……だったらしいよ?」
「ファンタジーなのかSFなのかはっきりしてほしいですね」
よく見ると、普通の鎧とはだいぶ違う。座っているからちょっと分かりづらいが、でかい。立てば多分2m以上あると思う。鎖帷子かと思ったものは、金属繊維。さっきの話からするとドラゴンの筋肉。さらに鎧には骨らしきものが付いている。
その構造に表情を険しくしていると、一樹さんがあっけらかんとこう言い放った。
「どうもクロック・ブラックは、スチールドラゴンを使ってパワードスーツを作ったみたいなんですよねー。SFとか映画ででてくるアレですよ」
「バカドラゴン!」
俺は玉座の間に行って、故人の骨を思いっきり砕きたくなった。そういうのは冗談で済ませておくもんだろーが! なんでやった! 言え!
「ですが社長なら、ワンチャンあるんじゃないかと。アビリティに、丁度良いのが揃っているじゃないですか」
「ああ……たしかに」
装備重量の軽減と、スタミナ増強。最近追加された筋力増強、さらにプラーナによる自己強化。……たしかに、ワンチャンあるかも知れないと思えてくる。あくまでワンチャンだけど。
「なので、とりあえず一回チャレンジしてみてください。秘書さん、お願いします」
「はいはい。春夫さん、お着替えをお願いしますねー」
マリアンヌさんがいつものゲートを開くと、そこから猫さん、カラスさん、ラットマンの皆さんがぞろぞろ現れる。あれよあれよと言う間に着替え室が完成し、俺はその中に放り込まれる。着ていた服を下着を含めて全部脱ぎ、新しいものを……って。
「待って? 猫さん、その下着についている管はなに?」
「はい。この鎧は一度着ると脱ぐのが大変らしく。特注でこちらを用意しました。直ぐに済みますから、そのまま我慢を」
そんな仕様なの!? っていうか、そんな物が準備してあったって事は、前々から鎧について聞いていたんだなマリアンヌさん。少しは教えてほしかった! そして、よくみれば、今履かされようとしている下着に恐ろしいものが付いている!
「ちょっと!? 管が二本って、まさか……カラスさん、なんで羽交い締めにするの?」
「大丈夫、大丈夫、三つ数えるうちに終わりますから、はい、いーち」
アーーーッ(甲高い悲鳴)! ……しばらくして、俺は心に傷を負いながらも新しい鎧下を着せられていた。なんというか、これまたSFチックなものだった。
「お婿にいけない……」
「私が貰うから大丈夫です。はい、それじゃあいよいよ鎧を装備しますよー」
マリアンヌさんに手を引かれ、成されるがままに鎧に向かう。着替えている間に、鎧の姿は様変わりしていた。一般的な鎧ではあり得ないことに、前面装甲が開いていた。なんというか、さながら魚の開きである。しかるに中身は空っぽ。つまり内臓は俺ということになる。
鎧を着る、というよりは中に座るといった感じで収まる。
「閉めるよー。なにか挟まったら言ってねー。多分潰れてるけど」
「ちょっと!?」
重々しい音を立てて装甲が閉鎖される。兜から、僅かに外が見える。まあ視界が悪いのはいつも使っている鎧で慣れているが。
「それじゃあ社長。アビリティ使ってみてください」
「……行きます。
プラーナを高めて、己の力を解放する。アビリティによって与えられた能力が、適切な行動を理解させる。
体内にプラーナを巡らせる。ゆっくりと、足に力を込める。重心を移動させる。今ここで腰に負荷を掛けたら、確実に痛める。細心の注意を払いながら、鎧の重さに耐える。ジムでウェイトリフティングの経験はあるが、今までこれほどの重さは経験したことが無い。腕ではなく、全身の筋肉で持ち上げる。
「お、お、お、お、お、お、お、お、お!」
ゴリゴリと、プラーナが減っていく。それでもやる。やりきらなくてはいけない。曲がっていた足がゆっくりと伸びていく。肩と背の筋肉を限界まで酷使する。
そしてついに、両足で立った。すると、驚くべきことが起きた。
「すごーい。マジで目覚めさせちゃったよ。……やっぱ居るものだね、一つの特別に特化した人材って。ベテランハンターや、闘技場のチャンピオンでもできなかったことなのに」
「社長が地道に頑張り続けた結果ということですよ。いやあ、よかったよかった」
「立派」
「春夫さん、お加減はいかがですか?」
「なんていうか……怖い」
マリアンヌさんに聞かれて、素直に答える。
「怖い、とは?」
「なんというか、さっきから直感が警報をガンガン鳴らしてきてるんですよ。今、凄く危ないぞって。なんで、一歩踏み出すのも不味そうかなって」
最初はてっきり、腰の危険を訴えているのかと思った。実際半端な事をすると、骨をやりそうなほどに重いから。ちょうど立ち上がり始めたタイミングだったし。しかし今も、直感からの警報は続いている。つまり別の何かを訴えているのだ。
「んんん……藤ヶ谷さん、呪いは感じますか?」
「いいえ、全く。呪いについてはそれなりに勉強してきました。基本的に自己主張が激しいものですから、分からないレベルのそれってのは弱いって事になります。まあ、俺の知らない、感知できないレベルの特別な何かなら別なんですが……シェンシア、どうよ?」
「ない。感じない」
「一応、念入り調べてるから呪いとかトラップは無いはずだよ。そもそも、スティールドラゴンなんてレア中のレア素材を使って作ってるんだ。それをトラップにするって、まずないよ。そもそも着こなせる人間がいないんだから」
魔法、呪い、プラーナの大家達がこぞって太鼓判を押してくる。……じゃあ、この恐ろしさは一体どこから来るんだ。
「とりあえず、守りの呪文をかけておきましょう。気休めですけど」
「それじゃあ私は生命維持の準備を。春夫君、毛をちょっともらえるかな?」
「私がもっているから、こっちを使いなさい」
……なんで持ってるのマリアンヌさん、とは言わない。きっと魔法に使うのだろう。こういう時のためのやつだ。そういう風に信じておこう。
「俺たちはいつでも対応できるようにしておこう。いいな、シェンシア」
「まかせて」
……ここまでお膳立てを整えてもらったら、流石に動かないわけには行かない。この鎧が高下駄なのだ。使えなければ話にならない。ならば、この危険の正体も突き止めなくては。
俺は慎重に、一歩目を踏み出した。驚くほどスムーズに、足が動く。足音そのものは、重量にふさわしく重々しい。多分踏みつけるだけで大ダメージとなるだろう。一般人なら普通に重傷だ。部位によっては死ぬだろう。一体何トンあるのやら。
二歩目、三歩目と慎重に足を動かしていく。
「おお、いいね。……しかしこうなってくると、今まで失敗した理由がなあ。ただ筋力が足りなかった? いや、少なくともネクロゴーレムは足りていたはず。動かすだけならシェンシアだってできたのだし」
「でも起きなかった」
「そうなんだよねー。プラーナで無理矢理駆動させてた。筋肉だけでもだめ、動くだけでもだめ。……両方? それとも背丈……痛いっ!?」
「おまえもチビ」
「おい、遊んでるんじゃないよ。こっちに集中……うん? これは……秘書さん」
「ええ。マナが……背に集まっていく?」
「プラーナも」
「春夫さん! 一度止まってください!」
珍しい、マリアンヌさんの切羽詰まった声。俺はそれに従い、動きを止めた……が、遅かった。鎧の背中で、何かが動いた。鋭い吸気音、唸るプラーナ、点火。
背にあった何かが、まるでエンジンのように唸りだした。先ほどより遙かに濃密なプラーナが流れ込んでくる。鎧にさらなる力が込められる。そして、全身のあちこちから、蒸気が噴出した。
「あああああああああああああああああ!?」
熱い熱い熱い! 全身が焼けていく! 飛び跳ねる。鎧のパワーで軽々数メートル垂直に飛ぶ。落ちる。衝撃は僅かにしか感じない。腕を振り回す、足をバタつかせる。床が簡単に砕けていく。そしてその間、ひたすら熱い!
「春夫さん! 落ち着いて!」
「師匠! まずい! このままじゃ死ぬ! 火傷だ!」
「藤ヶ谷! 耐火の護符!」
「あるけど、まずは動きを止める! 黒き腕に無念を込めろ。無数の手に怒りを込めろ。曲がった爪に恨みを込めろ。掌握せよ、グラッジバインド!」
強い力で押さえつけられる。痛い、熱い、痛い、熱い、刺さる、内側から焼ける。
「シェンシア!」
痛すぎて気絶もできない。全身を焼かれている。何かが貫いている。動けない。
「駄目だ、蒸気によるダメージは収まったけど、重傷っていうかほぼ致命傷だ! 何か……何か……ああ! フジガヤ! 火炎魔神の護符!」
「あれか! だがあれは……いやもう、あれしかないか! シェンシア、奥の方にあるでっかいルビーの首飾り! 炎の精霊が……」
「持ってきた。取り替え」
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い…………いた、い? かゆい? うん、かゆい。凄くかゆい。
「あああああ、かゆい! かゆいかゆいかゆいいいいい!!!」
「春夫さん!?」
「大丈夫です師匠! 蒸気の熱を吸収して凄い勢いで再生しているだけ! フジガヤ、しっかり押さえておいてね!」
「かーなーり、きついぞ! ほぼほぼ全力だぞ今!」
喉が裂けそうなほど叫んでいる。両手両足が千切れそうなほど振り回す。やがて全身のかゆみが治まったところで、俺の意識は闇に落ちた。
……どれくらいそうしていただろう。目を覚ますとベッドの上だった。全身に酷い疲労感がある。筋肉痛もひどい。喉も枯れていた。
「う……あ……」
「春夫さん、大丈夫ですか!?」
ああ……マリアンヌさんが泣いている。これはだめだ。よろしくない。
「だいじょう、ぶ」
「そうやって無理をして! 嘘ついても分かるんですからね!」
そういえば、そうだった。失敗、失敗。改めて、全身を確かめてみる。指は動く。足もある。各関節も大丈夫。……全身の皮に違和感がある。なんというか、突っ張っている感じ。
「……全身の皮膚が火傷で駄目になったんです。おそらく筋肉や血管も。そこから全部再生したのですから、違和感があって当然よ」
わあ、それはひどいや。よく生きてたな俺。
「今首に掛かっている、火炎魔神の護符。それは炎や強烈な熱を己の力に変える極めて強力なマジックアイテムです。地球では作れないレベルの代物。もはや神器と言っても差し支えないでしょう」
そんな代物をお借りしてしまったのか。……それにしても、あれは何だったのだろう?
「あれは、竜の心臓です。クロック・ブラックは、あの鎧に竜の骸から腑分けした心臓を埋め込んでいたと。正直申し上げて、全く未知のテクノロジーです。死霊術でも付与術でもない。実質あれは、鎧の形をしたスティールドラゴンと言って良いでしょう。魂も心臓の中で眠っていたようですし」
わあ、そりゃあ怒って当然か。勝手に鎧に改造されて、あげくに知らない人間に使われたんだから。……うん? どうしましたマリアンヌさん。怪訝そうなお顔で。
「それが、どうも……ドラゴンは全く怒っていない、呪ってもいないというのが藤ヶ谷さんの見解なのです。春夫さんが気絶した後、また心臓を止めて眠りに入ったようですし」
……じゃあ、あの蒸気はいったい?
「まだ詳しいことは分かりませんが、心臓が動き出した後の副産物ではないか、と」
そういえば、スティールドラゴンは蒸気を吐いたといっていたっけ。普通に呼吸を始めた結果、あんなことになったのか。性能の記録がのこっていればなあ。こんな間抜けな失敗で死にかけることも無かったのに。
さて、と。
「何をいきなり起き上がろうとしているんですか! 寝てなきゃ駄目です!」
だって、鎧に慣れなきゃいけないし。もう痛みも無いのだから、時間を無駄にするわけにも行かない。この護符があれば、今度こそ大丈夫でしょう?
「あれだけ酷い目にあっておいて、どうして続けようとするんですか! 普通だったら二度と御免だと、全部諦めても許されますよ!」
ここで逃げたら、ダサイ。途中で投げ出すのは、よろしくない。何も解決しない。気分も悪い。体は動く。……なにより。心が読めるなら、分かるでしょう? 好きな人の前で、格好付けたいんですよ。
ああ、ごめんなさい。泣かせるつもりは無かったんです。
「まったくもう! そんなことしなくても嫌いになったりしないのに!」
自分に自信の無い男で申し訳ない。こうやって点数稼いでいないと、安心できないんですよ。
「分かってますよ。ああもう、面倒な人を好きになっちゃったなあ!」
マリアンヌさんの肩をかりて、ベッドから降りる。再び現れた使い魔たちに着替えさせて貰って、廊下をすすむ。今度こそ、あの鎧を自分の力に変えるために。