【書籍発売】汝、現代ダンジョンに希望を持つべからず   作:鋼我77

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第41話 災禍の街

 翌日早朝。市役所から連絡が来た。思った通り、ボランティアの募集だった。俺と魔法使い三名の参加を伝えると、凄まじく喜ばれた。まあ、間違いなく俺以外がその理由だ。戦力として、これ以上の人員はないからな。

 集合場所は市役所。時間も指定されているが、まだしばし余裕がある。車に荷物を準備していると、朝の挨拶が聞こえてきた。

 

「おっはよーございまーす」

「お前ら、どうした?」

 

 流を筆頭に、アパートの面々が顔をそろえていた。

 

「そりゃもちろん、俺たちも参加しようかと。家に居ろって言われても、やっぱ落ち着きませんよ」

「アリ退治ぐらいは自分たちもできますし、素人さんに比べればマシですからね」

 

 宏明と歩もそう続ける。気持ちは嬉しい……が、ダンジョンブレイクをいつもと同じだと考えられては困る。

 釘を刺そうと口を開こうとしたら、流達の後ろからまた追加で人が現れる。

 

「よかった、まだ社長たちいるぞ!」

「……お前らもか」

 

 ぞろぞろと連れ立って、東松達までやってきた。

 

「自宅待機だといっただろう。ダンジョンブレイクはいつもと勝手が違うんだぞ?」

「そうはいいますけどね、社長。ぶっちゃけるとこの状況で家にいるって色々アレなんですよ。……家族の視線が」

「すまん」

 

 たしかに、反省と謝罪を兼ねてダンジョンに出向している彼らだ。ダンジョンブレイクという危機的状況が近隣で起きているのに、座しているのは外聞が悪い。そうなった原因の半分は彼らの責任だが、もう半分は俺が追い込んだため。思わず謝罪が出る。

 

「謝らないでくださいよ。それに、俺らも当事者ってやつですからね。やべーモンスターはともかく、力仕事くらいはしますよ。人手は多い方がいいでしょ」

 

 ……俺の望んだ結果である。それが想定以上となったからと言って、後悔などできない。してはいけない、する資格がない。胃の痛みを甘んじて受ける。

 葛藤していても仕方がない。ともあれ、警告はしておかなくては。

 

「お前ら、言っておくがいつも以上に危険だぞ。ダンジョンと違って障害物が多い。物陰からビッグアントが這い出てきて、脚を咬まれるなんて話はいくらでもある」

 

 ひえ、と全員が揃えて短く悲鳴を上げる。伊達にダンジョンに潜っていない。その光景がリアルに想像できたのだろう。

 

「さらに。そこにケイブチキンの襲撃も予想される。弾丸サンマだって出るかもしれない。ダンジョンと違い、二種類以上のモンスターに警戒しないといけないんだ。マジで危ないぞ?」

「でも、シャチョーは行くんすよね?」

「まあな。理由は昨日言った通りだ」

 

 危ないからやらない、という選択肢はとうの昔に捨て去った。ダンジョン管理人となったあの時に。

 

「じゃあやっぱ、行きますよ。社長に万が一があったら、俺たち路頭に迷うんですからね」

「……気を付けるよ」

 

 宏明の指摘は、大変胸に刺さった。ぐうの音も出ないとはこのことだ。万が一に備えて、遺言と引き継ぎ書は用意しておかなきゃいけないな。ダンジョンを誰が相続するかでもめそうだが。少なくとも、俺の血縁者は絶対手を上げないだろう。遺産が手に入るとしても。

 ともあれ、今は時間がない。色々と気を付けて事に当たろう。

 

「それじゃあ、装備を一号に乗っけてくれ。俺は参加人数が増えたことを……あ、待った。車足りなくないか?」

 

 一号に二人、二号に六人乗れる。しかしここには十人以上いるのだ。

 

「ダイジョーブっす。俺ら、全員乗れる車で来たんで」

「おおっと、そうか。助かる。ガソリン代は出すから後で請求してくれ」

「うっす」

 

 心配し過ぎだった。東松たちも歩いてここに来たわけじゃない。……その後、人員の増加を担当の兄さんに連絡した。かなり喜んでいたので、やはり人の集まりは悪いらしい。よほどの理由でもなければ、ダンジョンブレイクの現場にボランティアしに行くものはいない。普通は常識を疑われる。

 時間になったので車で移動を開始する。今日の街は、酷く静かだ。聞こえてくるのはセミの声ぐらい。車の動きもまばらだ。

 市役所の駐車場には、意外なことに車両が多く止まっていた。職員駐車場は別にある。これは何のための集まりだ? ボランティア、ではないだろうが。

 

「入川さん、こちらです!」

「あ、どーも。おはようございます」

 

 挨拶しながら、誘導された場所に車を止める。降りて、担当に尋ねる。

 

「なんだか車が多いようですが?」

「……ほとんどが、無関係の市民のものです。状況がどうなのか。知人友人の安否は。うちの市は大丈夫なのか。電話がパンクしているので、直接尋ねに」

 

 迷惑な連中だ、という言葉が喉元まで来たが堪える。誰が聞いているかわからない。

 

「「「迷惑な連中だぜ」」」

 

 と、思ったら流や東松たちが思いっきり口にしやがった。思わず振り返り、お口にチャックのポーズを全力でとる。そろって手で口を塞ぎやがった。全くこいつらは。

 

「えー……で、我々は?」

「あ、はい。いったん中へお願いします。状況の事前説明があるので」

 

 というわけで市役所内へ案内される。お話に合った通り、中は無関係の市民でごった返していた。発言も酷い。いい歳した大人たちが、好き勝手わめいている。内容は、これまたさっきの話の通りだった。

 耳を貸さずに素通りする。語るべきこともない。そして通されたのは会議室。中にいたのはいつぞやの上司の人。そして、緑の戦闘服に様々な装備を身に着けた自衛隊が一人。

 挨拶をして、着席する。……やはり、俺たちの他に参加者はいないようだ。

 

「本日はダンジョンブレイク対処へのボランティア参加、本当にありがとうございます。魔法資格もちが三名もいらっしゃるとのお話で、非常に助かります。では、現場の説明をお願いします」

 

 促され、自衛隊の人が一歩前に出る。挨拶の自己紹介の後に、状況説明が始まる。ダンジョンブレイクが始まったのは先日の夕方。発生源はやはり、未発見のダンジョンだったようだ。

 幸いにもほぼ無人地帯であったため、被害者はそれほど多くないとの事。もし人口密集地であったなら、地獄絵図となっていただろう。

 モンスターの流出を確認したため、すぐにマニュアル通りの対応を開始。避難命令、県庁へ報告、状況対応。国が10年で蓄えた知識によって、それらはスムーズに行われた。

 もっとも、現場はやはり大変だったようだ。遅れる避難。交通渋滞。モンスターとの遭遇。けが人の対処……。自衛隊が到着し、現場の対処を開始したのが0時ごろ。そこから対処が続いているようだが、芳しい状況ではないらしい。

 

「現在確認されているモンスターは、ビッグアント、ケイブチキン、弾丸サンマ、そしてハウルボアです」

「ハウルボア……ッ!」

 

 悲鳴じみた声が自分の喉から洩れる。第四階層モンスター、ハウルボア。ボックスワゴンよりも大きい、巨大な猪だ。無尽蔵に思える体力と、巨体を存分に使った体当たり。柱のような牙を振り回せば、車などたちまち転がされる。

 一般人が遭遇すれば、良くて大怪我悪くて死亡。まず抗えないとされる、ダンジョンブレイクの悪夢だ。

 

「自衛隊でも複数撃破しましたが、まだ目撃情報が続いています。……皆さまには主にビッグアントの対処に参加していただく予定です」

「失礼。私などは単独でハウルボア以上を倒した経験がありますが、いかがしましょうか?」

 

 軽く手を上げて、流石の発言をする一樹さん。自衛隊員は目を見開くが、首を横に振った。

 

「大変ありがたい申し出ですが、現場の混乱を招きかねません。予定通りのボランティアをお願いします」

「承知しました」

 

 あっさり手を下ろす。まあ、さもありなんである。軍人や自衛隊があれ程訓練するのは、命令に従って行動するため。指示に従うかどうかわからない人間が中に入っても、混乱を呼ぶだけだ。

 その後、短く質疑応答をして終了。トイレ休憩の後に、移動を開始するという話になった。

 

「なんか、案外楽になりそうっすね?」

 

 などと、流が幾分緊張をほぐして言ってくる。まあ、ガチガチになっているよりはいいのだが。

 

「どうかなあ……? 物事が予定通りに進むなら、そもそもダンジョンブレイクなど起きないわけだし」

「それ言ったらお終いっすよシャチョー」

「まあ、あれだ。気を抜きすぎずに行こう」

「うっす」

 

 そして移動となった。各々車に乗り込み、先導されて道を進む。あちこちに規制が張られているが、先導車のおかげで通る事が出来た。不用意に危険地帯へ近づく者を遮る為だろう。……いるからなあ。ダンジョンブレイクの現場を動画サイトで生放送するやつ。

 ダンジョンに対する忌避感に反比例して、それらの動画は非常に好評であることが多い。俺が参考にしたモンスター退治方法の動画。いろんな種類なものがあったし、再生数も多かった。

 無関心ではない。それはいいことなのだが……と、悩ましく思う。まあ、それはさておき。移動を続けると、街の雰囲気も変わっていく。まず、人の気配が失われた。道路には車がなく、歩く人の姿もない。

 避難が完了したという証なのだろうが、ともかく不気味だ。ホラー映画の中に入ったかのようなうすら寒さ。人の世が、日常が壊れている様を見せつけられる。

 しばし走り、到着した先は学校。高校らしく、その運動場に駐車した。そこには自衛隊の車両やテントもあり、ここが対応のための前線基地なのだと見てわかる。

 車のエンジンを切って降り立つと、遠方から断続的に何かが弾ける音が響いてくる。

 

「発砲している……そこまでか」

 

 モンスター相手と言えど、自衛隊は銃の発砲に慎重だ。世論、地域の損壊、味方への配慮。いろいろ気にしなくてはいけない事が多い。それでもなお使っているのだから、現状がさぞかしひっ迫しているという事なのだろう。

 駐車スペースから案内されたのは、いくつも並んだテントの中の一つ。テーブルの上には紙の地図が何枚も並べられており、分かりやすく大きいマーカーが並べられていた。

 さらに見れば、中心あたりに赤いバツマークがあった。あそこがおそらくダンジョンブレイクの中心なのだろう。そこから広がる様に、赤いコマがいくつも置かれている。

 

「こういうものって、全部デジタルに変わってるもんだと思ってた」

「それも併用しているようですが、すぐに見て触れられる物というのも大事らしいですよ」

 

 ぼそりとつぶやくと、一樹さんが教えてくれた。こういう場に出た経験による知識だろう。言われて気づいたが、自衛隊員はタブレット端末を使っている。これは俺たちのようなボランティア用であるらしい。

 しばし待たされてから、状況説明を受ける。未だ、ダンジョン周辺にはハウルボアを含めたモンスターが多数確認されているらしい。自衛隊はそれを囲む形で配置されており、俺たちはその補助という形で参加する。

 もちろん、中心地などにはいかない。外縁部で、進出してきたモンスターを叩くのだそうな。

 一通りの説明を受けた俺たちは、車に戻って装備を身に着ける。防具は全員。武器は社員のみ。東松たちは荷物持ちを頼んだ。武器や盾の予備、怪我をしたときの救急箱。そして何より、水である。

 時刻は昼に近づき、太陽光は容赦なく地面に降り注ぐ。身体をほとんど動かしていないのに、汗が噴き出してくる。熱中症対策は必須だ。塩飴も持ってきている。

 ……予想はしていたが、やはり過酷な戦いになるかもしれない。ダンジョン内は常に涼やかで、過ごしやすい環境に保たれている。酷暑の中での経験は、俺たちにはない。例外は一樹さんくらいなものだろう。

 

「よし、それじゃあ行こう。体調が悪くなったら、すぐに申告するように。それじゃあ、ご安全に!」

 

 号令をかけて、高校から出発をする。まあ、先頭に立つのは先導役の自衛隊員なのだが。熱気の中を歩くことしばし、モンスターによる被害が見えてくる。ビッグアントによるものだろう。電柱や壁、道路標識にガードレール。それらに破損が見つかる。路肩に止められた車にも、破壊の爪痕がある。

 

「最悪だ……これ、パーツ換えないと直らないぞ」

「おいくら万円?」

「バーカ。十ウン万……もっと行くかも」

「うげぇ」

 

 本業が車修理の東松がコメントし、友人が悲鳴を上げている。一般人ならゾっとする額だ。ダンジョン始めてた頃の俺だったら絶叫していると思う。今? ケイブチキン、最近買い取り額が少し上がったんだよねえ……人気なんだってさ。

 ともあれ、そんな痕跡があちこちにある。まあ、それでも壊れているのは直せる。そうでないものもある。

 

「おい、あの黒いのって……」

 

 宏明が指さしたのは、道路に小さく広がる赤黒いシミ。炎天下で乾いていはいたが、生々しさが残っていた。

 

「……俺たちも、気を付けるぞ。しかし、やっぱり死角だらけだな。モンスターがどこに潜んでいるか分からん」

「社長、それでしたらご心配なく」

 

 汗を流す姿すら絵になる勝則が、笑みを浮かべて見せてきた。……この状況でも笑えるとは、タフなのか意地なのか。

 

「お忘れかもしれませんが、自分たちは敵の位置を調べる魔法を持っております」

「……ああ! そういやあったな!」

 

 たしか、スペクターの時にそんな話を聞いた気がする。連中の数をチェックしたと聞いていたが、そういう使い方もあるのか。むしろこっちが本来の使用法なのか? まあ、いい。この状況で不意打ちをキャンセルできるなら大歓迎だ。

 

「でも、それって疲れないのか?」

「攻撃のものよりも消耗は少ないのでご安心を。それで……そこの民家、塀の裏に一体いますね」

「ほう」

 

 早速、クォータースタッフを構えて近寄って見る。ゆっくりのぞき込んでみれば、見慣れた大きな黒アリが確かにいた。

 

「ふんっ」

 

 一突き。胴を貫かれ、自慢の顎を使うことなく無力化されるビッグアント。そのまま道まで引きずり出し、念のためと踏みつけて止めを刺す。

 

「かっつん、ばっちりいたぞ。ナイスだなその呪文」

「まあ、同サイズの動物……それこそ犬猫も引っかかるので目視確認は必要なんですけどね」

「それでもありがたい。だよな?」

 

 そうだそうだ、と頷く一同。……が、流は自分の腰回り、ベルト当たりをしきりに撫でまわしている。

 

「どーしたよ?」

「いや、ゴミ袋の替えが……あ」

 

 そこまで言って、はっと顔を上げた。なるほど、いつもの癖でアリを回収しようとしたのか。気恥ずかしいらしく、頬をかいて誤魔化している。つられて俺も少し笑ってしまった。

 

「ほうっておけ。こけ玉もいないから、食われて餌になる事もない」

「そっすね……でも、この炎天下に放置したら別の問題が出そう」

 

 確かに、たちまち傷むかはたまた乾くか。衛生面で若干問題が出るかもしれないが、ダンジョンブレイクに比べたら些細な問題だ。

 

「ああ。しかしそうしますと、ケイブチキンや弾丸サンマを倒してもお金になりませんね」

 

 歩がのんびりとそう言ってのける。彼、汗こそかいているが疲れた様子がない。この短期間でずいぶんと体力をつけたものだ。

 

「もったいないが、こればかりはな。魔法でパっと凍らせられれば、ワンチャンあったかもしれんが」

「そんなに便利なものじゃありませんよー……あ。ケイブチキンが来ますよ、社長」

 

 小百合の警告に空を見やる。確かに、真っ白なニワトリが三羽ほどこちらに向かってきていた。

 

「数が少ない。魔法節約。……銃も結構です」

「いや、しかし」

 

 アサルトライフル(だと思う。銃はよく分からん)を構えていた自衛隊員を止めて、クォータースタッフを掲げる。

 

「あの数なら、武器で十分。東松、盾を上にして備えてろ」

「うっす。お前ら、前に出るなよ」

 

 見えているし、速度もわかる。後はタイミングを合わせるだけ。野球のボールより遅いのだ、当てられないはずもない。

 一樹さんとは比べるべくもないが、俺たちだってそれなりに経験を積んでる。上から飛び掛かるケイブチキンの対応方法もそれなりに編み出した。

 連中を真正面から殴ってはいけない。速度と重さが加わった飛び掛かりを、筋力だけで抗うのは難しい。ではどうするか。横っ面をぶん殴るのだ。

 

「そぉい!」「オラァ!」「ふんっ!」

 

 俺、宏明、歩の三人がクォータースタッフを斜め上へ振り回す。ニワトリ共は空中にいる。踏ん張りは一切利かない。なので横から殴られると、あっさりコースを外されてしまう。

 

「「「ゴゲゲッ!?」」」

 

 悲鳴を上げ、そのまま地面に叩きつけられる。死んではいないが、衝撃ですぐには動けない。止めを刺すには、十分な隙である。大きく振りかぶって、打ち据える。はい、完了。

 

「……凄いですね」

 

 流れを見守ってくれていた自衛隊員がそう声をかけてきた。

 

「先ほど資料を見させていただきましたが、皆さんまだダンジョンに関わるようになって半年たっていないそうですね。だというのに、この対応力は素晴らしい」

「あ、どうも。まあ一人、ベテランハンターがいますが」

「何か、会社で行っているトレーニングなどがあるのですか?」

「いえ……普通に運動して、後はしっかり食べる事ですかねえ」

 

 そうそう、と皆が頷く。御影兄妹は例外として、他は俺を含めて皆一山いくらの一般人である。そんな俺たちに特別が何かがあるとすれば、ダンジョン食材の恩恵しかないだろう。

 

「ご歓談中の所すみません、社長。おかわりが来ました」

「エンカウント早いなあ。散ってるはずじゃないのか」

「騒ぎを聞きつけたのかもしれませんね。何せ、この辺りは静かですから。遠方は別ですが」

 

 今なお響く発砲音。中心での戦闘は継続中という事なのだろう。であれば俺たちがこっちに引き付けることは援護になる、はずだ。きっとたぶん。戦術とか戦略とか単語しか知らぬ。こちとらダンジョン管理が専門じゃい。

 

「安全第一。無理せず、でもやれるだけやるぞ!」

 

 それからしばらく、散発的に戦闘が続いた。寄って来たのはビッグアント、ケイブチキン、時々弾丸サンマ。流石にサンマは殴って倒すのは厳しい。ニワトリよりも重くタフだ。同じやり方では倒せない。

 なので、素直に魔法に頼ることにした。結果、モンスター退治そのものは順調に進んだ……のだが。

 

「シャチョー! 流石にもうキツいっす!」

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