【書籍発売】汝、現代ダンジョンに希望を持つべからず   作:鋼我77

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第86話 絶望を唄う

 空気が、がらりとその質を変えた。重い。物理的な圧迫感のようにも錯覚するが、実際は違う。魔法、マナによる作用だ。まるで海の底のように、全身に重圧がかかる。

 空には幾重にも魔方陣があり、それが照明のように輝いている。……それなのに、この場に限っては薄暗ささえ感じてしまう。

 ある種の確信を持って、歩みを進める。ダンジョンのそれとは違う、磨き上げられた石の床。安全靴で歩くたびに、堅い反響音が響く。音はそれだけ。すぐそこで闘争が行われているのに、全く聞こえてこない。

 代わりと言うには酷いのだが、思考に自分のそれではないものが混ざり始める。刺さるように、弾けるように。問答無用でねじ込まれる。

 

『何でうちの敷地にダンジョンが! これでは暮らしていけない!』

『モンスターを退治しろ!? 冗談じゃない。こんな歳でどうやれって言うんだ!』

『ダンジョンがなければ、こんなことにはならなかった! 家族が、人生が……』

 

 怒り、嘆き、恨み。人種も年齢も国籍も違う、しかしダンジョンへの悪感情という一点で共通している。それはやがて、目に見える形に変化していく。

 猫。烏。蛇。狼。梟。鼠。獣の姿に形を変えたそれが、一カ所へ集まっていく。遠方から見えた建物、その前に。何匹も何匹も。何十、何百、何千。数えきれぬ怨嗟が、一つの形により合わさっていく。

 やがて現れたのは、一人の魔女。大魔導士、純金のマリアンヌ。その顔には一切の感情がなかった。立ち姿に生気がなかった。見えているのに、その場にいない。あるのはただ、沈殿する憎悪のみ。

 

「人を害した。人生を壊した。社会を揺るがした。幾千幾万の不幸を生み出した」

 

 彼女の声で、訳の分からぬものがそう語る。

 

「ダンジョンの主は、死なねばならない。マリアンヌ・ヴァルニカは滅びねばならない」

「知るか、ボケが」

 

 怒りを込めて、足を踏み出す。なるほど、それは確かに罪だろう。どんな意図があったにせよ、罪は罪。裁かれねば納得いかないだろう。この十年で、世界中多くの人々が苦しんだ。今更言わなくても分かること。

 それでも、あえて言う。

 

「なんでマリアンヌさんが死ななきゃならんのだ。ふざけるな」

 

 世界がなんだ。不幸がなんだ。知ったこっちゃない。

 

「そもそも、俺は真実をなんも知らんのだ。善悪正負、さっぱりわからん。分かっているのは、このままほったらかしたら、彼女が死ぬってことだけだ」

 

 ああ、きっとこの怨念は彼女を殺すのだろう。どういう作用によって行われるかは不明だが、結果だけは理解できる。

 俺は大盾を投げ捨てた。こいつらにはきっと役に立たん。代わりに、光り輝く魔法の剣を取り出す。これが唯一の頼みの綱。

 

「恨み辛みはよそでやれ。迷惑だ。失せろクレーマーどもめ」

『ギャァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

 魔女が、絶叫をあげて弾けた。文字通り爆発だ。瞬く間に体積を増やしていく。獣たちの集合体。いびつで不気味で不細工な、黒い巨人が現れる。俺は勢い任せで踏み出した。この剣で切れば倒せるだろう、という曖昧極まる憶測で飛びかかる。

 

『ヴァァァァァァァァァァ!』

 

 巨人が吠えた。否、吐いた。嘔吐のように、固形の悪意をぶちまけてくる。華麗に避けられればよかったのだが、残念。左足に浴びた。途端に、吐き気を覚える。

 

『死ね』『憎い』『不幸だ』『何で私だけ』『恨めしい』

 

 全身の熱を奪うような不快感。心の底から、生きる気力を奪っていく。飲まれたら負ける。同情しても負ける。理性などいらぬ。怒りで燃やし尽くす。

 

「うるせぇぇぇぇぇ!」

 

 絶叫する。目の前が赤くなる。光り輝く片手半剣(バスタードソード)で、巨人の右足をなぎ払う。いつも通りの、頼れる手応え。その部分がごっそりと、消しゴムで消したように消滅する。

 しかし相手は魔法の存在。片足一本失ったというのに、バランスを崩すことすらしない。すぐさま上から滝のように黒いものが流れ落ちてきた。それがまた、足を作って元通り。全くもってデタラメだ。

 

『ガガガウッ!』

 

 その足から、狼の首が次々と現れ噛みついてこようとする。これまた剣の力でなぎ払えば、霞のように消えてなくなった。猫、蛇、鼠なども同じ。刃筋など気にせず振り回す。それだけで蹴散らせた。

 対処しながら、冷や汗が流れる。今は、まだいい。倒せる。それだけの数しか出してこない。対処できないくらいの数で押されたら、やられる。今のうちに、対処法を考えなくては。やっぱ理性は必要だよ畜生。

 

『ギギギギギギギ!』

 

 一体どれだけ切り捨てただろうか。唐突に全身を軋ませて、巨人が奇妙な騒音を立てる。すると、その全身から烏の頭が飛び出した。嫌な予感がして、とっさに剣を大盾に変化させた。

 

『バアアアアアアアアアア!』

 

 予感的中。烏がロケットのように発射された。そのほとんどがあらぬ方向へと飛んで行く。俺の方にはほんの五、六匹程度突っ込んできただけ。それも大盾の力で防ぐことができた。……所詮はよくわからん呪いの集合体。知恵のようなものは感じられない。

 技術、経験、判断力。そういったものを兼ね備えていた分、アントニー・アダムソンの方が厄介だった。もちろん、脅威という点ではこちらの方が上である。

 再び剣を構える。このまま削っていけば、勝てる。光明が見えたのだから、後は実行するだけ。そう思ったのだが。

 

『ガァ!』『ガァガァ!』『ゲガッ!』『ガァガァ!』『ガァ!』『ゲガッ!』『ガァガァ!』『ガガッ!』『ガァ!』『ゲガッ!』『ガァ!』『ガァ!』『ゲガッ!』『ガァ!』

 

 烏が、戻ってきた。そりゃそうだ。何のために鳥の姿にしたんだって話になる。まずい、避けられないし防御もできない。

 

「ああぁぁぁぁぁ!?」

 

 次々と着弾する呪い烏。一つ一つに、人の不幸が詰め込まれている。友人から見捨てられた。家族と縁を切られた。恋人を失った。親子供と会えなくなった。モンスターに手足を食いちぎられた。体が動かなくなった。たった一人きりで、床の上から動けない。

 世界中でありふれている、不幸の形の一つ。ああ、それは。

 

「……半分くらい、俺も経験あるじゃねえか馬鹿ぁぁぁぁぁ!」

 

 魔法剣を、自分にぶっ刺す。体から活力を奪っていた呪いが消え去り、思考がもどる。同時にプラーナも喪ったが、それがどうした。生半可な力で、この巨人は倒せない。頼れる手立ては、この剣一つだけ……。

 

「あ」

 

 思いついた。完璧だ。最高だ。これなら絶対行ける。俺でもできる。今日一番で冴えている。思い出した。そう、それだよ。

 突き刺していた剣を引っこ抜き、逆手に構えて歩き出す。正直な所、体の方はもう限界だ。ここまで色々ありすぎた。休憩やら何やら取ってきたが、それでどうにかなるレベルじゃない。それに加えてこの呪いだ。いろんなものをごっそり持って行かれた。

 そこにきて、ついにプラーナまで失った。これではもう無理も利かない。となれば手立ては一つだけだ。熱が失われ、重くだるい体をなんとかして一歩踏み出させる。なあに、急ぐ必要などない。大事なのはアクションだ。

 

「ヴァァァァ……」

 

 案の定、巨人が拳を振り上げる。とどめを刺す気だ。コイツにわずかでも知能があれば、俺は負けていただろう。

 滝のようなそれが、頭上に迫る。俺は再度、剣を己に突き立てた。今度は心臓に、深々と。

 

「たった一つの冴えたやり方、ってやつだよなこれ」

 

 視界が塞がる。真っ黒な大質量になすすべなく押しつぶされる。冷たい。苦しい。痛い。どうにもならない。思考が飛ぶ。数えきれぬほどの怨嗟など、どうして凡人の俺が受け止めきれるだろう。体から、心から、魂から生きる気力が失われる。罪悪感が全身を支配する。ごめんなさい。許してください。俺が悪かった。

 死んで詫びる。そうさせてくれ。こんなに責められては、生きていられない。誰か、誰か俺を殺してくれ。裁きを与えてくれ。どれだけそれを望んでも、俺の心臓は脈打ち続ける。血は全身に行き渡り、熱を巡らせる。

 だからこそ苦しい。辛い。楽になれない。裁いてくれ殺してくれ。この苦しみから解放してくれ。正気を失うことができれば、まだマシだっただろう。それすらも、心臓が許してくれない。この馬鹿野郎、と叱咤し続ける。

 どれほどそんな拷問を受け続けただろう。何故それに気づけたのだろう。ともかく、憎悪の中に妙な混じり物があると感じ取った。これは何だ? 徹底的に叩きのめされた今だからこそ、気になって仕方がない。

 

『罰を受けろ。罰を受けろ。罰を受けろ。罰を受けろ。罰を受けろ……』

 

 地の底からにじみ出るような、ドロついた思念。多くの悪感情に、うっすらとこれがへばりついている。ああ、なるほど。これだけ浴び続ければ、薄いものでも量がたまる。この粘っこい何かが、怨念に方向性を与えているのだ。

 さて、では。これは一体どこから伝わってくる? ……ああ、分かるぞ。感じ取れる。割と近い。すぐそこだ。手を伸ばせば、もう少し歩けば届く。

 未だに、怨嗟の声は俺の脳と心にあふれるほど注がれている。死にたい気持ちも、ちっとも減ってない。だけど、なんというか。そう、ちょっと飽きてきた。裁かれたくても、そうならない。死にたくても、できない。ずっと恨み辛みを聞かされ続けても、終わらない。

 どれだけ刺激的でも、慣れてしまうのが人間という生き物。もちろんそれは壊れないことが前提で、俺の場合は心臓がそれを許してくれない。

 だから、うん。苦しんだ人たちにはお悔やみ申し上げる、としかいえないわけで。それ以上何もできないのだから、次をするしかないわけで。

 手を動かす。足を伸ばす。それは無様で、這いずるようで。格好いい、の対極のような有様だけど。少しずつ、確実に前に進んで。

 やっとそれが見えた。

 

『罰を受けろ。罰を受けろ。罰を受けろ……』

 

 不気味だった。小さく、人の頭のようで、髪の毛がある。目と鼻と口が、虚ろな穴として開いてる。そんなものが、延々と罰を望んでいる。

 心臓が、一度大きく高鳴った。はて、この気持ちはなんと言ったか。怨念に押しつぶされて、本当に頭が上手く働かない。でも知っている。ついさっきまでは確実にあったもの。このしわしわの小さいのを見ていると思い出せる気がする。

 

『罰を受けろ。罰を受けろ。罰を受けろ……』

 

 なんだったけ。もう少しなんだ。少し静かにしてもらえないだろうか。

 

『罰を受けろ。罰を受けろ。罰を受けろ……』

 

 ……思い出した。ああ、そうだった。うるさいほど、心臓が唸っている。血が、怨念で汚染された脳に到達する。頭に血が上る。

 

「やかましいんじゃ、ボケがっ!」

 

 剣を引き抜く。そのまま、全身全霊の怒りを込めてソレを真っ二つに切り裂いた。黒い世界から、解放される。あれほど心身を苛んでいた怨念が、瞬く間に消え去っていく。

 気がつけば、元の場所にいた。巨人の姿はどこにもなく、目の前の床には細かな塵がいくつか落ちているだけだった。

 

「……俺は彼女が好きなんだ」

 

 助かった、死ぬかと思った。そんな言葉よりも先に、これが口から漏れていた。ああ、そうだとも。どれだけ罵られようと呪われようと、こればっかりは譲れない。曲げてやらない。これが終わるのは、フラれた時だ。

 一息ついて、思い出す。あれは、干し首だ。子供の頃、何かの特番で見た気がする。死んだ人間の、首から上の皮。頭蓋骨引っこ抜いて作る呪いの品だったか。

 アレが、悪さをしていたのだろう。細かいことは分からない。今はどうでもいい。正直、疲れた。限界だ。目をつぶって倒れたい。だけどまだ、やるべき事が終わっていない。

 疲労困憊の体に鞭を打つつもりで、どうにか立ち上がる。そして前へと進む。何でそんなことをするのだろう、と頭に疑問が浮かぶ。だけどこれが正しいと、俺の中で声がするのだ。

 建物の目の前に立つ。壁だ。真っ平らで、建材の切れ目すら見えない。石だと思うのだが、実際は何でできているのだろう。導かれるままに、それに手を触れた。

 地響きを立てて、壁が動き出した。何もなかったはずの壁に、扉が現れ開いていく。中は、広々とした空間が広がっていた。一般的な体育館よりもなお広く、天井も高い。魔法の照明によって内部は明るく、清潔な印象を与えてくる。実際汚れも埃も全く見当たらない。

 天井、壁、床には空に浮かんでいた魔方陣のような文字とラインが所狭しと書かれている。部屋の中央にはこれまた大きなプールがあった。学校などにあるソレとほぼ同等の大きさ。水は清浄であり、これまた魔法の輝きで満ちている。

 その水位が下がっていく。プールの中央には台座があり、探し求めた人物が生まれたままの姿で横たわっていた。わお、セクシー……等と言いたいところだが、そんな元気はない。スケベ心さんは、疲労によってぐっすりお休み中だ。

 何かないかと周囲を見てみれば、おあつらえ向きなバスローブじみた黒い上着があった。っていうか多分、元々そのために用意してあったんだろうな。

 それを掴んで、プールに入っていく。水は割と早く引けたので、足下がぬれるということもない。ただ、滑って転ばないよう気をつけなきゃいけなかったが。

 

「ん……う……?」

 

 俺が近づいたおかげか、彼女はうっすらと目を開けてこちらを見てきた。とりあえず、上着を掛けて差し上げる。

 

「大丈夫ですか?」

「Japanese……ア、あ。お客、さん?」

 

 ……胸に安心が広がっていく。彼女だ。使い魔に入った誰かではない。安心して、気が緩みそうになる。うっかり気絶しないよう、踏ん張らなくては。それぐらい、今の俺は疲れている。

 

「はい、お世話になっています。ミナカタの入川です」

 

 最初は虚ろな表情だったが、言葉を交わすたびにはっきりとしていく。

 

「どうして、ここに?」

「殺されそうになっていると聞いて、助けに来ました」

「殺され……ああ。え? ええ!?」

 

 勢いよく起き上がるマリアンヌさん。わお、せっかく上着を掛けたのに、ご立派なお胸と再度こんにちはだ。ふらふらな意識を目覚めさせる、とんでもない刺激剤だこと。すぐに隠してくれたのは幸いだ。言葉が出なくなるから。

 

「あ、あれをどうにかできたのですか? どうやって!?」

「それは……」

 

 説明しようとしたその時、外から大きな地鳴りが響いた。足下が揺れた。地震? にしてはなんとも言いがたい不安、胸騒ぎがする。

 

「いけない、なんてこと!」

 

 慌ててマリアンヌさんが立ち上がろうとするが、ふらりとバランスを崩した。調子が良くないらしい。であれば俺の出番だろう。

 

「失礼。急ぐならお手伝いしますよ」

「……お願い、します」

 

 わずかに葛藤があったようだが、真剣な表情でそう返してきた。そうとなれば、全力を尽くそう。疲労困憊とか、どうでもいい。たとえ体力がゼロを通り越してマイナスであってもやり遂げる。男の意地というのは、こういうときに使うのだ。

 彼女を抱き上げて、建物から出る。体が軋むし、めまいもする。だけど同時に無限に活力が湧いてくる。だって、好きな人をお姫様抱っこしているんだぜ? 男児の本懐ってやつじゃねえのこれ?

 真面目くさった顔でそんなことを考えつつ、外に出る。見えた光景に、うわっついた気持ちが吹き飛んだ。

 

「……マジか」

 

 少しばかり離れた場所に、それはあった。俺たちが地王カンパニーと殴り合いを始めたときには、絶対になかったもの。見上げるほど大きな、一つの奇妙なオブジェ。

 それは、()()()()()()()()だった。尖った方が下になり、地面に深々と刺さっている。この十年、散々噂になった話。地球上の多くの人が見た、奇妙な夢。怪物を生み出す塔。ソレが目の前にあったのだ。

 

「本命はこれだったのね……」

「マリアンヌさん?」

「急いで、館に逃げてください。走って!」

 

 今まで聞いたこともないほどの、真剣な声色。何故を聞く暇もなさそうだ。どたどたと、鈍足ながら精一杯走り出す。

 

「ま、まって。私は、置いていって!」

「ちょっと、それは、できかね、ますね!」

「私が、足止めしないと! お客さん!?」

 

 鎧を平手で叩かれるが、こればっかりは聞けない。助けるためにここまで来たのに、何が悲しくて危険地帯に置いていかなきゃならんのだ。そしてもう一つ。足止めたら倒れそうだから。本当にね、限界なのよ俺。

 騒々しい足音を立てながら、どうにか階段までたどり着く。皆が呆然と、円錐塔を眺めていた。

 

「社長!」

「かっつん、逃げるぞ、危ないぞ」

「分かりました。全員撤退、てったい……」

 

 風が吹いた。否、これはマナだ。とんでもなく濃密なマナが、塔から一気に解放された。感知できるレベルでしかない俺は、それに圧倒されるだけ。しかし、魔法使いたちは違った。

 

「あ、ああ……」

「かっつん、しっかりしろ!」

 

 顔から血の気が失せていた。一体どれほどのショックを受けたのだろう。マリアンヌさんもそうだし、マナを使える面々は皆同じ状態だ。これはまずい。

 

「全員、魔法使いをフォローしろ! とにかく館まで逃げる……」

「入川。残念だがゲームオーバーだ」

 

 周囲が慌てふためく中、半戸代表の諦念に染まった声が聞こえた。そちらを見る暇はなかった。円錐塔の頭上に、大型の魔方陣が展開する。俺たちの上にあるものとは、全く系統が異なると見ただけで分かる。こちらは文字だが、あちらはまるで……猛った獣の爪痕のよう。

 血のように赤い色のそれが、放散されたマナを吸収していく。

 

「ああ、だめ、間に合わない……」

 

 マリアンヌさんが絶望に呻く。なんとかしてあげたいが、体が動かない。誰も止められない。魔方陣は紅に輝き、再びマナの爆発を起こした。そして。

 

「Gaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」

 

 円錐塔の根元に、巨大な獣が現れた。空と大地、両方を揺るがす咆哮。体に、そして魂に衝撃が叩きつけられる。全身に緑の鱗。鮫よりも巨大な顎。四肢は一本一本が大木のよう。尾はせわしなく周囲をなぎ払っている。

 ドラゴンだ。翼はないが、そうとしかいえない。フィクションの中の存在。モンスターの王が、そこにいた。

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