アナハイム社ホビー部門   作:雁木まりお

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新技術!バイオマスプラスチック!

プラスチック…それは軽くて丈夫、加工が容易な人々の生活に欠かせない利便性の高い素材である。近年売り上げを伸ばしているアナハイム本社の商品『ガンプラ』の素材でもあり、人類は宇宙に進出してからもプラスチックの恩恵を受け続けている。しかし、そんな夢の素材にも思えるプラスチックにも重大な欠点がある。それは自然に分解されにくく、気候変動や海洋汚染など環境への負担が大きいこと。そして…

 

「またガンプラが値上げですか!?」

 

プラスチックの原料である石油は有限な資源であり、宇宙では作れないため更に価格が高騰することである。

 

 

 

「プラスチックが足らんのです。どうにか手に入りませんか?」

 

アナハイム本社にて、ホビー部門の社員と工場長が深刻な顔でプラスチック不足を嘆いていた。ここ数年でガンプラ市場は大幅に拡大し、未だにその勢いは衰えを見せない。最初のうちはまだ地球圏でしか手に入らないおもちゃだったため問題なかったが、その市場は今や宇宙に浮かぶ各コロニーにまで広がっている。その結果コロニーではガンプラの値段が高騰し、転売ヤーがガンプラを買い占める異常事態に発展していた。

 

「ただでさえプラスチックが高騰しているんです…宇宙でのガンプラ販売はしばらく縮小せざるを得ないかもしれません…」

「ガンプラがないと経営に影響するぞ!」

 

ガンプラのおかげでアナハイムは『死の商人』のイメージを払拭しつつあり、民間人からの好感度も改善できているのだ。工場長の言う通り現在のアナハイムからガンプラが無くなれば昔のようにまた『死の商人』に逆戻り…それどころかガンプラを奪った悪魔として過去最悪のバッシングを受けかねない。

 

「しかし我々にも出来ないことは出来ないのです。石油が地球でしか採れない以上どうすることもできません」

 

社員と工場長がこの話をするのは今回が初めてではない。以前からプラスチック不足によるガンプラ危機については話し合っていた。だが解決策がない以上これ以上の進展もせず、事態は行き詰っていた。

 

「どうやら御困りのようですね」

「あ…あなたは…!?」

 

しかしここに思いも寄らず意外な助け舟が現れた。現れたのは長身で瘦せぎすの男、社員証からしてアナハイムの社員のようだが…

 

「おっと失礼…私は技術開発部である研究をさせてもらっているものです。私の研究があなた達のお役に立てるのではないかと思いましてね」

「ある研究…?それがプラスチック不足を解決できるんですか?」

「ええ、まさに宇宙でガンプラを作るためにあるような技術…バイオマスプラスチックです」

 

バイオマスプラスチック…それは植物などの再生可能な生物資源を原料としたプラスチックで、化石資源を必要としないため環境負荷が低いとされている。

 

「私はバイオマスプラスチックの耐久性、生産性を上げるための研究をしていましてね…予算があれば大規模な生産コロニーを作ってプラスチック不足を解決できるのではないかと」

「まだ実用段階ではないんですか?」

「技術的な問題はクリアしているんですよ。あとは予算…私が言いたいのはガンプラのためなら上層部も金を出すだろうということです」

 

なるほど…確かに今のアナハイムはガンプラ販売に力を入れている。儲けが出るかわからない研究には出し惜しみするだろうが、ガンプラのためなら湯水のようにじゃぶじゃぶ予算をつぎ込んでくれるだろう。

 

「確かにうまくいけば問題は全て解決できるかもしれません…!」

「…わかりました。私のほうからも上層部に掛け合ってみます」

「くくく…話が早くて助かります…。後個人的なお願いなんですけど…デルタガンダムのガンプラを融通してくれませんか?この前買えなかったんですよ」

「…商品サンプルがまだあったはずですのでお持ちします」

「くくく…ありがとうございます…」

 

 

 

数か月後、アナハイムは廃棄されたコロニーを改修しバイオマスプラスチックの研究施設、および生産コロニーを建造した。そこで生み出されたプラスチックのおかげで再びコロニーにガンプラが出回るようになったのであった。




続く
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