不死身の牛による幾星霜のアカデミア   作:特撮好きな博麗

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OP「ピースサイン」(ヒロアカ)
ED「Dangerously」(ジャマトアウェイキング)


今回は実質もう一人のオリ主とも言えるギーツ少年の(怒りの)暴走回です。
更に驚きの真実までもが明らかに……!?


はてさて、どうなる仮面ライダー/ヒーロー達!


デザイアグランプリの存在と隠されていた真実

 

 

 林間合宿最終日の翌日、二つの陣営がA組の生徒数人と仮面ライダー達を交え、デザイア神殿で会議を行なっていた。仮面ライダー達が変身を解き、その中に雄英高校の普通科の生徒達が混ざっていることで騒ぎになったが、話し合いの場を持ちかけたかったアースの提案によってその場は一度収束し、根津校長とオールマイトも交えた話し合いの場としてデザイア神殿に招いたのだった。

 アース達は、自分達が未来の存在であり肉体を捨てた存在であること、DGPはジャマト達を倒し世界を守るゲームであること、DGPが未来人の娯楽扱いにもされておりエンターテイメントとして扱われていること(この時、運営に関わる殆どは世界を守ることを重視している者達ばかりだとアース達は力説していた)等を話す。

 そして、今回のDGPで仮面ライダーバッファこと常世道長がGMの独断によって攫われたことも説明した。

 

「だが、何故此奴らなんだ!!此奴らはまだ未成年だぞ!!」

 

 雄英高校の生徒ということもあり、相澤は苛立ちを隠さずにアース達に詰め寄る。しかし、それは件の生徒である二人が止めた。

 

「叶えたい願いがあったからなんです、相澤先生。」

 

「それに、このデザグラは『無個性』だけしか参加出来ない様になってるんです☆出来るだけ平等に扱う為に、先天的な『無個性』であるプレイヤーだけが参加を許されています☆」

 

「………アンタが生徒想いなのは良いことだ。けどな、此奴らも此奴らで『無個性』であるだけで差別されてきた。それを癒す形でもあったのが、『無個性』だけが参加出来るDGPだった……………差別されてきた『無個性』の気持ちを知らない部外者は口出ししないでくれ。」

 

「待ち給え少年!君はいったい……」

 

 雄英高校の二人とは違い、道長と似たギーツに対してオールマイトが問う。

 

「………………今の俺は、『無個性』と判断されたことで捨てられた孤児だ。」

 

『え/は』

 

 これには運営側以外が驚愕した。着いてきた爆豪と轟が、自分達と同じく驚いて目を見開かせる出久と優雅に訝しむ。

 

「おいクソナードォ!!テメェは知らなかったのかよ!!」

 

「う、うん…………道長くんのなら、両親が他界したからミコトさんと暮らしてるって話は聞いてたけど……ギーツくんのは知らなかったや……」

 

「一応言っておくけど、道長の方もご両親の実家側が『無個性』であることを嫌ったことで意図的に消されたらしいよ。」

 

「ミコト、後で詳しく教えろ。」

 

「御礼参りしそうだから駄目だ。ほら、深呼吸深呼吸。」

 

 ブワッとまたもや殺気立つギーツを、優しく落ち着かせるミコト。ただならぬ殺気にオールマイトすらも冷や汗を掻きつつ、後で調べなければと思うのだった。

 

「というかクソナードォ…………何で『無個性』のテメェがンなのに参加してやがる!!!さっさと辞めやがれ!!」

 

「さっきもいったよ!?叶えたい願いがあったからって!!」

 

「だったらIDコア(ソレ)を壊してでも……!!」

 

「「「「やめて/やめなさい(☆)!!!」」」」

 

 出久のIDコアを爆発させようと手を伸ばした爆豪に、プレイヤー達が慌てて押さえる。

 

「離しやがれモブ共!!!」

 

「貴方は今の出久様を消す気ですか?」

 

「あ゙あ!?」

 

 沈黙を保っていたヒノリが、爆豪に向けて冷たい視線を投げる。

 

「どういうことだい?」

 

「IDコアを直接壊された場合、その持ち主であるプレイヤーは脱落と見做され、DGPに関する記憶を消されて日常へと戻ります。しかし、周囲からしたら突然人が変わった様なもの。ただでさえ『無個性』であることで幅身の狭い思いをしている彼らに、これ以上の差別を受けさせるつもりですか?」

 

「退場よりマシとはいえ、ね……」

 

「退場の場合、跡形も無く消滅します。脱落者とは異なり、デザイアグランプリの決着による世界改変では生き返ることはありません。つまり、確定されてしまった死なのです。」

 

『…………』

 

 DGPの運営、そしてプレイヤー達以外は最早言葉が出なかった。その時、ふとギーツが呟く。

 

「………………エンタメ感覚なところが、DGPとヒーロー両方に似ているな。人が死ぬかもしれない現場だというのに、ヒーローの活躍を観る為に集う野次馬と、退場者も出る事があるDGPを娯楽として楽しむオーディエンス達…………『個性』という力を持って生まれてくる世の中となったことで、かつての人間性がおかしくなっている気がするのは、俺と道長だけか?いや、アース達はマシな方だから俺達寄りか……」

 

「それ、は……」

 

 確かに、今やヒーローというのは職業の一つとなり、エンターテインメントでもある。危険が及ぶかもしれないのに、ヒーロー見たさで野次馬がいつも集まっているのだ。命の危険が常に伴うのに、エンターテインメントを求めている部分がDGPと似ていると言われ、ヒーロー達はたじろいだ……その時だった。

 プレイヤー達が持っているスパイダーフォンが一斉に鳴り出し、プレイヤー達は手に取って確認する。

 

「…………!!!アース、ヒノリ、ミコト!!アビス……GMからだ!!!」

 

『!』

 

 GMからの通達と動画が来たと報告され、ヒノリはギーツのスパイダーフォンを借りて上空に映し出した。

 映し出された文字にはこう書かれていた。

 

 

 

 

明日、神野の地にてヴィランと特殊ジャマトと共に待つ

 

 

 

「ヴィランと、」

 

「特殊ジャマト……だと?」

 

 嫌な単語だと各々と共に顔を顰めたが、それをスルーしヒノリが次に映像を映し出した。

 映像には、倒れ伏す道長の姿が映っていた。

 

「「「「道長(くん)!!」」」」

 

《やあ、プレイヤー諸君。そして、今頃いるであろうアース、ヒーローの諸君。デザイアグランプリのゲームマスター・アビスだ。》

 

 どうやら、アビスがカメラを回しているらしい。直ぐ側で聞こえてくる。

 

「録画の様ですね……」

 

「…………!待て、映像を停めろ!!」

 

 その時、ギーツが何かに気付いて声を荒げる。しかし、これは謂わば犯人の証拠映像のものである為、ヒーロー達は映像を停めさせようとするギーツを押さえた。

 

「ギーツくん!?」

 

「……もしかして、何かに気付いた☆?」

 

「アビスの奴、やはり約束を守る気なんて無かったのか……!!頼む道長、“壊れるな”!!!」

 

 優雅の問いが聞こえていないのか、ぶつぶつと何かを呟き、そして“壊れるな”と叫ぶ。ギーツが何に気付いたのかと困惑しているその時、映像の中で道長が身動いだ。

 

《ぅ…………ここ、は……》

 

《やあ、常世道長。良いタイミングで目覚めたね。》

 

《!!アビス!!それにっ…………アンタ誰だ?ミコトにそっくりだが……》

 

 道長の言葉から推測するに、どうやらカメラの後ろにはもう一人いたようだ。そして、ミコトにそっくりという言葉を聞き、運営達は驚愕した顔付きになる。

 

「まさか…………彼奴か!!」

 

「胃が…………っ」

 

「……………【ライフ】、ですね。」

 

「誰だ、其奴は。」

 

 轟が問いかけると、ミコトが苦虫を噛み潰したような顔のまま、重い口を開いた。

 

「…………ライフは、人間の肉体を捨てる前は俺と双子の兄弟だった奴だ。彼奴は基本的に、俺が取っているアバターとほぼ同じアバターでいることを好むが……彼奴は、兎に角『他人の不幸は蜜の味』を地で行くような奴だ。だからこそ運営側として警戒していたんだけど……」

 

「まさかアビスと手を組んでいたとは……」

 

 胃痛を起こしているアースが持参していた胃薬を飲みつつ、溜め息を吐く。しかし、次の瞬間ライフの声が衝撃的な言葉を口にした。

 

《やっほー、僕はライフ!君達“双子”の推しさ!》

 

《…………………………………………は?》

 

 

『え』

 

 双子、というワードに、アースとギーツを除いたその場が凍り付く。運営とプレイヤー達は、双子というワードから思わずギーツの方を凝視する。

 当のギーツは、唇を噛みながら映像を睨んでいる。まるで、それ以上は黙っていろといいたげな様子だった。

 

《ライフ、まだ彼にはギーツの願いが適応されているから分かっていないんだ。》

 

《あー、そういやそうだっけ。確か……》

 

「言うなっ!!!頼むからっ、彼奴には聞かせるな!!!」

 

「ちょ、落ち着き給えギーツ少年!!!」

 

「ごめん、ギーツくん!サリアさん手伝って!!」

 

「ん!」

 

 完全にブチギレているギーツが兎に角藻掻く為、出久とサリアは仮面ライダーに変身して二人がかりで彼を押さえることにした。

 そして、ライフが“ギーツが願った”願いを思い出し、意気揚々と語る。

 

《あ、そうそう!“自分の転生先が最悪な場所である代わりに、自分が兄であることを道長が忘れて普通の人間として生きる世界”だ!》

 

《な…………(ズキンッ)ゔ、ぁ……っ》

 

 道長が絶句した直後、突如頭を抱えて蹲った。

 

《やはり、彼が願ったことを君に話せば適応されなくなるようだ。》

 

《っ…………そ、ぅだ…………ギーツ、は……あの、人は……》

 

《道長。後ろを見たまえ。》

 

 突然の頭痛に襲われつつも、道長は背後の方に視線をやる。それと同時に、カメラが動いて道長の背後にある女神像が映し出される。

 

「《ひゅっ……》」

 

「!彼女、は……」

 

 奇しくも、映像の道長とタイクーンとロポに押さえられているギーツが同時に息を呑んだ。アースも驚きで目を見開き、呆然とする。

 何も知らないヒーロー達やプレイヤー達、そしてアースを除く運営には、美しくも何処か神秘的な女神像が映っている。しかし、彼らは違った。

 

《…………かぁ、さん…………………?》

 

「ミソラ……」

 

「「ミソラ!?」」

 

 道長は母と、アースは彼女の名を呼ぶ。ミソラという名には聞き覚えがあったのか、ヒノリとミコトはアースの方を見やる。

 そこでふと、観察眼に長けているタイクーンと優雅の目に、女神像が掛けているペンダントがいつも道長が付けている物とそっくりであることが分かる。

 

「あのペンダント……道長くんが付けてるのと同じだ……」

 

「って、ことは……☆」

 

《なん、で…………何で母さんがこんな姿になっているんだ、アビスッ!!!》

 

 優雅の言葉は、道長の怒号によって遮られた。当たり前だ、母親を女神像にされているなど知ったら怒りが勝に決まっている。

 だが、先程の話では彼の両親は既に他界している筈だとヒーロー達は困惑する。最早全てを知ってしまったと嘆く様に俯くギーツが、ぽつりと語り出した。

 

「……………………俺達は、最初のデザイアグランプリで“記憶を所持したまま”輪廻転生を繰り返すことを願った。あの人は、俺達が双子として最初に生を受けた時の実の母……ミソラ。未来人であり、アビスに【創世の女神】にされた人だ……」

 

「【創世の……」

 

「女神】……」

 

 誰もがギーツから語られる衝撃的な言葉の数々に言葉が出ずにいる中、ロポと巫剣は彼が零した単語を復唱する。そして、その単語はアビスも使用していた。

 

《彼女は私の力によって、【創世の女神】となったのさ。つまり、君達プレイヤーは君達双子の母親の力によって願いを叶え続けていたという訳だ!》

 

《そ、んな……》

 

《その反応すらも、双子共々同じとは…………これが双子のシンクロというやつかな?》

 

《そうそう〜。》

 

 アビスとライフの声が煩わしい。この場にいる殆どの者達はそう思った。未成年が真実を突き付けられて絶望している様子が映し出されているのに、それを撮っている者達の声が異常だと誰もが思うだろう。更に、ギーツも既に同じことを体験させられていたということにも、教師である相澤達は怒りを抱いた。

 すると、道長がよろよろと立ち上がろうとする。

 

《お、前……っ》

 

 キッとアビス(映像からしたらカメラ)を睨む道長だが、ふと彼の手が背後の女神像に触れた。その瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴホッ、コフッ……

 

 

 

《――――――ぇ、》

 

「――――――は、」

 

 道長も、ギーツも、この映像を観ている者達も何が起こったのか分からなかった。ただ、女神像を守るように後ろにやった手が女神像に触れ、その瞬間に道長が吐血したのだ。しかも、その途端に女神像は淡い光に包まれて消えてしまった。

 

《な、にが…………アビス、何をし……っ!?》

 

 咳き込み、崩れ落ちる道長。口に当てた片手の隙間から血が零れ落ち、ぽたぽたと床を赤く染めていく。

 

《【私】は何もしていないさ。だが、君は覚醒しつつあるのだよ。》

 

「覚醒だと……?」

 

「…………【創世の力】……」

 

「ギーツくん?」

 

 覚醒という言葉に、ギーツは苦痛に歪む様な表情で【創世の力】と呟いた。

 

《君は母親の血を色濃く受け継いでいる。DGPに参加し続けたことで、【創世の力】が覚醒しつつあったのさ。君の兄であるギーツ……いや、永守(えいす)は君を言い様に利用とさせまいと、君が“普通の人間”として生きる世界を望んだ。だが、私達が思い出させたことでその願いは適応されなくなり、君は“普通の人間”では居られなくなった。》

 

《つーまーり…………君は、》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

創世の神になりつつあるんだよ♪

 

 

 

 

《お母さんと同じく神様になれるんだってさ!》

 

「巫山戯るなっ!!!母さんを神にしたのはアビスの奴だ、道長まで巻き込むな!!!」

 

 一々癇に障るライフの発言にキレつつあるギーツ……いや、永守は怒鳴る。

 

「落ち着いてギーツくん!!後、君の名前出たけど……」

 

「俺の名前はいい!というか、全て思い出してしまったのならもう気にしてられるか!!」

 

「じゃあ永守くんって呼ばせてもらうよ☆……って、そんなこと言ってる場合じゃないね。」

 

 いつものおちゃらけた雰囲気を封印した優雅が、真剣な顔付きになって映像の中の道長を見る。【創世の神】になりつつあると暴露され、最早呆然とする他なかった道長は、途端に自らの身体を抱き締めながら蹲る。

 

《ッ゙…………!》

 

《始まったようだ…………明日頃にはどうなっているのだろうね》

 

《神になった推し、楽しみだなぁ!》

 

「彼奴等、絶対、ぶっ飛ばす」

 

「怒りで語彙力が低下したか……」

 

「己の人生を掛けてまで守ろうとしたのに、台無しにされたのなら……尚更だね。」

 

「兎に角、一度深呼吸して。」

 

 怒りで語彙力が低下する永守をタイクーン達が宥めていると、カメラをライフに持たせたのかアビスが映像の中に現れる。

 

《では、諸君。明日の神野で彼と共に待つ。最も、その頃には【創世の神】になっているだろうね。さて、君達が間に合うのが先か出遅れか…………明日が待ち遠しいな。》

 

 くすり、と嗤うアビスのその言葉を最後に、映像は終わった。その場に重い沈黙が落ちる、

 その中で、思わぬ形で本来の名を明かされた永守がオールマイトに言う。

 

「…………おい、アンタ。明日は俺達も連れて行け。」

 

「なっ!いけない、君達は此処に残って」

 

「これはDGPでもあるし、奴は特殊ジャマトを連れている。それに、俺が文字通りこれまでの人生全てを掛けて守ろうとした道長()に手を出した………………子供だろうと、関係ねぇ。母さんが【創世の女神】となって“最初”のDGPで願った輪廻転生で、数え切れない程に死を体験している。寿命は勿論、ある時は毒で、ある時は戦場で、ある時は裏切りで、ある時は事故で、ある時は戦争に巻き込まれて、ある時は病で…………幾星霜の中でも、俺は“愛する身内”の為なら全てを掛ける。止めるな、平和の象徴たる者(オールマイト)。」

 

 既にタイクーン達の拘束から解かれた彼は、先程の荒れようからは考えられない年長者の様な雰囲気を露わにしながらオールマイトに向けて言い放つ。

 直に当てられたオールマイトは、自身の師よりも幾星霜の時を歩んできた貫禄だと勘付き、止めることが出来ないと理解してしまった。

 

「(母さん…………ごめん。守りたいのに、守れなかった……でも、必ず道長を【創世の神】にさせたりしない…………貴女の願いは、俺が叶えるから……!)」

 

 永守は、数千年前のあるDGPの時に【創世の女神】にされた母との約束を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜回想〜

 

 

 

『…………かぁ、さん…………………?』

 

 ある人生の時のDGPに勝利しデザ神になった永守……エースは、今よりはまだ表舞台に上がっていたアビスにある場所に案内された。彼が訪れた場所に、エース達双子が探していた母・ミソラが変わり果てた姿で“其処”にいた。

 

『これ、は………………っどういうことだGM!!!』

 

『彼女は私の力によって、【創世の女神】となった。つまり、君達プレイヤーは君達双子の母親の力によって願いを叶え続けていたということさ!』

 

『なっ…………そ、んな……』

 

 今までのDGPでは、自分達が参加すればどちらかが勝利し、願いを叶えていた。未来人の母の行方の手掛かりを願っても叶えられず、地道に探していくしかないと弟と自分を鼓舞して頑張ってきたエースにとっては、あまりにもショックであった。

 崩れ落ちるエースに、アビスは嗤いながら彼に言う。

 

『今回のデザ神となった君には、特別に少しの間だけ彼女と話す許可を与えよう。何、時間になったらまた来るさ。』

 

 そう言って、アビスがその場から消えた途端、眩い光と共に人影が其処に現れた。

 

『………エース。』

 

『………………母さん……』

 

 エース達が覚えている母は、濡羽色の美しい髪に赤紫色の綺麗な瞳を持つ女性だった。しかし、エースの前で悲しそうな顔をする女性は、白に限りなく近い銀髪に、神秘的な青と水色のグラデーションの瞳を持っていた。だが、その顔は彼が知る母だった。

 

『ごめんなさい…………エース。貴方やミチナガに、酷な運命を背負わせてしまった……』

 

『そんな…………母さんは悪くない。悪いのはGM……アビスだ!でも、【創世の女神】って……』

 

『………エース、よく聞きさない。』

 

 膝を着いて、エースの頬に触れながら母・ミソラは口にする。

 

『デザイアグランプリにおける“世界を作り変える力”の根源……それが【創世の力】なのです。その力に気付いたのは、貴方達を身籠っていた頃…………故に、貴方達も【創世の力】を少なからず持っているのですよ。特に、あの子は…………ミチナガは、下手をすれば私以上の【創世の力】を宿している。』

 

『―――!ミチナガが次の【創世の神】になってしまう……ってことか……?』

 

『ええ…………恐らく、私の力が尽きる頃にアビス()はあの子を次代の【創世の神】にする……私には、貴方もあの子も失ってほしくない……っ』

 

『母さん……』

 

 今はまだ輪廻転生の願いが叶っているからこそ、エースとミチナガはこうして前世の記憶を引き継いだまま転生することが出来ている。しかし、ミチナガが【創世の神】となってしまったら……

 

『……俺も、彼奴を失いたくない…………、だから!俺が彼奴を守る!』

 

『エース…………貴方も、アビス()の魔の手には気を付けて。それに、たまには二人で幸せな時を歩むのよ……?』

 

『……ああ……』

 

 きっと、母はエースが願おう(しよう)としていることを察しているのだろう。だから、そんなことを口にしたのだ。

 

『(彼奴には…………ミチナガには、()がいたということも忘れて、“普通の人間”として暮らしてほしい。でも、それでも俺達はDGPに参加し続ける運命だ。だから……アビスの手から、守り続けよう。)』

 

 それが、アビスが再びやってくる少し間までの会話だった。

 

 

 

 

 

〜回想終了〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、囚われている道長の方では……

 【創世の力】に苦しめられている道長は、アビスとライフと名乗ったサポーター、そしてヴィランの者達の話を聞き流しながら、必死に抗っていた。

 

「ッ゙……」

 

 未知なる力で肉体を変えられていく中、道長はぼんやりとこれまでの生の“エース()”を思い出して苦痛を逃がしていた。

 

「(……そう、いえば…………いつの人生でも、兄さんは俺の身内に転生して、俺を守ってくれていた………)」

 

 永守が兄であることを忘れさせられても、兄は己を守ってくれていた……心の何処かで“兄”の様な存在だと認めていたから、強くなって彼の隣に並び立ちたいと、努力し続けていた。

 記憶を取り戻したことで、その思いは一層強くなった。

 

 

 

兄の、役に立ちたい……と

 

 

 

「………っ?」

 

 その時、自分の手にある物が握られていることに気付く。先程までは其処に無かった物だ。それに、幾度もDGPに参戦しているからこそ“ソレ”を見たことがなかった。

 しかし、彼は勘付いた。だからこそ、痛む身体に鞭を打ちアビスやヴィラン達から“ソレ”を隠した。

 

「(…………“コレ”は……兄さんの、役に立てる物だ……)」

 

 運命は此方に味方している。肉体が創り変えられていく中、俯いた道長は苦痛で顔を歪ませながらもそう北叟笑んだのだった。

 

 




作「タロウ化したソノイに忠誠誓った時のソノザがエr」
道「兄さんに近付くな駄作者」
出「此方もブラコン化してる……」
ギ「後、毎回言っているが展開早い。」
作「番外編書きたくなってきたせいでもありますすみません!!因みにヒロアカの原作トリップ、原作ギーツとのクロス、ドンブラ(ソノイ生存)メンバーがヒロアカトリップなど、そんな感じなのを考えております。後、余談ですが……↓」

〜ギーツこと永守をどう呼ぶか〜

道長……兄さん(基本)、ギーツ(正体隠したい時など)
出久、優雅、巫剣、サリア……永守くん、ギーツくん
小刀禰……ギーツさん(基本)、永守さん(仕事モード)
運営……ギーツ、永守、フルネーム


作「と、こんな風にします。今回はお話が長かったので、最後の挨拶は省略です!では次回もよろしくお願いします!」


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