ヒナとお花見   作:ゴールド@モーさん好き

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第1話

「お花見? 先生と?」

 

 シャーレの当番としてお手伝いをしている際、先生からお誘いを受けた。

 

「そう! こないだひとけがない穴場を見つけてね、ヒナと一緒に行きたいと思ったんだけど……どうかな?」

「いっ行きたい!」

「良かった、それじゃあ明日2人で行こっか」

「うん、楽しみ」

 

 ……ん? 〝2人〟で? そ、それってデートって事じゃ!?

 私は悶々としながら先生のお仕事を手伝った。

 

 

 

 翌日、待ち合わせ場所に行くと既に先生が待っていた。

 

「先生こんにちは、待たせてしまったかしら」

「いや、全然。それじゃあ行こっか」

「うん……言われた通り普段着で来たけど、本当によかったの? 先生」

「ん? どういう事?」

「ほら、私って良くも悪くも知名度があるから……私のせいでその穴場の場所が穴場じゃなくなったり、休日自体が無くなったりしまわないかと思って」

「なるほど、そういう事ね。ソレに関しては平気だよ」

 

 懸念事項を伝えると、先生は胸を張りながら拳を胸に当て得意げな顔をする。

 

「今日は〝ヒナと過ごす〟って決めてたからね、ヒナには内緒で護衛を雇ってたんだ」

「護衛? それなら私が──」

「違うよヒナ」

「?」

「この護衛は、ヒナのゆっくりする時間を守る為の護衛だよ」

 

 びっくりした、まさか自分が護衛の対象になっていたなんて。けど、確かに先程から感じている視線に敵意は感じない……

 

「ヒナに不届きな事をしようとする人達には、悪いけど今日だけは近づく前にお引取り願ってる」

「……信頼してるのね、その護衛を」

「うん、皆いい子達だからね。だから今日は2人で思いっきりリフレッシュしよ!」

 

 先生から頼られている護衛に少し嫉妬してしまい、皮肉を飛ばしたけど打ち返されてしまった……頬が熱い、私今変な顔してないかしら。

 

「それじゃあ出発!」

 

 

「綺麗……」

「でしょ?」

「えぇ、本当に……とっても綺麗」

 

 街から離れた山を登った所には、小川が流れる傍に桜の木々が並び、その花びらを満開に咲かせていた。

 先生はブルーシートを敷き、水筒からお茶をコップに淹れて渡してくれた。

 

「はい、ヒナ」

「ありがとう先生……はぁ、温かい」

「ほっとするから熱いお茶好きなんだけど、ヒナにも気に入って貰えてよかった」

「うん、とっても美味しい」

「お弁当も作ってあるから、後で一緒に食べよう」

 

 そのまま先生と一緒にゆったりまったり、桜を見ていた。桜も川もそれ以外の山景色綺麗で、浴びる陽の光はとても暖かくて、そして何より……

 

「静かね……」

「そうだね……皆が居る目まぐるしい毎日も大好きだけど、たまにはこうやって静かに過ごすのも好きなんだ」

「そうなんだ」

「うん」

 

 耳に聞こえるのは木々が風に揺られてる音や、川のせせらぎ……こんなにも静かで、穏やかな日を過ごすのはいつ以来だっただろうか。もしかして、初めてかもしれない。そう考えているとついつい瞼が重くなってくるのを感じる。

 

「ヒナ、もしかして眠い?」

「ごめんなさい先生、昨日はしっかりと寝たつもりだったんだけど」

「しょうがないよ、こんなにもポカポカなお昼寝日和なら。ほら、おいで。膝貸してあげるから」

「さすがにそれは、せんせいにわるいは」

「いいのいいの、タオルケット持ってきてあるからソレも使って」

「……そこまでいうのなら……あまえさせていただくわね」

 

 わたしはおもいあたまを、せんせいにあずけてめをどじる。

 せんせいのにおいが、からだのあったかさが、わたしをあんしんさせてくれる。

 

「すぅ……すぅ……」

「もう寝ちゃったのか、やっぱり日頃の疲れがちゃんと回復できてなかったみたいだね。誘って良かったよ」

「くぅ……くぅ……」

「いつもお疲れ様、今日はゆっくり過ごそうね。ヒナ」

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