僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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1章 僕がVRChatでメス堕ちするまで
1話 メス堕ちなんてしない  絶対にだ


「『VRなチャットでは一瞬の油断で大惨事に繋がる危険があります。ここではどんな危険があるのか学んでみましょう』。…………なんだこれ」

 

「今流行りの魔境でバズったミームらしいぜ」

「お前……そんなん聞きたくないんだが」

 

「まあまあ良いじゃんか親友よ、見てくれよ」

「中村……だからお前、うさんくさいって女子から避けられてるんじゃ」

 

「まあまあ良いじゃんか親友よ、見捨てないでおくれよ」

「分かった! 分かったからひっつくな!? 暑苦しい!」

 

とある休み時間。

 

席替えで後ろの席の悪友が、スマホを見せてきた。

 

中村光――今年のクラス替えで前後の席になったせいで付きまとってくるようになってしまった、正真正銘の悪友だ。

 

「まーた中村が……」

「佐々木もかわいそうに……」

「佐々木くんかわいそう……」

「でも、中村さんってば……」

 

こいつが勝手に親友扱いしてくるせいでクラスの女子がことごとく寄りつかなくなった結果、僕の彼女居ない歴は今年も過去最高を更新し続けている。

 

ついでにクラスの男子たちも遠巻きになった。

 

だってこいつウザいもん。

思わずで腕を振り上げたくなる発言しかしないから。

 

なんてことだ。

 

ああ。

 

こいつのせいだ。

こいつのせいなんだ。

 

こいつさえ居なければ、きっと僕もクラスの女子と――休み時間に気軽でウィットの富んだ雑談程度はできてるはずなんだ。

 

……ごめん盛った、いや、んなのできない、けど面倒見の良い女子から話しかけられるのは週1回くらいあっても良いはずだったんだ。

 

こいつのせいで全部吹っ飛んだけどな!

 

あ、でも、こいつ関連でちょくちょく話しかけられるのは……いや、やっぱり総合的には思いっ切りマイナスだわ。

 

「ほれほれ、見て見てみ見てよ見てくれよ見ておくれよ何なら俺ちゃんの体も好きにして良いからよぉ」

 

「分かったけど気色悪い! 分かったから顔に押し付けるなって顔に! あー、もう……えっと? 『あぶなーい、好きになってしまいました。僕の、男としての人生はもうおしまいです。女の子として生きていきましょう』……いやいやちょろすぎだろコイツ……チョロッターの140字でメス堕ちとか、ちょろ過ぎるにもほどがある」

 

僕は、この馬鹿の顔をまじまじと見る。

 

……こんだけぐいぐい来といて内容はこんなんなのか?

 

馬鹿か?

 

馬鹿なのか?

 

「ネットでちょっと構われたからって、こんな即オチとか」

 

「だって魔境だし」

「なにそれこわい」

 

「まぁ男大半の世界に女子を放り込んだらこうなるよね」

「サークラか……」

 

サークラ。

概念だけは知っている。

 

あれだ、男だけのグループに女子を放り込んだら何もしないのに爆発四散するあれだ。

 

「そ、んで男子校の姫とか聞いたことあるっしょ?」

「あー……」

 

姫。

 

男だらけの空間だと、その中でかわいい男子が女子扱いされ……次第に本人も乗り気になり、最終的にはサークラと同じ状況になる――サービスよりもさらに悲しい結末だ。

 

「ま、まあ、あれだ……女子に餓えて逃避した先のネットで女子に構われたら……ってのは理解できる」

 

「うんうん、そしてね。 ――その『女子』は、『肉体的女子』だけを必ずしもは示さない」

 

「は?」

 

今なんて?

 

「その中身が男でも起きうるんだよ」

「なんで?」

 

だから「姫」?

 

「なんなら相手が男って知ってても起きる」

「なんで?」

 

「姫」なのか?

 

「ボイチェンって知ってるかい? 今どきはすごいんだよ?」

「……魔境過ぎる……」

 

「さらに言えば普通の男ボイスでも起きるとかむしろ主流っていうか」

「こわすぎんだろ……」

 

僕は頭を抱えた。

 

こいつの言いたいことが分かったからな。

魔境としか表現できない世界だってことも。

 

「小中学生がやる人気タイトルってさ、その手のがわんさかと居るのは」

「あぁ……分かるから黙ってくれ……頭が痛い……」

 

「玲ちゃんもさ、以前も某FPS系のゲームで」

 

「普通に会話してただけなんだ……普通に、常識的な距離感で会話してただけなのに、なぜか相手が勝手に僕のことを女認定してきて無事ネットストーカーに……あと僕のことを『玲ちゃん』呼びは止めろ」

 

「いやぁ、あのときはおもしろかったね。あっはははは」

「あんときは家まで来られたんだ。あと殴って良いか?」

 

話には聞いたことがある。

 

VR機器を使って仮想空間でチャットしたりするだけの、ゲームと言えない気がするゲーム。

 

それが、流行っていると。

 

なんなら動画を「ながら」でつけてたら、そういうのもちらほら流れてくるしな。

僕には関係ない世界の話だと思ってたけど……そうか、こいつが、中村っていう悪友がいたな……。

 

「これってさ、玲みたいなモテないやつほどヤバそうだよね」

「は? 僕は彼女作らないだけなんだが? そういうお前だって」

 

「……ごめん、やめよう……この話は不毛だ……居ない歴イコール同盟は崩せないんだ……マジ病む……」

 

「自分から言っといてダメージ受けるなら言うなよ最初から……悪かったって……」

 

悪友の光――中村光がおちこんでいる。

 

それを見ると少しばかり僕は嬉しくなるんだ。

 

「でもさ、こういうの、ちょろい玲ならさくっとノってくれるかと」

「お前を友人枠から外して女子たちと普通に会話したいんだが」

 

「ごめん許して俺きゅんを置いていかないでくれよひとりぼっちになっちゃうよ頼むよぉ玲きゅーん!」

 

「だー!! ひっつくなって! ……ったくもう」

 

はぁ、とわざとらしい演技で僕はすぐさま降参する。

 

こいつはこういうヤツだ……すぐに人を煽って悦に入る、腐れ縁。

 

だけどこういう話題では僕未満の雑魚キャラ。

特効武器があるからこそなんとか対等を維持できている、よく分からない関係だ。

 

まぁ僕もついでで自爆するんだけど、それもそもそもこいつのせいだから特効ではあるんだよなぁ……自爆するけど。

 

「とにかくやってみない? 最近ヒマって言ってるじゃん?」

 

けろっと元気になった光が抜かしてくる。

 

ああ殴りたい。

 

けど口の達者さで絶対に叶わないと分かっている、この悲しさよ。

誰か矛先を押し付けられる相手は居ないか?

 

「………………………………」

「………………………………」

 

ふいっ。

 

中村にウザ絡みされている哀れな僕と目が合ったクラスメイトたちは――男子も女子も、申し訳なさそうに視線を逸らす。

 

ああ。

 

僕は生贄なんだ。

 

「……いやいやVR機材なんて高すぎて買えないって」

「ふふん、そう言うと思って調べてきたんだよ」

 

むかつくどや顔をひけらかしながら、さっさっとスマホをいじる光。

 

「今はね、普通にパソコンでできるんだよ」

「パソコンなんて持ってないが」

 

学校でしか触ったことないし?

 

よし、これで華麗に回避――

 

「ちなみにスマホでも可」

「……マジかよ」

 

できなかった。

 

「……僕のこれで?」

 

「余裕だね。お試しなら問題ない。何故ならば」

「何故ならば?」

 

「親友とおそろにしたこのスマホで、無事できたからね……!」

 

満足感に満ちあふれた顔をしながら、おのれのスマホを掲げる馬鹿。

 

このどや顔を殴りたい。

けど「僕のスマホじゃスペック不足だったわ」って手が封印された現実。

 

「まぁ最低限だけどね。VRもできないし」

「じゃあ意味ないじゃんか」

 

VRなゲームなのにVRができないとか、それって具の入ってないおにぎりみたいなのじゃない?

 

いや、ちょっと違うか……?

 

どっちかって言うと具しかないおにぎり……それはもうおにぎりじゃない、具っていうただのおかずだ。

 

「まあまあ。デスクトップ勢――VRじゃなく、普通にテキストとかボイスチャットする勢も多いって言うし。携帯機用のアバターで携帯機用のワールド――場所にログインすれば、簡単なコミュニケーションくらい楽勝さ」

 

「へー」

 

ほー。

 

……まぁ、話に上げてくる時点でちょっとは調べてるのは分かってたけど。

 

「てことでやってみないかい?」

 

「断る」

「そうか! なら……えー、なんでさー?」

 

こんなバカな話をしてる僕たちの横を通り過ぎた女子たちが、くすくすと笑っている。

 

「佐々木君ってかわいいよねー」

「ねー!」

 

「佐々木って哀れだよな……」

「ああ……」

 

一方で男子たちは同情してくれてはいるけど――もちろん助けてなんてくれない。

 

ああ。

 

こうして僕の青春は浪費されていく。

 

「……いや、それって、やることはただダベるだけだし……それも見知らぬ他人に……しかもさらにアバター使うからどこの誰だか分からない他人と」

 

「そのうえなんと、今どきはさっきの通りに高性能ボイチェンがあるから声でも判別不可だよ」

 

「地獄じゃないか……」

 

「しかも男から女、女から男も居るし、さらに文字チャットとか無言勢とかだともう性別すら分からないと来た。ジェスチャーだけでコミュニケーション取ってくるタイプだと、もう国籍すら不明だね。ムダに日本語力ある外人が普通に綺麗な字描いてくるし、男も実にかわゆい字を習得しておる」

 

「地獄じゃないか……」

 

想像できうる限りの地獄が俺の頭を巡る。

 

地獄絵図、魑魅魍魎、世紀末。

そんなイメージ図が一瞬で構築される。

 

「ちょっと前までは圧倒的に男が多かったらしいんだけどね。ほら、コミュニティってさ、初期段階は男がほとんどだけど、膨れてくると……って言うだろ? 知名度が上がってきたから女もそれなりに入ってきてるんだよ」

 

「だからどうした」

「だからさ」

 

光が、らんらんと楽しげな瞳を僕に向けてくる。

 

「恋人の居ない歴同盟筆頭の君――玲ちゃんでも、彼女作れるワンチャンがあるってことだけど?」

 

「………………………………」

 

僕は、数秒熟考してみる。

 

「……その彼女が彼氏だったりする可能性は?」

 

「んー、男女比で行くと……7割くらいかなぁ」

「ダメじゃないか……」

 

「さらにカップルで遊ぶ例もそこそこあるし、恋愛したくない層も居るし……フリーな女子は1割とかじゃね?」

「ダメじゃないか……」

 

ダメだった。

ダメでしかなかった。

 

「まあまあ、良いじゃん。ものは試しってことで」

 

「……どうせやるまでしつこいんだろ……はぁ、いつもいつもお前はめんどくさいんだから……」

 

僕は知っている。

 

こいつはとことんにウザ絡みして来るやつなんだ。

それはもう、休日に勝手知ったる我が家に乗り込んでくるくらいには。

 

おかげで比較的仲の良いはずのクラスの中で、僕たちだけがのけものになっているんだ。

 

「佐々木? どうせ中村にウザ絡みされてんだろ、ほっとけ」って。

 

誰か、かわいそうな佐々木くん=僕を救ってください。

 

「彼女が居たこともない残念な玲きゅんに、いろいろ教えてあげよう。これでも俺ちゃんは2ヶ月前からやってるからね」

 

「マジかよ……」

 

あー、最近、遅刻とか授業中と休み時間の爆睡してるなって思ってたの、そのせいか。

 

けど、そんなにハマってるのに2ヶ月も僕を誘わなかったのはこいつにしては不自然――いや、どうせ楽しすぎて言うのすら忘れてただけだろう。

 

「てことで君のアカウントは女の子女の子したネカマ風でよろしいか?」

「よろしいわけないだろバカ」

 

この大馬鹿。

 

「じゃあ男か女か分からないムーブ?」

「普通に男で通すわバカ」

 

「あ、姫プする気のない女子は普通の男ムーブするってのが定番」

「……ほどほどにやるよ」

 

そういうことになった。

 

「そうして俺ちゃんの親友は1ヶ月もしない内に見事メス堕ちし。3ヶ月後には……なんと! 学校へすら女装するようになって、半年後の学園祭でも見事な女装を披露するのだった」

 

「なるか」

「えー」

 

……とりあえず、帰るまでに自分で調べとこう……光の、こいつのチュートリアル受けたら絶対取り返し付かない設定とかさせられそうだし……。

 

……ならないよ?

 

僕の性的嗜好は至ってノーマルだからな?

 

メス堕ちはしない。

 

……しないからね?

 

 

◆◆◆

 

 

イラストを週数枚投稿しつつ4つのチャンネルを稼働させて動画を週数本投稿したりしています、あずもももです。新作です。

 

カクヨム様で完結させての投稿ですのでもりもりと投稿されます。安心して完結までお楽しみくださいませ。

 

何の変哲もない男子の玲くんが……無事にメス堕ちして「女の子」になるまでの過程をお楽しみくださいませ。

もちろん女装する主人公のお相手は女の子です。ただし……?

 

それなりに長く連載しています『TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。 』や『ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。』と一緒にお楽しみくださいませ。

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