僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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11話 リヒターさんを刈り取る形をしたメス堕ち

「リヒターさん、どうしたんですか?」

 

「………………………………」

 

とうとうにPC+VR+フルトラの三種の神器を手に入れてしまった僕。

 

だけどいざやってみると、意外と周囲にも――いわゆる野良の人だかり、パブリックでも、人数が多ければ多少は同類を見かけるのに気がつく。

 

ああ、こういうのって自分がその属性を得た途端に理解できるもんなんだな。

 

あと、独特の座り方してるアバターの人もまた、同類だって気がつく。

 

そういう人に話しかけに行くと、自然仲良くなれる。

やっぱり共通点ってコミュニケーションの基本だ。

 

……ってことより、リヒターさんがフリーズしてる。

 

パソコンのフリーズ……ならログアウトするし、あとは何だろう。

 

僕の体?

 

「んー、まだトラッキング、ズレてないっぽいですけど……」

 

「……レイ殿」

 

目の前で立ち尽くして――まぁリヒターさんはVR持ちじゃないからそれで良いんだけども――僕をただ見ているだけだった彼が再起動。

 

「?」

 

「……レイ殿は、優しきおなご、だったのですな……」

 

「いやいや、ほら、声」

「ボイチェンが存在する世界な以上、信じないでござる」

 

何やら震える声。

 

「僕は男だって、前に言いましたよね」

「自己申告は信じられないでござる」

 

「?」

 

「………………………………」

 

……あっ。

 

「……もしかして、ボイチェンのかわいい子に騙されました?」

 

「………………………………」

 

こくり。

 

デスクトップ上でマウス操作をすると、首を縦に振れるんだ――そう、悲しい報告をする彼。

 

「ああ……」

 

「誰もが騙されていたのでござる……」

「今どきのボイチェンってすごいですからね」

 

「野郎がかわいい女子に、女子があえて女子と分からなくするために野郎に。……女子があえてボイチェンを使って合成音声っぽくしたり、野郎が微妙に中性的な声にしたり……ナチュラルボーン変成器とか居たりするし、もう、わけが分からないんだよ……なんだよこれぇ……VRなチャットってどんな魔窟だよぉ……」

 

あ、これガチ落ち込みだ。

 

どう聞いても武士なのに見た目は騎士とかいうこだわりだったはずの彼が、ロールプレイングを忘れるレベル。

 

ここまで来るとかわいそうだ。

 

「……おっぱい揉みますか?」

 

「止めてほしいでござる……初心者の拙者と仲良くしてくれた男友達のはずだと認識していたからこそ、そういう冗談も受け付けられたんだ……」

 

「なんか……ごめん」

 

お、ちょっと口調が戻ってきた。

 

「レイ殿は何も悪くない……いや、悪くないでござる……悪いのはその気にさせたくせに、おもむろに公衆の面前で暴露してきたあやつでござる……」

 

「うわぁ……」

 

「しかも、拙者のような馬鹿を20人ほど集めての、でござる……」

 

「うわぁ……」

 

なんかタチ悪いのに当たっちゃったんだな……ナムナム。

 

VRなチャット。

 

比較的人が増えた――らしい、僕は知らないけど――とは言っても、導入ハードルからして爆高い界隈。

 

入ってくるのは比較的おとなしくて常識的な人が中心だという。

 

だけど愉快犯は一定数、どこの世界にも居るもの。

 

突撃して――ときには生配信をしたりして――アニメキャラとかになり切っているのをバカにして笑うのを目的にしているのとかも居るし、それよりは相当マシでも、下半身で動いて女子を求めるしかないのとかも居るわけで。

 

あとは卑猥だったりグロだったりするアバターで突撃してきて不快にさせたり、爆音流してきたりするのも居るけども、大体はやらかしてるうちにみんなにブロックされるから表示されない。

 

……だからこそ、名前と一緒に強制表示の初心者ランク――ビジターってのは警戒されるんだ。

 

そういうやらかすヤツの複垢、次から次へと生み出す悪魔かもしれないから。

 

「しかもレイ殿、気がついたら妙におなごらしい仕草もしておるし……」

「フルトラしてますからね」

 

「しかも話してると、ふとした瞬間におなごを感じるというまさに変態的な感想を抱いて思わず腹切りを」

 

「しないでしないで。あと、リアルで男なのにこういうことしてる僕自身が変態なので……ダメージ受けてますから……」

 

あれから。

 

僕は、止められなかった。

 

かわいくなるのを。

かわいい好みのアバターが、鏡に映るその子がもっとかわいくなるのを。

 

だから気がつけば、ただの立ち話で手首を外にくいっと曲げながら口元にもってっちゃうし、足も内股にしちゃうし、首とか体を頻繁に左右にゆらゆらしちゃうし。

 

なんだろう、無意識で「かわいい」を表現したくなるんだよ……女の子ってやばい。

 

「………………………………」

 

「リヒターさん?」

 

ずっとうつむいていた彼の騎士アバターが、僕を見てくる。

 

「拙者……男の娘というものを最近知ったでござる」

「それはヤバいですリヒターさん引き返して」

 

「女装というジャンルの作品へ、手を出してしまったでござる」

「ああ……」

 

「人気の『娘』たちを、ひととおり知ったでござる」

 

リヒターさんはもうダメだ。

 

たぶんその愉快犯のせいで脳が焼かれたんだ。

 

「だから、このままだと」

「このままだと?」

 

「……レイ殿がどちらでも構わずに恋に落ちてしまうでござる……」

「えぇ……」

 

えぇ……。

 

「お砂糖、と言うそうでござるな」

 

「うん……」

 

ああ。

 

「……ちなみに……どう、でござる……?」

 

しん。

 

冷たい風が――吹く訳のないのに、VRな世界で、ひゅうと吹き抜ける。

 

「……絶対的に拒否……する気にはならないのが死にそうなんですけど、とりあえず保留で。それも無期限で……フレンド関係は、リヒターさんがおいたしない限りはそのままなので、心配しなくていいですけど」

 

「……天使……いや、女神……?」

「やめてください……」

 

VRなチャットは――魔境だ。

 

「まだ分からないけど……とりあえず」

 

「とりあえず……?」

 

「僕みたいに、自分から『リアルは男です』って言ってる時点で、仮に女だったとしても相手は女バレしたくないんです。そうすると……どうなるかは分かるでしょう?」

 

「うむ……」

「ですから、ある程度信頼関係がある僕以外のリアル性別は」

 

「追及しない……のが、お互いに取って幸せでござるな……」

「はい……マナーなのと、自分と相手を守るために……」

 

ああ。

 

とうとう犠牲者が出てしまった。

 

メス堕ち――まだ現実世界に影響ない範囲だからセーフの領域って信じてる――した僕と、そんな僕に淡い恋心を抱いてしまった彼。

 

ああ。

 

この世界は、かくも罪深い。

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