僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~ 作:あずももも
「……玲?」
「ん? 何、母さん」
朝。
いつも通りに用意された朝ごはんを食べていた僕に、何か言いたさそうな母親の声が降ってくる。
……何だ?
ヒカリに――違う違う、光に、あの中村にだ――管理されているおかげで最近は成績も回復してきたし、睡眠もきちんと摂れている。
いや、むしろ、以前よりも健全な生活を強制される分、もっと健康的かもしれないくらいだ。
怒られる理由は特に無いはずだ。
「……脚」
「脚?」
僕はテーブルの下の、制服のズボンを穿いている己の大腿を見下ろす。
――ああ、これがスカートだったらなぁ……じゃないじゃない、ここはリアルだリアル、スカート楽しむのはVR限定なんだ、我慢しろ。
「……寒い?」
「? いや?」
どう見ても普通だったけども、母さんは一体何を言いたいんだろう。
「……いえ、いいの」
「……?」
よく分からない朝になった。
◇
「あー、それ。玲きゅん、自然に内股になってるからよ? 最近」
「!?」
「いやー、前からマジメ系でさぁ、座るときも直角にピシッとしてたから違和感はそんなにないけど……お膝同士を完全にくっつけて、足首は外向いてるとかあるのよ……?」
……していたよ……していたよ!!
実際、学校来てイスに座って――無意識でしていたよ!!
今直したけどさぁ!!
「だから俺ちゃん言ったでしょ……『あの空間』では演技指導したけど、リアルでは気をつけようねって」
「……完全に無意識だった……通りで母さんが微妙な顔するわけだよ……」
無意識で内股は、やばい。
しかもそれで、ふとももの内側同士がくっついてるのが安心するってレベルになってるのを今自覚して、もっとやばい。
「他の人には!?」
「や、男子の下半身なんて注目されないから大丈夫だとは思うよ……? 机の下だし……」
「だ、だよな! よし、まだセーフ!」
必要以上に脚を開いて座り直し、男らしく決めてひと安心、
「………………………………」
「……どしたの?」
「……不安だ……あと、恥ずかしい……」
「えっ」
とりあえずで不自然じゃない程度に膝を近づけ、マジメ君な程度で落ちつける。
いいんだ……メス堕ちを悟られないようにするためなら、バカにされるくらいマジメ君のままでいいんだ……。
「恥ずかしいって……まじ?」
「僕さ……お前に勧められてさ、ミラー、導入してるじゃん……?」
「自分のアバターをリアルモニターできるやつね。……まさか」
「そう……それでいつも全身見てたからさ、座って脚閉じないとスカートの下が見えるって、もう染みこんでてさぁ……」
「わぁお」
僕は机に突っ伏す。
ああ。
とうとう無意識下でやばいことになっていた。
僕はもうおしまいだ。
「……あとさ、玲きゅん」
「なんだ」
「最近さ、髪の毛、切ってる……?」
「……金だけもらって、アバターの衣装に……」
「うわぁ……」
そういや髪も伸びてきてるからなぁ……。
「僕は本格的にダメになってきたよ……」
「ま、まあ、責任は取るから……」
「いざとなったら頼む……」
ああ、悪友が憐憫の情を向けてくるだなんて。
こんなやつに哀れまれるレベルに落ちているだなんて。
◇
「……あのさ……佐々木たち……」
「ああ……」
「最近、さらに中村とべったりだったけど……」
「女子も騒いでたけど……」
「……今、中村が……スカートって言ってたの聞こえたんだけど……」
「マジ?」
「しかも最近、髪伸ばしてるよな……?」
「………………………………」
「………………………………」
「……いい、かも……」
「いい……」
◇
「ふぅ……」
がちゃり。
個室で用を足した僕は、手洗いを求める。
「………………………………」
「………………………………」
小便器で僕におしりを向けている男子たち――のことは一切気にならないけども。
……やっぱり……やばいよなぁ、これ。
というのも、だ。
……他の男子の横で普通にズボンのチャックから出してするっていう、十数年何も感じなかった動作が、その……ものすごく恥ずかしいっていうか抵抗があるって感じるからだ。
さすがにこのことは悪友にも相談できなかったけど、やっぱり相当来てるよなぁこれ……。
じゃーっ。
ハンカチを用意して、咥えて手を洗う。
前は良く持ってくるのを忘れてズボンで手を拭いたりしてたけど、なんだかそういうのは嫌だなって感じるようになったから、毎日ハンカチとティッシュを持ち歩くようになってるんだっけ。
「………………………………」
「………………………………」
いや、まあ、前から見られるのは恥ずかしいとは普通に感じてたよ?
ほら、小便器が斜めになってて横からまる見えなあれとかでするのは……普通の男の感性からしても抵抗あったし。
そのへんは前から――ごく普通の、平均的に見ると少しだけおとなしい男子ってレベルで。
けども、今は。
もはや毎回個室に入って、座って用を足さないと安心できないからなぁ……。
あと、家でも座るようになってるからなぁ……いや、小さいころから便座上げると母さんに怒られるってのもあったけどさ……。
「ふぅ」
唇の先で咥えてたハンカチでふきふき、とりあえずすっきりだ。
……体育でも、着替えるのを人に見られるの、抵抗出てきたしなぁ……。
まぁ水泳でもない限りには下着は着てるから我慢するか。
「……む」
ふと鏡を見ると、全体的に髪が伸びて――ほんの少しだけ、アバターの僕と似てきたボリューム。
「………………………………」
……男でおかしくない範囲なら、伸ばしてもいい……よな……?
そう、校則で引っかからない程度なら男として普通の範囲だし……うん。
そうそう、学年でも何人か伸ばしてる人居るし。
そうだ、おかしいことは何もないはず。
そういうファッションなだけだから。
あ、伸びてきてるからくせっ毛が……んー。
ちょっと水に濡らして引っ張って……ん、よし。
◇
「おい……」
「ああ……」
「佐々木ってさ……」
「ああ……」
「立って、しないよな……」
「しかも今、ハンカチを口でくわえてたし……」
「前からだったか……?」
「さぁ、そこまで気にしてなかったから……」
「けど……」
「ああ……」
「………………………………」
「………………………………」
「……どうしよう。俺、男に興味なんてなかったのに」
「気にするな……さっきクラスでも、中村と連れ立ってた佐々木が居なかったとき、その話題で……」