僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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2章 メス堕ちと僕と被害者たち
17話 周囲を融解させる系統のメス堕ち


「レイさん、今日もかわいいですね」

「レイちゃん良いなー、かわいくて」

 

「あはは、ありがとうございます」

 

「あ、新しい衣装にしてる。良いなぁ」

「かわいー」

 

僕は、吹っ切れた。

 

男なのに女の子のフリ?

 

オカマ?

ホモ?

 

別にいいじゃん、誰も傷ついてないんだし。

 

しいていえば僕の心だけだけど、こうしていると癒やされるんだから何の問題もないよね。

 

そんな僕は――結局沼に髪の毛まで浸かって泥沼で、すっかり恒例になっている夜のVRなチャットで、ただただちやほやされている。

 

まあね?

 

アバターは美少女だからね?

端から見れば普通にかわいいからね?

 

中身は男だけどメス堕ちしかけてるから大丈夫。

 

……そう、思い込むしかないんだ。

 

大丈夫、この世界は男性率8割で美少女率8割っていうバグってる世界だから。

 

「あの、レイさんはどう思います?」

「レイちゃん、ちょっとこれ見て!」

 

「はいはい、なんでしょう?」

 

そう、精いっぱいにぶりっ子をする僕。

 

――ああ。

 

なるほど。

 

女子――女の子ではない、「女子」だ――が、ぶりっ子を嫌う理由が、何となく理解できた気がする。

 

あれだ、異性たる男どもに媚びているからだ。

そして視線と興味を独り占めしているからだ。

 

そんな僕の周囲にはことごとくに野郎ども。

 

やつらは僕を――リアル男だと知っても、それでも「男だと言い張ってる、ちょっと声が低めの男かも知れない」「僕っ子かもしれない」って淡い希望だけ……、こうも群がってきているんだ。

 

「………………………………」

 

――――――ぞくっ。

 

僕の背筋を、流れちゃいけない系統の電気が流れる。

 

ああ。

 

これが――男どもを侍らせてる系統の女子が覚える、快感。

 

こいつらがみんな、僕の女の子「だと思い込んでいる」女体に惚れ込んで、傅いていて――お姫様扱いして。

 

それが、たまらなく。

 

たまらなく――気持ちが良いんだ。

 

「……どうせリアルは、アイツの女だろ」

 

ぼそっ。

 

そんな桃源郷に水を差す声が、ひとつ。

 

そうして――僕を本物の女の子と思い込む人も出てきている。

 

彼は、その1人だ。

 

「おい!」

 

「お前らも知ってるだろ。レイちゃんが最初期に来てたとき、かならず隣に居てしょっちゅう話してた奴。アイツが彼氏なんだよ。今だってときどき来るじゃんか。来たらすぐ、レイちゃん走ってくじゃんか」

 

あー。

 

冷や水を刺したつもりらしい、ちょっと問題がある系のフレンドさんが――僕を見ながら、あ、目を逸らした――言う。

 

「彼氏持ちの女が来るなんてのは良くあることだろ……女だぞ? VRなチャットとかいう男だらけの空間に入ってくる女なんて、おもしれー女以外は彼氏の影響に決まってんだろ。煙草とか酒とかみたいによ」

 

「おい、聞こえてるぞっ」

「レイちゃんが傷つくだろ!」

 

そんな彼の声に反応して拡大していく、僕を巡る男どものケンカ。

 

「………………………………」

 

――ぞくぞくっ。

 

ああ。

 

男って――馬鹿ばっか。

 

「男アピしてんのも、『言い寄られないように』ってアイツに言われてに決まってんだろ。俺は知ってんだ、女だって声低くできるって。家族とかには普通なのに、俺に対しては『キモッ』とか『しゃべんないで』『ウザい』って言う妹居るから分かんだよ」

 

あー。

 

「うぅ……」

「小学生まではお兄ちゃんお兄ちゃん言ってくれてたのに……どうして……」

 

「『お父さんと結婚する』ってあんなに笑顔で……なのに、もう洗濯物は別にしてって……」

 

……さりげなく僕のダブルスコア以上なリアル年齢を聞いた気がするけども、聞かなかったことにしよう。

 

「そうだ……女なんて気分屋で男を見下す存在なんだ……」

「だから俺は男だらけの楽園にたどり着いたのに……」

「なのに……どうして……」

 

やばい。

 

ワールド――インスタンス――この場の空気が最悪だ。

 

しかも、僕のせいで。

 

「や、やめようよ! ほら、レイさんがかわいそうだよ!」

「だ、だよな!」

「リアルの詮索はルール違反だって!」

「それにレイさんは……いや、これも知らない人が居る場では……」

 

「………………………………っ」

 

ぞくっ。

 

ひときわ強い電流が、僕の体の中を駆け抜ける。

 

「……はぁ……♥」

 

思わずで漏れるため息。

 

――ああ。

 

僕は、理解した。

 

男たちを翻弄して引っかき回すタイプの女子のことなんて、さっぱり理解できなかったけども――そうか。

 

これが――楽しくて気持ちよくて、快感なんだ。

 

自分を求めて、自分より力も権力も何もかも持っている愚かな異性たちが争う姿。

 

それは――うん。

 

気持ちが、良いんだ。

 

「……レイさん?」

「大丈夫? 居心地悪かったらホーム戻ったら?」

「僕たちはそういうの気にしないからさ!」

 

「――ううん、大丈夫です」

 

僕は、おなかの中に感じる何かの疼きを、熱を感じつつ――なぜか気持ちが落ち着いていた。

 

「ごめんなさい、『私』のせいでみんなに迷惑、かけてしまって」

 

「……今、『私』って……!」

「じゃあやっぱり……!」

 

「でも」

 

僕は――女の子に相手されなくって、だからいじけてかわいそうな彼の前に近づいて、さりげなく、でも確実に僕なら心を撃ち抜かれるだろう動きをする。

 

「なっ……」

 

「――せっかくだから、仲良くしましょう? ね?」

 

彼の美少女アバターの顔すれすれ――ガチ恋距離ってやつだ――まで、迫る。

 

「    」

 

唇同士が――アバターのそれが――そしてVRヘッドセットの数センチ手前の眼球同士が接触しそうな距離で、僕は言う。

 

「せっかくお友達になれたんですから。男とか女とか、関係ないじゃないですか……ね?」

 

声量を落として、そう、ささやく。

 

「だめぇ……?」

 

「    」

 

ああ。

 

もし僕がリアルでもかわいい女の子なら、きっと低い背から見上げて上目遣いにして、シャンプーの残り香とか女の子の匂いと一緒に慰めてあげられるんだろう。

 

けども、僕はそうじゃない。

だから、せめて演技だけでも。

 

「この前、いろいろ教えてくれたじゃないですか。あれ、とっても楽しかったんです。もっと教えてくれるって――前に言ったじゃないですか。ね?」

 

美少女アバター同士がキスする距離感で、ちょっとだけ首をかしげる。

 

「    」

 

彼は、語りたがりだ。

 

彼の好きな趣味について――男女関係なく早口になってひたすらに興味のある方向だけにまくし立てるタイプの。

 

だから、しゃべらせてあげよう。

 

そして僕は、それをただ笑顔で静かに聞いているだけの女の子を演じてあげよう。

 

「また会ったとき、もっと細かく教えてくれるって言ってましたよね?」

 

「………………………………」

 

「ね?」

 

しん。

 

気がつけば――30人を超える集団が、僕たちを見つめている。

 

「……ああ、そうだった。ごめん、ちょっと嫌なことあって変なこと言っちゃったね、レイちゃん」

 

「はい♪」

 

彼は――良かった。

 

『もう、堕ちてる』。

 

「そ、それじゃあ教えてあげよう」

 

「はい♪ 楽しみですっ」

 

ああ。

 

僕は、なんて罪深いんだ。

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