僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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18話 リヒターさんとルーチェさん

「――ふーん。イケメンアバターの男子……リアルに自信あるタイプかしら? 声もクリアだし……リアルが充実してるのね?」

 

「――ルーチェ殿こそ、見事なアニメ声……しかも音質も良いゆえ音響設備にも気合が入っておるでござるな?」

 

「――アバターにも気合入ってるわね?」

「――それは貴殿もでござるよ?」

 

「……あれ?」

 

今日はヒカリが居ない、ヒマな日。

 

ふと思いついた僕は、もはやあいつとの勉強会部屋兼撮影会部屋兼演技指導部屋になって久しいワールド――おしゃれなログハウス的なところ。

 

そこへフレンドさんだけが見つけて入ってこれるインスタンスってのを新しく立て、VRではなくデスクトップモード――つまりはただ机に座ってモニター見てるだけの状態だ――にして、とりあえずで宿題をしていた。

 

ただでさえアイツにも両親にも心配かけまくったからなぁ……成績は前よりむしろ上がったけども、次の定期テストまではがんばりたい。

 

問題集とかもできるだけ進めておけば、何かあったときでも安心だし。

 

……けど、フレンドさんへ「いつでもどうぞ」的な感じで開いたのに数時間で誰も来なかったらどうしよう。

 

そうは思ったけど、まぁたまには1人でぶらつくのも悪くはないかな。

 

そんなところへ――なぜか、2人が同時に入ってきて――なぜか険悪なムード。

 

「……ふぅん。フレンド登録した日、そっちのが何日か早いのね」

 

「重要なのは会って話した回数と内容でござる」

 

あれ?

 

この人たち、基本的に他人と慣れるまではあたりさわりない会話しかしないタイプだったよね?

 

「………………………………?」

 

「レイさんの秘密、聞いてるんだ。そっか」

 

「ある程度親しい仲なら誰でも知っているでござるよ。レイ殿は素直過ぎるのが美徳なお人ゆえ」

 

「ふふ、ふふふふ……」

「はは、はははは……」

 

あ、違うんだ、普通に仲良くなってた。

 

なぁんだ、勉強の休憩時間に読んでたネット小説で盛大な修羅場になってたもんだからてっきりそんな感じかと思ったけど、どうやらそうじゃない。

 

「こんにちは、来てくれてありがとうございます」

 

「……! ごめーん! レイちゃんのインスタンスなのにレイちゃん置いてけぼりにしちゃってたー!」

 

「……済まぬでござる……介錯を頼めるでござるか?」

 

「良いですって良いですって。あとリヒターさんは腹切りのモーションやめてくださいね」

 

2人の会話が一段落したところで、さりげなく挨拶。

 

こういう数秒にも満たない切れ目ですっと会話に入るのが、会話に混ざれない悲しき存在にならないための秘訣。

 

そういうのもVRなチャットで学んだっけ。

 

大丈夫、この世界は結構声が被ったりするから、そうなっても気まずくならない。

 

リアルだと元々の交友関係とかお互いの見た目とか、男子とか女子とかで話しかけるの難しい相手とか居るけども、この世界では基本が初対面。

 

しかもみんな、誰かと交流したいから来ているってことで、会話に混ざるハードルは低い。

 

だからこそ、こんな僕でもそこそこの数の知り合いがいるんだから。

 

……ヒカリみたいに誰彼構わず数秒で仲良くなるコミュ力お化けじゃないんだし。

 

「あっ、レイちゃんレイちゃん、新作の衣装、もう着こなしてるー!」

「あ、気づきました? えへへ、かわいいでしょ?」

 

――女の子は、ちょっと変えただけの髪型や小さなアクセサリー、服を褒められると嬉しい。

 

それは、こうして美少女アバターになってメス堕ちしたからこそ理解できた感覚。

 

「うむ……やはり儚げなレイ殿には水属性の衣装が似合うでござるな」

「今日はデスクトップだから棒立ちでごめんなさい」

 

「いやいや、普段みたいに動かれたら拙者が尊死してしまうでござる」

「またまたー」

 

ゴーグルを付けるかどうか、フルトラッキングの用意をするかどうか迷いつつも、とりあえずキーボードとマウスでできる限りの動きはしてみる。

 

「……けど、今日は珍しいね?」

 

「はい、普段この時間はフレンドさんと一緒なんですけど、今日はたまたま『彼』が居ないので」

 

「――レイ殿がVRなチャットを始めたきっかけの、リアルでも仲の良いヒカリ殿でござるか」

 

「――あぁ、あの子ね」

 

「? そうですけど……そういえばおふたり、ヒカリとはあまり会ったことありませんでしたっけ」

 

この世界は、例えるなら学校の校舎に住んでるとか全旅程がフリーな修学旅行先に滞在し続けてるみたいなもの。

 

パブリック――誰でも入れるワールドに行けば10人20人知らない人が居るし、1度でもフレンドさんになれば、以後は彼らの現在地で気になったら即座に合流できる。

 

つまりは話したいって思ってる人が最初から多く、しかも話しかけるハードルも低く、それでいて気になった人とは気軽に何度でも話せるってこと。

 

単純に交流密度が高く、おかげでフレンドさん同士も比較的すぐに仲良くなるんだ。

 

「…………あの子のことだけは呼び捨て……」

「レイ殿が、唯一気を許し、リアルでも……」

 

低めでわりといい声してるリヒターさんに、高くてかわいい声のルーチェさん。

 

2人ともコミュ力は高い方だし、積極的だし……うん。

 

「おふたりとも早速仲良くなったみたいですね!」

 

うんうん、友達同士が仲良くなるのはこっちも気持ちいいよね。

 

「え? ……あ、うん……」

 

「……そう、で、ござるな」

 

「たぶんまたアイツ……ヒカリとも一緒になるので、ぜひ仲良くしてやってください!」

 

あいつは悪友だけど普通にいいやつだし、さんざん世話になっている。

あいつのことだから必要なさそうだけど、でも僕からもお願いしておこう。

 

「………………………………ええ」

 

「………………………………ござる」

 

「えっと、僕、今日は手元で作業してるので。会話はできますけど、他のフレンドさんと合流したくなったら遠慮しないで行ってくださいね」

 

2人と話すのも楽しいけども、やっぱり勉強だ。

 

とりあえずで成績を上げて、睡眠をちゃんと摂る。

それが続けられないとVRなチャットやめざるを得ないからね。

 

「……ううん、大丈夫っ。私もヒマだけどすることあるからデスクトップにして作業する!」

「……作業部屋でござるな? あい分かった、拙者もなすべきことをしながらお相手致す」

 

お、2人とも、ここに居てくれるんだ。

 

「……嬉しいな」

 

「っ! ……よ、良かったっ」

 

「    」

 

思わずで出ちゃった声は、本音でもある。

 

お互いにリアルのことはほとんど分からない関係でも、何回か話して馬が合うって感じた友達は大切だ。

 

ヒカリみたいに癖のあるやつじゃない、普通の友達が欲しいんだから。

 

この2人とは特に親しいと思いたいところだし、今度この3人でどっかのワールドにでも行こうかな。

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