僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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28話 ルーチェさんとお誘い

「あー……新しい女子が入ってきて崩壊する足音がするぅー……せっかく居心地良かった、男の子と女の子に目覚めた男の子だけの快適な空間がぁー……」

 

ルーチェさんが凹んでいる。

 

……ぱんつとかまる見えなんだけど……まぁアバターのだし。

 

「き、きっと一過性ですよ」

 

「……ねぇ、レイちゃん」

「あっはい」

 

そういえばルーチェさん、僕のこと「レイちゃん」とか「レイくん」とか呼ぶようになってる。

 

まぁいいか……この人にはそれなりにいろいろ話してるし、言いふらさないだろうって信じてるし。

 

「モテない男子たちのグループにね? どんな見た目だったとしても女子が入ってきたらどうなるか、知ってる? 『サークラ』って言うんだけどね」

 

「……あー」

 

サークラ。

 

サークルクラッシャー。

 

主に大学のサークル――部活とか同好会で、男子中心のそれに女子が入ってきて、痴情のもつれで本来は仲がよかったはずの男子たちの友情どころかサークルそのものが物理的に崩壊する事象。

 

「……あのね、今日だけで2件聞いたの……フレンドさんたちからね、自分のとこがそんな感じで人間関係がーって。お砂糖がいっせいにお塩になってね……」

 

「あー……」

 

……そういやあったなぁ、中学のときの部活でも1年生のかわいい子のせいで3年生たちが微妙な雰囲気になったりしたの。

 

あれはまだ中学だからかわいいもので済んだだけで、それが大学生にもなれば風紀も存分に乱れるから大変なことになるって訳か……なるほど、そりゃあクラッシュするよね。

 

で、VRなチャットはバーチャルだから直接的な身体交渉はない。

 

ないけども――なまじ、魂をむき出しにしての交流なわけで、だからこそかなりディープな人間関係が構築されるとかなんとか。

 

その果てに――話に聞く、性転換して子孫を残すっていう魚とかみたいに、ほぼ男な集団の中で何割かがメス堕ちして見事、番い――つがいになるっていう魔境。

 

……それも、本物の女子――仲良くなれば、リアルで本物の女子と触れ合える可能性がある人たちが流入してきたら、どうなるか。

 

「レイちゃんは、ならないでね……?」

 

「……それは、どっちの意味で?」

 

「もちろん、素人の女の子が好きになっちゃって私たちのこと見向きもしなくなるの」

「素人って……」

 

良かった……ルーチェさんの中での僕の扱いが、かろうじて男で。

 

「なりませんよ……」

 

「……そうだよね! レイくんは男の娘だもんね!」

「その件については断固として抗議したいんですけどね」

 

「え、いいじゃん、レイくんかわいいってヒカリちゃん言ってたよ?」

「アイツの言うことに耳を貸さないでくださいね」

 

ああ。

 

この界隈は、今日も魔境だ。

 

 

 

 

「……ねぇ、レイくん」

「はい」

 

「年増は……嫌い?」

「良く分かりませんけど、同世代の女子にはない魅力がありそうだと思います」

 

ルーチェさんが落ち着いてからひと息。

 

――僕には分かる。

 

「そう? 本当に?」

「ええ」

 

ルーチェさんは――少なくとも高3以上だ。

 

僕は、性別と年齢を特に隠しているわけじゃない。

 

聞かれれば答えてきたし、それは僕と仲の良いフレンドさんたちと仲の良いルーチェさんなら、きっと知っているだろうこと。

 

そんな僕に「年増」とか言ってきたんだ、少なくとも2個上以上の年齢なんだろう。

 

「好きなのは女の子? 男の子とかじゃなくって」

「確かに僕はアバター的にはメス堕ちしてますけど、男を好きになることはたぶんないですね」

 

「……ふぅん、そっか」

「そうです」

 

それと僕のメス堕ち疑惑と男が好き疑惑がどう繋がるのかは分からないけども、はっきりと答えておこう。

 

……さっき「男とメス堕ちした男のパラダイス」的な発言を聞くに、もしやナマモノの男同士を愛でるのに興味がお有りのお姉様だったり……?

 

「……ね。今度、会わない?」

 

「いやいやルーチェさん……それはまずいでしょう」

 

「私が年増だから?」

「いえ、オンラインゲーム――って括りで良いんですよね?――で知り合った男と、女性のルーチェさんがリアルでオフ会するとか、まずいですって」

 

たぶん僕は、男としてカウントされていない。

 

だからこその提案で、つまりは「ちょっとそのへんでお茶しない?」なはず。

 

……あ、それとも。

 

「僕、宅コスとかもまだなので……女装して外に出るとかはできませんよ?」

 

「え? ヒカリちゃんが、お家で女子の制服着せたげたって」

 

「え?」

「えっ」

 

「………………………………」

「………………………………」

 

「……聞いたんですか……」

「あ、うん……普通な感じで言われたから、てっきり許可してるのかって……」

 

「するわけないじゃないですか……」

「だって、この界隈だとある日急に女装の自撮り上げる子居るし……」

 

ああそうだったよ、ここは魔境だったよ!

 

「……普通の格好でも良いけど……ダメ?」

 

「……ひとまず保留で良いなら」

「うんっ! そのうちお願いね!」

 

あー。

 

これ、僕、これっぽっちも男として警戒されてないんだ……なんなら「メス堕ちした安全な男友達」認定だ……。

 

だから女子同士のグループみたいに、リアルで会って何時間でも喫茶店でおしゃべりとか考えてるんだろう。

 

………………………………。

 

……脱毛……早まったかも……ほら、僕にとっての男らしさってのは、せいぜいが平均的な女子よりは多少濃いはずの体毛くらいだったからさぁ……ほら、まだ1回目受けただけなのに、ヒゲも明らかに生えなくなってるしさぁ……。

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