僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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29話 リヒターさんとサークラの噂

「レイ殿。……今度、直接会って話さぬでござるか?」

 

「……ルーチェさんから聞いたんですか?」

 

「? なんのことでござるか?」

「あ、いえ、違いますよね。なんでもありません」

 

たまたまふたりきりになったタイミングで、さりげなく切り出された――つい最近に聞いた覚えのあるお誘い。

 

「僕なんかじゃなくって、最近流入してきてるらしい素人の女の子の方が良いんじゃないですか?」

 

「……レイ殿、もしや今日は機嫌が悪いでござるか?」

「いえ? 特にそんなことは無いですよ」

 

うん、ない。

 

あるはずがない。

 

「けど、女子でござるか……某は、少々」

「あー、そうでしたね。話せないんでしたね」

 

「話せはするでござる……慣れたら、ルーチェ殿へのように……」

「そういえば普通に話してましたね」

 

そうだった。

 

中身が女子になると急に口数が減るリヒターさんだけども、ルーチェさんとは普通に話してるよね。

 

「ゆえに、拙者としては見知らぬ女子と話すなどお断りでござる」

「どうでもいいですけど一人称固定した方が良いと思いますよ」

 

自信満々に女子と話せないアピールするリヒターさん。

 

……イケメンアバターなのに残念だね。

 

男で、かつイケメンとか人外とかイロモノアバター使ってる人って、僕の偏見だけどもリアルでも自信ある人多いみたいなのに。

 

「しかしルーチェ殿とオフはすでにしたでござるか。さすがは女子同士、仲良くなるのも早いでござるな」

 

「まだしてないですし………………そもそも僕、男ですけど……」

 

「え? ……あっ、そうだったわ」

「素が出てますリヒターさん、素が」

 

「そうだったでござる……レイ殿は男、男でござる……!」

「最近怪しくなってはいますけど、今のところ男ですよ」

 

そう、怪しくはなってるけども。

 

……それもこれも、ヒカリのせいなんだけどな。

アイツ……「練習は大切だから!」って、女子の制服とか置いて行ったし。

 

練習で着るのは、なんらやましいところはないはずだからまだセーフなはずだ。

 

そう。

 

「今みたい」に、自室で練習のために着ているのはセーフなはず。

 

そうだよ、今みたいにゴーグル付けてると視界がないから実質普段着と変わらないし?

 

しいていえば床に女の子座りしているとふとももがこそばゆいけども、これだってこの座り方するためのストレッチも兼ねてるし?

 

大丈夫、僕は練習のために練習しているんだ。

 

まだメス堕ちし切ってはいないんだ。

 

「あ、そういえばリヒターさんっていくつくらいなんですか? 嫌なら良いですけど」

 

「む、レイ殿の歳を聞いていたのに言い損ねていたでござるか……大学生でござる」

「あ、大学生の人だったんですね」

 

大学生かぁ。

 

「オトナ、なんですね」

「うっ……」

 

いいなぁ……大学生。

 

きっと充実したキャンパスライフしていて、きっと彼女とか居るんだろうなぁ。

大学生ってそういう楽しさがあるらしいし。

 

「きっと、女の子を困らせて回って」

 

「……できると思うでござるか?」

「あっ」

 

そうだった。

 

「で、でも、彼女さんとか」

 

「居たら女子への苦手な気持ちは存在しないでござる」

「あー」

 

やばい、地雷踏んだ。

 

ルーチェさんのときは気を遣って聞いてた分、同性の彼なら平気だって心のどこかで思っていたんだ。

 

「……ごめんなさい。僕にとってのリヒターさんはここに居るリヒターさんなので、きっとかっこいい男の人だって思い込んでて……」

 

「……レイ殿。そういうのは……言わない方が良いでござる」

「? そういうの?」

 

こてんっと首をかしげ――自然にやる演技指導のおかげか――彼を見上げる。

 

「うっ……」

 

「でも、そんなに紳士的なんだから、きっとできますって、彼女さん。奥手でも優しくて誠実な人の方が好きだって女の人も、きっと多いですから」

「レイ殿、それ良くないでござる、レイ殿」

 

いつかは見つけてくれるはず。

 

うん、きっと。

 

賢い女の人なら、イケメンでチャラチャラでオラオラな男よりもそういう人の方が良いって分かってるはずだからさ。

 

そもそも僕がリヒターさんと仲良くなったのだって、元はと言えば――知り合ったきっかけはきっと些細でも、それから何回か会って、話が合ったのもそうだろうけどもきっと、彼の性質あってからこそ。

 

……正直、同学年以下だとデリカシーとか遠慮とかない人が多いからね。

 

「やっぱり大人の人って良いですよね」

「レ゛イ゛殿……」

 

「なんていうか、安心できますし。あんまりしたことないですけど、相談とかしてもちゃんと聞いてくれそうですし」

 

悪友とは違ってな。

 

「あと、僕、落ち着いた男性って憧れているんです」

 

そうだ、ヒカリみたいな軽薄で浅慮でどうしようもない存在にはなりたくない。

 

「いざってときにも……守ってもらえそうですし……んっ」

 

じくっ。

 

なんか、体の中で変な感覚がして、思わず変な声が出る。

 

「     」

 

「あ、ごめんなさい……えっと、くしゃみが出そうだったので」

 

けど、今のはなんだろう。

 

……ズボンを着けていないからか、普段は全く気にならない下着の食い込みの感覚がある下腹部に何か?

 

……悪いもの食べたかなぁ。

 

「んっ……ふぅ。もう大丈夫です」

 

「     」

 

「……あれ、リヒターさん? おーい、リヒターさーん」

 

返事がないから立ち上がり――そうだ、僕はフルトラで女の子座りの練習をしながら彼を見上げていたんだ――アバター同士の身長差で、彼よりも頭2つくらい小さい視線から彼を見上げ、両腕を上げてぶんぶんと振ってみる。

 

「……AFKかな。僕もトイレ行っておこっと」

 

「      」

 

「      」

 

固まってる彼のアバターを見上げてから、そっとゴーグルを外し――。

 

「あら」

「えっ」

 

――鍵を閉め忘れていたのか、そこにはドアを開けてこっちをのぞき見していた母親と――目が、合った。

 

……女装した状態で。

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