僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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3話 ワールド案内

「あっぶなー……玲きゅんってば下ネタが苦手で、もー」

 

くねくねとかわいい美少女アバターが――落ち着け、中身はコイツだ、惑わされるな冷静になれコレにときめくな。

 

「………………………………」

 

「あ、はい、マジメにやります」

「そうしてくれ……あと名前も気をつけてくれ……」

 

僕はこっそりとため息をつきつつ、光の脳内=発声な悪癖を警戒する。

 

ネット上では実名バレ=社会のおもちゃだからな。

 

既に過去、とあるクラスメイトが爆死してえらいことになったのを間近で観察した身としては、どんなことがあろうと阻止したい。

 

「はいはい、んじゃチュートリアルやったげるからついてきてー。はー……もっと真っ赤になったメス堕ち玲きゅん連れ回したかったー……」

 

なんだか、ゲームの画面なのにこいつが肩落としてる――美少女アバター――に見える。

 

いや……待て。

 

「……お前、ひょっとして」

 

そういや今、コイツ――くねくねしてたぞ。

 

まさか。

 

「あーはいはい。先月にバイトしまくってフルトラ――フルトラッキング、前線の挙動をかわゆいアバターで実現できるのでやってますよー……」

 

「……買ったのか?」

「これできるそこそこスペックのPCと一緒にー……」

 

「バカか?」

 

「そのバカがそこそこいるのがVRなチャットだけど?」

「マジか……」

 

「ていうかそれがスタンダード?」

「マジなのか……」

 

「マジマジ。伊達と酔狂じゃないと、こんな金掛かった先進技術での娯楽は味わえないからねー」

 

「まさに金ドブだな」

 

僕にはとても信じられないな。

 

たかがチャットツールだぞ?

 

アバターだって、聞けば無料のがあふれてるらしいし、スマホでも充分新鮮味があるんだ。

 

……これに、10万以上をかけるとか。

 

ないない。

 

絶対ない。

 

賭けても良い。

 

もし僕が掛けるようなことあったらメス堕ちしてもいい。

 

そのくらい「無い」って思う。

 

「うん。それが楽しいんだよ。だからさぁ玲きゅうん、メス堕ちぃ」

 

「しないが」

「ああん」

 

薄気味悪いあえぎ声に、僕はスマホをぶん投げようとして留まった。

 

……絶対こいつとは距離取ろう……VRな空間だから余計に……!

 

 

 

 

「まずはこのクソダサ激重ホーム変えるの推奨なんだけど、どういう系がいい?」

 

「何を言ってるのかさっぱりだが、お前のお勧めは?」

 

「ん? 今何でも――」

 

「お前の、僕の親友のお前としての善良さを信じてるからな」

 

「……チッ……他人に知られたら恥ずかしいとこにさせようと思ったのにクソが……Justなんちゃらってのに……」

 

あっぶな。

 

てかもう、基本的にこいつの提案は地雷って認識じゃないと怖くてしょうがないな……。

 

「はぁ……いいよ、軽くてシャレオツなワールド行くから、そこをホームにしなよ……」

 

「ん? 確かワールドって、みんなが集まるとこじゃ」

 

「VRなチャットでは、どんだけ広いワールドでも自分専用とか数人限定に設定できるんだよボケが……データだから無限にコピーできて好きなように使えるんだよカスが……」

 

「あー、なるほど」

 

口悪いなこいつ。

 

そんなわけでおすすめされた先は――雰囲気の良い部屋だった。

 

なんか壁にはいろいろ掛けてあるけどそんなに広いわけでもない、ベッドと机があるだけの部屋。

 

「ここを……そう、ホームに。あ、あと、俺ちゃんたちフレンドだし、お互いのホームに行き来できる設定……していい?」

 

「良いよ、よく分かんないし。まぁ何かしてくるんならフレンド解除すればいいし」

「何もしないから止めておくれよ病むよ俺ちゃん闇落ちするよぉ」

 

あ、なんかちょっとだけ優越感。

 

学校では完全にウザ絡みされるわそのせいで女子と距離取られるわで完全な被害者になってるけど、このゲームにおいては「フレンド解除」と「ゲームそのものを辞める」って選択肢を僕が持っている以上、学校でほどには悪さはしにくいみたいだ。

 

それに、学校と違ってこいつもかわいやいやいや落ち着こう僕、かわいいアバターだけど中身は悪友なんだぞ光なんだぞ中村なんだぞ。

 

「つまりここは俺ちゃんたちの愛の巣」

 

「明日殴って良いか?」

「場外乱闘はやめて!!」

 

 

 

 

「おー、人がたくさん居る」

 

「ガビガビになってるのとかロボットになってるのはPCユーザーね。あっちはたぶんもっと高クオリティのかわゆいアバターなのよ、本来は」

 

僕たちはとあるワールド――初心者が集まるところらしい――に来ている。

 

「へー、広いんだな」

 

「んー……体育館くらいのサイズかなぁ?」

「……広くないか?」

 

「バーチャルだもん、広くても狭くても重要なのはユーザーの使いやすさとワールドそのものの容量だし。ほら、ロードに時間かかってたっしょ?」

 

「あー」

 

「スマホはねぇ……まぁこのくらいならぎりセーフ。ギガなら死ぬけど、だから家からやることになるけど」

 

「学校でやるバカが……居そうだな、ハマれば……」

「月に数千円の贅沢って思えば、まぁ?」

 

ああ、金持ちは居るだろうよ。

僕には縁のない世界の話だけどね。

 

そんなこんなで、いろんなアバター――ユーザーが居る空間を、スマホ越しに歩いていく。

 

「何人くらい……ああ、15人くらい居るのか」

「さすがにちょっと重い? 別インスタンス行く?」

 

「インスタンス……? よく分からないけど、そこまでじゃないから大丈夫だ」

 

なにしろソシャゲ用に、親にあることないことプレゼンして高い端末契約してもらったからな。

 

これが女子だったら、みんなおそろいのデザイン重視のアレになるから不可能。

やっぱ男の方が気楽だよな。

 

「……けど、なんでみんなぼーっと突っ立ってんだ?」

 

部屋に入るとアバターたちがいっせいにこちらを見てくる。

 

けども――すでに数人で話していたっぽいやつらは輪に戻り、壁際とかで立ったままばらけてるそれなりの数のアバターたちは、こっちを見たりあっちを見たりで特に動く気配もない。

 

「玲きゅん?」

「名前」

 

「はいはい、レイちゃん」

「なんだヒカリ」

 

ネット上では僕のことはレイ――玲そのまんま、んで光はヒカリとまたそのまんま。

 

でも微妙にアクセント変えるとか細かい違いを見せつけるらしい。

 

よく分からないけど、カタカナで書けばお互いにキャラの名前とかでもおかしくない感じだしってことで、そう呼び合うことに決めた。

 

「あのね? もしレイちゃんがよ? 想像してみて? ――俺ちゃんからの手取り足取りなしに、自分1人で入ってきたらどうするよ?」

 

「どうするって……あー」

 

「そうそう。元からある人間関係なきゃ、人は簡単に初対面の他人に――しかもアバター越しで属性すら分かんないの相手に話しかけられないのよ。だって、相手の中身が小学生なのか高校生なのかおっさんなのかじいさんなのか分かんないもん」

 

確かにそうだ。

 

僕だって、クラスの知り合いとかには話しかけられるし――クラス替えのあとも席の近さとか自己紹介のあとでなら話せるようになるけども、それ以外は基本受け身だからなぁ。

 

ましてや他のクラスとの合同授業とかでも、なんとなく廊下ですれ違ったから話しかけられるとか、よくあるし。

 

けどそれ以外じゃ、基本的に話しかけられるの待ち。

 

なんとなく目が合って、お互いに似たような雰囲気でおそるおそる――以外のルートは、基本的にはない。

 

例外はこいつだけどな……僕は運が悪かったんだ。

 

それは理解できて、同時にひとりぼっちで突っ立ってるアバターたちに対して急に親近感がふつふつと湧いてくる。

 

「けど、それじゃひとりで入ってきても――」

 

「……えーっと、新規さんで説明聞きたい人居たら来てくださーい。案内しまーす」

 

結構大きめな声が、突如として響く。

 

見ると、壁際の1人1人の前をささっと通り過ぎながら声をかけているらしい――名前欄が紫色になっているアバターが居る。

 

「こういう人たちが居るから大丈夫よん」

「なるほどな」

 

「せっかくだから行く? たぶん俺ちゃんよりちゃんとした説明してくれるし」

「おう、お前だと地雷の設定とか喜々として勧めてきそうだからな」

 

「レイちゃんが反抗期」

「お前だけには言われたくないな……」

 

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