僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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36話 女装

「せっかくダンスするんだからさぁ、女装しようよう」

 

「ね?」

 

「え? 嫌?」

 

「嫌ならしょうがないかなー」

 

「でもさ、俺ちんってば、口軽いからさぁ」

 

「ついうっかり言いふらして――え? 嫌じゃない? さっすが!」

 

 

 

 

「………………………………」

 

「いやー、髪は女の命。つまりは髪の毛さえあれば、ある程度は顔とか体格とかごまかしきくのよ、女子って生物は」

 

――鏡の、前。

 

踊ってた直後で、急にインターホンが鳴った焦りで、ヒカリが強襲してきた衝撃で――健康的な汗と冷や汗とが混ざった状態で、玄関を開けざるをえなくって。

 

そんな僕を見て目を細めた悪友は――そっと、あるものを差し出した。

 

それは。

 

「ウィッグ。銀髪ロングの。いやー、今どきってすごいよねぇ、検索しただけですーぐネットで注文できるんだから。……まぁ安いのはあんまりにも質が悪かったから、ちょっと良いのにしたげたけどね」

 

「……そうか」

 

「うん。あ、大丈夫大丈夫、担任に聞いたら即OKだったから」

「そう……いや待て、先生に言ったのか……?」

 

「? うん。だって、学園祭の予算つくまではぜーんぶセンセのポケットマネー――おこづかいだし? さすがに悪いじゃん? なんにも言わないで使っちゃうの」

 

「……それは、まぁ……」

 

僕の脳裏に、新学期早々に面倒くさそうにしていた体育教師の顔が浮かぶ。

 

……あの人はなぜにもこんなに積極的だったのか。

 

いや、そんなことはどうでも良い。

 

そんなことよりも、今は。

 

「で? 感想は?」

「………………………………」

 

「……初めて女装したときよか恥ずかしくないでしょ? 正直に言ってみ? 初めてのウィッグで興ふ――」

 

「正直驚いた! 驚いたよ! ここまで女子に見えるようになるなんてな!!」

 

「でしょでしょー! けど――レイきゅん?」

 

ヒカリが――僕を、のぞき見てくる。

 

「もっと正直に。何と、似てる?」

 

「……アバターの、僕に」

 

「そう、メス堕ちしちゃって姫プとかしてる、オンラインのレイきゅんに」

「姫プはしていない」

 

していない。

 

初期のころのルーチェさんみたいなことはしていない……はず。

 

「そして……じゃじゃーん」

 

ヒカリが次に取りだしたのは――猫耳、カチューシャ。

 

「………………………………」

 

「銀色でもっふもふ! いやー、このウィッグと合うの、探すの苦労したんだからー!」

 

――銀髪に、ケモ耳。

 

こんなものを、現実の僕が身に付けたら、もう――――――

 

「ほいっと」

「あ」

 

かぽっ。

 

軽く挟まれる感覚を頭部に感じつつ、やつに抗議するために顔を上げると――鏡の向こうで、銀髪の長い髪をたたえてケモ耳を生やす、美少女が映る。

 

「っ!?」

 

「あとは赤のコンタクト入れればそれっぽくなるかにぇ? レイきゅんはインドアなおかげでお肌白いし、おひげもないし、童てもとい童顔だし……儚げな雰囲気で、『いつものレイきゅん』と合ってるぜい!」

 

「………………………………」

 

――一瞬。

 

そう、ほんの一瞬だけ。

 

鏡に映る、男のはずの僕が――バーチャルですっかり馴染んだ、もうひとりの「女の僕」に見えて、慌てて目を逸らす。

 

「……んふふー♪ どーお?」

 

「……髪に比べて顔は残念だなって思った」

「そお? もう、素直じゃないんだからぁ」

 

ま、そりゃそうだな。

 

かわいい記号を実現できる二次元――バーチャルは二次元なのか三次元なのかは置いておくとして――と、リアルとは違う。

 

よし、そう思えば落ち着いてきた。

 

大丈夫、ここに居るのはアニメ風のコスプレをしている、ただの男。

 

「ま、あとはウィッグを丁寧に整える作業と、レイきゅんのお顔をお化粧するのでなんとかなるとして」

 

「……なるのか?」

 

「なるよ? だから女子は大学生になったとたん、みーんなすっぴん見せないんだから」

「……知りたくないことを知ってしまったな……」

 

「しょうがないじゃん、盛れば欠点が消えてかわいくなれるし、みんなやってるんだもんよ。自分だけやらないと自分だけ損するからねぇ」

 

なんでコイツがこんなことを知っているのかとかは、もはやどうでも良い。

 

大方、コイツの姉からいろいろ聞いているんだろうしな。

姉を持つ同級生とかはどことなく女子に対して醒めた目をしているもんだし。

 

「じゃ、脱ごっか」

 

「え、嫌だけど」

 

「え?」

「え?」

 

「ほら、姉ちゃんから借りてきたお洋服。たぶんレイきゅんの体格的に、ちょい大きいくらいよ?」

 

「その言葉、言いつけて良いか?」

「や、だって俺ちんの姉ちゃん、レイきゅんより背ぇ高いし……本人も知ってるし……」

 

ぐ……コイツ、僕がこういう反応するのまで想定しながら来たな……!?

 

「んふふー、じゃあぬぎぬぎ」

「自分でやるから服を貸せ」

 

「え、でも、着るの」

「この前お前に脱がされて着せられたからもう知ってるが?」

 

「……チッ……なんでこういうときだけ頭回るんだよボケカスが……」

 

「お前、口悪くなるよな……思い通りにならないと」

 

 

 

 

銀髪ロング、ケモ耳に尻尾。

 

大学生以降の女性が着ているような、男の僕から見ておしゃれだって感じるシャツに羽織りものに、スカートの組み合わせ――ただしヒカリの指示で裾上げして丈は短めで、ニーソックスを穿かされて。

 

「………………………………」

 

「うぉ……すっご。まじでネット上のレイきゅんそのまんまじゃん」

 

――ああ。

 

「ちょっと袖で顔隠してみ? そうそう……うわ、顔隠せば本当リアルね」

 

――ああ。

 

みるみる顔が赤くなるのが分かる。

 

だって、こんな。

 

僕が、自分を女だと意識していた姿に、そっくりになるだなんて思わな――

 

――ぱしゃっ。

 

「えっ」

 

「悪いねぇ、レイきゅん」

 

にたにたと――悪魔が、ほほえんでくる。

 

「レイきゅんのSNSにさ、ついうっかり手が滑って――今の顔隠しレイきゅんのお写真……リプ、飛ばしちゃった。あは♥」

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