僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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38話 増える自撮り

「ああー、良いよ良いよー!」

「………………………………」

 

僕は、言われるがままにポーズを取るだけの人形だ。

 

「うんうん、ちょっとだけスカートつまんでみよっか」

「………………………………」

 

ちょうど体を倒して座って――女性がする、正座を崩した座り方のあれだ――いたところへ、足まで掛かっているスカートの裾を上げろという命令。

 

「あはは、大丈夫大丈夫! 俺ちんも垢バンされたくないからセンシティブにならない範囲で撮るし、撮ったのは全部、ちゃんと見せるって」

「………………………………」

 

そっか。

 

そうだよな。

 

こいつにはもう、サイズを測るときと初めて女物を着るときに剥かれて見られてるんだもんな。

 

なら、もう何度見られようと変わらないか。

 

「いいねぇ……レイきゅんの、適度に肉付きの良いふともも♥ うんうん、男どもはこれでイチコロだね!」

 

「………………………………」

 

野郎のふとももと尻を見て喜ぶのは、どんな層だろう。

 

少なくとも僕にはそういう趣味がなかったから、どんなポイントが男心をくすぐるのかがさっぱり分からない。

 

「あ、そう! その羞恥の表情、良いよぉー! あ、もち、上げるとき用に顔は隠した加工もセットで渡すからね! 顔とか部屋の中の個人情報に繋がるものとか、窓の外の風景とかネットに公開しちゃうとさぁ、なんでそれを本職で活かさないのかってレベルのエキスパートたちがすーぐに身元住所特定して突撃してくるからねぇ」

 

「………………………………」

 

お前もその類いじゃないか?

 

具体的には――僕みたいに気も弱ければ心も弱く、断ることのできず、かつ秘めた何かを持つ男女を的確に話術で誑かす、詐欺師の才能が。

 

「ところでレイきゅん。今日はお化粧ON?」

「……いや、何も」

 

「うん、そっかそっかぁ。うんうん!」

「……なんだよ」

 

「いやぁ? ――顔ってのはさ、心がそのまんま出てくるんだなぁって」

「………………………………」

 

僕は後ろを向き――撮影用に使っている姿見を眺める。

 

「………………………………」

 

いくらか慣れてきたものの、ヒカリという他人に見られ、しかも指示され、明らかに扇情的な格好やアングルで撮られている僕。

 

そのせいで頬はまるで化粧したかのように赤くなり、目元は潤み、口元は小さく開き――。

 

「正直エロい。普通に女の色気ある。レイきゅん、やっぱ才能あるって」

「……うるさい」

 

「てかこれ、何かのタイミングで――高校3年間のどっかとか大学のサークルで、何かの拍子で絶対開花してたって。んでそのときそばに居るやつらが悪いやつらだったら、そのままいただかれてたって」

 

「そんな、こと……」

 

「――ほんとぉ?」

 

ヒカリが――どっから持ってきたのか、いわゆる一眼レフっていうプロ用のカメラを片手に、最近はもはや固定の表情で――舌なめずりをしながら僕を見てくる。

 

「――じゃあ。今、この場で俺ちんがカメラ置いてさ」

 

その言葉の通りに、そっと床へカメラを沈め。

 

「こうしてにじり寄ってさ」

 

その言葉の通りに、ずいずいと近づいてきて。

 

「――こうやって顎クイしてさ」

 

その言葉の通りに――あごを2本の指でつままれて、無理やりに上を向かされて。

 

「好きにさせろ」

 

その言葉の通りに――――――――

 

「……って言われたら……って待って待って!? ちょい待ち!?」

 

「……なんだよ、ヒカリ……」

 

「あー、すまねぇ……まさかレイきゅんがそこまで素質あったとは……」

 

「……?」

 

あごの指が離されたから、鏡を見てみると。

 

そこには――悪友に押し倒される形になった「女」が、どう見ても――という表情で、僕を見ていて。

 

「……ね? んな表情されたらさぁ、鉄壁の心を持つ俺ちんでなければもう無我夢中で貪ってたよ……」

 

何度もため息をつきながら奴は立ち上がり――ふらふらとドアの方へ。

 

「……光?」

 

「ちょい、風に当たってくる……レイきゅんは、メス堕ちの気配どうにかしてしぼませといて……」

 

「……気配って」

 

――ぱたん。

 

………………………………。

 

「……アイツがあんな顔するの……初めて、見たな……」

 

ついさっきまでも悪魔の笑みを浮かべていた悪友。

 

新年度早々に絡んできて、しつこくて、気がついたら僕たちはいつもセットの扱いにさせられて。

 

そのせいで普通の交友関係も、普通に軽く話す関係になったかもしれない女子たちとも距離を置かれるようになって。

 

「あの2人は、お似合いだから」とか、絶対に否定したかった言葉で、自然な形で僕たちは周りから観察されていて。

 

そんな、アイツが。

 

「……アイツでも、あんな顔、するんだな」

 

そう思うと、僕は――――――。

 

 

 

 

「あら? 中村さん?」

 

「あ、お義母さん……」

 

「……中村さん、いえ、光さん」

 

がしっ。

 

顔を隠しながら歩いていた中村光の肩を掴んで振り向かせる、佐々木玲の母親。

 

その目つきは――母親であり、かつ、女であるそれは――中村光の表情を素早く読み解き。

 

「……どっちが食べたのかしら? 1回戦? それとも、あの子は初めてなのにもっと!?」

「いえ、その……俺ち――私の方がヘタレて……」

 

「ということは玲が!?」

 

「あ、いえ……その、撮影会してたら、玲きゅんがあまりにもやばくって……だから、そのぉ……0回、です……」

 

「……なるほどね」

 

母親は、女子堕ちした息子に想いを馳せる。

 

そして、これ以上ない笑みを浮かべ、

 

「うちなら、いつでも来てくれていいからね? 玲はとっくに堕ちてるから、もう好きにして良いわ! あの子、本当に嫌ならはっきり言うタイプだし、光さんのことも……ね? あ、あと旦那も応援しているし!」

 

「そ……それは、この先次第……かなぁと……」

 

しどろもどろに返事をする中村光もまた――つい数分前に玲が浮かべていたのと同じ種類の、「女」の顔をしながら……けれども、静かにこくりとうなずいた。

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