僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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41話 変化した日常(バーチャル)

「レイさんこんにちはー」

 

「はい、こんにちはー♪」

 

「やっぱりレイさんってかわいいですね!」

「ありがとー♪」

 

夕食後、すべてを片づけてからの貴重なVRなチャットの時間。

 

1回やらかしたおかげで――哀れむ悪友によるつきっきりのケアという屈辱を乗り越え、あれからは成績も上がったし睡眠時間も増えた。

 

なによりも、睡眠時間減らすと肌が明らかに荒れるからね。

 

肌を気にすると、次第に適当な買い食いとか夜食とかもなくなった。

おかげで今は、VRに染まる前よりも極めて健康的かつ美容に良い生活だ。

 

うん。

 

トータルで見れば明らかに良い方向だから問題は無いよね。

少しばかり捻じ曲がっていたとしても、トータルで見れば。

 

うん。

 

女装メス堕ち親バレっていう困難を乗り越えた僕は、無敵だ。

 

「レイきゅん、今日もこのシアノちゃんそのまんまなコスしててさー。かわいーよ?」

 

「へー……」

「そうなんですか……」

「ごくっ……」

 

――ヒカリが余計な情報を口にすると、一斉に向けられる視線。

 

それらが、僕のバーチャルな体を――リアルな体を、ねめ回してきている。

 

「………………………………♪」

 

僕は、あえて奴の声が聞こえなかったフリをして――適当にうろつくように見せかけて、体をひねったり、大きく伸びをしたりする。

 

――男からの、視線。

 

それが今や、心地良い以外のなにものでもない。

 

そう感じる程度には、僕は堕ちている。

 

「……この前も、また……」

「自撮り、上げてたな……」

「本当に、あのアバターとそっくり……?」

 

……そういえば。

 

ちょうど女装に吹っ切れたあのころから、やけにヒカリが誘ってきたっけ。

 

「最近初心者が流行ってるらしいさらさぁ、初狩り行かない?」とかなんとか。

 

しつこかったってのもあるけども、実際に右も左も分からなさそうにしてうろうろしている人をよく見かけるようになったから、しょうがなく付き合っていた。

 

確か、ちょうど1ヶ月くらいだったか?

 

ヒカリが初狩りに飽きてあっさりやめたのは。

こいつ、飽きたらすぐやめるんだよな……人を誘っておきながら。

 

「レイさん! あのときはありがとうございました!」

「レイさんに案内してもらったおかげでフレンドさんがたくさんできました!」

「レイさんが人気すぎてつらい」

 

その人たちは、今……前からのフレンドさんたちに、自然に溶け込んでいる。

 

その共通項が僕たちっていうのはちょっと恥ずかしいけども、代わりに誰かしらがすぐに来てくれて僕の見た目を褒めてくれるから、悪い気はしない。

 

たとえお世辞でも、言われて嫌なことはないもんね。

 

「……ねぇ、ヒカリ……ちゃん」

 

「おう、なんだい? レイきゅん」

 

最近は自然と――「このアバター」のイメージに沿った話し方にもなってきている気がする。

 

あと、光のことも自然にちゃん付けで呼べるようになってるし。

 

「なんかさ、最近、ちょっとだけなんだけど」

「うんうん」

 

「……ここに居ると、なぜか学校って雰囲気がしてくるんだ」

 

「!?」

「!?」

「かひゅっ」

「ひゅーひゅー」

 

「……そっかぁ、不思議だねぇ」

「うん、不思議なんだ」

 

不思議なんだよなぁ……そんなこと、あるはずがないのに。

 

学校での友達を――ああ、こういうやつは1回話したことがあるだけでも友人認定してずけずけ近づくんだよな――僕の100倍くらい持っているからこそ詳しいだろうヒカリに聞いてみたけど……。

 

「でも、それはたぶん……学校と同じくらい顔馴染みが集まってるからとかじゃない?」

 

「……そうかな」

 

「そうだよきっと」

「……そっかぁ」

 

きょとんとした様子で冷静に指摘されると、そういうもんかなって思えてくる。

 

少なくとも、学校での活動範囲が広いから雰囲気とか知り尽くしてるだろうヒカリは、そうは思っていない。

 

なら、やっぱり気のせい?

 

「……クラスで過ごすよりも仲良いフレンドさんがいっぱいいるし、そう錯覚してるのかな」

「そうそう、VRなチャットは良くも悪くも対人関係が密だからね!」

 

「ほっ……」

「危ねぇ……」

「今度からずらすか?」

「後で会議」

「ケー」

 

ちらりと見てみるも、みんな思い思いのグループを作って話し込んでいる。

 

……やっぱり気のせいだったのかな?

 

僕のことをずっと見てるわけじゃない。

それは少し寂しいけど、リアルを考えるとそれが普通だよね。

 

「あ、レイくん! この前のコスかわいかったよ!」

「レイ殿、また少しアバター改変したでござるか?」

 

「ルーチェさん、リヒターさん」

 

もう完全に僕が女装してるのは知れ渡っているフレンドさんの集まりに、いつもの2人も合流。

 

「………………………………」

 

でも、この2人――最近はよく、同じタイミングでインしてきたりするんだ。

それに、よく2人で話し込んでいるのを目にしている。

 

……やっぱりくっついたのかな……SNSのアカウントでもお砂糖報告は見てないけども。

 

あー。

 

僕は他人の恋愛とかには興味なかったはずなのになぁ……なまじ仲良くなった分、そういうところまで気になるっていうめんどくさいやつになっちゃってるのかな。

 

「いつかレイくんと『2人で』写真撮りたいなぁ」

「いいでござるな……! 撮影係は任せるでござる」

 

一応、前からの友人かつそこそこの仲ってことで僕に構ってはくれる。

 

けど……友人がくっついちゃうと、こういう疎外感があるのか。

 

またひとつ――リアルでではなく、バーチャルの世界で学んじゃったな。

 

「……ま、いっか」

 

VRなチャットは、友人を作って別れてを繰り返す――現実と同じようなことを、アバターっていう着ぐるみを被って楽しむコンテンツ。

 

学校では地味で、ろくな友達が居ない僕だからこそ、こうして楽しめているんだ。

 

なら――せっかく「かわいい女装子」とか「かわいい男の娘」って誤解してもらえているこの世界を、楽しまないとね。

 

メス堕ち?

 

うん、もうしてるから堂々と恥をかくよ?

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