僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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44話 クラスの人に女装がバレて泣いちゃった

「中村さん、お友達が大変なことになってるのに気づいてあげて!? と、とにかくあなた、私たちに捕まって!? すぐ連れてくから!」

 

「うぇ!? あ、ちょ、だから待っ――――――」

 

――気がついたら僕は、股を抑えたまま沈み込みかけていて。

 

それで、誰かが優しく――数人が、それも柔らかい体が、僕を抱きしめるようにして。

 

「今、近くの公衆トイレに――……って」

 

「……あちゃー……」

 

「……中村ちゃんのこの反応……」

「まさか……?」

「え? マジ?」

 

――聞き覚えのある声。

 

しかも、複数。

 

「……ひょっとして――佐々木くん?」

 

「……ふぇ……?」

 

「あ゜っ」

「み゜っ」

「あっあっ」

 

あっ。

 

本日2度目に抱きしめられた僕が顔を上げた先には――クラスの、女子たちがいた。

 

それも、普段から騒いでるグループ――秘密っていう概念が無さそうな子たちが。

 

ちなみに、誰ひとりとして名前は覚えていない。

だって女子と接点ないんだもん。

 

けども――――――――終わった。

 

僕の人生は、もうここまでだ。

 

「……う、うぅぅぅぅぅー……っ」

 

そう思ったら――そういや最後に思いっ切り泣いたのって、誕生日に両親が帰ってくるのが遅くって、夕食もケーキもプレゼントも全部無いんだって思って泣いちゃった、あのとき以来だ。

 

「……わぁぁぁん……」

 

そんなことを思いながら……僕の感情は、勝手に盛大に情けなく泣き出した。

 

「うぇっ!? あ、ちょ!? 泣かないで!?」

「え、それともマジで漏らしそうなのかも!?」

「ね、ねぇ、どうしよ!? 中村さぁん!!!」

 

もはや立っているのも恥ずかしく、ずるずると座り込んで――まるで、小さな女の子みたいに。

 

もう、止まらない。

 

――やっぱり女装は、メス堕ちは、危険なんだ。

 

こうして心までが――男じゃなくなるんだから。

 

「あー……こうなると思ったから、ここから3段階くらいかけてのクッションで慣らそうと思ってたのに……哀れ、レイきゅん……」

 

 

 

 

「……ご、ごめんなさい……女装する変態の上に、泣いて迷惑掛けて……」

 

「う、ううん! 私たちが悪かったから!」

「そうよ! 佐々木くんはなんにも悪くないわ!!」

「正直あの泣き顔で興ふ――とにかく似合ってるから! 大丈夫!」

 

……小さい子供って、困ると泣きわめいて周囲に何とかしてもらうとする。

 

そういうのは男女変わらないけども、印象としては女の子の方がそういうので面倒を見てもらいやすいから泣きやすい。

 

……ああ。

 

そんな、幼い女の子みたいに泣き散らして、本当に恥ずかしい……!

 

しかもクラスの女子たちに慰められながら、近くの喫茶店までなだめられながら連れてこられて。

 

ああ。

 

僕はもうおしまいだ。

 

明日には、クラス中どころか学校中に「休日の繁華街で女装を楽しんでいたくせに、見つかったとたん女みたいに泣き散らした変態」って広まるんだ。

 

………………………………。

 

……転校、しようかなぁ……。

 

「そんなに落ち込まないで! かわいいから!」

「そうよ、かわいいわよ!!」

 

「………………………………」

 

そんなこと、あるはずがない。

 

確かに、鏡で見るとかわいい――ように感じる。

けどもそれはしょせん「男だった僕からすれば」なんだ。

 

気分が乗って、だからそう見えるだけなんだ。

 

ほら、たまにネットで全然合ってない服装の女装の人が晒されてるよね?

あれだって、きっと本人とか仲良い人たちにとっては「かわいい」んだ。

 

同じ趣味嗜好になった僕にとっても「かわいい」で、しいていえば「こういう服とか髪型とかにすれば違和感減るのに」って思う程度なんだ。

 

だけど、客観的に見ると――晒されるほどのもの。

 

どうせ今の僕だって……。

 

「……あ、そうよ! 佐々木くん、クラスの――くんとか――くんとは友達よね!?」

 

「……うん……」

 

「う゛っ……」

「鋼の精神で耐えるのよ……!」

「なにこれ、やば……」

 

「レイきゅんが輝いている……!」

 

「じ、実はね! 彼らに相談されて、私たちでコーディネートしてあげてて!」

 

「あ、そうだった! そういやあの子たちもこの前、外に出てたじゃん!」

「佐々木くんほどじゃないけど、そこそこ似合ってる女装で!」

「まぁ運動部だからどうしても体格とかでね……」

 

「……え? そうなの?」

 

クラスの男子が……僕みたいに言いくるめられてか、それともあの盛り上がりっぷりからして自分から志願してか、女装していた……?

 

僕みたいななよなよしたのじゃなく、がっしりと男らしい彼らが?

 

すでに女子にモテてるはずの彼らが?

 

「そう! 今日は一緒じゃないけど、先週なんか私たちと一緒にお洋服とか見に行ったんだから! もちろん『女同士です』って顔して!」

 

「……ほんとぉ……?」

 

「    」

「 ゜  」

「  」

 

「レイきゅんレイきゅん、そろそろ泣き止んで? んで……ほら、ハンカチとちり紙あるから、顔きれいきれいしな?」

 

「……ちり紙って……ありがとう」

 

なんだ、そっか。

 

変態は、僕だけじゃなかったんだ。

 

なぁんだ。

そう思うと、少しだけ楽になる気持ち。

 

うちのクラスの男子――の何人かも、僕と同じ。

変態扱いされるにしても、数人のうちのひとり――そこまで社会的な死じゃない。

 

……ほっとしそうになったけどさ……それでも高校生にもなって男が女子の前で盛大に泣いたってのは、消せない傷跡になっちゃったんだよなぁ……。

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