僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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45話 攻守逆転で責任を取らせた

「うぅ……」

 

「まぁまぁしょうがないってレイきゅん。あんな事故あったら泣くのも当然だからさぁ」

 

「……人前で泣いた……しかも、女子の前で……」

 

「大丈夫! 今のレイきゅんは女の子だから!」

「よくわからない慰めはいらない……はぁ……」

 

あのあと、どうやって帰ったのか分からない。

 

気がついたら僕は自室に居て――外へ出たときの服装のままに、ベッドに突っ伏していた。

 

「ほら! 女の子なら外で泣いてもセーフだから!」

「だから、あの人たちは僕のこと……うぅ……」

 

そうだ。

 

ヒカリだけならまだしも――せいぜいが1日に1回程度は泣いたことで煽られる程度だろうけども、あれはクラスの女子たちに見られていたんだ。

 

しかも、特別に交友関係が広くって特別におしゃべりな人たちに。

 

「もうおしまいだ……」

「むしろ始まりでは?」

 

「……ヒカリ……いや、中村……今までありがとう……」

 

「いやいや、なんか消えようと……不登校とか転校とかやめてね!?」

 

ああ、お前は本当に頭が良いね。

 

僕の思っていること、すべてお見通しってわけだ。

 

「僕の秘められていた性癖を暴いたことには今でも怒ってるし、同時に感謝もしている……だから、もう……」

 

「てゆーか言ってたじゃん、クラスの男子たちもすでに女装デビューしてるって」

 

「……僕は、高校生にもなって女装して泣きわめく恥ずかしいやつなんだ……」

 

「うわめんどくさっ!? めんどくさい女子か! 女子だった!」

「……男だよ、馬鹿……」

 

涙を枕に吸い取らせ、僕は我が物顔でベッドに腰掛けているヒカリをにらみつける。

 

「!?」

 

「……お前のせいだからな。――責任、取れよな」

 

「     」

 

そうだ。

 

僕が外で女装するきっかけになった宅コスのきっかけになったメス堕ちのきっかけになったVRなチャットっていう魔境へ誘い込んだのは、お前じゃないか。

 

「とんでもなく恥ずかしいところ見られたんだぞ。人前で恥ずかしめられたんだぞ」

「ちょ、ちょお!? その表現はなんかまずいよんレイきゅん!?」

 

「そうだ、お前のせいだ――ヒカリ」

 

ぎしっ。

 

腰から上だけを起こし、奴ににじり寄る。

 

「あっあっ」

 

「お前が、僕を、こんな体にしたんだ。こんな心にしたんだ」

 

そうだ。

 

無駄に顔も良くって女子にモテて、話も得意で誰とでも1分で友達になれる、僕たち冴えない男子の敵。

 

「レ、レイきゅん!? ベッドでぐずってたせいで、胸元が――」

 

「ヒカリ」

 

とんっ。

 

「……あ、え……?」

 

――どさっ。

 

普段はしたり顔で、なんでも分かってる表情をして自信満々で、かき回して楽しむなにかを思いついた途端ににやける、その端正で腹が立つ顔が目を見開き――そのまま、ベッドに背中からぽふんと倒れ込む。

 

いつの間にかに逆転し、その――僕の長く伸びてきている髪よりも短くなったさらさらの髪が、僕のベッドに広がる。

 

「僕をこんなにした責任」

 

「レイきゅんっ……その顔、やば……!」

 

「ヒカリ」

 

ぐっと、顔を近づける。

 

――僕を困らせようと、しょっちゅう自分から近づけてきたりするその顔が、光の加減なのか、紅く染まっている。

 

「取れ。責任」

「み゛ゃっ!?」

 

そうだ。

 

おそらくは明日から、僕は「町中で女装してた上に、女の子みたいに泣きわめいた情けない男」って情報が、学校中に知れ渡っているせいでからかわれ、哀れまれ、いじめられるんだ。

 

「僕は、お前が居ないともう、生きていけない」

 

「      」

 

僕の伸びた髪の先端が、光の顔にかかっている。

 

「お前は僕の初めてを、無理やりに奪ったんだ」

 

「     」

 

仮に――仮に、そのうち、心の迷いで――いや、きっとどこかで、同じようなことになっていた。

 

遅かれ早かれメス堕ちして、女装していたんだろう。

 

ああ、そうだ。

心の中では正直に言おう。

 

でも、それを強引に目覚めさせ、今日みたいな苦しみを与えてきて泣かせてきたのは――お前だ。

 

「そのせいで――僕はもう、お前が居ないと生きていけない体になったんだ」

 

「     」

 

「そのせいで――僕の人生はもう、お前無しじゃ歩めなくなったんだ」

 

「     」

 

なぜかは知らないけども――きっと、なけなしの良心で。

 

あとは普段やられっぱなしだし抵抗なんてできないはずの情けない僕が押しているおかげで、とまどっているおかげか。

 

たぶんもう見る機会はないだろう、口をぱくぱくするだけ、目をぱちぱちするだけで、あと手も胸元でぎゅっと握った形のまま硬直している姿。

 

それのおかげで、僕は強気の交渉をする。

 

これからの3年間の高校生活を台無しに仕掛けた、元凶へ。

 

「ヒカリ――いや、光」

 

そこでふと――僕は、こいつからの演技指導の中にあった練習を思い出し。

 

口元を、奴の耳元へそっと寄せ――――――

 

「――せきにん。取って――くれるよな?」

 

女装していると、もはや自動的に高くなる声を意識して低くし――ささやくように届ける。

 

同じことを以前の僕に向けてして「こうすればどんな女の子だってイチコロよ! まぁレイきゅんには無理だろうけど! あはは!」とか言ってのけた意趣返しだ。

 

「僕の、人生の責任。………………………………返事は?」

 

「………………………………は、はぃぃ……」

 

……ふぅ……よし。

 

言質は取った。

 

僕は体を起こし――気がついたら仰向けになっていたヒカリの腰に僕の体重を乗せ、ヒカリの両肩の外についていた手を外し、妙に熱の籠もった空気から離れ、ほっとひと息。

 

「……ふぅ……」

 

「      」

 

下を向いていたせいで血が昇って赤くなっていた顔を冷ますように背中を反らせ――汗をかいていたらしい首元をあおぐ。

 

………………………………。

 

……あ。

 

こういうときまで僕、女の子座りする癖、ついちゃってたんだ……おかげでヒカリに馬乗りになる形になってた?

 

ああ、体重でも圧力掛けられたから言質を取れたんだな。

 

あとついでにシャツがずれて下着がまる見えだ……これは別にいいか。

 

ともかくこれで、明日から学校でなにかあってもコイツに丸投げできる。

 

その約束をしたからな。

 

裏切られたら早退してそのまま不登校になるか、両親に相談して転校を願い出よう。

 

うん。

 

そう思うと、ちょっとすっきりした。

 

「これからは、責任を取ってしっかり頼むぞ? ヒカリ♪」

 

「      」

 

気分が良くなった僕の喉からは――僕でもかわいいと思える小悪魔な声が出ていた。

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