僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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51話 噂される僕

「~♪」

 

僕は、珍しく退屈な時間を過ごしていた。

 

夕方になってもヤツが来ないもんだから――せっかく今日もかわいい服を着たのに、見せる相手が居ない。

 

まぁしょうがない、そういう日もあるよね。

 

光が来なくたって、別に寂しくなんかないし?

そうだよ、僕にはちゃんと相手してくれる人が居るんだからさ。

 

今や、リアルでの友人よりもバーチャルでの友人の方が多くなって久しい。

 

……いや、そのほとんどは顔すら知らない、男か女かすら分からない人たちなんだけども……それでも通算で話した時間は、学校での友人より優るのが大半。

 

はたして「リアルでお互いに姿形を知っているけれどもそこまで深く話さないクラスメイトな間柄」の方が友人として正しいのか。

 

それとも「姿形をお互いに知らないながらも趣味や好きなことについて知り尽くしている、ネット越しの間柄」の方が正しいのか。

 

それは、まだVR――いや、ネットっていう人類には早すぎる技術のせいで分からない。

 

けれども、その人たちと繋がっているSNS。

 

学校のグループチャットよりも気軽にお互いの日常を呟ける分、やっぱり学校で1日ほとんど話さないけども顔はお互いにちらちら見ている間柄よりも濃い気はする。

 

【この人のこと知ってる? 改変めっちゃかわいいんだけど】

 

「!」

 

なんとなくで追ったりリプしたりしていた会話の中に、ぽつりと――僕のスクショが流れてくる。

 

【ああ、レイさんね】

【フレンドさんだから知ってる】

 

……僕自身のことを知らない人たちが話している。

 

そう考えると……見てはいけないものを見ている気がして。

 

【何ヶ月前からやってるし、ほぼ毎日居るからけっこう有名人だよ】

【うわ本当だ、アカウント、フォロワー多い】

【まあね、自撮りとか上げてるし】

 

――ぞくっ。

 

僕が、知らない人から見られている。

 

「……♥」

 

【え? 男? 女?】

【どっちだと思う?】

【どっちでもありえるから好きな方で良いんじゃ?】

【本人は男って言い張ってる感じ】

【まぁ女性ってだけでめんどくさいのに絡まれることあるし】

【性別の話題はセンシティブだから本人には聞かない方がいいぞ】

 

僕の――つい30分前にポストをした、ロングスカートにゆったりとしたフレアシャツな姿が――見られている。

 

【……これで男……?】

【レイヤーさんだとか】

【女の人?】

【さぁ?】

【レイさんって自分のこと積極的に話す人じゃないからなぁ】

 

――そうだ。

 

最近のフレンドさんとか交流ある人とかの大半は――僕のことを女子だって認識しているんだ。

 

そこを僕が「男です」って言って、だからみんなが疑心暗鬼になっている。

 

――僕が、かわいいから。

 

「…………♥」

 

もぞもぞ。

 

ロングスカートのまま寝転んでいる体が、なんだかむず痒い。

 

【声もすっごくかわいいぞ】

【顔は?】

【顔出しはしてないな】

【えー】

 

【レイさんはどっちかって言うとVRなチャットに居る時間の方が長いからな】

【表に出るタイプじゃないよね】

【会話でも基本聞き役だし】

 

会話に参加している人たちは、ときに顔――いつも使っているアバターのそれが浮かんだり、浮かばなかったり。

 

けれども、僕が思い出せない人の方が多い。

 

つまりは――知らないうちに知られている。

 

「………………………………」

 

くるくる。

 

すっかり伸びた横髪をよじりながら、僕の噂を聞く。

 

【自撮り見る限り慎ましい(意訳)よな】

【スレンダーって言え】

【ふともも細すぎない? もっと食べて】

 

【干し芋で着て欲しい服とかリクして貢げるぞ】

【!!!】

【moothでシアノちゃんアバターに合う衣装送るのでも可】

【そっちの方が眺められて良いよね】

【うむ】

【いい……】

 

「……ふともも……」

 

少し前、僕はでぶった。

 

でも、それをフレンドさんたちに言ったら「細すぎるからむしろ太った方がいい」って言われた。

 

――それはつまり、女の子らしい下半身を望まれているということで。

 

「…………♪」

 

ぱたぱたぱた。

 

膝から先とスカートの裾がこすれる感覚を楽しみながら、脚を動かす。

 

……ふーん。

 

女の子が、噂が好きなの……ちょっとわかった気がする。

 

 

 

 

「乙女ねぇ……」

「見事な乙女になってますねぇ」

 

「息子が女の子みたいにはしゃいじゃってる……」

 

「感想は?」

 

「もちろん最高よ」

「ですよね」

 

廊下。

 

玲の部屋の前。

 

――スマホでSNSに夢中な玲は警戒を怠り、自室のドアに背を向けてベッドに寝転び、ごろごろぱたぱたしている。

 

そんなドアは、少しだけ開かれていて。

 

「男の子って、変なプライドがあるじゃない? だからこんなに無防備になってくれないのよ」

「まぁ男子の秘密の時間とか母親に見られたくないでしょうし」

 

「残念ながら玲のそういうのを1度も発見したことないんだけど」

「マジですか」

 

「ええ、そういう雰囲気を狙って開けても……がっかりよ」

「警戒心がすごいのか、それとも……いえ、大変に良いお話を」

 

「そんなことよりも……かわいいわねぇ」

「ですねぇ、野郎どもにモテてはしゃいじゃって」

 

「あら? 『カレシ』さんとして嫉妬はしないの?」

「それよりも自分のカノジョがモテて悶えてる姿見てる方が気持ちいいんで」

「分かるわぁ」

 

ころんとひっくり返り、仰向けになりながらも画面にくぎ付けな玲を……ため息をつきながら眺める2人。

 

「男もメス堕ちしたら乙女。色気づき出した……小5あたりの女子って感じですね」

「えぇ……懐かしいわぁ。玲ったら男の子なもんだから、そういう話もなくって」

 

「まあまあ良いじゃないですか。これから当分のあいだは『かわいい女子』か『かわいい女装子』としてモテてるのに、こーんなにはしゃいじゃってるメス堕ちした息子さんが堪能できるんですから」

 

「……週末、お買い物に連れて行こうかしら?」

「ぜひ。着せ替え祭りですね!」

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