僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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5章 僕のおしまいとはじまり
62話 女装初登校でどきどき


「な、中村ぁ……」

 

「ダーメ。はじめてのおつかいは1人でやるの!」

 

「なんだよ、おつかいってぇ……」

「ほらほらキョドらない! だいじょーぶ、ちょい離れたところで見といたげるから!」

 

なぜか朝っぱらから家に居て、なぜか一緒に朝ごはんを食べて、なぜか一緒に着替え――る姿を見られて。

 

早朝の慣れた空気の中、慣れない制服ですがる僕を突き放す悪魔。

 

「うぅ……」

 

「女の子のカッコで出かけたのなんて、あれから何回もあったっしょ?」

 

「せ、制服だぞ……うぅ、すーすーするぅ……」

「あー、レイきゅんってばロングスカート多かったから……ふむ、これはこれで」

 

そんな僕たちのやり取りは、はたしてどう見られているのか。

 

……視線が……視線が向けられている気がする……!

 

 

 

 

電車。

 

「………………………………」

「………………………………」

 

……気が立ってるせいだとは思うけど、やけにおじさんたちと目が合う気がする……あと、女の人とも……。

 

――こんな狭い空間に何十人も密集して揺れ動き、ときどきお互いに肩とかで押し合ったりへし合ったりする環境。

 

まかり間違って、ここで男だってばれたらどんな罵倒が向けられるか……!

 

「………………………………?」

 

……あれ?

 

なんだか普段よりも押されない気がする……?

 

「わっ……」

 

だからか、カーブで思わずよろめく程度には僕の周りが空いていて。

 

「ご、ごめんなさいっ」

 

思わずで社会人の女の人にしがみつく形になっちゃって頭が真っ白になったけども――彼女は一瞬体を硬くしてからにらみつけるような目を向けてきて。

 

けども――目を見開いたと思ったら、ふわっと柔らかい空気になる。

 

「大丈夫よ。ほら、立てる?」

「は、はひっ」

 

……なんだか胴回りに抱きついちゃったのに咎められないどころか、僕の脇の下に軽く手を入れて立たせてくれた。

 

「………………………………?」

 

そんな彼女は――僕が普通に立てたのを確認すると、まるでなにもなかったかのように手元の画面に目を落とし直した。

 

………………………………。

 

良かったぁ……今の、女装してなかったら間違いなく痴漢の現行犯で逮捕されてたぁ。

 

……いやいやそもそも普段とは違う格好で落ち着かなかったからバランス取りづらかったのは女装のせいなんだ、気をつけよう。

 

 

 

 

「あ゛ー……」

 

「おー、もはやうんざりした声すらかわいいねぇレイきゅん」

「……女装してるときは声高くするっていう条件反射でね……」

 

「じゃ、話し方もそれに見合うように」

「それは――まぁ、そこそこにな……」

 

ようやくに周囲が同じ制服の男女で占められる通りを歩く僕たち。

 

「……助けてくれたって良かったじゃないか」

 

「いやいや、最初は自分でやらないとね?」

「なんだそれ……」

 

じとっと精いっぱいの抗議をしてみるも――変わらずに僕の姿をスマホで撮っているヒカリ。

 

「お前……」

 

「レイきゅん、もうすぐしなくなるんでしょ? 女装。だから今だけ撮らせて!!」

「……はぁ……変なところ撮るなよ……」

 

「いや、マジでフツーにどっからどう見てもJKだからね? そんなジャンガリアンハムスターみたいにしてなくて良いのよ?」

「なんでジャンガリアンハムスターなんだ……」

 

家を出てからずっと――特に電車では緊張し切っていたからか、なんだか疲れてどうでもよくなってきた。

 

なによりも中村の軽口は一切変わらないし。

 

髪の毛は前から伸びてたし、この前はブラジャー着けたまま登校しちゃったし……あんまり変わらないかもって気もしてきたな。

 

「……! この前の子……!」

「やっぱ1年か」

「今日はスカート……やっぱり……」

 

通学路は上の学年も混じり、知ってる人も少ない。

 

隣の悪友からずっとしゃべりかけられ続けて不幸な生徒としか見られてないだろうし……うん、嫌な汗も引いてきた。

 

「あ、あの子……」

「今日は女子の服装なんだ」

「あのね? あの子、実はあのクラスの……」

 

普段は両手をズボンのポケットに入れて収まりが良かったところが、スカートだとそうも行かない。

 

自然、鞄を両手で抱えるようにしていたけども、これはこれでなんかしっくり来る気がする。

 

「……~♪」

 

「おー、ご機嫌さん」

 

横から茶々を入れてこられるのには無視で答え――貴重な女の子の格好での登校っていう、普通の高校生活ではまずあり得ないシチュエーションを楽しむ余裕が出てきた僕。

 

「……けど、このリボン、生徒指導に引っかからない?」

 

「大丈夫大丈夫! 一生のお願いだからさぁ!」

「いいけどさ……スカートに比べたら些細な問題だし……」

 

――髪の毛を後ろで。

 

家を出る直前に、母さんとふたり掛かりで結われた、今どきマンガでも無いようなでっかいリボン。

 

それが風でもぞもぞと動くようにしている感覚が――なんだか、ちょっと楽しかった。

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