僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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64話 女装して体育を受けた後のこと

「あれ? お前、隣のクラスのやつからノート、借りたとか言ってなかったか?」

「あ、やっべ。ちょっと行ってくるわ」

 

とあるクラスのとある男子が、席を立つ。

 

「あ、でも、隣はさっきの時間体育だったんじゃ?」

「大丈夫だろ、女子は更衣室行ってるし」

 

友人のノートを借りた彼の頭の中には、ただ「借りていたノートを返さないと今度おごらされる」という意識しかなかった。

 

ゆえに、

 

「あ、でも、あのクラス――」

「おい待て、迂闊に教室入ると性癖が――」

 

友人たちの貴重な忠告も用をなさず、彼は一切の準備もなしに廊下へ出てしまった。

 

――ドアは閉まってるけど中は男子だし、別に良いよな。

 

迂闊な彼は、がらりとその扉を開いてしまい――。

 

「………………………………へ?」

 

ぴしっ。

 

彼が「汗臭いのは我慢しよう」とだけしか考えていなかったその空間には――「下着姿の」「女子」たちが「女子の匂い」を充満させていた。

 

「……え?」

 

「……これ、きゃーとか叫ぶべき?」

「女心の醸成には必要かな?」

「待て、ここは佐々木を見てみよう。――――――!?」

 

彼の目は、正面の光景にくぎ付けになって外せない。

 

――なんで、女子が教室で。

 

女子更衣室で着替えるはずじゃ。

 

入ってきたばかりの哀れな彼の思考は、停止する。

 

ぱっと見でしかないためにそう思い込んでしまう、毛のない太ももがまぶしく見え、思わずといった形で制服を胸元に当てて硬直している「女子」たちの体のラインを。

 

それは、女子の裸体だと思い込んでいるからこそ――純粋な男子の彼には刺激が強すぎ、ために疑うこともなく。

 

「……あ、え…………………………」

 

なんとか視線を移してみれば、そういえば廊下側の窓は目張りがされていて中が見えないようになっていて。

 

――あ、そうだ、女子の着替え姿、廊下に見えちゃまずいな。

 

それだけの思考が絞り出され――後ろ手でドアを閉めてしまう。

 

――あ、終わった。

 

そうして彼は高校生活の終わりを悟るも――。

 

「あの……どうかしましたか?」

 

――目の前に、胸元と腰にピンクの下着が見えている、制服で前を隠しただけで特段に恥ずかしそうにもしていない、髪が肩紐に乗っていて、それがなんだか扇情的な「女子」が――彼を、のぞき込んでいた。

 

「おお……」

「さすがは……」

「意識しないように仕向けたのが功を奏している……!」

 

「なにか用ですか? 確か、近くのクラスの人ですよね?」

 

その声は、少しだけ声の低めな女子――けれども女子のもの。

 

「……あ、は、はいぃ!? あの、こっ、ここここれっ……!」

 

「あ、ノート。分かりました、渡しときますね」

 

まるで彼の動揺には気づいていないように受け取る「彼女」――その手が、ほんの少しだけ――しかし確実に彼の指に触れる。

 

「あひゃあっ!?」

 

「? ……――くーん、このノート……」

 

――くるり。

 

「ぶふぉっ!?」

 

まるで男子が自分たちの着替えを覗きに来ていることなど意識していないように、「彼女」は振り返り――肩甲骨に掛かるピンク色の下着、細い背中、同じくピンクの布に包まれた、少し小ぶりながらも形の良い尻、細めのつるつるとしたふとももが――彼の前に、差し出された。

 

「ああ、哀れな……」

「彼の性癖は、もう……」

「かくいう俺らも……」

「俺たちは前から少しずつだが、あいつは……」

 

「はい」

 

「あ、ああ……ありがとう、佐々木……」

 

その場に居た、渦中の2人を除くすべての男子たちは……あまりにもかわいそうなものを見るようにして。

 

かつ、それはそれとして自分たちの仲間を見るような視線を、送り続けた。

 

 

 

 

「………………………………」

 

「おい、大丈夫だったか?」

「言い忘れてたけど、あのクラスってコスプレ喫茶のために……」

 

「――あ、ああ。そうだったな……」

 

彼は焦点の定まらない目のままにふらふらと自分の席へたどり着き、崩れるように座り込む。

 

「………………………………」

 

彼の目に焼き付いてしまったのは――「そういえば何度かクラスで見たことがある気がする」「男子」の、下着姿。

 

彼を見上げてくるあの顔と、その下にあった細い首に鎖骨、そして下着の――。

 

――言われてみれば、確かに男……かも。

 

でも、それにしたってあんまりにもなだらかな体つきをしていて――。

 

彼は硬直したままに、見てしまった景色を反芻する。

 

「………………………………」

 

けれども――ひとりっ子で、彼女なんて居たことがなく、純情でいながら思春期としては普通の精神状態であった彼にとって、その光景はあまりにも刺激が強すぎて。

 

「……なぁ」

 

「ん?」

 

「隣のクラスの……佐々木って……」

 

「佐々木? ああ、あのかわいい男子な」

「コスプレ喫茶のためだとかでみんな髪伸ばしてるけど、あいつは別格だよな」

「俺は女の子が好きなんだ俺は女の子が好きなんだ男じゃない男じゃない……」

 

「……男子……女装……」

 

――彼の性癖は、修復が不可能になっていた。

 

 

 

 

あー、恥ずかしかった。

 

いや、みんな同じ姿だったし、みんなで女装してるっていうレベルの高すぎる空間なのに、やけに気にしてない風だったから平静は装ったけども。

 

……けどみんな……脱毛して女子の下着身に付けて、髪もうっすらと伸ばしたりウィッグを着けたりして、さらに制汗剤も女性用のを使うだけで、あんなにも雰囲気変わるんだな。

 

さすがに他のクラスの人が来たときはびっくりしたけども。

 

そういや彼、顔、真っ赤だったけど大丈夫だったのかな。

カゼ引いてても登校する根性のある人だったのかな?

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