僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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68話 女装メイド服喫茶な学園祭 1

「……眉よし、唇よし。念のために昨日美容院行ったし、髪の毛も整えたし……見える範囲は除毛剤塗ったし、保湿も……」

 

鏡の前で格闘して30分。

 

疲れ切った頃に、ようやくに「かわいい僕」が完成する。

 

――疲れるよね、お化粧……すらしないのに、見た目を整えるのって。

 

つい数ヶ月前までは、寝坊すると10秒とかで終えていたっていう事実。

やっぱり女性は身だしなみに時間が掛かるんだ……覚えておこう。

 

「お化粧は?」

「あくまで常識の範囲内でって……母さん!?」

 

「せっかくだからお化粧と香水も少々……大丈夫、10分で終わるわ!」

「いや、ただの学園祭なんだからそんなの……」

 

「……玲? 高校1年の学園祭は、1回しかないの」

 

「そりゃあそう――――――――――」

 

「――『女装喫茶をクラス全体で推してくれて合法的にみんなから見てもらってちやほやされて惚れられる機会なんて、これを逃したらもう二度とないわよ?』」

 

「!?」

 

その言葉に、心臓が跳ねる。

 

「女はね? 20を過ぎるとね? 本当の意味で全肯定されてちやほやされる『女子』に戻れなくなるの。――それは、玲も同じ」

 

「いや、僕は」

 

「あら、良いの? 『男の子なのにじぇーけーになれる』のは、あと2年と数ヶ月なのよ?」

 

「……!」

 

「――そうだよぉ、レイきゅうううん……」

 

「!?」

 

右からささやいてきていた母さん――その反対側から、ぬっとねっとりと語りかけてくるこの声は……!?

 

「このネット全盛、かつ少なくともあと30年40年は高齢化の続いていくこのネット社会ではねぇ……みぃんな肉体的な加齢も精神的な加齢もちょっぴりずつ遅くなっていくからか、たぶん今からなら40代でもばりばりネットの姫できるけどねぇぇぇぇ……」

 

「現役JK、高校生男の娘のステータスとお肌の張りと体重と体型はねぇ……?」

「今しかないんだよぉぉぉぉ……? ぜっっったい後悔するよぉぉぉぉ……?」

 

「     」

 

僕の脳は停止し、体は謎の火照りと焦りを覚える。

 

「特に女の子はねぇぇぇ……若さがねぇぇ、1年1ヶ月1日1分が価値だからねぇぇぇぇ……」

「かわいいかわいいってちやほやされたいならぁ……焦らなきゃ……」

 

「     」

 

「おっと、汗です義母さま」

「玲くん……ひょっとして女の子のキモチ、カラダで理解してるのかなぁ……?」

 

「……光ちゃん、もうそこまで行ったの?」

 

「あ、いえ、その……やっぱり初めてはオトコノコからが良いなって……」

「もう、乙女ねぇ」

 

「     」

 

「あ、汗パッドもつめつめしないとね。1日中なんでしょ?」

「あ、ですね。一応1時間置きに交代ですけど、緊張すると大変ですし」

 

僕の脇に――女装してから初めて知った、肌と同じ色の湿布みたいなもの――汗を吸収する他のもの、そして脇の出る服では必需品とのこと――が、貼られていく。

 

「つるつるじゃないと剥がすのが大変だから良かったわね」

「もともと体毛薄かったですし、毛根いじめてたらしばらく生えなくなる羨ましい体質だねぇ玲きゅうううん……」

 

「けど、玲にこんな才能があるだなんてねぇ」

「伊達に初めて出会ったときに衝撃受けてませんよ」

 

「あら、そうだったわね? 光ちゃんの方からアプローチし続けたんだものね」

「だって、恋愛は早い者勝ち――1秒でも手を出されるのが遅れると、もう正式な恋人の座を得るのは死ぬほど大変になるんですもん」

 

「    」

 

「     」

 

 

 

 

「――――――――――はっ!?」

 

「あ、レイきゅん。ダメじゃない、こんな大切な日の朝に二度寝しちゃ」

「……え?」

 

「玲、光ちゃん? 朝ごはんできているわよー」

「はーい! ほら、朝ごはん食べよ? ――『レイちゃん』?」

 

「あ、うん……そう、だね?」

 

「あと今日は意識して声高くして、ぶりっ子しようねぇ。たぶんそれで緊張してちょうど良い普段の悩める『レイちゃん』になるからねぇ」

 

「うん……そうだったっけ」

「そうそう、今日はみんなのためにがんばる日だよぉ」

 

うーん、なにか大切なことを聞いたことが気がするんだけど……だめだ、なぜか思い出せない。

 

「……あれ? こんな下着着てたっけ?」

 

「うん、うっかりドジっ子メイドさんやってお色気するかもしれないのにダサいのだったからねぇ、かわいいのにしてあげたよぉ」

 

「? ありが――あれ?」

 

「ほらほら食べるよレイちゃん遅刻しちゃうよレイちゃん」

「あ、うん……うん?」

 

???

 

なんだか髪の毛が――さっきやったよりも時間を掛けて整えられてる気がするし、ついでで目立ちすぎて恥ずかしいからって隠してたはずのでっかいリボンも後頭部で揺れている。

 

あとは普段よりも制服のスカートが――僕は嫌だって言うのに毎回短くさせられる丈が、最初から短くなっていてふとももが普段より輝いている気がする。

 

「………………………………?」

 

「あ、そうだレイちゃん、接客マニュアルの練習、朝ごはん食べながらしよ? もう覚えてるけどこういうのは当日の普段通りの練習が大切よ? 全力でご主人様たちに媚び媚びしてきゅんきゅんしてもらわないねぇ」

 

「……うん、そうだね……練習は大切だ……」

 

僕は――ふと鏡を見ると、髪の毛の先にエクステまではっ着けてあるせいで腰までの長さっていうコスプレでもしないと滅多にない長髪になっていたのを知る。

 

「………………………………」

 

なんだか良くない気はするけども……どきどきが止まらなくってふわふわするから、もうこのままでいいや……。

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