僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~ 作:あずももも
「おはよー」
「おはよー」
「ねぇねぇ今日の学園祭、どこから……」
「………………………………」
普段と違う、眠そうな生徒の少ない朝の登校風景。
ちょっと早めに出ているのに、普段のぎりぎりの時間とそんなに変わらない風景。
「……なんか最近、見かけない生徒多くない……?」
「そういえばそうかも……」
「入ってこれる人、生徒と招待客だけだよね……?」
……女子の制服着ての登下校。
もともと女装は――部屋ではしていて、そのうちに家全体でするようにさせられて、外へも騙されたり無理やりだったり外食で釣られたりして仕方なくしていたから、思ったよりも抵抗は無く。
「ああ、確か1年で……」
「じゃあ、あの子たちも……?」
「え、でも、家からはしてこない……よね……?」
そもそもクラスの大半が何故か異様に盛り上がった結果、自主的に女装と男装をして登校してきていた。
だからか僕が思い切ってやったときも――正直「もっと騒いでくれても良いのに」って思ったくらいには反応も薄く。
合同授業とかでも、最初に席に座ったり名前を呼ばれたりしたときこそ一瞬ざわついたけども、うちのクラスのおかしさが知れ渡ってたおかげか「またか」って反応で、特に追求されることもなく。
……ま、まあ?
用があるときだけ数回話したことがある程度の男子たちから事あるごとに話しかけられるようになったり、明らかに胸元と会話されたりふとももと会話されたり。
女子たちも女子たちで、遠慮もなくあっちこっち触ってきたり――明らかに不機嫌そうになったりため息ついたり、あとは「でゅへへ……だ、男子で好きな子居る……?」とかスケッチブック持ちながら聞いてくる人が居たり。
それも、うちのクラスの謎の連帯感ですぐに僕は囲まれ、困る状態はすぐに解消された。
トイレだって教職員用の共用トイレを――なぜか女子たちが異様に早く済ませて出てくる珍事が起きたりするそれを使ったり。
移動先や学食の近くでは仕方なく男子トイレに入って、ぎょっとされたり。
……あれってさ……普段なら僕を見て顔と体格と友人の数の差を瞬時に判定して「コイツには勝ったな」って顔してくる男子とかでも、女装した僕を見て二度見して三度見して――慌てて、まだ出てたりするのになんとかズボンの中に収めようと、見られないようにしようとしている姿が……楽しかったっけ。
まぁさすがに1週間2週間経って、そういう新鮮な反応する人が少なくなっちゃってちょっと寂しかったけども。
「……けど、あんなに背が高くてかわいい系なのにかっこいい人って」
「や、やっぱり男子なの……?」
「あれで生えてるとか……」
そんな回想も校門に掲げられている「学園祭」の文字に消えていく。
――ああ、今日は。
今日は――女装の、最後の日なんだ。
「まぁ2日あるけどね! 明日もあるよ!」
「……光、人の心を読むな」
「いやん、レイちゃんは顔に出るのよ」
隣から抱きついてくる中村を押し返し、すっかり台無しになった感傷を忘れて学校へ入る。
「……あれ、同じクラスの子たちだったら……」
「男装した子が女装した子にずっとちょっかいかけ続けてた……?」
「うーん……2人とも、どっちとも取れる顔だったし、胸もなかったから分からないけど……もしそうだったら……」
◇
「はーい、前に試着してもらったのが届いたので順番に取りに来てくださーい! サイズ違いの予備もあるけど、大きい分にはちょうどいい詰め物するから裁縫部の――さんのところに――」
どさりと教師の机に積み上がっているのは、業者から届いた白と黒の服。
男子はメイド服――すなわちエプロンとヘッドドレスを、女子は細身のフォーマルな上着を。
どちらも制服の上着を取った状態で簡単に身に付けられる――そういうものを提供している業者があるらしい。
……商売人の人たちってたくましいね。
「次は佐々木くーん」
「佐々木……!」
「髪がさらに伸びて……」
「いい……」
「なんかもう普通に女子にしか見えなくない?」
「見えない……」
「だって、声も仕草も……」
「やっぱりV――ィクトリー!」
「セーフ!」
「いや、もう今日ならバレても良いんじゃ」
「それで逃げちゃったら今日の売り上げ、5割落ちるぞ?」
「あー」
「なにしろ――チャットコミュニティーのあいだで……」
受け取った人たちからいそいそと――女子は上着を羽織るだけだし、男子も服の前にかぶせて紐を結んで頭も乗せて留めるだけとあって更衣室に行く必要もなく、そのまま自分の席で変身していく。
「あ、佐々木くん、この前『腰だけちょっと気になる』って言ってたからワンサイズ大きいのにしたよ?」
「あ、うん……」
ああ、でぶったときのころの話……。
………………………………。
あのころよりは痩せた……はずなんだけどなぁ……。
「でもそれだとレ――々木くんの体格的に、バランス悪くなっちゃうから、お胸盛るって結論で」
「うん……うん?」
「はい、これ」
――ぷるんっ。
僕の拳ほどのサイズの、粘性を持ったぷるぷるとする素材の――汗をかかない季節なら胸の肌に吸い付いて取れないからちょうど良い盛り付けをする物体が、2個――白と黒の布の上に鎮座している。
「あの、これ」
「どうせみんなメイドたちは男子だって知ってて来てるからさ――せっかくなら、ぷるんぷるん震えて『え? 偽物のはずなのに弾力がある……もしかしたら!?』ってびっくりさせたくない?」
「え、いや」
「……あ、あー! 最近は1年どころか2年も3年も俺たちに慣れちゃってからかい甲斐がなくなってきたよなぁ!」
「そうだよなぁ! 『え、女子?……ああ、男子だったな、このクラスは……え、でも、この胸……』ってガン見してくるアレがなくなって詰まんないよなぁ!」
「女の子としてちやほやされるんなら、せっかくなら胸あった方がいいよねー!」
「ねー!」
「………………………………」
男子の視線。
女子の視線。
それらを思い出す。
「……うん、分かった……」
「! そう! あ、さすがにそれ着けるときは更衣室でね!」
「そうそう、男女共用の個室の!」
「あ、ああ……この1ヶ月俺たちが使い倒した教員室の前のだな!」
……ああ。
手のひらに、ずっしりと乗り、ぷるぷると震えているシリコン製で肌色の艶めかしい存在。
僕はこれを――胸に擬装して、人前に……。