僕がVRの姫プと女装にのめり込んでリアルでメス堕ちして男装女子に喰われるまで。~男がことごとく女の子になるVRなチャットという魔境~   作:あずももも

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7話 VR沼へ爆走中

「起立、礼。……さようなら」

 

普段通りの授業が終わる。

 

「佐々木ー、帰りどっか寄る?」

「ごめん、今日は帰るわー」

 

中村が他のクラスの誰かと話しに行ったスキに、僕は教室を出る。

 

「佐々木、どうだって?」

 

「帰るって」

「そうか……」

 

もしかしたら帰りにどっか誘われてたのかもしれないけど、今の僕はそれに興味がない。

 

――だって、あんなに楽しいんだから。

 

「中村に捕まってるわけじゃないのになぁ……」

「最近の佐々木、なんだか雰囲気が……」

「やっぱり? なんかそうだよね……?」

 

 

◇

 

 

「ただいまーっと」

 

がちゃん。

 

ぱたぱた。

 

僕は帰宅部として実に優等生らしく、HRから1時間未満で自室に戻ってきた。

 

最近は帰りの電車も、乗り換えに便利な車両の把握も完璧になってきている。

こういうのって、1週間くらい続けるとだいぶ馴染むんだな。

 

「……さて」

 

スマホを充電コードに差し、ワイヤレスのイヤホンとマイクを取り出す。

 

――家に親がいないのはいつものこと。

今日も平日だ、夕飯までは帰ってこない。

 

ぴこん。

 

アプリが、立ち上がる。

 

「……あー、んんっ」

 

最近動画で見ている、声を高くする発声法。

 

いわゆる女声ってやつ――まぁ全然できてないけど。

それでも、たったの数回で数年前までの、声変わり前の感じはつかめている。

 

まぁもともと声は高めだったしな……それがコンプレックスだったんだけど、事情が変わればそれは特技に変わるんだ。

 

まぁとりあえずで何歳か若返った感じかな?

 

「えーっと……まだ夕方にもなってないし、フレンドさんたちもほとんどいない……」

 

アプリを立ち上げた僕は、すっかりVRなチャットに溶け込んでいる。

 

画質は粗くても、かくかくしてても、そこは僕の第二の現実。

 

「………………………………」

 

――そこのホーム画面に映る僕は、銀髪でケモミミ尻尾があって、肩を出した服装をしているかわいい美少女。

 

「……ふふ、ふふふ……」

 

――じゃあ。

 

今日も適当なパブリックで、楽しんじゃおっか。

 

 

◇

 

 

「うーん」

 

そんなある日。

 

僕は悩みを抱えていた。

 

「やっぱ、このアバター……有料版ほしいなぁ。だって、無料版だとそもそも改変とかできないし、サンプルって出るのはなぁ……けど、うわ。5000円超えるのか……」

 

――アバターは、高い。

 

いや、このレベルの3Dモデルをサービス終了――いつかは不明――まで自由に使える権利としては破格なんだろうけども、いかんせん高校生にとってはなかなかに厳しい。

 

「いや、まぁ……貯金と小遣いで余裕ではあるんだけど……」

 

ここへ来て、普段は質素倹約を心がけているのが役に立つ。

 

お金は、一応は、ある。

 

ただ――マンガで言えば数冊分、ガチャで目当てのキャラが出るのが期待でき始める程度、サブスクで3ヶ月くらいの金額と言えば、さすがに躊躇はする。

 

――けど。

 

「………………………………」

 

SNSでは――このアバターを、さらにかわいく改変している画像が流れてくる。

 

色を変え、服を買え、ギミックを付け足して、自由に動いているその姿が。

それってつまり――「この子になった僕」を、これ以上なく実感できるだろう姿ということ。

 

「………………………………」

 

……あ。

 

「クレカじゃなくて、コンビニでも買えるんだ……そうだよな、未成年だって」

 

つまり、行って帰って来るだけで10分で、その後購入画面から――。

 

「……そうだ。累計でもう10時間は超えてるんだ……」

 

――その時間使わせてもらった使用料としては、安いはず。

 

そう、1時間換算で500円程度。

 

なんだ、安いじゃないか。

 

それにきっと、最低でもこの倍はプレイするんだ。

つまりは1時間当たり250円。

 

……コンテンツへの対価は払わないといけないよね。

 

大丈夫、ガチャよりはよっぽど健全な対価だ。

 

「うん、そうだ。プリントのコピーとかもあるし……勉強のついでだし……」

 

僕は、お財布の中の5000円札を確かめつつ、部屋を後にした。

 

 

◇

 

 

「重っも……やっぱまともなパソコンじゃないと厳しいな……」

 

――魔法のカード(コンビニ産)を買ってきてしまった僕は、家族のおさがりのパソコンを起動してしばらく操作していた。

 

どう見ても古いし、スペックを検索すると10年前のとかだしで、どうにか動く程度のもの。

 

学校のレポート作成とかでしか起動すらしないレベルで操作はおぼつかないけども、僕のモチベーションは高い。

 

ひとつひとつ丁寧に操作してアプリをインストールして――アバターを買って、ダウンロードして。

 

それを四苦八苦して改変するアプリに入れ、とりあえずで色だけ変えてみて。

 

そうして――外がすっかり暗くなったころ。

 

「……うっわ」

 

そこには――僕の理想の美少女が居た。

 

 

◇

 

 

「お、レイさんPC版ですか」

「はい! 家族のおさがりのをもらったので!」

 

――PCの画面で見るVRなチャットは天国だった。

 

今までは見えていなかったアバターたちが全部見えて、みんながかわいくて。

 

「やっぱスマホ版は大変だったので」

 

「ですよねー」

「分かるー」

「レイさん、しょっちゅうフリーズしてましたもんねぇ」

 

夕方。

 

入った僕を迎えてくれたのは、最近に知り合ったフレンドさんたち。

 

「おー、確かに声も聞き取りやすくなってる」

「かわいい」

「うんうん、かわいいかわいい」

 

「声もやっぱちゃんとしたのだと良いよね」

「レイさんかわいい!」

 

「……あ、ありがとうございます……」

 

ファンがうるさく回っているノートPCの前で――僕は、どきどきしていた。

 

 

◇

 

 

「ノートパソコン? この前にあげたのじゃダメなのか?」

「うん。プログラミングの授業もあるし」

 

「……まぁ、今、ミドルクラスの買えば、大学でも使えるか……情報の授業も楽になるだろうしな……」

 

「! ありがとう、父さん」

 

「いいさ。思えば玲からねだられるのだなんて、小学生以来だからな。よし、ついでで周辺機器も買ってやろう」

 

やはり普段から良い子にしていれば、親はちょろいもの。

 

成績が振るわなくとも真面目で従順をアピールしていれば、親は甘くなるもの。

 

そうして僕の元へ――ちゃんと動くパソコンが届いた。

 

 

◇

 

 

「……玲? 最近夜遅くまで、何してるの……?」

 

「あー、うん! 友達と! 友達と会話アプリで情報交換しながら勉強! 勉強してる!」

 

勉強(プログラミング)としての嘘は、ついてはいない。

 

だから母親の目も誤魔化せる……はず。

 

「………………………………」

「………………………………」

 

「……そう。玲なら変なことには使わないだろうからいいんだけど……」

 

――なるほど、実家住みだとこうなるのか。

 

確かに、盛り上がってる最中に母親に突撃されることほど、男子として困ることはない。

 

今までは見逃されてただけだろう。

 

……僕は、もっと小さい声でも聞き取ってくれるマイクを探すことにした。

 

 

◇

 

 

「………………………………」

 

帰ってパソコンを付けて、VRなチャットを起動して、ホーム画面でミラーをオンにして、「僕自身」を見る。

 

「……かわいい……」

 

そこには――僕好みの髪、僕好みの顔、僕好みの体つきと背丈の女の子が、僕を見ていた。

 

その子は僕の操作の通りに、僕の思ったとおりのポーズを作る。

 

この子は、僕だ。

 

そうだ。

 

「……あー、あー、あー。わたしぃ、レイって言いまぁす」

 

普段より高い声。

高さだけは声変わり前くらいに近いだけ。

 

なのに、これとちょっとした技術だけで「女かも?」って思われてるらしい。

声だけ高くして、あとは普通にしゃべっているだけなのに。

 

――なによりも、中性的な声だけども「この子/僕」に似合っている気がする。

 

「………………………………」

 

僕は――平日の昼間にインしている、フレンドさんたちを眺める。

 

そして、彼らの居場所へ、ジョインする。

 

そうすれば、きっと――僕はこの子として、「レイ」として構ってもらえるから。

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