遠坂桜が『鋼の精神(メンタル)』持ちでヤバい女な模様   作:恐るべきサクラ

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 前回の投稿で、やけにお気に入りが減少してしまった(汗)

 ひょっとして、凛と間桐桜の年齢逆転現象による呼称で違和感バリバリ?だとしたら申し訳ない。
 確かに遠坂凛なら、年下であろうと間桐桜を呼び捨てしてもおかしくないけど、そこら辺は並行世界の性格の揺らぎということで。
 あとその問題は、もうすぐ話の展開で解消するから、どうかご安心を。

 話全般に対して、進捗スピードが遅いという意見もあると思う。まあ、第四次聖杯戦争より先に間桐桜の話を持ってきたのは、()()()()()()()()()()()()()()()()ので……
 愉悦するAUOや狂い哭くケリィが待ち遠しい方々には申し訳ないけれど、どうかもうしばらくご容赦を。

 え?ケリィは原作でも狂い哭いているだろって?
 とりあえず、それについてはスルーという事で(おい)

 鋼メンタルの桜にもっと大暴れして欲しいという意見があるとしたら……全くもってその通りだよなあ。
 まあ、頑張ってみます。
 


幼い凛は、間桐桜と仲良くしたい(中編)

 

「これから私と桜さんの二人だけで、秘密の会話をするから!」

「────はい?」

 

 凛の唐突な宣言に、桜は呆気にとられた声をあげる。

 聡明な彼女らしからぬ、間の抜けた反応だった。

 

 だが、それも一瞬の事で。

 彼女の頭脳は、すぐに姉の言葉を理解する。

 

「ちょ、ちょっと、姉さん……!」

 

 流石に慌てる桜。それはリスクが高い。

 

 色々と抱えているであろう間桐桜に、よりによって姉と二人だけで秘密の会話などと、桜としては簡単に認めるわけにはいかなかった。

 

「何よー!桜と愛歌だって、さっき二人だけでなんか話していたじゃない!」

「いや、それはそうですけど!?」

 

 そこを突かれると痛いが、桜としてはここでアッサリ引く訳にはいかない。

 

 恐らく凛の考えは、今日の楽しい時間で詰めた間桐桜との距離を、ここで一気に進めるというものだろう。

 その気持ちは分からなくもないが、桜が持つカウンセリング系の知識が、それはやらない方が良いと訴えていた。

 

 姉を説得すべく、脳みそをフル回転させる彼女だが───

 

「……大丈夫だよ、桜ちゃん。そんなに心配しなくたって」

「っ!?桜さん……!」

 

 当の間桐桜はというと、思いのほか落ち着いていた。

 少し苦笑するぐらいで、動揺は見られない。

 

「今日のお出かけの延長線上だから。別に面接を受ける訳じゃないし」

「そうよ、桜ったら!あなたは心配し過ぎ!私と桜さんは、もうマブダチなんだから!」

 

 間桐桜の言葉に、凛が便乗して声高に主張する。

 

 それを聞いた桜としては、『いや、心配するに決まっているんだけど……』と思わずにはいられなかった。

 というか、姉と妹という関係性を主張出来ないから、マブダチと来たか。中々にタフな姉だ。

 

 桜は判断に迷いながら、改めて間桐桜に確認する。

 

「えーと……本当に、いいの?」

「うん、大丈夫。別に対人恐怖症じゃないしね」

 

 冗談じみた事で言う間桐桜。今日の時間でリラックスしたのか、その話し方はどこか子供じみている。

 

 心に色々と抱えているだろうに、それでいながら時々こういう風に奮起するなど、意外にも思い切った所が見られた。

 

 本当に大丈夫なのか、いまいち確証が持てない遠坂桜だったが……

 

「……そうね。時には、こういう機会を設けても良いでしょう」

「愛歌さん……」

 

 年上の友人が控えめながらも肯定的に捉えるのを見て、桜は静かに呟く。

 相手の精神状態を見ての判断力は、現時点だと桜より愛歌の方が上だ。

 

 もちろん、友人の判断を過信して思考停止するような愚を、遠坂桜は犯さない。

 同時に、その判断を軽視する事もしない。

 

(ほんの少し、心配性になり過ぎたという事だろうか……)

 

 間桐桜本人が、ああ言っているのだ。

 遠坂桜の考えで無理やり止めるのは、良くないだろう。

 

 相手の意思を無視して、こちらの心配を押し付けるべきではない。

 

 ……不安は残る。

 だが、どこかで……前に進まなければいけないのだ。

 

「わかりました。桜さんがそう言っている事ですし、二人だけで話したい事もあるでしょうから……お任せします」

 

 とはいえ、もう一言くらい軽く言っておきたくなった。

 桜は口調を昔のものに戻し、凛に年を押す。

 

「お姉ちゃん。あまり、羽目を外し過ぎないでね?」

「分かってるって!もう、少しは私を信じなさいよ!?」

 

 姉のそんな勢いに。

 遠坂桜は、『仕方ないなあ』という表情を浮かべるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「桜ったら!もっと私を信用してくれてもいいじゃない!伊達に遠坂の娘じゃないんだから!」

 

 憤懣やる方ないという凛に、苦笑する間桐桜。

 その表情からは、『きっと遠坂の娘だからウッカリへの心配をしていたのでは?』と思っている事が窺えた。

 

「あ!今の『桜』はあっちの桜ね!『桜さん』の事じゃないわよ!?」

「うん、ちゃんと分かっている。流石に今の流れでそんな勘違いをするほど、被害者意識はないよ?」

 

 凛の慌てた声に、間桐桜は承知している旨を伝える。

 今の流れで自分が文句を言われていると解釈するほど、彼女は被害妄想に囚われてはいなかった。

 流石に、()()()()()()()()()()()()

 

「そ、そう。良かった……」

 

 ホッとした表情を浮かべる凛。

 そしてすぐ、その顔を神妙なものへと変える。

 

「……その、桜さん」

「……何かな?」

 

「こっちからいきなり、変な事を言い出したのに……付き合ってくれて、ありがとう……」

「……うん」

 

 凛の性格的にこういうのは苦手だったが、誠意をしっかり示す必要があると、彼女は考えた。

 

 間桐桜は、それを素直に受け取る。

 恐らくだがそれは、相手が()()()()()だからこそ出来たのだろう。

 

 

 そこから、二人は色々と言葉を交わし合う。

 とは言っても、基本的には凛が主導して話題を振り、間桐桜はそれを受けてという流れだ。

 

 桜が間桐から遠坂に戻ってきてからの日常についてだが、凛なりにかなり気を遣いながら話していく。

 家族の交流については間桐桜にとってセンシティブなので、基本的に凛自身の心情を主体とした内容だ。

 

 そういう話だったので、遠坂の家に思う所があるだろう間桐桜も、普通に耳を傾ける事が出来ていた。

 

 

 そして話の中身は、愛歌と初めて会った時の事へと及ぶ。

 

 

「愛歌さんとの出会いは、かなり衝撃的なものだったって聞いたけど」

「ええ、そうなの。あいつ、お父様の許可を貰わずにうちの家の結界を飛び越えて侵入してきたのよ?しかもあんなにアッサリと。あの時は、本当にビックリしたんだからっ」

 

 当時の事を思い出すと、改めて腹が立ってきた凛。アレは同じ魔術師として──まあ凛はまだ未熟もいい所だが──、とても非常識だと思う。

 首を少し動かして離れた場所にいる愛歌を見ると、なんか『うんうん、全部分かっているわよ』的な表情をしていた。

 

 凛の表情筋が優雅さとはかけ離れた動きをしそうになるが、遠坂の娘としての矜持で、なんとか堪える。

 

「──コホン。ま、まあ、その直後にお父様が、魔術師の流儀で即座に迎撃したのもビックリしたんだけどね……問答無用だったし。

 愛歌のやつ、それだって余裕で無力化してみせたの。本当に、とんでもないやつだわ」

 

 文句じみた言い方だが、同時に魔術師としての愛歌への賞賛が含まれていた。

 そして……そこには畏怖も混じっている。

 

「そして、お父様と綺礼をアッサリ完封してみせた。まだ中学生なのに。

 あの光景は、本当に衝撃だった……」

 

 遠くを見るような凛の視線。

 異なる時間軸の『赤い悪魔』にとって言峰綺礼が苦手な相手であるように、この幼い凛にとっては沙条愛歌がそうだった。

 

 そんな年下の姉に、間桐桜はどう言葉を返すべきか判断に窮する。

 

「まあ、その後はなんやかんやあって、うちとは親しい関係になったんだけど。

 ……なんかいつの間に、うちでホームステイしちゃっているし」

「あ、あははは……」

 

 凛の言葉に、間桐桜は誤魔化すような笑いを浮かべるしかなかった。

 ホームステイに関しては、あまり偉そうな事を言えない身だからだ。

 

「その後に、遠坂の家の地下に、あんなとんでもない魔術的な空間を作り出してみせた。礼装や工房の製作能力も、桁外れと言っていい」

 

 まだ2ヶ月も経っていないが、その力量の凄さは充分過ぎるほど思い知らされた。

 

「子供の私でもわかる。あれは、私達と次元が違う魔術師。絶対にかなわない相手なの。今だけでなく、この先だってずっと……

 私がどれだけ努力したって、沙条愛歌は余裕の表情で、私以上の速さで成長していく……ずっとずっと、高みへと昇っていくの。

 

 あいつを見ていると、自分がいかに非力で、ちっぽけで、詰まらない存在か……思い知らされる」

 

 年下の姉から聞かされる、自身を卑下する言葉。

 それを聞いて、間桐桜は呆気にとられる──否、絶句する。

 

 幼いとはいえ、遠坂凛の口からこのような自虐的な言葉が放たれるなど、間桐桜にとって完全に想定外だったからだ。

 欲しいモノは涼しい表情で何でも手に入れていく輝かしい存在などと、この幼い姉の姿から、どうやって思えるだろうか。

 

 間桐桜の内心の混乱に気付かず、凛は続ける。

 

「だから時々……私、自信がなくなっちゃうのよ」

「……愛歌さんは、凛ちゃんの何歳も年上だから……比べるのは、凛ちゃんにとって酷なんじゃないかな?」

 

 その姿に()()()()()()のか、なんとか慰めの言葉を口にする間桐桜。こういうのは慣れていないため、言葉の選択に苦労しているが。

 

 その慰めに対して、凛は首を横に振る。

 

「分かるんだ。私があいつと同じ年齢になっても……あの領域には、絶対に到達出来ないって」

「凛ちゃん……」

「私が愛歌と同じ年齢になっても、お父様と綺礼を同時に相手して勝つ事なんて、絶対に出来ないと思う……」

 

 遠坂凛は、天才だ。

 まだ7歳という幼さだが、その年齢に見合わない聡明さを兼ね備えている。

 

 その聡明さ故に、愛歌とのポテンシャルの差が、否応なく理解出来てしまった。

 

 そんな凛を、間桐桜はじっと見つめて───

 そして、唐突にハッとした表情を見せ、今度は彼女が首を横に振る。凛よりもハッキリとした仕草で。

 

「桜さん?」

「う、ううん。なんでもない。気にしないで」

 

 どこか、悔いるような雰囲気を見せている間桐桜。

 何故か、自己嫌悪しているようにも見えた。

 

 凛はよく分からず、首を捻るが……本人が気にしないでと言っているから、それ以上聞くのは止めておいた方が良いと判断する。

 

 軽く息をついて、凛は続ける。

 

「そんな愛歌が友人として認めたのが、私の妹の桜」

 

「……………」

 

「愛歌のような圧倒的な力じゃなく、その精神性を認められて、あの二人は今の関係に至った……

 ほんと、あの子は凄いと思う」

 

 凛の言葉を聞いて、思う所があったのか。

 口数が少なくなった間桐桜の口から、所感が零れ落ちる。

 

 

「確かに……こちらの私って、強いよね……」

 

 

 ……間桐桜の言葉を聞いて。

 凛にはそれが、『()()()()()』と言っているように聞こえた。

 

(気のせい、かしら……)

 

 子供の自分に、そこまでの洞察は出来ない筈だ。

 そう思うも、凛は気のせいだと思い切れなかった。

 

 何故ならば……妹の桜に対する劣等感は、彼女自身が感じていたからだ。

 

 別に、その感情は深いものではない。

 愛歌に対するソレと比べれば、可愛らしいレベルだ。

 

 ただ、精神的に強いあの妹には、常々敵わないと思っていた。

 

(姉として、少し悔しいのよね。本当なら私が、あの子を守れるくらいじゃないといけないのに……)

 

 そんな事を考える凛。

 姉としての矜持を貫けるだけの力量が備わっていない自分に、忸怩たる想いを抱く。

 

 

 凛と間桐桜の間に、少しばかり沈黙が降りていた。

 

 

「……ごめんなさい。せっかくのお出かけなのに、辛気臭い話をしてしまって。クヨクヨするのは、私の性じゃないのに」

 

 その空気に気まずさを覚えて、凛は間桐桜に謝る。

 同時に、こんなネガティブなのは自分らしくないと反省する。

 

「……どうして、その話を私にしてくれたの……?」

 

 ポツリと零れる、間桐桜の声。

 彼女は視線を下に落としていた。

 

 そんな彼女に、凛は正直な気持ちを告げる。

 

「……私って、意地張って強がっちゃう所あるから……たまには、弱音を言いたくなったんだと、思う」

「………………」

 

 凛の言葉に、沈黙して耳を傾ける間桐桜。

 

「うん、そうなんだ。間違いない……

 

 

 

 あなたになら、私の本心を打ち明けても良いと思ったの」

「…………え?」

 

 

 

 凛の言葉を、すぐに理解出来なかったのか。

 間桐桜の反応は、一拍遅かった。

 

 少し経って、いま凛が口にした言葉に理解が及んだ間桐桜は……恐る恐るといった口調になる。

 

「……あの、凛ちゃん……私って、あなたが思ってる程……綺麗な心の持ち主じゃないよ……?」

 

 どこか言い訳するような響きを持つ、間桐桜の声。

 

「頑張っている人を、応援出来ない事があるし……誰かを妬むことだって、珍しくないし……」

 

 今度は、明確に自己嫌悪を露わにする間桐桜。

 そんな信頼を向けられるような人間でないと、控えめながらも明確に訴える。

 

 

 

 

「私にそれを否定する資格なんて、ないと思う………あなたの境遇を、考えると……」

「っ────」

 

 

 

 再び、間桐桜は絶句する。

 

 

 ……まさか。

 まさか、幼いとはいえ。

 姉からそのような言葉を、聞くなどと。

 

 全く思っていなかっただろう事が、彼女の態度に現れていた。

 

 

 かつて時臣は、間桐の家で桜がどのような目に遭ったか、凛にそのまま話してしまった。

 オブラートに包まず伝えられ、その時はパニック状態になった凛であるが……得るものはあった。

 

 まだ精神状態が幼く、魔術師として価値観にそれほど染まっていなかったため。

 ()()()()()()()()()()()()

 

 

「こっちの桜が間桐へ養子に出されていた時、私は……お姉ちゃんとして、何もしてあげられなかった」

 

 

 幼い凛の口からこぼれ落ちる、後悔の言葉。

 一度口にしたら、()()は止まらなかった。

 

 

「自分で『桜は養子先で幸せになれる筈だ』と勝手に信じ込んで、現実を見ようとしなかったの……」

 

 

 現実的には、まだ子供の彼女に出来たであろう事など、殆ど無かったが……

 

 

「桜が間桐でどんな目に遭っていたか、あの子が戻ってくるまで、私は知りもしなかった……」

 

 

 それでも、『桜のための行動を何もしなかった』という事実は……

 彼女に、大きな後悔を残していた。

 

 

「だから、その……間桐に居続けたあなたとは、しっかり向き合いたいと思っているの」

 

 

 ゆえに、凛は素直に間桐桜へ寄り添う事が出来た。

 

 

「そして、もし……もしも、なんだけど……

 桜さんの周りが、敵ばかりになったとしても……」

 

 

 だから、素直に決意を抱くことが出来た。

 

 

「その全てを敵に回しても……あなたの味方をしたいと、思っている」

 

 

 

 そんな、幼い凛の決意に対して。

 

 間桐桜は────

 

 

 

 

「……そんなに、無理しなくていいんだよ、凛ちゃん………やろうと思っても、出来ない事はあるんだから……」

 

「───え?」

 

 

 

 呆けた声を漏らす、幼い凛。

 

 

 

 彼女の瞳には……

 

 泣きそうな顔で儚い笑みを浮かべている、年上の妹の姿が映った。

 

 

 

 

 




 当作品の凛は、妹の桜が鋼メンタルで聡明だったり、愛歌という圧倒的格上が身近にいたりするから、原作時空よりは劣等感を抱いている(桜があの愛歌と親友というのも大きい)
 それでも主人公気質を持つ凛だから、前向きに行動している。

 そんな凛の意思表示に、なんで間桐桜が最後のような反応をしたかというと……
 ヒント:『別の自分が試練として立ち塞がるのはFateの恒例イベント』


 あ、前書きの件に関係するけど、主に低評価やお気に入り解除した人、またそうしたいと思っている人向けに、アンケート取らせてもらいます。


 

当作品のどこに違和感や抵抗感を感じたか?

  • 凛のお姉ちゃんぶりが足りない
  • 間桐桜のネガティブさが足りない
  • 桜達の言峰綺礼への警戒が足りない
  • 物語の進捗スピードが遅い
  • 上記4つ以外
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