ようこそ雪のいる教室へ 作:きーちゃん
1話
ズキンッ、ズキンッ、と。
突然頭の痛みに苛まれ俺はうずくまる。
「づぅ……なんだ、これ……」
突如として脳裏に過ぎる記憶。
目がおかしくなるような真っ白な空間。そこでは非人道的な実験が幼い子供たちに行われている。俺はそこにいた。被験者だった。
毎日毎日食事、睡眠、身体状況をチェックされ、教育が施される。基準に付いてこられなくなると不良品として廃棄される。そして俺は不良品だった。数年前にホワイトルームの厳しいレベルに追いつけなくなり外界に放出された。それから実の親に引き取られた。
「ッ、いったい何の冗談だよ……」
いきなりよくわからん記憶をぶちこまれる俺の身にもなってほしい。つか俺は今まで普通に社畜していた人間なんだが。タイムスリップしたにしては俺の知らないことが起きてるしそもそも俺の顔はこんな美少女じゃないし。
そう。元は男なのにこの身体は女、性転換してやがる。しかも容姿はべらぼうに良くてこんなのがいたらテレビに引っ張りだこなほどだと思う。胸もデカくて男の趣味詰め合わせみたいだ。ただ俺がこれからこの身体の主だと言われたら拒否したいが。
「俺が何したってんだ……」
まぁ働いていた会社はブラックで残業マシマシだったからあそこから逃れられるなら悪い気もしないでもないが。この子の記憶を探ってみれば現在15歳で近く高校入学を控えているらしい。
高校は『高度育成高等学校』。そこは全寮制で、更に不気味なことに入学したら卒業するまで外部と連絡の一切を絶つというおかしなものだ。しかし入学の決まった今でも親は難色を示しているらしい。それはこの子がホワイトルームから出てからずっと塞ぎ込んでいたからだ。それは今も直っておらずそんな状態で通わせることに親はとても心配している。じゃあなんでそれで高校に行くことになってるのかというのはそこの理事長と親であれやこれやあったようだ。まぁどれだけ心配しようと先に死ぬのは親だから、そうなった時に困るのはこの子自身だと思えばこの判断も悪いものじゃない。
寧ろあっちの理事長もよく受け入れたもんだ。一応ホワイトルームについて知っているようだが、知っているからこそこんな得体のしれない人間普通入れないぞ。俺の主観になるがホワイトルーム脱落までに学んでいたことは常軌を逸していて、普通の15歳の子供を名乗るには無理がある。俺が身につけたわけじゃないが、この身体が出来過ぎて在学中周囲とは結構なレベルの差がありそうだ。
ま、とはいっても学校なんて会社ほど競争とか凄いわけでもないからそんな心配いらねえか。
それをフラグと言う。