ようこそ雪のいる教室へ   作:きーちゃん

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22話

「よぉ、偶然だな」

「龍園くん、こんにちは」

 

 今日はCとDクラスの話し合いの日。

 そこで結果が決まるから俺は学校に残ってひっそりと結果を知ろうと思っていたらやんちゃボーイが現れた。以前会った時は取り巻きを大勢連れていたが今日は彼もぼっちのようだ。

 

「審議はどうだった?」

「延期だとよ。明日にまたやるらしい。ったく、無駄な努力ご苦労なこった」

 

 億劫そうに呟く龍園は自分たちが勝つことを疑っていないようだ。

 しかし持ち越しになったか。Dクラスが勝利するにはそうするしかないよな。

 

「最近Bクラスは色々活発なようだなぁ」

「ん、ああ。あの子たちが頑張ってるんだ」

 

 Dクラスに協力するために一之瀬と神崎は掲示板などを利用して情報収集していた。俺は関わっていないから詳しくはわからないがいくつか有力な情報を得ているようだった。

 

「で、お前は高みの見物か?」

「そうだね。私からしたら見慣れた喧嘩だから」

 

 以前俺たちに絡んできたCクラスは規模の大小はあれど似たことを仕掛けてきていた。今回はそれがDクラスになっただけ。正直Cクラスは面白味がないと思っている所だ。

 

「安心しろよ。今回はあん時のようにはいかねえぜ」

「へぇ?」

「今だから聞くが、お前のスマホに録音素材なんて入ってねえだろ」

 

 正解だ。Cクラスに初めて絡まれた時は言い争いが論点だったから俺が録音していたと言ったら彼等は尻尾を巻いて逃げたが、真実はそんなものなんて無かった。あれは俺のアドリブ。その時いた星之宮も気付いてたか知らないがとりあえずBクラスが無事であればいいと思っている人だから適当に話を合わせてくれたことでCクラスの生徒は勘違いした。恐らくあの場に龍園がいたら俺の嘘は露見してもおかしくなかったろう。

 そして今回それを言ってくるということは同じ轍は踏まないということでもある。さてさて、これでDクラスは窮地に立たされたな。

 

「今から学校に訴える?」

「そんなつまらねえことしねえよ。お前は最後に残しとくっつったろ」

 

 そういえばそんなこと言っていたか。あの時は先にAクラスの坂柳を潰すと言っていたが、どんな人物なんだろうな。

 

「今回はDクラスだ。奴らがどんな手を使ってきても俺が封殺してやるよ。雪は結果を楽しみにしてな」

「あっ、ちょっと待ってよ」

 

 言いたいことだけ言って去ろうとするから呼び止める。

 

「なんだよ」

「ひとつだけ聞きたいことあるんだ。今回の暴力事件……――」

「――――クククッ。やっぱ最高だぜ。お前って女はよ」

 

 明言はしなかったが反応からしてそうなのだろう。だとしたら中々のやり手だ。

 俺は今度こそ立ち去っていく龍園の背中を見ながら思う。

 

「それにしても運のない男だ」

 

 俺や綾小路のようなイレギュラーがいなければ龍園が間違いなく台風の目になっていただろう。それだけの風格をあいつから感じられた。やることは小物臭いが、一応俺はあいつをそれなりに評価している。

 これからの一之瀬たちBクラスはどれだけ対抗できるのか。

 

 

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