ようこそ雪のいる教室へ 作:きーちゃん
朝目覚めて時計を確認したら針は5時を示していた。
「随分早く目が覚めたな」
朝のHR開始が9時前だからいつもはもっと遅くに起きているのだが、今日は何故かアラームもなしに目覚めてしまった。
妙な目の冴え、それに身体もどこか浮足立っているというか不思議な感覚がする。
そんな状態で二度寝をする気分にもなれなかった。
「でも暇だな。……散歩にでも行くか」
適当に動きやすい服に着替えると俺は寮を出た。
「ふむ。女性にしても中々やるじゃないか。クールガール」
「それは、どうもっ」
俺は今何故か高円寺とランニングをしている。
「さて。もう少しペースを上げようか」
すると高円寺はぐんぐんと進んで行った。いや早すぎ。少しじゃないだろ。
あぁまったく。慣れないことはするもんじゃない。
寮を出た俺は普段あまり行かないとこを散歩していた。
ここに来て時間は経ったが、俺は精力的に出歩く質でもないからまだまだ知らないとこだらけ。知っているのは友達付き合いで行った商店街くらいだ。
だからそこからは外れた、整備されつつも木々が立ち並んだ道を歩いていた。
早朝の清々しい空気と自然に囲まれた空間に癒されつつ、目覚めた時から疼いていた身体を解放するためにランニングを始めたのだ。
前世では運動は学校でしかせず、どんどん運動不足になっていたがこの身体は違った。WRでプロのスポーツ選手顔負けのトレーニングをしていたからポテンシャルは凄まじく延々と走り続けられた。どんどん楽しくなり夢中になって走っていると、気付けば隣に並走する高円寺がいた。
『えっ――きゃあっ!』
『フフ。随分可愛らしい悲鳴だ』
突然現れた高円寺に驚く俺とは対照的に奴はニヤッとした。
そしてとても女の子らしい悲鳴を聞かれて、そんな悲鳴を出したことに羞恥で顔を赤くなるのを誤魔化すために俺は高円寺を振り切るために走ったのだがついてきていた。
そして今では俺が追いかける側になっていた。
「ふぅ……ふぅ……」
流石にぶっ続けで走り続けて疲れたからベンチで休憩をしていたら高円寺がやってきた。どうやら俺が追っかけるのをやめた後も走っていたようで額には汗を滲ませている。
「もう降参かな?」
「別に競ってはないけど……まぁ君の勝ちでいいよ」
いつも彼は上級生のお姉さん方と楽しんでいるのを目にするが、妙に私には絡んでくる。高円寺の実家は太いようだからまぁ玉の輿は狙えなくもないか? まぁこいつといても振り回されて疲れそうだが。
それにしても、これから学校があるのに体力を使ってしまった。高円寺が自販機でスポーツドリンクを買っていたから俺も便乗しようとしたら、それを押し付けられた。
「え、」
「飲みたまえよ。私からの施しさ」
「あ、ありがとう」
優しいんだなこいつ。
意外な一面に目を丸くしていると高円寺はドリンクを飲みながら去って行った。
「ん、おいし」
運動した後に飲むスポーツドリンクは格別に美味しかった。