「イブキ〜、準備出来たよー!」
「おかえりヤマト。随分と遅かった……ね?」
カイドウへの置き手紙の内容を考え、ヤマトより後に旅支度を始めた私だったけど、完了するのは私の方が早かった。
まぁヤマトは初めての旅支度だし仕方ないと先に外へ出て待っていたのだが、やっと来たヤマトを見ると遅れた理由がすぐにわかった。
デカイのだ。ヤマトの背負うリュックが。パンパンに膨らんだリュックからは取り敢えず持っていきたいもの全部詰め込みました感がプンプンする。なんならもうリュックから遊び道具らしきものがはみ出ている。
「ヤマト、流石にそれは多いよ」
「そうなの? でも船で移動するなら大丈夫だよ!」
「いや、船は使わないけど」
「そうなの⁉︎」
「だって私達、船の使い方なんて知らないじゃん。それに二人だけなのにどうやって操船するのさ?」
確かに船で移動するなら荷物はある程度超過してても気にならないけど、残念ながら私は船の操縦をしたことがない。そんな私が船を動かしてもあっという間にどこかにぶつけて沈没させる未来が見える。
「じゃ、じゃあイブキは今までどうやって移動してたの?」
「空を走って」
「えぇ⁉︎ 走れるの⁉︎」
「うん、走れるよ」
体力さえあれば走った方が海流などに左右されないからだいぶ楽だ。新世界の荒れ狂う天候もこの身体の耐久力ならゴリ押し突破可能だし。
「ねぇヤマト、ちょっと前蹴りしてみてよ。勿論全力で」
「前蹴り? どうしてここで?」
「いいからいいから。一度だけ、ね?」
何はともあれ私とヤマトの二人で海に出るにはヤマトが月歩を習得することは必須。突然蹴りを見せてと言い出した私にヤマトは困惑していたが、特に困ることではないのかその場で私の要求通りに蹴りを披露してくれた。
ボッ‼︎ と空気を鳴らしてヤマトの蹴りが放たれる。うん、これなら月歩を習得する下地は出来ているから後はコツを掴めば大丈夫そうだ。
「ヤマト。私が使う空を走る技を世間では月歩って呼ぶんだけど、仕組みは強い脚力で空気を蹴って反動で空を跳ぶって感じだよ」
「そうなんだ。それと僕の身体をイブキが持ち上げているのには何か関係が?」
ヤマトに月歩の説明をしながら彼女からリュックを引き剥がして抱き上げると、ヤマトは何かを察したのか振り向いた表情はヒクついている。
「基礎は出来ているから後は実践だよ! 頑張って‼︎」
「うわぁぁぁぁ‼︎ やっぱり〜〜〜‼︎‼︎」
踏み込んで全力でヤマトを鬼ヶ島の外へ投げるとヤマトは叫びながら飛んでいった。すまないヤマト。私にはこの方法しか思い付かなかった。やっぱり成功体験を試す方が早いからさ。
後はヤマトが空気を蹴る感覚で蹴りを放てばいいだけなのだが、ヤマトは空中で腕や脚をジタバタとさせながらそのまま海へ落ちて派手な水飛沫をあげた。
うーむ、前途多難だなこれは。
◆
能力者なので泳げず沈んでいくヤマトを獣型となった私が救助し、初めて私の獣型姿を見たヤマトが目玉を飛び出させるほど驚く一幕があったが練習は続いた。
時間がかかるようならカイドウ達が帰ってくる前に私がヤマトを背負ってワノ国から脱出。別の島で練習を継続する予定だったが、ヤマトは真剣に練習を重ねて五回目で月歩の習得に成功。ヤマト曰くスパルタだけど救助されるとわかっていたから集中出来たらしい。
ヤマトが空を走れるようになったので改めて私とヤマトはワノ国から出国。鬼ヶ島から拝借した地図を見ながらワノ国より二つ島を通り過ぎ、その次の島を目的地とした。ワノ国から近いとすぐにカイドウが追いかけてくると考えたからだ。
島に着くとヤマトがはしゃぐと思っていたのだが、ヤマトは初めての月歩に加えて荷物が多くて重いリュックを背負っていたからか流石に疲れてしまったようで、到着するなりその場で眠ってしまった。なのでその日はそのまま宿に泊まって次の日から観光することに決めた。
しかし──。
「あのね? 先に手を出したのはそっちでカイドウはその仕返しをしただけなの。わかる?」
「ゲホッ、クソォ……」
どこから聞き付けたのかわからないけどビッグ・マムの子どもの一人が傘下の海賊と共に島を襲撃。奴らの船から撃ち込まれた砲弾によって島のあちこちに被害が出てしまったので島は観光出来る状態ではなくなってしまった。
カイドウの娘を出せと騒ぐから顔を出せば私が殺した島のことでうんたらかんたら五月蝿いし。なんでそんな逆恨みをされる必要があるんだ。カイドウは縄張りの島を三つも攻め落とされたのに島一つを再起不能にするだけで手打ちにしたんだぞ? しかも最初の案なんて島にいる生物ごと島を殺せだったからね?
これ以上は話を聞いても仕方ないので船に乗り込んでとっとと制圧。お菓子系の能力を使ってきたけど覇気で凌駕して金棒で殴り倒し、目の前で転がる身体のあちこちから血を流したビッグ・マムの……何女だっけ? 逆恨みってわかった時点で話を聞き流してたからわからないや。確か20後半から30前半のどれかだったはず。
まぁ何女でもいいやと金棒を構えると私の殺意を感じた女はママが黙っていないと騒ぎ出したが、少し前にも似たような脅しをされた気がするなぁと思うだけで構わず金棒を振り下ろして女を船ごと叩き潰してトドメを刺した。
「ごめんヤマト。まさか逆恨みされているとは思ってなかった」
「僕は大丈夫。……殺したの?」
「殺したよ。あの勢いだと生かしていたら周りに八つ当たりしそうだったし」
彼女が連れてきた船員達も島へ上陸する前に船ごと沈めたから島の被害は大砲の砲撃だけだ。建物を燃やしていた炎は全て凍っているのでヤマトが能力を使ったのだろう。そのおかげで私達は島民達から感謝されたが、アイツらがここに来た原因の一つが私なので少しだけ罪悪感がある。
「はぁ、どっちみちエースと一緒は無理だったね。私は何故かビッグ・マムでヤマトはカイドウ。私達厄ネタの塊だよ」
「これからどうするの?」
「他の家族がいなかったし多分あの女は手柄欲しさに先走って来ただけだと思うから死んだ報告がいくまでビッグ・マムは動かないと思う。でもここで残って復興作業を手伝うのは無理。最悪の場合カイドウとビッグ・マムがここで対面することになる。……うーん、正直行きたくないけど前半の海へ行こうか。そこならビッグ・マムも縄張りを守る必要があるから簡単には来れないだろうし」
まさかこんなことで前半の海に行くことになるとは思わなかった。新世界に残っているといつビッグ・マム海賊団が来るかわからないので可能な限り急いで前半の海を目指す。私達がカイドウの娘とわかっているのなら、たとえ娘の敵討ちだとしてもビッグ・マム本人は追いかけてこないと思うが、もし追いかけてくるなら鬼ヶ島から持ってきた電伝虫でカイドウに連絡してビッグ・マム不在の
幹部クラスが来るなら応戦しようか。一応キングには勝つことが出来たから、今の私なら戦いは成立するはずだ。
そんなわけで再びやって来ましたシャボンディ諸島。ちょくちょく私と赤犬の戦った痕跡が残っているのが気まずいです。
賞金首バレするのはいらない騒ぎを呼ぶのでヤマトのリュックに入っていたひょっとこお面を被る私に対してヤマトは周囲に浮かぶシャボン玉に夢中な様子。指で突いたりして遊ぶ姿は大変微笑ましい光景だ。だが微笑ましいのはここまでだった。
「イブキ!あれ何かな⁉︎ ちょっと見てくる‼︎」
「待って!ヤマトステイ‼︎」
あまりにも初めてが多いのか興味を引いたもの全てにヤマトが駆け寄る。しかもヤマトは世間知らずなので私だと予想出来ない行動が多い。
「美味しい‼︎ こんなに食べてもタダなんだ! へぇ〜〜」
「5箱も開けているのにまだ食べるのか⁉︎ ちゃんと買ってくれるんだろうね⁉︎」
「ヤマト⁉︎ それは試食っていって好みの味の商品を買うためにお試しで食べるだけで食べ放題じゃないんだよ⁉︎」
お土産店の試食コーナーで食べ放題をしたり……。
「イブキ〜! 凄く高いよココ!」
「ヤマト⁉︎ そこは登っていい場所じゃないから降りてきて‼︎ すぐに乗り物が来て危ないから‼︎」
「えっ? うわぁ⁉︎」
「ほらみろ言わんこっちゃない‼︎」
私が余所見をしているうちに遊園地にあるジェットコースターのレールによじ登って乗り物に轢かれたり……。轢かれた本人は無傷だったけど。
「お待たせ……、あれ? ヤマトどこに行ったの?」
「ん? あんたここにいた背の高いお嬢さんの関係者か? 彼女なら数人の男達と一緒にあっち方面に行ったぜ?」
「嘘だぁ⁉︎ 知らない人にはついて行かないようにちゃんと注意してたのにィ‼︎」
私がトイレに行っている間に人攫いに騙されてついて行ったり……。これは男達が人攫いとヤマトが気付いた時点で撃退していたから何事もなかったけどそのまま捕まっていたら私が島を走り回って探すハメになってた。
あれ?私が連れてきたのは人間だよね? 実はヤマトの姿をした大型犬じゃないよね?後半からは逸れないようにずっと手を繋いで歩くハメになったぞ。これは宿に入ったら詳しく話さないとダメなやつだ。ヤマトなら大丈夫だろうとしっかり教えていない私が悪い。
変に気を張っていたから今日の疲れはいつも以上。早くお風呂に入って宿で寝ようとヤマトを連れて風呂屋に入る。
受付の人に二人分のお金を払い、女湯へ。そして服に手をかけたところで気付いた。後ろをついてきていたヤマトがいねェと。
『きゃぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎』
私が気付いたタイミングで男側の脱衣所から男達の野太く可愛い悲鳴が響く。もうこの時点で察したよ私。
くそぅ、例に出せるぐらいヤマトがやらかす場所だと知っていたのに油断した。そうだよ、ここが一番ヤマトから手と目を離したらダメな場所じゃないか。
「何やってるのヤマトォ⁉︎」
慌てて脱衣所を飛び出し男達の悲鳴で集まった野次馬を優しく押し除けて男性の脱衣所へ飛び込めば、注目されていることに気付いてはいるが気にしていない様子のヤマトが服を脱ごうとしているところだった。
「あ、イブキ。どこに行ってたの?」
「ヤマト‼︎ ここは混浴じゃないよ⁉︎ 女湯はあっち‼︎」
「僕はおでんだよ?」
「おでんは異性の湯には入りません‼︎」
「おでんは男だよ!」
「あなたは女だよ‼︎ 痴女認定される前に早く行くよ‼︎」
案の定なヤマトの行動に内心で頭を抱える。エース、エースは何処だ?カイドウとビッグ・マムから護衛してあげるからヤマトの世話をしてくれ。これは私ではどうしようもないパターンかもしれない。
まだ大人しくついてきてくれるからいいものの、これで抵抗して頑なに男湯へ入ろうとするならカイドウ呼び出しも視野に入れるところだった。
肉体はまだまだ大丈夫なのに精神が疲れた。肉体面はカイドウで精神面はヤマトが疲弊させてくる。カイドウ一家は私を疲れさせるのが得意なようだ。
でもいろんなもので喜ぶヤマトを見ると少し嬉しい気持ちになる私もいるんだ。目が離せないくらいの小さな子どもがいる母親っていつもこんな気持ちなのか???
◆
時間は深夜。宿に入ってからヤマトに改めて外の常識を話してしっかりと理解させたところで就寝したのだが、私のベッドに潜り込んできたヤマトが寝たのを確認すると私はベッドを抜け出して電伝虫を持って廊下に出る。
『おれだ。イブキか?』
「うん、私だよ」
電話相手はカイドウ。怒っているかなと思ったが意外とカイドウは落ち着いていた。だからまだ鬼ヶ島のことは知らない可能性があるかもしれないと考えたが、鬼ヶ島には既に戻ってきているらしい。つまりエース襲来を知っていてこの落ち着きようだ。
少し不気味だが話を続けていくうちに理由がわかった。私がビッグ・マムの子どもを一人殺したからだ。遠征の帰りにやっぱり島一つでは報復として物足りないかと考えていたところでビッグ・マムから子どもを殺した件で落とし前をどうつけるつもりだと電話がかかってきたらしい。
そこで私達の一件を知りカイドウの機嫌が急上昇。しかし帰ってきたら私達はいないし島は荒らされているしであっという間に急下降。ビッグ・マムの電話内容的に私達がワノ国から出たのは察していたけどエース襲来は帰ってきてから知ったようだ。その結果、機嫌的にはエース襲来を後から知ったせいでやや不機嫌といったところだろう。チッ、ビッグ・マムの電話が遅かったら今頃はやや上機嫌だったかもしれないのに。
まぁ怒っていないならいいやとそのビッグ・マムの件をどうにかしてほしいとカイドウに頼んだら条件があると言われた。どこかを滅ぼしてこいみたいな面倒なものは嫌だなと思いながら聞けば、週に数回は電話をかけてきて近況を教えろというもの。
元からそのつもりだったので渋る演技をしながらも了承し、今日一日の出来事を話してから通話終了。最後のほうはカイドウの機嫌が少し良くなっていたのでビッグ・マムの件は一先ず終了でいいだろう。それとあの機嫌ならすぐにエースを追いかけることもなさそうだ。
◆
「今日はヤマトにも身体を使って働いてもらいます」
翌日、宿で出された朝ごはんを食べてから部屋に戻った私達はベッドの上で正座してお互いに見合っていた。
旅のお金は無限じゃないのでバカスカ使いまくれば当然無くなる。ヤマトがいるからといつもより多めに持ち歩いているが、ヤマトが食べ放題と勘違いして食べまくったお土産屋さんの商品をそこそこ買ったので次の島へ行く前に稼いでおきたいところ。シャボンディ諸島には天竜人とかいうヤマトの教育にクッッソ悪いやつが来るから正直あまり長く留まりたくない。
そんな私の言葉にヤマトはお土産屋さんから買った饅頭の袋を早速開けて食べながら頷いている。正直に言えばヤマトはまだ賞金首じゃないのでうろついている海賊などを倒して海軍に引き渡す方法を取ることは出来るが、将来を考えるとこの稼ぎ方はやめておいた方がいい。つまりやることは一つだ。
「いらっしゃいいらっしゃい!美味しい串焼きはどうですかー‼︎」
屋台である。看板娘として働くヤマトの声は周囲によく響き、背も高いので目印にピッタリ。お客様がヤマトに視線を向ければヤマトの近くに立てかけた四皇カイドウも買いにくる美味しさという謳い文句が目につく計算された配置にしている。
しかしヤマトがいることで親子運営と間違えられることもしばしば。カイドウの看板を含めたら確かにその通りだけどヤマトと私の関係は違うのでその度に姉妹と言っているのだがみんな信じてくれないのは困ったことだ。
とはいえ売り上げは好調。前に来た時と同じように串焼きに使う肉を購入したのだが、今の時点で購入した分のお金は回収出来ている。やっぱり黙って売るより声掛けをやったほうが売り上げって良くなるんだね。
「ん、ヤマトお疲れ」
「イブキもお疲れ様。屋台って楽しいね‼︎」
目を引くヤマトがいたからかいつもより早く串焼きは売り切れとなった。味さえわかればよく売れる私の串焼きにヤマトの集客が加われば敵無しってわけよ。あとは単純に場所取りも良かった。
「私は道具を洗うからヤマトは遊んできてもいいよ。でも──」
「イブキが気付ける場所で遊ぶこと、何かあったら大声を出すこと、他の人に迷惑をかけるようなことはしないこと、天竜…人?に気を付けることでしょ?」
「うん、ちゃんとわかってるね。じゃあ行ってヨシ。私も洗い終わったらすぐに行くから」
「わかった! イブキも早く来てね?」
売り上げ金の一部を渡すとヤマトは嬉しそうに走り出して行った。ここら一帯は観光関係の施設が揃っているのでヤマトが退屈することはないはず。
ヤマトは約束をちゃんと守る人なのでしっかり言った今なら大丈夫だろう。あまり縛り付けるのは良くないのである程度信頼して任せる方針だ。
でも洗い始めて少ししてからやっぱり道具を洗うのは手伝ってもらえばよかったなと少し後悔。いや、油汚れがしつこくてね? こんなのヤマトに手伝わせるのは酷かなぁ〜って思ったからヤマトの手伝いを前もって遠慮していたのだけど、ヤマトの能力で油汚れだけ凍らせてもらえばすぐに終わっていたかもしれない。
しかし今更手伝ってと言うのは格好がつかない。そんな小さなプライドでしつこい油汚れと戦っていれば、周囲が何やらザワザワし始めた。
とても嫌な予感を感じ、耳をすませば天竜人という厄ネタワードが聞こえてくる。それだけならまだ問題ないのだが、それに続いて角が生えた女性という言葉を聞いて私は頭を抱えてしまった。
あれだけ天竜人にかかわるのはダメだって言ったのに‼︎なんて頭の中で叫んだが、その直後に気付いてしまった。天竜人の姿がどんなものか教えていないと。
そうだ。ヤマトはずっと鬼ヶ島にいたから天竜人がどんな姿をしているかという当たり前を知らないんだ。もしかすると文字通りに受け取って天竜人のことを竜の姿をした人間みたいに想像していたのかもしれない。
道具の洗浄を中止し、屋台を片付けて急いで騒ぎが起きている場所を目指すとヤマトは私が言ったことをちゃんと守っていたのか場所はかなり近かった。
騒いでいるのは四人の天竜人。男女の大人二人に子ども二人なので恐らく家族。護衛が倒されてしまったからかピーピー騒いでヤマトに銃を撃っている。対してヤマトは背中に知らない女性と怪我をした男性の二人を隠しながら金棒で銃弾を防いでいるが隙だらけの天竜人へ反撃する様子はない。なので目の前の人物達が天竜人だとわかっている可能性が高い。
ヨシ、大体把握した。ヤマトは自分から天竜人に突っかかったのではなく、背中に庇っている二人のために突っ込んだのだろう。
ならゴミ掃除は既に賞金首の私がやろう。お面を外してから金棒を構え、相手を殺すつもりで覇気を込める。ゴロゴロと雷のように金棒から覇気が溢れた始めたタイミングで脚に力を込めて急加速し、天竜人一家では知覚出来ない速度で間合いに入って金棒を振るった。
「"雷鳴八卦"‼︎」
一振りした金棒は天竜人一家全員を巻き込んで殴り飛ばす。頭部を覆うシャボンが割れて宙を舞った天竜人達は地面へ落下。金棒で殴られた部位が凹んでいるのに全員ピクピクと動いているので死んではいないようだ。……いや、なんで生きているの?生命力ゴキブリかよ。
安全な位置で様子を見ていた人々が爆発するように騒ぎ出し逃げ出す音を聞きながら今の自分には覇王色があったことを思い出す。まぁやっちまったもんは仕方ないので頭を切り替えて、どうやって逃げようかと私は思考を巡らせるのだった。
オリ主……予定ではヤマトに楽しいことを沢山体験させつつ、時々薄暗い外の現実を見せていこうと思っていたのに新世界側でビッグ・マム海賊団の一部に襲われ、仕方なく前半の海へ。天竜人に会わなければシャボンディ諸島は楽しいところなので3日だけ滞在するつもりだったのにその短い期間でヤマトが天竜人に会っちゃった。既に予定がガバガバで内心頭を抱えている。
実は遊園地のコーヒーカップをヤマトと一緒に乗り、ヤマトが遊具を破壊するレベルで回転させたのに平然としてた人。吐き気に耐えながらヤマトが何故平気なのかと質問するとカイドウに殴られて吹っ飛んでいる最中の方が回転数が多かったとコメントしてヤマトからドン引きされた。
ちなみにビッグ・マムの死んだ娘の件はビッグ・マムがカイドウへ電話をかけた時点で両者納得の元、解決しています。あと二つ分の島の報復を娘1人で許してやる的な内容です。ぶっちゃけカイドウ側からの脅しです。
ビッグ・マム的には許したくないけどカイドウの手引きでオリ主を自身の縄張りに放り込まれて暴れられるのは嫌って感じです。月歩で感知外からやってきて島に着くなり獣型になられて毒を撒き散らされた時点で島は大半の生物と共に死にますからね。