エンカウント率ぅ   作:フドル

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えーと、遅れてすみません‼︎

誤字脱字ありがとうございます‼︎


急に仲良くされても周りが困るよね

「食ったのかい⁉︎ おれのプロメテウスを‼︎」

 

 長年一緒にいたプロメテウスがあっさりと私に食べられてしまったからか、それともプロメテウスを食べた私がピンピンしているからか。ビッグ・マムは目を限界まで見開いて非常に驚いている様子だ。そんな彼女へ隙ありとでも言いたげに飛び込むカイドウを尻目に私は体内で抵抗を続けるプロメテウスの消化に集中する。

 

 まずは口などの出口に続く道の筋肉を絞めることで封鎖。冷静に考えれば凄いことをしているなと思うけど、食べ過ぎて風船のように膨らんでも食べたものを消化すれば元通りになる肉体なのだからあまり深く考えないようにしている。

 

 逃げ道がなくなったプロメテウスは内側から破裂させようとでも考えたのか私の体内で巨大化するけど、奴の炎や質量程度じゃ私の肉体を突破出来ないので意味がない。なので予定通りに体内で毒液を分泌してプロメテウスに浴びせつつ、筋肉を締めてプロメテウスを閉じ込めている空間も狭めていく。

 

 プロメテウスからすると肉の壁が迫っているように見えるのだろうか。最終的にプロメテウスは自身の熱を一気に解放して大爆発を起こすことで私の身体を吹き飛ばそうとしたが、私の耐性や肉体強度を突破することは出来ず最後の足掻きは無駄に終わる。そして力を振り絞って爆発を起こしたのかその後の抵抗は弱々しく、最終的に肉の壁に押し潰されて存在が完全に消滅した。

 

「ゲップ、さてとお次は……」

 

 体内の熱せられた空気を鼻や口から吐き出しつつ、次の獲物である雷雲のゼウスへ視線を向ければ上空にいたゼウスはビクッと身体を震わせて雷の集中砲火を私に浴びせてくる。

 

 とはいえ雷の耐性を既に取得している私にとっては豆鉄砲ですらない。このままカイドウに言われたことを実行するためにプロメテウスと同じように大口を開けて身体を伸ばしてゼウスに迫る。

 

「助けて‼︎ ママぁ‼︎」

「"威国"‼︎」

「……うッ‼︎」

 

 雷を無視して突っ込んでくる私に自分では対処しようがないと理解したゼウスが助けを求めて叫ぶと、地上から斬撃が飛んできた。今の状況で今すぐに妨害を行える人物はいないという思い込みからくる油断もあって飛んでくる斬撃に反応が遅れてしまい、咄嗟に身体をよじるも斬撃は私の身体の端に命中。斬るというよりも突くタイプだったので命中した箇所の肉体がごっそりと抉られた。

 

 抉られた箇所からの激痛に顔を顰めつつ、斬撃が命中した際の衝撃によって仰け反った身体をそのままにして地面に頭から落下。再生が始まっている傷口へ追撃されてはたまらないため一度地面に潜り、体勢を立て直してから地上へ首までを出す。

 

 ……ちょっとカイドウのことを信頼しすぎてたな。相手はあのビッグ・マム。いくらカイドウが相手とはいえ、技を別のところへ飛ばすくらいは簡単か。

 

 プロメテウスを食べたからか私もビッグ・マムの警戒対象に入ってしまったようだし、彼女の背中に隠れるようにゼウスも合流してしまった。ビッグ・マムのゼウスとプロメテウスを消すのが私の役目だったのだけど、この様子じゃもう役目は果たせそうにないね。ナポレオン?流石に剣は食べれないから。

 

「ウォロロロロ、イブキ……周りを片付けてこい」

「……いいの? やり過ぎたら本当に戦争になるよ?」

「リンリンのガキを殺さない限りは大丈夫だ」

 

 出来ないからと役目を放棄するのも違うと思うので、今から地面に潜って虎視眈々とゼウスを食べれるチャンスがくるのを待っておこうかなと考えていれば横目で私の様子を見ていたカイドウから別の役目を与えられた。

 

 元から私でも食べれないナポレオンの分はビッグ・マムの子どもを除く船員達で代用するつもりだったが、そこにゼウス分も追加するつもりなのだろう。

 

「させると思ってるのかい‼︎ カイドウ‼︎」

「ウォロロロロ‼︎ 指を咥えて黙って見てろババア‼︎」

 

 私達の話を聞いていたビッグ・マムが話に割り込むようにカイドウに突撃し、カイドウも人獣型になってそれを迎え撃つ。

 

 更に激化する戦闘に私も飛び込みたくなるけど、先にカイドウから言い渡されたことをやり遂げなければ。ゼウスを仕留め損ねた以上、いつも以上に気合を入れて取り組むべきだろう。

 

 しかしこれには一つ困ったことがあってですね。ぶっちゃけ私は誰がビッグ・マムの子どもかなんて殆ど知らないのだ。強さもピンキリだろうから、適当に範囲技をぶっ放すことも出来ない。

 

 この島で現在キングと戦っているカタクリを除いた数人は見た目の濃さとかお菓子系の能力を使っているからビッグ・マムの子どもってわかるのだけど……。

 

 仕方ない。ゴリ押し戦法でいくか。絶対に時間はかかるけど、間違えてビッグ・マムの子どもを殺しちゃって戦争状態に入るよりかはマシだろう。既に1人殺っちゃってる私からしたらここでキルスコアが増えても別に良いのではと思うのだけど、カイドウにするなと言われたからね。

 

 獣型から人獣型へ変身し、金棒を肩に担いでビッグ・マム陣営へ突撃。早速1人目が私に気付くなり剣を構えるが、私は金棒を振り被りつつ彼に声をかける。

 

「あなたはビッグ・マムの子どもですか?」

「へっ? ……違うぞ! おれは──」

「そっか、じゃあ死ね‼︎」

 

『船長⁉︎』

 

 私からの想定外な質問に対峙した男は虚を突かれたような表情をするが内容を理解すると親指で自身を指差しながら名乗ろうとする。しかし私が知りたいのは目の前にいる人物がビッグ・マムの子どもか否かだけなので、違うと分かるなりそのまま突っ込んで金棒を彼の頭部に振るった。

 

 さらに地面へ叩きつけられた彼が傷口からドクドクと血を流す姿を見て叫んだ人物達もビッグ・マムの子どもではないのは確定したので質問はせずにそのまま処理。

 

「子どもか?」

「違う‼︎」

「なら死んで!」

 

「ビッグ・マムの──」

「おれは偉大なる海賊──」

「偉大って頭文字をつけるなら傘下になんてなるなよ!」

 

「あなたはビッグ・マムの子ども?」

「は、はい…! 私はママの2──」

「ならいいや」

 

「ビッグ・マムの──」

「そうだ!おれはビッグ・マムの息子だ‼︎」

「……ほんとぉ?」

「……嘘です。すいません、死にたくなくて嘘つきました」

「じゃあビンタでいっか。痛いけど死にはしないよ」

「へっ? ブヘェ‼︎‼︎‼︎」

 

 質問で子どもか否かを判別し、淡々と処理していく。自称を除けば思っていたよりビッグ・マムの子どもは少ないけど、やっぱり数人は交じっているのでこの方法は正解だったのかもしれない。

 

 ちなみに相手がビッグ・マムの子どもかどうかの判別する方法は質問以外にもある。それはキングと戦っているカタクリの反応だ。

 

 質問した相手が本当にビッグ・マムの子どもだった場合、キングの攻撃を無防備にくらう結果になってでもそいつに手を出せば地の果てまで追いかけてでも殺すぞみたいな濃い殺気がカタクリから飛んでくるのだ。ビッグ・マムの子どもだったのでトドメが刺せなかった身体を擦って魔人を出す能力者を倒してからは特に嘘つきが増えたのでこの判別方法を発見出来たのは凄く助かった。

 

 そんな風にプチプチとシャーロット家じゃない奴らを潰すこと1時間が過ぎた頃。突然カイドウから戦闘終了の号令が下されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウォロロロロロ‼︎」

「ハ〜ハハハママママ‼︎‼︎」

 

「……ねぇ、なにあれ?」

「知らん、おれに聞くな」

 

 決着もついていないのに戦闘終了の号令が両船長から出され、どうするつもりなのかと思えばお互いに笑い合いながら島の中心で宴を始めたカイドウとビッグ・マム。2人の姿に何故ここから宴に突入するのかと理解出来なかった私は彼らを指差しながら私の隣に立っているキングに問いかけたが、彼は腕を組んだまま私の質問をバッサリと切り捨てた。しかしこれは質問に答えるのが面倒臭いなどではなく、多分キングも理解出来ていないのだと思う。だって彼の視線にも私と同じ困惑の感情が混じっているし。

 

 えぇ……? これからどうするの? 海賊団の長が無防備で仲良く酒と甘そうなジュースを飲み始めたのに部下のキング達が争い始めたらそれは船長の顔に泥を塗るのと同義だろうから誰も動けないだろうし。

 

「おい! 酒が切れそうだ‼︎ 次を持ってこい‼︎」

「お菓子もだよ‼︎ 早くしな‼︎」

 

 そのまま何もせずにカイドウとビッグ・マムの2人を見つめていた私達だったが、直々に指示を飛ばされたことで徐々に動き出し、長が宴をしているならおれ達もみたいな感じで自然にカイドウ達を囲むように用意を進めていって両海賊団の宴会が開始された。そうなれば自然と仲良くなるのか、いつの間にか一部では先程までは敵同士だったのに肩を組んで仲良く酒を飲む集団がチラホラと見えるようになってきた。

 

 そこへ一通りの治療を済ませた者達も交じり始め、いつの間にか宴は大規模に。気分が乗ったビッグ・マムがそこらの家の残骸に能力で魂を入れて生まれたホーミーズが歌うことでさらに賑やかになる。

 

 そんななか、私はというと酒は飲めないのでビッグ・マム海賊団から提供された余り物のお菓子を適当に食べていた。船長であるリンリンが大のお菓子好きとあってかお菓子の品質や味は良く、よく見てみればお菓子自体にも細部に模様などが彫られている。そのため視覚でも楽しむことができ、なかなか飽きが来ない。個人的には前世の小さい頃によく食べていたコ○ラのマーチを思い出すね。

 

 食べているものがお菓子なので、私がいる場所も自然とビッグ・マムの船員達が多くなる。仲間を殺されたこともあって彼らの私に向ける視線は鋭いが、実力が無ければただのそよ風レベルだ。意識を向ける必要もない。

 

 っていうかそれらが気にならなくなるレベルでさっきからカタクリの殺気がヤバいの。私が視線を向ける度にカタクリと視線が合う。そのせいか私の脳内では彼の頭上にデフォルメされたカタクリがお前を殺すと言いながら槍をシュッシュッてやっている姿が浮かんでいる。

 

 ここで無神経にカタクリへ話しかけたら冗談抜きで攻撃されそうだし、自陣営に撤退安定だね。見聞色を極めた者の動きがどんなものなのか知りたい欲もあるが、流石に私でも空気は読むよ。

 

 最後にちょこっとだけと考えながら口に入る限界までお菓子を詰め込んだあと、私は百獣の船に帰るのだった。

 

 その最中に私を呼ぶカイドウの声が聞こえたけど、視線を向ければ甘え上戸の顔をしていたので近くにいた百獣側の船員に伝言を頼んでさっさと船に引っ込んだ。一応真打ちに選ばれるレベルの強い人を選んだので、もし私の伝言に逆上したカイドウから殴られても生き残ってくれるだろう。多分。

 

 

 

 

 

 その後、宴の終盤でカイドウとビッグ・マムが再び戦闘を開始。船の中にいた私はそれに気付くなり急いで参戦しようとしたけど、報告に来た船員から戦闘の理由を教えられると一気に参戦する気力が失われたので今回は参戦を見送った。

 

 ちなみに戦闘再開の理由はビッグ・マムが私を嫁に寄越せとカイドウに要求したからだ。姉がいるなら妹くらいいいだろう的な言い分だったらしいけど、カイドウはそれを怒りながら拒否。そしてお前のガキどもにおれの娘は釣りあわねェというカイドウの言葉に今度はビッグ・マムがキレた。

 

 結局この戦闘は3日も続き、両者の持ち出した備蓄が無くなりそうという理由で終了。多分宴をしていなかったらもっと長く続いていたと思う。

 

 まぁ1日目の時点で戦っていたのはカイドウとビッグ・マムの2人だけになっていたし、ご飯の時間になって呼びにいけば普通に戻ってきたので私からすると殺し合いというよりか昔馴染みのじゃれあいにしか見えなかったんだけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 損害的にはプロメテウスを失ってしまったビッグ・マム陣営の負けと言いたくなる戦闘から数日が経った現在。鬼ヶ島は非常に騒がしくなっていた。

 

 各地に散っていた船員達が続々と集まり、大量の料理が完成次第鬼ヶ島のあちこちへ運ばれていく。外を見れば丁度ワノ国から出航したであろう船団がこちらへ向かってくる姿が見えた。恐らくオロチの船団だろう。

 

 今日は私とヤマトが戻ってきた理由である金色神楽が行われる日だ。といっても私達に何かしろといった指示は特に出ていないので、単純に宴を楽しむだけでいいだろう。

 

 娘でも礼儀として主催者のカイドウには参加していることや楽しんでいることを伝えるために一度は顔を見せるつもりではあるが、それ以外は一般船員達と一緒に飲み食いしようかなと考えている。カイドウも酒嫌いの娘が近くにいないほうが幾分か酒を飲みやすくなるだろうし。……甘え上戸にならないって宣言してくれるならお酌ぐらいはしてあげようかなと考えたこともあったが、ありがた迷惑だろうからやめておいた。

 

「んー、そろそろ時間かな」

 

 事前に教えられた開始時刻まではまだ余裕があるが、早めに居てカイドウに姿を見せておいた方がいいだろう。そのほうがカイドウも安心出来るだろうし。

 

 宴の席ということでわざわざ新調された着慣れないヤマトとそっくりの着物の袖を揺らしながら、私はのんびりとカイドウ達がいるであろう部屋へ向かうのだった。




オリ主……任されたことを完璧に達成出来なかったことにより、それを挽回するために頑張るぞーとなっていたけど2回目の争いの原因がしょうもなかったので一気にやる気がなくなった。しかもご飯の時間で呼べば普通に戻ってくるので完全に茶番だなと判断。ちなみに2回目の理由を知った時は恥ずかしさやらで赤面していた。




あ、ちなみに今回は連続投稿です。もう1話あります。

 この話って必要なのか?なんて悩みに悩んで投稿が遅れ、新しく買ったとある恐竜ゲームにドハマりし(遅れた理由の大半がこれ)、それなら連続投稿でキリのいいとこまで一気にいこうと次話を作りました。ちなみに連続投稿じゃなければ2週間前には投稿出来ていたという……。
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