エンカウント率ぅ   作:フドル

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皆さんのコメントを見てハッとしました。そうだよな、世界蛇はそういう生き物だったよな! むしろもっと盛ってもいいと言われて逆に困惑したぜ……。

誤字脱字報告ありがとうございます‼︎


きゃぁぁぁ‼︎1キング様ァ‼︎ え?その情報は知りたくなかった

「姉゛御゛ォォォォ……! 助゛がり゛ま゛じだァァァ…‼︎」

「これ以上は助けないからね。ほら、早く行った行った」

 

 天竜人に手を出したと思われているナメドク一味が捕まったらどうなるかなんて火を見るより明らか。流石に罪悪感が凄かったので逃げるついでに様子を見にいけば、私の予想通りに彼らは捕まっていた。しかし運良く助けることが出来そうな場所と状況で拘束されていたので、サカズキが駆けつける前に彼らを拘束していた海軍を襲撃して蹴散らし、解放したナメドク達を彼らの船まで護衛した。

 

 幸い彼らの船は接収されておらず、魚人島に行くために必要なコーティング作業も済ませていたのでいつでも出航出来るようだ。行き先が魚人島なら今は白ひげの縄張りのはずなので海軍の手が伸びてくる可能性は低いだろう。

 

 シャボンに包まれて沈み始めた船とお礼を言い続けるナメドク達を見送った後、私もシャボンディ諸島からオサラバするために空を駆ける。その最中にナメドク達が拘束されていた場所で怒り狂う赤犬の姿が見えたのだが私は見ないふりをした。あれは見てはいけないやつだ。

 

 あまりの怒りで注意散漫となっていたのか、赤犬に気付かれることはなかったので私はそのままシャボンディ諸島を離れて新世界へ向かう。前半の海だと大将のエンカウント率が高いと考えたからだ。

 

 後半の海ではカイドウ。前半の海では海軍。どちらがいい?なんて言われたら私は会話が成立するカイドウがいい。逃げている最中に擦り付けることも出来るってわかっているし。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブゥーーー‼︎‼︎‼︎」

「うおぉっ⁉︎ 汚ねェ‼︎ 何すんだガキ‼︎」

「ご、ごめん。あまりにもビックリして……。これで許してほしい」

「……ったく、気を付けろよな」

 

 私の近くに座っていた男に私はクリーニング代の金額を渡す。幸い男も大ごとにするつもりはないらしく、文句は言いつつも私から視線を外して食事に戻った。それを確認するなり、私も口に含んだ水を吐き出すことになった原因に再び目を通す。

 

 明るい緑みの青…ターコイズブルーの髪色に、灰色の瞳。クール系の顔つきをした少女の顔は好戦的な笑みを浮かべている。その少女の懸賞金を見れば、前回の500万ベリーから跳ね上がって2億ベリーと書いてある。

 

 うん、間違いなく私の手配書だ。顔写真は恐らく赤犬と戦っている最中に撮られたのだろう。よくもまぁ見事に撮ってくれたものだが、一応これは想定内だ。私だって賞金首になることを覚悟していたから赤犬と戦った。

 

 でもさぁ!二つ名が『龍の子』って何⁉︎ 見る人が見れば絶対カイドウの繋がりを疑うじゃん‼︎ 私知らないよ⁉︎ まだ父親が誰か知らないから絶対に違うとは言えないけど、確信するまでは私はカイドウの娘じゃないと言い続けるぞ!

 

 これ海軍に電話したら変えてくれないかな? ……位置特定されて大将が来るリスクが高そうだしやめておこうか。

 

 しかし世間では私の懸賞金が上がったことよりもナメドクが天竜人を刺した方に注目が集まっているようで、ここ最近の新聞はこればっかだ。それとナメドクが使っていた毒って地味にオリジナルだったらしくて刺された天竜人は私がナメドク達を助けたせいで解毒剤が入手出来ずそのまま死んだらしい。おかげでナメドクは億超え賞金首の仲間入りをしていた。

 

 ナメドクの実力的にハードルを数段ぐらい一気に上げられたようなものだが、海軍に拘束されていたナメドク達を助けた時点で私の罪悪感は晴れたのでこれ以上私から彼らへ介入するつもりはない。

 

 それよりも気になるのは私の能力だ。今まで私は自身の能力を毒が吐ける馬鹿デカイ蛇だと考えていたが、もしかするともっと色々な能力があるのかもしれない。

 

 そもそも赤犬のマグマと化した手で掴まれて無事なのがおかしい。歳をとって弱体化していたとはいえ、あの白ひげでさえ顔面の半分を溶かされたはずなのに何故私が掴まれて平気なのか? 覇気の強さもあるだろうが、私はやはり自分が食べた悪魔の実の能力だと考えている。

 

 ただ熱に強いだけではないだろう。それなら最初に火傷なんてしないだろうし。どちらかと言えば途中で耐性を得たと言われた方がしっくりとくる。

 

 掴まれた後は熱があるのは分かるけどその影響を身体に受けていないぐらいの耐性になったので、完全に無力化したと言ってもいいかもしれない。

 

 耐性を得ることが私の能力の一部なのは確かだが、カイドウの金棒や赤犬の殴打みたいな物理的な攻撃は何度くらっても痛かったので、何をどこまで適応出来るかの検証は必要だろう。

 

 ……ふむ、これってつまり私の予測が正しかった場合、海に耐性が出来れば私は能力者でありながら海に潜れるのではないか?

 

 凄いことに気付いてしまった興奮でそわそわとし始めた気持ちを検証がまだだと何とか抑え、天竜人が海賊によって毒殺されたと書かれた新聞を畳み、店主にお金を払ってから店を出る。その足で向かうのはこの島の港だ。

 

 港に着くと靴を脱ぎ、近くに置いてから素足を海につける。素足だけなので脱力感は少ないが、恐らくこれで耐性を得ているはず。

 

 それから30分ほど待っていると、感じる脱力感にも慣れてきた。それ即ち、私が海に適応したということだ。

 

「ふっ、海に潜れれば能力者なんて恐れるに足らず。カイドウでも大将でも何でも来いってもんだ」

 

 ドヤ顔で宣言した後、泳ぎの練習はしておいた方がいいだろうと私は海へ飛び込んだ。

 

 

 

 

 

「あんた泳げないのになんで海に飛び込んだんだ⁉︎ 自殺したかったのか⁉︎」

「本゛当゛に゛申゛し゛訳゛な゛い゛て゛す゛……‼︎‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 興奮で私はどうかしていた。やはり能力者である時点で海に直で入るのは無理みたいだ。不審な行動を取る私の様子を見ていた島民が救助してくれなければそのまま溺死するところだった。

 

 言い訳をするなら私も年頃の元男の子だったってことだ。つまりオンリーワンとか特別などという言葉に弱いのさ。

 

 まぁそんな黒歴史入りしそうなことはさておき、私の能力検証は一旦後回しにすることにした。そもそも検証出来るほど素材がない。私の身近にあるのは耐性を得た火だし。一応氷もあったので検証して冷たさにも耐性を得ているが、まだまだ確信に至るには足りない。

 

 なので最近はシャボンディ諸島からそのまま持ち去った金棒を素振りしつつ、なんとか持ち帰ることが出来た屋台でお金稼ぎの毎日だ。

 

 私の使用武器は金棒に決めた。決め手となったのは振って殴ればいいだけという使いやすさだ。刃の部分を当てないとダメージが期待出来ない剣と違い、金棒は均等にトゲが配置されているのでどこを当ててもしっかりとダメージを与えられる。あのカイドウが使うのも納得する使いやすさだ。

 

 ただ、私が現在使っている金棒は私からすると結構軽いので、もうちょっと重くて長いものがほしい。しかし所持金の大半をシャボンディ諸島で私が寝泊まりをしていたホテルにそのまま置いてきてしまったので、新しいものを買う余裕が無いのだ。

 

 出来れば次のカイドウエンカウント前に私専用の金棒がほしい。そして見様見真似の雷鳴八卦を決めてやるのだ。

 

 私の経験則的に、そろそろカイドウとエンカウントをする予感がある。どうせ空から落ちてくるだろうから天候には気を配っているのだが、ここ最近は新世界にもかかわらず晴れが続いている。

 

 晴れはいいぞ。カイドウは落ちてこないし人も出歩くから屋台も繁盛する。まさに稼ぎ日和だ。

 

「海賊だァ‼︎ 海賊が来たぞォ‼︎」

 

 しかし海賊は来る。島民の一人が大声で海賊の襲来を周囲に知らせ、それを聞いた人々はとっとと家に引っ込む者がいれば、どんな海賊なのかを判断しようとする者もいる。

 

 私は基本的に後者だ。正直言ってカイドウじゃなきゃどうとでもなると思っている。そして今日は晴れなのでカイドウは来ない!

 あと海賊でも白ひげみたいな海賊団なら普通に買ってくれる人がいるので、海賊だからといって店をたたむのは勿体無いのだ。

 

「どこの海賊だ⁉︎」

「百獣だ!百獣海賊団‼︎」

 

 ……ふっ、そう来たか。そう来たかァ。

 

 まさかの正攻法かぁ。 そうだよなぁ、普通は船で来るよなぁ。空から落ちてきて出会うパターンしか経験していなかったからそっちが正常だと勘違いしていたわ。

 

 今までが異常だったカイドウの出会い方とそれが当たり前だと思い込んでいた私自身に頭を抱えていると、百獣海賊団が上陸したのか港の方から破砕音と海賊の笑い声、そして島民のものと思われる悲鳴が聞こえてくる。

 

 どうやら略奪が目的のようだ。これは商売なんて出来そうにないね。

 

 素早く判断を下し、壊されては堪らないので屋台をたたむ。たたんだ屋台は目立たない場所に収納しておき、私は金棒を担いで騒がしい場所へ向かう。

 

 既に島民は避難しているのか、港は百獣海賊団の船員しかいない。その中の一人が近付いて来る私に気付くと、指を差して顔に笑みを浮かべた。

 

「おい!ガキがこっちに向かって──」

「うっさい」

 

 嘲笑うような顔だったので話すセリフも私を馬鹿にする系のものと判断。素早く近付き、金棒の一振りで海へ殴り飛ばしておく。

 

 金棒がめり込み、白目を剥いた船員が吹き飛んで水切りみたいに海面を数回跳ねたあとで海に沈む。この結果に他の船員達は私を敵と判断したのか、略奪をやめてそれぞれの武器を構えた。

 

 どうせ最後に出て来るのがカイドウならそれまでにコイツらでストレス発散だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソォ……」

「はぁ、終わった」

 

 最後の一人を叩き潰し、周りに戦闘を続行出来る人間がいなくなったのを確認してから金棒を地面に突き刺して息を吐く。百獣海賊団の船員だけあって、どいつもこいつもそこそこ実力があった。

 

 だから戦うのが次第に楽しくなっていたのだが、全員倒した後でこの後にカイドウが待っていることを思い出し、一気に楽しかった気分が落ち込む。

 

「出てきなよ、途中でジロジロと観察しやがって。居心地が悪くて仕方ない」

 

 突き刺した金棒を引き抜き、肩に担いでから海賊船を睨み付けて声をかける。船にはまだまだ船員がおり、少しざわざわしている。雰囲気的に私が船員達を倒し切るとは考えてなかったのだろう。

 

 そんな船員達だが、私が声をかけたタイミングで彼らの奥から別の騒がしさが生まれた。それが徐々に近付いていることから、騒ぎの中心が私側に来ていることは間違いない。

 

 まぁ、どうせカイドウだろ。

 

「納得した。カイドウさんが気に入るわけだ」

 

 しかし船から出てきたのはカイドウに近い長身の大男で、全身を黒と紺色を基調としたトゲトゲしい鎧がついた軍服のようなレザー製のダブルスーツを着ている。顔もヘルメットやマスクでガッチガチに固めており、表情を見ることは出来ない。

 

 そんな男が現れたものだから、私の思考は硬直する。身体はガクガクと震え始め、目からは号泣とは言えない程度の涙が溢れた。

 

「おいおい、キング様が出てきた途端あのガキ泣きやがったぜ!」

「ギャハハハ‼︎ 今更自分が何をしたか後悔し始めたってわけか?」

 

 きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎ キングだぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎

 

 あの!カイドウを‼︎ すり抜けて‼︎ キングが来てくれた‼︎

 

「すみません、握手をしてもらっていいですか? あとサインください」

「……断る」

 

「……あれ? なんかおれらの想像と反応が違うんじゃないか?」

「もしかして感動の涙ってやつか?」

「キング様相手に?」

 

 海賊船に残っている船員達が騒がしくなるが、私は感動で胸がいっぱいだった。その感動のままにキングへ握手とサインをお願いしたのだが、残念ながらそれは本人に拒否されてしまった。なんならキング自身、私みたいな反応をされるのが珍しいのか少し引いている。

 

 これ以上はカイドウを押し除けて現れた偉大なるキング様に迷惑をかけそうなので、手で涙を拭って場を仕切り直す。

 

「んで、何?」

「何事もなく仕切り直したぞ」

「……おれ達はここ最近になってカイドウさんの頼みで人を探している。制圧してから聞くつもりだったが、お前には先に聞いておこう」

「キング様も便乗したな」

 

 ほう、人探し。一瞬私かと思ったが、私を見たキングの反応的に違うだろう。別に口を挟むことではないので黙っていれば、キングの口から私からすると驚愕する名前が飛び出してきた。

 

「その人の名前はカザミ。聞き覚えはあるか?」

 

 ……………今世の母の名前じゃん。

 

「……名前だけじゃなんとも。特徴とかも教えてほしい」

「……酒が好きだが飲むとすぐに酔い、酒癖も悪い。アグレッシブな人で、何かに気を取られるとそのことばかりに熱中しているタイプだ」

 

 あ、それなら母ではないな。酒は飲まないし、むしろ嫌がる。私の育児にも積極的と言えるほどでもなかったし。名前が一緒なだけの別人だ。よかったよかった。

 

「そしてこれがあの人の写真だ」

 

 母じゃん‼︎ 少し若いけど完全に今世の母親の顔だ。

 

 えぇ……、じゃあ私の父親ってカイドウで、上にヤマトがいるの? そんなことある???

 

 ウォロロロと笑うミニマムカイドウと、おでんおでん〜とスキップするミニマムヤマトが脳内で仲良くクルクルと回っている。

 

 ……よし、知らないふりをしよう。私は彼らとの血縁を認知しません。それにまだカイドウの子であると言われたわけではないし。母親がカイドウから離れてから宿した子どもが私かもしれないし。

 

「あの人がカイドウさんの前から消えた時はカイドウさんの子を既に身籠っていた。順調にいっていれば子どもは今頃17歳ぐらいだろう」

 

 あの、逃げ道塞ぐのやめてくれません??? そしてそこの船員ども、何を思い出しているのか知らんが涙ぐむな。

 

「もし子どもがいれば、カイドウさんかあの人に似た特徴を持っていることだろう。特に髪や瞳は特徴が……」

 

 話しながらキングは私の頭上から下へ視線を下げていき、徐々に言葉数が少なくなって完全に黙った。涙ぐんでいた船員達もキングと同じタイミングで黙り込み、ジッと私のことを見ている。

 

 恐らく今向こうが考えていることは『あぁ、複数当てはまる奴が目の前にいるなぁ……』だろう。だから次に聞いてくることは──。

 

「おい、お前の年齢は何歳だ?」

「……えーと、イブキは10さいだよ‼︎」

「キング様!恐らくこの子は17歳ぐらいでっせ!」

「おのれ!貴様船医だな⁉︎」

 

 キングの問いかけに全力で子どものふりをしたのに、海賊船から私の年齢を見抜く野郎がいたせいで台無しだ。クッ、この島は暑いからと大胆な格好でいたのが仇となったか‼︎ っていうか私の母と父の遺伝子が互いに極端すぎて泣きたくなる。母親が見た目全振りで父親が角と身体能力に全振りじゃねーかよ。

 

「じゃ、じゃあ、あの子がカザミ様のお子様ということか?」

「確かにあの金棒の使い方はカイドウ様の姿が重なったな」

「ふっ、おれはイブキお嬢があのお二人方の子どもだってわかってたぜ」

 

 不味い。私がカイドウの娘だと急速に船員達へ広まっている。あと最後の奴、お前私がすり抜けキングに感動して泣いた時に爆笑してた奴じゃねぇか。何嘘ついてんだ。

 

 いや、希望は捨てるな。まだキングは私がカイドウの娘か疑っている。そうだよな、当てはまることが多いからって確信に至るほどじゃないよな!

 

「カザミさんは豚の肉が好きだったはずだが、今も食べているのか?」

「何言ってるの? お母さんは魚の刺身が好き──」

 

 船員共に意識を向けていた私に突如話してきたキングへ視線も向けずに否定をしかけ、バチンと勢いよくとんでもないことを言いそうになった自分の口を塞ぐ。

 

 そして恐る恐るキングの方を見れば、そこには確信を得たキングの姿があり、私は全て手遅れだったことを自覚した。

 

「じゃあ、私はここで帰りますね」

「駄目だ。イブキ、おれと一緒にカイドウさんのところへ来い。腹違いだが本拠地にはお前の姉もいるぞ」

「姉はちょっと……」

「じゃあ兄だ」

「じゃあって何⁉︎」

 

 ヤマトの事情は知っているから理解は出来るけど、普通は混乱するよね。あとしれっと私のことを名前呼びし始めたぞこの人。

 

 私が一歩距離を離す度にキングが一歩距離を踏み込んでくる。歩幅が全然違うので、距離を離すどころか逆に詰められている。

 

 しかしカイドウのような絶望感は無い。何故なら私はキングに対して圧倒的に有利だからだ。

 

「さようなら‼︎ カイドウには認知しなくていいって言っといて‼︎」

「逃すか‼︎ おい!隣島にいるカイドウさんへ連絡しろ!」

「了解しました‼︎」

 

 嘘だろカイドウすぐ近くにいるのかよ!じゃあモタモタしてられないじゃん‼︎

 

 空を駆け上がった私に能力を使ってプテラノドンとなったキングが迫る。本来の予定ならもっと引き寄せるつもりだったけど、カイドウがすぐ近くにいるなら早めに仕掛けた方がいい。

 

 空中にいる状態で頭から獣型に変身。変身途中だが首を後ろに曲げて私を追いかけるキングに大口を開けて迫る。

 

 奇襲ともいえる速度だったが、カイドウの右腕なだけあってキングはこれに反応してさらに上空へ飛んだ。だけどそれだけなら私は届く。

 

 伸びてくる私に驚くキングの上半身を口内に含み、胴体に噛み付くことで捕まえる。すぐにキングは脱出しようと私の舌に刀を突き刺したり牙を叩いたりして暴れるが、この程度の痛みならまだ我慢出来る。キングが持つ大技も私がカイドウの娘だからか使用する気配が無い。

 

 暴れるキングをそのままに、彼らの海賊船に狙いを定めて頭突きをしようと突っ込む。その最中にキングが使った炎が口の隙間から漏れるが、火に対する耐性を得た私には効かない。

 

 船員達も私のデカさに目玉を飛び出させて驚いているだけで特に反撃はなく、私は口内にキングを入れたまま海賊船へ突っ込んだ。

 

「「「「ぎゃぁ〜〜〜‼︎‼︎ イブキお嬢〜〜⁉︎」」」」

 

 船は真っ二つに割れ、貫いた先の海水に頭を突っ込んだタイミングで口内のキングを解放する。キングは海に沈んだ状況に目を見開くが、どうすることも出来ず、気泡を吐いてそのまま沈んでいく。対して私は頭だけを海につけただけなので問題なく海から出ることが出来る。

 

「キング様ァ‼︎」

「早く助けてあげて。あとあの人にも言ったけどカイドウに私のことは認知しなくていいって言っといてね」

 

 人型に戻り、海へ飛び込んでいく船員達へキングにも言ったことをもう一度伝えるが、キングの救助に夢中なのか聞いているのかわからない。

 

 まぁ、私から意識が逸れているのは大助かりなのでその場を離れ、私はカイドウが来る前に屋台とともに島から離れるのであった。




オリ主……衝撃の事実が発覚した。諦め悪くカイドウの娘ではないと言うつもりだが、口内に咥えた際にキングがサンプルを採取したので既にチェックメイト。海へぶち込んだ際にサンプルが壊れていることに期待するしかない。




 オリ主は元からヤマトとは腹違いのカイドウの子という設定にしてたけど……みんな気付くのが早くていっそ隠してた方が面白いんじゃないかと思ってしまった。
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