「おらッ、てめー普段目立たない空気モブの三森パイセンが活躍してんぞッ!!、てめーもちょっとはかっけーとこ見せろやッ!! あ゛あ゛!!」
バシバシと斜め前の席を蹴るのは
僕ーーー
今は荻十学園の修学旅行中ーー移動するバスの中だ。
なぜこんな状況になっているかと言うと、翔吾がクラスの委員長、
からかい続ける小山田にクラスメイトの、ーーー僕の友達の
それに小山田はキレてーなぜか僕に矛先が向いたのだ。
「やめっ……辞めてくださいッー」「あ゛あ゛ッ!?聞こえねーよッー安ーボソボソ喋んな、あーあーなんか冷めたわーマジ興醒めだわー」
「ううぅ……」
怖い
小山田が、僕を見て笑っている"上"のクラスメイト達が。
「おーい、小山田ーその辺にしとけよ、自殺なんかされても困るからな」
やる気のない発言をするのはこのクラスの担任、2ーCの担任
やる気が無いのは発言だけではなく行動も、バス内で揉め事が起こっているのに口頭だけで済ませるのがその証拠だろう。
あの日ーー三森くんが虐められて泣いている僕に手を差し伸べてくれたあの日から、僕は何も変われていない。
誰にも頼らず、いじめに反抗できるような、三森くんみたいに誰かに手を差し伸べられるような、そんな強い自分になりたかった。
だが現実はどうだ、何も変われずただただ虐められてるだけ。
(……嫌だ、いつまでこうしてるんだ、僕、変わるんだろ!!)
この修学旅行が終わったら、ちゃんと学園にいじめを報告しよう。
担任に報告しても意味はないだろうけど、他の先生なら、きっと、伝わるだろう。
「あーあー俺マジ不幸だわ、マジで俺かわいそー、勘違いした空気モブに邪魔されるわ2ーCの産廃は全然反応返さないわ……あ゛あ゛あ゛ーマジおもしれーこと起きねーかー」
え?
なに?ーーこの、"光"?
小山田の声に反応するかの様に、2ーCのバスは光の中に消えた。
まるで最初から、そこに無かったかの様に。
「ようこそーーー勇者様達。私は貴方達を歓迎いたしますーー」
ーーーえ?
僕達の目の前に現れた女神、ヴィシスは、そう告げた。
◼︎
話を聞くと、こういうことらしい。
この異世界には魔物がいて、その魔物の親玉である
その度に勇者召喚を行いーー僕達の様な学生達を集めているそうな。
転移してきた勇者だけが、大魔帝とその大魔帝が率いる魔物達に対抗できるそうな。
そして、この世界に転移した時に勇者達は
女神様はそう僕達に言った。
最初に目立った反応を見せたのはーーー小山田翔吾だった。
手をかざす事で光り、その強さで素質がわかるという水晶。
他の生徒がかざしてもただ光るだけだったのがーー小山田翔吾が手をかざした瞬間、赤く、まばゆい光りを放ち始めたーー!!
「オッ!!おおおぉぉ!!ースッゲー光ったぞこれ!!なぁこれなんなんだョ?女神ちゃん」
「ーまぁー素晴らしいですわ。オヤマダさん。貴方は才能に溢れていますね♪」
「マジィー!?なんかよくわっかんねぇけどネツいわー!!ネツいネツい!!」
どうやら小山田は他の生徒よりも才能に溢れているらしい。
転移直後はアレコレ文句をつけていたのに、調子のいい奴だ。
その後も調査は続いて、ーー四回も変わった反応を見せた。
十河綾香
四人とも、2ーCで存在感を放つ四人だった、小山田を入れたら五人、異世界での才能は、もとの世界のカーストを参照しているのだろうか?
そうだったら、僕は碌な才能を持ってなさそうだと、少し未来を悲観した。
そんな五人の中にも違いがあるようで、A級とS級と呼ばれている。
小山田と樹さんがA級。
桐原くんと十河さんと聖さんがS級らしい。
こんなにも才能のある勇者が揃うのは今までに無かった様で、女神様は嬉しさからか、その全身を震わせていた。
変わった反応といえば、一人。
違う意味で変わった反応をしめした生徒がいた。
ーー三森灯河。
僕の友人だ、他の生徒よりもひときわ光が
どうやら光が小さい者は才能が乏しいみたいだ。
自分のランクを問う三森くんをーー女神様は非常に適当にあしらった。
僕は女神様のあんまりな態度にーーー腹が立った。
勝手に召喚しといて、勝手に才能を測られて、才能がないから適当に扱う。
そんな対応が許せないのだ。
三森くんは、虐められてた僕に手を差し伸べてくれた。
僕にとっての
そんな三森くんを……
「次の方ー」
そう考えているうちにーー僕、安智弘の番が来た。
◼︎安智弘
綺麗な安、原作では三森のことを下に見て手を差し伸べられたことに激怒したが、この小説ではそんなことはなく、その後三森と友達になった。