白銀の死神は甘々   作:アーヴァレスト

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主人公、ストレスを発散す


Turn 03 ホロウの中で大暴れ

「あ〜、もうやぁだぁぁぁ!!」

 

ガッチガチに監禁仕事生活2週間目、ついに私は我慢の限界に達してそう叫んでいた

ぐでーっと机に体を倒してそう叫ぶ。

任された仕事は全て終えている。設計から試作、実用化に向けたブラッシュアップも全てだ

そのうえで親はそのまま就職といってきた。断固お断りさせていただきますと言ったらまた眠らされて監禁室送りである

 

「逆に良く2週間も持ちましたね、驚きですよ」

「アンタはアンタで監視してるつもりある?」

「お嬢様が本気で暴れたら私など一捻りでしょう?」

「···一瞬本気でそれ考えたわ」

 

確かに、本気で暴れたら簡単にお付きの人は倒せる

だが、何故か本能的に、ソレをしたらとんでもない事になるという予感がしている

私のこの手の感覚はだいたい当たるのがタチの悪い話である

 

「そういえば、お父上から許諾降りましたよ。ホロウ内での軍用パワードスーツの実験運用」

「お?マジ?」

「えぇ、大マジです。ついでに会社の悪評に繋がる馬鹿共の粛清も依頼されてます」

「うっ、わぁ···絶対そっちが本命だろあのクソ親···」

 

クソ親の会社の製品で犯罪を犯す奴らは割と多い。

なまじ軍との繋がりがあり、1部は軍からの払い下げが行われているからだ

ソレを犯罪者共が買い漁り、改造して使ってる現状がある

軍としては別にどうでも良さそうな感じだが作る側としてはたまったもんじゃない

一部は私の開発した製品が含まれているのだから、その責任もある

 

「仕方ないなぁ···試作機···いや、あの子を使おうかしら」

「ランスロットを?」

「あの子は私がマジで作ったヤツだからね、性能は軍用のより遥かに高いわよ?」

「そもそもお嬢様専用機ですしね」

 

お付きの人が言った名前、ランスロット

開発コードはZi-01。歩兵用の試作高機動戦闘パワードスーツ、その名前がランスロットだ

歩兵による運用を想定して人体の動きに極限まで追随し、同時に小銃程度なら完全に防ぎ切る防弾性能を確保している

それだけでなく、高機動を実現するための装備を標準で搭載しているのが特徴だ

問題は私が使う事だけを想定してあまりにもピーキーに作りすぎた所である

今はその設計を改めてピーキーな部分を削り落とし、汎用性を高めたダウングレード版たるヴィンセントプランを進めている

そのための実験をホロウ内でやりたいと申請していたところだった

 

「よく降ろしたな?」

「軍との関係をさらに密にするためと言ってましたね」

「クソ親の考えそうなことだな」

 

呆れ笑いをしてから私は咳払いをして通達する

 

「4日後、実行します。準備と各所への根回しを」

「了解しました」

 

それからはバタバタだった。準備と各所への根回し

ホロウ内の安全確保、規制範囲策定などなど、軍と綿密に話し合い、決めるのは私の嫌いな作業だった

 

「うんうん、よく動いてるね」

「使用した人達からの評価も上々です。一点を除いては」

「あれだけ反応速度落としてもまだキツいの?」

「はい、反応が機敏すぎるとのことです」

 

私の専用機たるランスロットより半分以下の反応速度にしてもまだ機敏すぎる反応速度らしい

 

「ランドスピナーの評価はどう?」

「かなり好評ですよ。今までに無い画期的な移動手段だと」

「それは良かった、これがコケたら全コケ必至だしね」

「それに新型動力源のウケも良いですね」

 

よっしゃ!と思った瞬間、激しい揺れが襲った

 

「おっとぉ!?」

「これは···!!」

「おバカなテロ屋の仕業かな?」

「お嬢様!!呑気に言ってるところですか!?」

 

ニヤニヤと笑いながら私は起きている状況にワクワクしていた

これを利用してネコババ&トンズラしてやろうと思ったからだ

 

「ランスロットは使える?」

「基本武装のみではありますが···」

「それで十分。ランスロット、出撃します!!」

「かしこまりました!!」

 

バタバタ用意して発進準備を整える

 

「テロ集団は北方から10数名接近してます。流出した我社の製品を改造して悪用しているようです」

「了解、全て壊して分からせてくるわ」

「かしこまりました、では···Zi-01、ランスロット···」

「発進ッ!!」

 

ランドスピナーをフルスロットルでブン回し、一気に駆け抜ける

途中の障害は腕の手甲と膝関節に装着したスラッシュハーケンという射出型の斬撃と機体固定、牽引用装備で突破する

 

「みぃつけた!!」

 

しばらく走るとテロ屋の先頭を発見した

ぞろぞろと群れている、馬鹿どもだ

 

「なんだ!?」

「女が1人?ゴテゴテしいやつ着てるが···」

 

騒いでいるヤツらに私は一応勧告する

 

「これより先への進行を禁止します。ここから先は軍の管轄区域内であり、そちらは現在その区域内に入りかけています。直ちに反転、離脱してください。警告はこの一度のみです」

 

一応、警告はした

反応は分かっている。

 

「残念だがお嬢ちゃん。俺らはこの先にある軍の装備に用があるんだわ!!」

「···残念です」

 

言葉上はそう言って、私は武器を構える

近接格闘用の実体剣。直剣型の武装でヴィンセントプラン用の装備だ

本来の装備でも良かったが鹵獲されて使われるリスクを考慮してコチラにした

 

「まずはお嬢ちゃんを人質に!!」

 

そう言った敵の懐へ、ランドスピナーを全開で吹かして急速接近する

突然の急接近にテロ屋は驚くが、遅い

アッパーカットからのハイキックでノックアウトさせる

これでまずは1人

 

「「このガキッ!!」」

 

同時に来た2人の顔面を鷲掴みして転倒させて戦闘不能にする

これで3人

 

「コイツ!!強ぇぞ!!」

「撃て!!」

 

さらに2人、アサルトライフルで攻撃してくるのをランドスピナーから得られる機動性のみで回避しながら接近、ボディブローと剣の鞘での刺突で昏倒させる

これで5人、残り半分

 

「に、逃げろ!!」

「「「うわぁぁぁ!!」」」

 

ちりじりに逃げようとした4人をスラッシュハーケンを応用して拘束、オマケに電流をちょっと流して感電で気絶させる

 

「最後はアナタです、逃げても構いませんよ」

「逃げる?俺が?」

 

リーダーらしき男は重武装だった

明らかに強そうな見た目だ、これは楽しめるかもしれない

 

「身ぐるみ剥いでやるよ、クソガキィ!!」

「···フフッ」

 

ダメだ、堪えていた笑みが零れてしまう···!!

 

「アハハッ···!!」

 

テロ屋のリーダーの攻撃を躱しながら攻撃する

全て即死はしない代わりに痛みは酷い場所だ

 

「アハァァァ!!ハハハハハッ!!」

 

テロ屋のリーダーの持つ武器全てを完膚無きまで破壊して哄笑する

 

「ば、バケモノめッ!!」

「テロ屋風情に言われても痛くも痒くもないわねぇェェ!!」

 

そう言って殴り飛ばし、踏みつける

あぁ、やはり人の苦しむ姿を見るのは···

 

「愉しいなぁァァ!!」

 

この後、軍が駆けつける少し前まで、私はテロ屋のリーダーを痛めつけた

良い声で鳴いてくれた、面白かった。

 

「んな訳でネコババするね〜」

「ちょっ!?お嬢様!?」

「んじゃまた〜」

 

一応お付きの人へ挨拶代わりにネコババを宣言して通話を切る

そして私は別の場所へ向かうことにした

その場所はホロウに来ていたアンビーのいる場所だ

実はアンビーちゃんに渡したとある品物にホロウ内のみ機能する追跡装置を忍ばせていた

それが反応したので向かっているのだ

 

「久しぶりに会えるなぁ···」

 

問題はエーテリアスがワラワラ湧いている場所であることか

だが、私とランスロットの前に所詮Aクラスのエーテリアスなど···

 

「ハエごときが邪魔するなよ···!!」

 

そして私は進路上のエーテリアスの殲滅を開始した

武装を全て本来の仕様に変更、スペック制限も解除して全力モードへ移行する

稼働限界はおよそ3.5時間、十分以上の時間がある

可愛い可愛いアンビーちゃんに会えるなら所詮Aクラスのエーテリアスなど有象無象の1つにすぎない

 

「オラァァァァ!!邪魔すんじゃネェェェ!!」

 

最後の一体を蹴り飛ばし、アンビーちゃんのところに到着した

 

「なんで···ここに!?」

「ん?お姉ちゃんパワー!!」

「···答えになってない!!」

 

アンビーちゃんが驚いていたところに私がそう返答する

とっても嫌そうな顔をしているが気にならない。

ちょっと怪我っぽいのあるけど元気そうだ、安心安心。

 

「ちょっと休んでなさいな、お姉ちゃんがこんな奴らぶっ飛ばしてやるから」

 

そう言って私はアンビーちゃんにウインクして、エーテリアスに振り向いた




次話、主人公 激闘!!
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