RAILJACK   作:マブラマ

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会議室の指令

國鉄本社ビル、会議室。ドアが勢いよく開き、高山直人が息を切らして飛び込んできた。

「遅くなりました!」

神長香子が鋭い視線を向け、全員を見渡す。

「全員揃ったな? これより警備編成会議を行う。異議あるものは出てこい!」

「あの……」

あおいが手を挙げかけた瞬間、香子が冷たく遮った。

「質疑はあとで報告書でまとめて――」

「何故、私達がここに集まったか理由を教えてください!」

あおいが一気にまくし立てると、直人が慌てて止めに入った。

「おい、やめろ桜井! 相手は警視庁の管理官だぞ!」

「だから何よ!?」

「良いっスよ。早く質問してください」

走り鳰がニヤリと笑って割り込むと、香子がムッとした。

「走り、お前……!」

「ここは公安隊の意見を聞くべきじゃないっスか?」

「……良いだろう、聞こう」

香子は一瞬黙り、冷徹な声で理由を述べ始めた。

「今回私達がここ、國鉄本社ビルに鉄道公安隊全員を集めた理由を言うと、君達の警備が怠っている。もしくはあのテロ組織から鉄道公安隊……いや、國鉄全体が情報漏れしているとしか言いようがないからだ!!」

「つまり、我々が言いたいことは、まず鉄道公安隊の編成をもう一度見直して警備を強化する案件の事っス」

鳰が補足すると、香子が頷いた。

「そういう訳だ。桜井あおいと言ったな? 君には適正な仕事を与える」

「事件についてでしょうか?」

「そうだな……高見沢」

「高山です。何でしょうか?」

直人が訂正すると、香子は淡々と続けた。

「お前、班長代理か?」

「はい」

「何故、鉄道公安隊に配属しここに来た理由を100文字以内で述べよ。出来なければ短文で構わない」

「國鉄に就職し、運転課に入りたいだけです」

「それだけか?」

「はい」

「……まあいい」

香子は一息つき、会議室全体に指示を飛ばした。

「第一捜査班は東京駅新幹線第20-23番ホームで厳重警戒態勢を図れ。第二捜査班は公安部と連携し、在来線全ホームで厳重警戒態勢。第三警備班は京葉地下全ホームで厳重警戒態勢。第四警戒班!」

「はい!」

飯田奈々が即座に応えると、香子が目を細めた。

「飯田班長。今更聞くが、警四メンバーは全員学生なのか?」

「私以外全員研修生です」

「あまり無理な事を強いるな。後で事件解決する術が遠くなるのだからな。前筋が長すぎたな。桜井、他の警四メンバーと一緒に行動するんだ」

「具体的に何をすればよろしいのですか、管理官?」

「東京新幹線車両センターに行って、例の殺人鬼やあのテロ組織の連中をここを通せぬよう食い止めろ。もし連中がここを無断で立ち入った場合なら発砲を許可する」

「任せてください、やり遂げて見せます!」

あおいが勢いよく答えると、直人が慌てて待ったをかけた。

「待ってください! テロ組織の人達も悪い人ばかりではありません! 國鉄マンとしてはお客様同様と扱わなければならない! あなただって同じ考えなはずでしょう!」

「テロ組織の人間はどう言おうが犯罪者だ!」

香子が即座に切り捨てると、鳰が意外にもフォローに入った。

「待ってくださいっス。高橋君の言ってる事は正しいと思いますよ」

「(だから俺は高山ですって! なんてついてないんだ……)」

直人が心の中で嘆くと、香子が一瞬考え込んだ。

「……走りの言ってる事は一理あるな。とにかくだ! 新幹線の乗客を安全な所に誘導し、死守するんだ! 各所轄の警察官は所定の位置に着け! 以上だ、解散!」

会議室が一気に動き出し、各所轄の警察官や國鉄職員が決められた位置へと散った。だが、その場に残る声が響く。

「警四メンバーだけはここに残れ! 話がある!」

香子の鋭い視線が、あおい、直人、はるか、翔を捉えた。

 

To be continued

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