RAILJACK   作:マブラマ

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警四への武装

國鉄本社ビル、会議室。神長香子の声が静かに響き、警四メンバーだけが残された空間に緊張が走った。

「ここに君達だけで残ってもらったのも他でもない」

「!?」

直人が息を呑み、あおいが目を鋭く光らせた。

「?」

はるかと翔は首をかしげ、状況を掴みかねている。

「まずこれを受け取れ。走り、アレを用意しろ」

「了解っス」

走り鳰がニヤリと笑い、アタッシュケースを手に持つと、机の上にドンと置いて開いた。

ケースの中から現れたのは、黒光りする短機関銃。鈍い金属音が会議室に響く。

「これって……」

直人が目を丸くすると、香子が冷たく言い放った。

「勘違いするな。万が一のために用意しただけだ」

「高山君には使いづらい武器っスかね?」

鳰が茶化すように言うと、直人が慌てて反論した。

「そーいう問題じゃなくて……!」

「これってトンプソン・サブマシンガンですよね! 有効射程距離50m! これで犯罪者や痴漢を射殺――」

あおいが目を輝かせてまくし立てると、香子が即座に遮った。

「弾は無駄に使うな! 計画的に使え! 考えずに撃つと一寸先は闇だからな」

「そうっスよ。世の中は政治家や資産家なんて金の事しか考えない人が多いっスからね~っ」

鳰が軽い調子で付け加えると、翔が首をかしげた。

「一寸先は闇ってどういう意味ですか?」

「そんな事は自分で考えろ! 全員戻っていいぞ!」

香子が鋭く言い放ち、会議は終了。警四メンバーは短機関銃を受け取り、それぞれの表情で会議室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

警四メンバーは元の所定位置に戻り、香子から与えられた任務を遂行する準備を始めた。

直人は手に持ったトンプソンをじっと見つめ、心の中で呟いた。

「(こんな物騒なもん……本当に使う時が来るのか?)」

一方、あおいは武器を手にニヤリと笑い、意気揚々としていた。

「これで殺人鬼もテロリストも一網打尽よ!」

はるかは少し不安げに、翔は興味津々で銃を眺めつつ、それぞれ東京新幹線車両センターへと向かう。

彼らの背中を見送りながら、香子は静かに呟いた。

「無茶はするなよ……学生ども」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

警四メンバーは別行動を開始した。直人とあおいは東京駅の監視モニター室へ、翔とはるかは新幹線車両センターで警備巡回へと向かった。

 

東京駅 監視モニター室

監視モニターを前にした直人とあおいは、映し出される映像に目を凝らす。だが、あおいは突然、高級そうなリクライニング式の回転椅子にドカッと座り、リラックスした表情を浮かべた。

「!? おい、勝手に座っていいのか!!」

直人が慌てて注意すると、あおいは気楽に笑う。

「いいでしょ! 誰もいないんだから! このモニターを見て痴漢や犯罪者を監視できるのね」

「……ったく。おっ!」

直人がモニターの左上隅を見つけて声を上げた。そこには、女性が盗撮被害に遭っている映像が映し出されていた。

「桜井、アレ」

「!? あっ! あの男、女性のスカートを盗撮して……!」

「あ、マイクで増援を――」

「私が行く! 総武地下ホーム横須賀線1番線ね!」

あおいが勢いよく立ち上がり、部屋を飛び出した。

「おい、桜井!」

直人の制止も聞かず、あおいは独断で現場へ向かう。

「それにしても……俺達、なんで監視モニター室に!?」

直人は一人残され、モニターを見つめながら頭を抱えた。

 

 

 

 

総武地下ホーム 横須賀線1番線

「まもなく1番線から電車が参ります。黄色い線から出るのは危険ですので、内側でお待ちください」

駅内アナウンスが流れる中、一人の男がしつこく女性のスカートを盗撮し続けていた。スマートフォンの容量が一杯になるまで撮り続けるその姿は、執念そのものだ。

突然、背後から肩をポンポンと叩かれたが、男は気づかず撮影に没頭していた。

「ちょっとお客様、何をしているんですか?」

あおいの声に男が振り返る。瞬間、「あっ! ヤバッ!」と顔を引きつらせ、逃げ出そうとした。

「逃がさないわよ!」

あおいが一気に追いかける。盗撮なんて言語道断、許される行為ではない!

男は電車に飛び乗り、人混みに紛れて雲隠れを試みたが――

ガシィッ!

「!!」

あおいが男の腕を掴み、力強く引き寄せた。

「捕まえたわ! 大人しく観念しなさい!」

「離せ! 俺はやってない!!」

「監視カメラがあるから、アンタの行動なんてお見通しなのよ!」

「ぐっ……!」

男は観念し、あおいに確保された。そのまま警察に引き渡され、現行犯逮捕。だが、その場はまだ終わらない。

「どけどけどけぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

突然、別の男が叫びながらホームに現れた。ナイフを無差別に振り回し、目が白く剥かれ、顔は真っ青。明らかに薬物中毒者だ。

「武器を捨てて、大人しくするんだ!」

駆けつけた公安隊員Aが叫ぶが、男は聞く耳を持たない。

「うるせぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

グサァッ!

「うっ……!」

ナイフが公安隊員の腹に突き刺さり、隊員が膝をつく。

「あ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

薬物中毒男が意味不明な叫び声を上げたその瞬間――

ボガァッ!!

あおいが迷わず男に蹴りを叩き込んだ。

「が……はぁ……っ!!」

男が地面に倒れ込むが、あおいは違和感を覚えた。

「(手応えがない……それに、あの男の目。白く剥かれてる……これって!)」

すかさず手錠をかけ、男を確保。あおいが公安室へ連行しようとすると、伊勢崎が現れた。

「桜井、そいつは覚せい剤使用してる常習犯だ。しかし良くやったな!」

「ありがとうございます」

「お前、公安隊に入った理由は正義を貫くと思ってるのか?」

「えっ?」

伊勢崎の渋い声に、あおいが戸惑うと、彼は目を細めて続けた。

「いいか、桜井。正義ってモンはな、軽々しく言うもんじゃねぇ。死ぬまでにな。それをよーく胸に刻んでおけ!」

あおいは一瞬言葉を失ったが、静かに頷いた。

 

To be continued

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