RAILJACK   作:マブラマ

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裏切り

朝鮮総連 裏口

「議長、裏口から何とか出られます。今は警察の目から逃れます」

職員Fがホ議長を急かすと、議長が頷いた。

「うむ……」

「議長の車を出せ! 大至急だ!」

職員Gが叫ぶと、工作員Aの声が無線から響いた。

《ダメだ! 警察がビルの周りを囲んだ!! これでは車が出せない!!》

「何とかならないか!?」

《他の連中やRJの構成員達が何とか抑えてるが……クソ、いったんここで通信切る!》

「……」

「どうなってるんだ?」

ホ議長が苛立ちを隠せない中、職員Gが提案した。

「屋上にヘリがあります。それを使って本国へ」

「そうか、ならば問題ない」

だがその時、前方から旧ソ連製のMi-24戦闘ヘリが轟音と共に接近してきた。

「!!?」

「!!!」

「あれは……RJの!!?」

救援かと思いきや――

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!

重機関銃が火を噴き、裏口一帯を木端微塵に吹き飛ばした。

「グガァッ!!」

「ギャアッ!!」

「あの戦闘ヘリに乗ってるのはいぬ……ガボォッ!!」

ホ議長と職員F、Gは即死。遺体は原型を留めないほどバラバラに飛び散った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝鮮総連 屋上ヘリポート

「遅いな、議長は何をしてるの!?」

ミランダが苛立ちを隠せず、ココが呟いた。

「私たち置いて逃げたんだよ」

「バカ! 不吉な事言わないでよ!!」

「そこまでっスよ」

走り鳰が悠然と現れると、二人が一斉に振り返った。

「!!」

「!!?」

「朝鮮人民軍偵察総局の諜報部員はこんな雑魚な連中しかいないんっスかね~っ」

「議長は……!? ホ議長を何をしたの!!?」

「いやいや、あの人には悪いんっスけど、ウチの部下に任せ、始末しときましたよ。だって知り過ぎてる人には制裁を加えないとね……」

「ココ! 下がって!!」

ミランダがココを後ろに押しやり、トカレフ銃を鳰に向けた。

「撃つんスか? ウチに盾突くとあの方が黙っちゃいないっスよ」

「くっ……!」

鳰が両手を広げて挑発すると、ミランダが怒りを爆発させた。

「お前……ふざけてるのか!!」

「ふざけてなんかいないっスよ。しかしね、まだ上層部から連絡来ないなんておかしくないっスか?」

「な、何を根拠もなく……!」

「連絡来ないって事は、アンタらもう祖国に見捨てられてるんだよ」

「そんな……」

「無駄な抵抗はやめましょう。もうアンタらの負けが確定っスよ」

「……!」

ミランダの手が震え、トカレフがわずかに下がった。屋上の風が、敗北の予感を冷たく運んでいた。

屋上の風が、緊迫の空気とともに吹き荒れる中、ミランダの拳は銃のグリップを握りしめたままだった。彼女の瞳には、裏切りと怒りが混じる複雑な色が宿る。

「走り鳰、どういうことだ!? あの議長は…一体何をされたんだ!」

鳰は、悠然とした表情を崩さず、しかしどこか冷ややかな口調で答える。

「議長は、もはや我々の前線に立つ存在ではなかったスよ。上層部の判断で、ウチの部下に処理を任せたんス。知り過ぎる者は…排除しなければならない」

その言葉に、ミランダは一瞬息を呑んだ。彼女の内側で、かすかに抑えられた疑念と絶望が波紋を広げる。

一方、ココは焦燥感にかられながらも、どうにか状況を打開する策を模索していた。

「そんな…どうして上層部は連絡すらしてこないんですか? 我々は一体、何のために動いているんです?」

鳰は、空を見上げると、無表情に呟いた。

「連絡が来ないというのは、もう我々が祖国に見捨てられている証拠だ。これからの行動は、全て自らの判断で決めるしかない…」

その言葉が空気を切り裂くと、遠くで低いサイレンの音が重なり、さらなる混乱の予兆を感じさせた。

ミランダは、銃口を少し下げながらも、怒りと悲哀に満ちた声で問い詰める。

「つまり…我々は、どこかで裏切られていたってこと? あの議長の決断すら、全て上層部の操りの中だったの?」

鳰は、一瞬目を閉じると、硬い口調で答えた。

「裏切りというより、冷徹な決断さ。情報が漏れれば、全体が危険に晒される。ここにいる者全てが、その代償を覚悟すべきだ」

その瞬間、ヘリポートの横に設置された通信機から、微かな接続音が鳴り響いた。画面に浮かび上がったのは、無表情な上層部の一人の姿。

「全員、こちらの指示を聞け。局面は急変している。直ちに状況の報告と、今後の行動計画を提出せよ」

ミランダ、ココ、そして走り鳰は互いに視線を交わし、言葉を失う。

風に舞う書類のかけら、薄暗い屋上に響く足音――すべてが、今まさに崩れゆく運命の前触れのようだった。

それぞれの心に、深い裏切りと絶望、そして未来への不安が渦巻く中、彼らは新たな決断を迫られていた。次の一歩が、すべてを変えてしまうかもしれない――。

 

To be continued

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