RAILJACK   作:マブラマ

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決戦へのカウントダウン

東京新幹線車両センター

「何!? ヨムジュがやられた?」

イ・パンムンが無線越しに報告を受け、顔を歪めた。

「はい」

実行隊員Eが短く答えると、パンムンが低く呟いた。

「そうか……祖国の為に死んでいったんだな」

「……」

「……」

実行隊員Cとパンムンが無言で立ち尽くす中、しえなが鋭く叫んだ。

「どうしたんだ!?」

「どうやら何かあったようです」

SAT隊員Aが状況を察し、しえなが目を細めた。

「……」

パンムンが突然、しえなの方を振り返り、冷たい声で提案した。

「よし、貴様に一度チャンスをやろう!」

「!!」

「我々と共に祖国統一を目指して共闘を……」

「断る!」

しえなが即座に拒絶すると、パンムンが肩をすくめた。

「そうか、残念だ」

「(あと20分……まだか……!?)」

しえなが内心で焦りを募らせる中、伊勢崎が静かに状況を見守っていた。

その時、あおいの声が響いた。

「そのヨムジュって女はとっくに倒れたわよ!」

「あおい!?」

はるかが驚き、伊勢崎が目を丸くした。

「桜井!? それに……お前は」

「武智……やはりお前は救いようがないな」

しえなが呆れたように言うと、乙哉がニヤリと笑った。

「だって我慢できなかったから」

「まぁ、いい。これで戦力は揃った。高山を呼び戻せ! 一斉に懸けるぞ!」

「はい!」

あおいが即座に応じ、無線を手に取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京新幹線車両センター 近郊

車両センターの近くに一台のジープが静かに停まり、窓から一人の男が戦闘の様子を冷ややかに見つめていた。

「ふむ、あれが警視庁の特殊部隊か……」

士幌邦夫が低い声で呟くと、隣に座る赤嶺が報告を上げた。

「隊長! 実行部隊が苦戦しているようですが」

「そうか。赤嶺君、引き上げるぞ。そろそろ弱まっていく頃かな?」

「ハッ、直ちに」

助手席にいる手宮りえが首をかしげて尋ねた。

「いいの? 引き上げて」

「いいさ。また計画すれば機会が訪れる」

邦夫が薄く笑い、ジープが静かに動き出した。戦場の喧騒を背に、新たな策謀が水面下で蠢き始めていた。

ジープは東京新幹線車両センターを離れ、静かな夜の街へと向かっていた。窓の外には、未だに警察車両のサイレンが遠くから聞こえている。邦夫は助手席に座るりえの方を一瞥した。

「りえ、次の動きは決めているか?」

手宮りえは少し考え込みながら答える。

「次はもう少し慎重に動く必要がありそうね。警視庁の特殊部隊が予想以上に手強かった。しかし、他にも接触可能な情報源がいくつかあると思うわ」

「ふむ、慎重か。だが、君が言うように無理をせず、情報を集めるのも悪くないな。」

邦夫は再度、窓の外を見つめ、暗闇に包まれる都市の姿を見つめた。

「だが、時間が無い。あまり悠長にしている暇はないぞ」

赤嶺が後部座席から低い声で加わった。

「実行部隊の一部は、やはり警察の動きに気付いているようです。彼らの対応も迅速になっています」

「それなら、別の角度から攻めるべきだな。」邦夫は冷静に語りながら、次第に計画が頭の中で形を成していくのを感じていた。

「手宮、君の方でネットワークを広げられないか? 今回の失敗をきっかけに、我々の接触ルートが再構築される可能性がある。」

「分かったわ。手を回してみる」

りえは素早く応じ、iPhone14を取り出した。

ジープは静かな路地を曲がり、暗闇に消えていった。士幌邦夫は、次の一手がどうなるかを思案しながら、ふと呟いた。

「戦はまだ始まったばかりだ。目の前の戦闘にこだわるのは愚かだ。むしろ、今は次の大きな動きを見据えるべき時だ」

次々に彼の脳裏に浮かぶ策謀。今はそれを練り上げる時間だ。

 

To be continued

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