2017年
國鉄本社ビル
「小海総裁、こちらが安倍晋三総理大臣からの辞令です。即刻、総裁職を解かれます」
國鉄本社ビルの会議室に、重々しい声が響いた。黒いスーツの男が差し出した封筒には、内閣の紋章が刻まれていた。
「何!? 安倍総理が……俺を!?」
小海の顔が一瞬にして紅潮し、拳が机を叩いた。20兆円もの借金を3兆円まで減らし、國鉄を危機から救った英雄が、こんな形で終わりを迎えるなんて誰が想像しただろう。
「理由は!? 俺が何をしたって言うんだ!」
小海の叫びが部屋にこだまするが、返ってきたのは冷たい沈黙だけだった。安倍総理の意図は明かされず、ただ「政治的判断」という曖昧な言葉が残された。
その日、小海は肩を落とし、総裁室を去った。背中に刻まれたのは、報われない努力と、國鉄への未練だった。
小海の解任後、國鉄の経営は再び暗転した。彼が築いた安定は脆く、新たな借金が雪だるま式に膨らみ始めた。3兆円だった負債は、あっという間に倍増し、国民の不満が再び爆発。
「國鉄に税金を注ぎ込むなんて許せない!」
街頭デモが頻発し、国会議事堂前には怒りのプラカードが林立した。
この危機が、政界に大きな波紋を投じた。2017年、安倍晋三総理は國鉄問題を収束させるべく、第4次安倍内閣を発足させる決断を下す。
「國鉄の混乱は、日本の恥であり私がこの状況を立て直してみせます!」
安倍総理の演説がテレビで流れる中、國鉄本社では松田が苦々しい表情で画面を見つめていた。
「小海を切り捨てて、何が変わるっていうんだ……?」
彼の呟きは、誰もいない部屋に虚しく響いた。
一方、RJの過激派は、この混乱を好機と見た。小海の解任と借金の増大は、彼らにとって國鉄解体の絶好の口実だった。
「今だ! 國鉄を叩き潰すチャンスは!」
RJの隠れ家で、過激派のリーダーが哄笑を上げる。爆薬の準備が進められ、テロの計画が着々と進行していた。
葛西は国家公安委員として、RJ穏健派の立場から警告を発する。
「このままじゃ、國鉄も日本も崩壊する。安倍総理、何を考えてるんだ……?」
彼の声には焦りと苛立ちが混じっていた。松田もまた、RJ穏健派として奔走するが、過激派の勢いを止める術は見つからない。
第4次安倍内閣の発足は、國鉄問題を解決するどころか、さらなる混迷を招いた。借金は増え続け、RJのテロが影を落とし、國鉄の未来は暗闇に閉ざされていく。
小海の解任を命じた安倍総理の決断は、果たして正しかったのか――その答えは、まだ誰にも分からない。
To be continued