RAILJACK   作:マブラマ

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因縁の決着

2025年 

國鉄本社周辺 深夜

 

東京の夜空に、國鉄本社のシルエットが黒々と浮かんでいた。周辺はSAT、東京鉄道公安隊第四警戒班、第1独立警備班が連携して包囲し、緊迫した空気が張り詰めている。RJの刺客、犬飼伊介が率いる実行部隊が、國鉄本社への最後の攻撃を仕掛けるべく動き出していた。

剣持しえなはSATの指揮車内で無線を握り、隊員に指示を飛ばす。

「――全員、配置につけ! 犬飼が来るぞ。國鉄を守るため、絶対に負けられない!」

決意に満ち、黒組時代の因縁を断ち切る覚悟が滲んでいた。

神長香子は第四警戒班の高山直人、桜井あおい、小海はるか、奈々と共に本社の正面ゲートを固めていた。

「剣持、SATに任せろ。私たちはここで残党を押さえる。杉浦はどうだ?」

香子の声は冷静で、管理官としての統率力が光る。

「神長管理官、私の班は裏口を封鎖済みです。犬飼が動けば必ず捕捉します」

杉浦美登里が無線越しに報告し、第1独立警備班を率いて待機する。彼女の瞳には、祖父・杉浦総裁の夢を守る決意が宿っていた。

その時、遠くから爆発音が響き、國鉄本社の敷地内に煙が立ち上った。RJの構成員が仕掛けた爆薬が炸裂し、混乱が広がる。

「来たわね!」

犬飼伊介が煙の中から姿を現した。ピンクのロングヘアが夜風に揺れ、ヘソ出しのトップスとヒールが妖艶さを際立たせる。彼女の手にはナックルダスターナイフが握られ、好戦的な笑みが浮かんでいた。

「あたし、伊介よ。國鉄ぶっ潰して、ママとパパに別荘建てる金稼ぐんだから、邪魔しないでよね~」

「犬飼! お前か!」

しえなが指揮車から飛び出し、拳銃を構えて伊介と対峙する。黒組時代の記憶が蘇り、彼女の声が震えた。

「ボクが黒組で見たお前は、こんな無意味な破壊じゃなかったはずだ!」

「剣持しえな……懐かしいわね。でも、あたしはもうあの頃じゃないよ。邪魔なら殺すだけ!」

伊介がナイフを振り上げ、しえなに襲いかかる。素手での暗殺を好む彼女の動きは素早く、しえなを圧倒する勢いだった。

その瞬間、裏口から杉浦美登里が飛び出し、伊介の側面に警棒を叩き込んだ。

「祖父の夢を潰す気なら、私が許さない!」

美登里の攻撃に、伊介が一瞬よろめく。

「何!? 杉浦のガキ!?」

伊介が歯軋りし、反撃に転じるが、そこへ第四警戒班が駆けつけた。

「犬飼伊介! お前を射殺する!」

あおいが拳銃を構えると、直人が慌てて止める。

「桜井、やめろって! 平和が――」

「高山君、今はそれどころじゃないよ!」

はるかが援護し、奈々が無線で応援を要請する。

混乱の中、香子が冷静に指示を出した。

「剣持、杉浦、犬飼を押さえろ! 第四警戒班は残党を掃討だ!」

SATと公安隊が一斉に動き、RJの実行部隊構成員達が次々と確保されていく。

伊介はしえなと美登里に挟まれ、追い詰められていた。彼女のナイフがしえなの腕を掠め、血が滴るが、しえなは怯まなかった。

「犬飼、お前が家族を大切にする気持ちは分かる。でも、これ以上はボクが許さない!」

しえなが拳銃を撃ち、伊介の足を狙う。弾丸が彼女の太ももを貫き、伊介が膝をついた。

「あたし……負けたの?」

伊介が地面に倒れ、ピンクの髪がコンクリートに広がる。彼女の瞳に、春紀への寂しげな想いが一瞬浮かんだ。

「お前はここで終わりだ。黒組の過去も、RJの野望も……全部終わらせる」

しえなが息を整え、伊介に手錠をかける。

その時、空から遠くの銃声が聞こえ、ニュースで報じられた東兎角の存在が脳裏をよぎった。兎角がウクライナで戦う姿が、遠くからこの戦いを後押ししているかのようだった。

RJの残党は全て確保され、國鉄本社への攻撃は未遂に終わった。伊介は警視庁に連行され、貝塚の計画と共にRJの息の根が止められた。

詰所に戻った第四警戒班の面々は、疲れ果てながらも安堵の笑みを浮かべていた。

「やっと終わったね……」

しえながソファに座り、奈々が淹れたお茶を手に呟く。

「剣持、杉浦、第四警戒班、よくやった。お前たちのおかげで國鉄は守られた」

香子が詰所に立ち、全員を見渡す。彼女の瞳に、管理官としての誇りが光っていた。

「神長管理官、私の祖父も喜んでると思います。ありがとう」

美登里が微笑み、ポケットの写真を握り潰す。

「やっと平和が戻ったな~。お茶がうまいよ~」

直人が呟くと、あおいがムッとして反論した。

「高山! 平和とか言ってる場合じゃないでしょ! 次があったら私が――」

「まぁまぁ、二人ともお疲れさま。お茶飲んで休んでね」

はるかが仲裁し、奈々が笑顔で頷く。

警視庁では、鳰がニュースを見ながら小さな笑みを浮かべていた。

「ウチ、兎角や犬飼の戦い見てると、黒組の絆ってすごいっスね。國鉄守れてよかったっスよ~」

夜明けが近づく東京に、列車の汽笛が響き渡る。RJの脅威が終わり、杉浦総裁の夢は新たな世代に守られた。黒組の過去と現在の絆が交錯し、戦いは静かに幕を閉じたのだった。

 

To be continued

 

 

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