眺める事しか出来ない俺が彼女たちを見守ったか 作:はとみかん
奏と荷物を置いて、連絡先を交換して、帰ろうとした黎明は、
(あぁ、くそ、頭が、いてぇ、少し、休むか)
激しい頭痛に苛まれていた。
理由は二つで、片方は至って単純。
(断罪なんか、してやらねぇよ)
ジャスティティアから、断罪せよと、常に声が聴こえるから。
もう片方は、少し複雑で。
(精神が、焼ける、音が、する)
慎重、自制ランクはあるが、扱う意志が足りていないせいで、Wダメージを貰っているのである。
本来あり得ぬダメージを受けているのはE.G.O浸食状態になっているのが原因だ。
E.G.O装備は元となった幻想体がいる。
その幻想体の意志を武器や防具に変えているのがE.G.O装備だ。
職員達は支給されたE.G.O装備を死ぬ気で振るったり、慣れたように使う人もいる。
そこに一貫するのは生きたい、守りたい、稀有な例では狩りたい、殺したい、などの強い意志で武器を振るう。
つまり強い意志で武器の意志をねじ伏せるということにもなる。
だが黎明は剣を振るわない。
ここはプロセカの世界だから。
元より、血塗れの道は望んでいないから。
(あそこのベンチでやすむか)
「そろそろ、帰るかな」
少し休んで、回復した黎明は、帰ろうとして。
「...誰も、いないよな?」
少し、装備と、身体の調子を確かめてから帰る事にした。
「よし、やるか」
まずは、ジャスティティアから。
「ふっ」
一振り。
「ふっ、はっ」
二振り。
「イチニの、さん」
刺突。
「やっぱり、浸み込んでる」
EGOは、握っただけで使い方が分かる。
が、それはEGOに使われてるだけで、本来のEGOは桁違いの性能を発揮する。
実際それをやって見せた人*3がいるが、本来はそれをせずとも強い装備だ。
「次、ランプ」
装備を変更し、ランプ一式へと装備を変える。
「叩くのはー...流石に不味いか」
叩くのはやめにし、いつもの形状*4へと変化させる。
「ルイナからだと弾が出たんだよな?」
少しかざすが、何も起きない。
「...何もない、か?」
待つが、何かが動く気配はない。
「...一回保留、くちばし」
一番速く終わらしたい物を取り出す。
「...ん?」
何か違う。
「服、っぽくなってる?」
まぁいいか。
「射撃開始」
音は小さく、ダメージも軽い。
「ま、こんなところかな」
最後に一つ、アレをやっとく。
「黄昏、展開」
そう言うと、背中からギフトの片翼が生え、三つのEGOギフトも見えるようになり、眼の色も黄色に変わり。
「展開、完了」
黄昏装備も出て、浸食が起こる。
(頭が、割れそうだ)
ステは足りてるが意志が足りないから使えないようだ。
(戻さねば)
「黄昏、格納」
装備をジャスティティアに戻し、今の時間を確認した。
「やべぇ、もう十七時だ」
早く帰らねば。
要約するとE.G.O装備は本来戦闘時に発する強い意志で浸食されるのを防いでいるのに対して黎明は物騒な事は起きないので振るう機会がなく、E.G.O装備から聴こえる意志をねじ伏せる方法がないため、常に浸食状態になっています。(あくまで異常は目の色が変わるだけ)
なお別の強い意志か想いがあれば代用出来ます。