産まれる世界を間違えたヤツ、お前なんでここに居るんだよ。 作:INUv3
氷上に出た瞬間に俺はとある感覚に陥る
コレは誰も辿り着けないと思う。
言うなれば、世界を三人称視点で見れる
俺を操作キャラの様に動かせる
そして、この状態の時は思考回路がクリアになり
全てを氷上の演技で捩じ伏せろという思考に塗られていく
そうなると失敗する事はなくなるのだ
これを俺は深層心理の領域に干渉する事によって
擬似的な視点を想像して脳を騙しているのだと思っている
正にmarionette…操り人形だな。
だが、俺はコレは段階の初段…と言うか
まだテスト段階であり、更に先があると感じている
ならば、更に深めていけばいい
そうすれば、俺は更に肉体と同化していくのだから
⟡.· ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ⟡.·
「あ!さっきから、黄昏てるけど、あの人ってもしかして三回転半アクセルの人だ!」
「え、あの人が4回転ルッツをした人?でも、何で黄昏てるんだろ」
「分かんないけど、悶絶してないから電波を受信してるんじゃない?」
「ゲーム好きかな?」
あ、
どうも、最近は絶望する事は無いけど
現実逃避する事が多くなった
氷上を高速で滑りながら悶絶している一般男子小学五年生です。
ここ最近は、色々な無理難題を瞳先生に出される為
毎日の様に悶絶しています。
それと、トウループだけが出来ません、助けてください
さて、そんな、初級ジャンプが出来ないクソザコナメクジは
氷上に向かって歩き出し、そのまま基礎練習に打ち込みます。
「明星君!基礎練習からお願いね!」
「分かりました。瞳先生、後でトウループのやり方を教えてください。何故か出来ないんです。」
「でも、明星君、教えたけど出来ないじゃない」
「現実逃避したくなりました。氷上で死にますね。」
「ほら、電波受信してないで練習してきて〜」
「は〜イ」
そうして、俺は氷上に出た訳なのだが
瞳先生は別の子の担当の為、そちらに向かった
え?今日の俺の担当?居ねぇが?
何かクラブ加入から2週間で瞳先生が
俺に技の概要を伝えたら
1人で練習するスタイルになったんだよ。
何が悲しくて1人で練習しなきゃならんのだ!
訴訟起こしたろかァ!?まぁ冗談は置いといて
この1ヶ月で思う事がある、それは
「何で俺の周りには人が居ねぇんだ?」
そう、俺が滑ろうとすると
皆コートのフェンス側に移動するのだ
いじめか?虐めだな?泣くぞ?咽び泣いてやろうか?
恥なんてかなぐり捨ててでも
良い歳こいた小学五年生が、氷上で駄々こねて
絶叫しながら、咽び泣いてやろうか?
わ〜い、氷上を1人で独占出来るんだ〜!
鬱になるは死のう…まぁ死なんが
とりあえず氷上に出たから基礎練をする
⟡.· ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ⟡.·
基礎の酒、T、蛇を繰り返しているが
やはり、思うよ…サビジィヨォォォォオ!!!!
何で、俺の周りには人が居ないんだ!
クラブ外の学校ならば友達100人は居ないが
15人程度は居るんだぞ!?コミュ障では無いんだ!
だけど、スポーツをすると極端にコミュ障になるんだよ!
どういう原理だコノヤロウ!咽び泣いてやろうかこの野郎…!
神がいるならば、テメェの髪の毛を全て毟り取ってやる!
あ〜あ、俺も可愛い子達と一緒に氷上を滑りてぇな〜
何で俺の周りには誰も居ねぇんだよ、〇すぞ!(豹変)
しかも最近入ってきた、結束いのりって子なんて美少女やぞ?
いのりちゃんの担当の司先生よぉ
俺にも一緒に滑らせてくれんか?今の俺なら恥を忍んで頼み込むぞ
え?今は基礎練習中だから駄目…?そっか〜頑張ってね〜
俺の様な痴態を晒す馬鹿野郎でも滑れるから頑張ってね〜
…あの結束いのりって子すげぇな、俺以上の才能だろ。
何で入って数日で滑れんだよ怖…才能ちゃんじゃ〜ん?
にしても、本当に凄いな、ありゃ夜鷹 純並の才能やん
こりゃ、司先生もええ子を引き当てたもんだな〜
まぁ最初に見た時は、すっげぇ覚束無い動きで
更に親無しで滑りに来てたから気になって
受付の瀬古間さんに確認したら大丈夫って聞いたから
観客室で静観してる日々だったんだよな〜
んで、結構経った後に何かいのりさんの母親が来て
いのりさんの絶叫と司先生の熱心な説得で
クラブ加入を決めたのが、ほんの数日前なんだよ。
いくら独学で学んでいたと言っても初心者が
メキメキと技術が上がっているの見ると…
「何だか生徒が成長してる感じがして嬉しくなるな〜…まぁ彼女に教えた事ないけど」
さてと…現実逃避はこれくらいにして
さっさと瞳先生にトウループを教えて貰いに行くか〜
そうして、氷上から出た瞬間に俺は盛大に右足首を挫いた
「グァァァァアアアアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!!!」
「えぇえ!?煌君!大丈夫かい!?」
「お、oh.no…足首を挫い…た…ガクッ」
「あ、いつも通りの事ね。皆〜練習に戻って良いよ〜」
「「「「「は〜い!」」」」」
「え、酷くない?足首挫いたんやぞ?もう少しなんかこう…リアクションとかさ?」
「でも、もう回復してるじゃん?」
「hell's bell's!!!!」
俺は右足首をカバーしながらシューズを脱ぎ
瞳先生とその教え子が居る氷上近くのフェンスまで来た
「
「え?なんて?」 「さ、さぁ?」
あ、バッドコミュニケーション引いたわ
オワオワリです。お疲れ様でした
「
「はいはい、明星君、冗談はそれくらいにしてね。」
「はい、基礎練習が終わったんで、とりあえず、トウループのやり方を教えて下さい。アクセルもルッツもフリップもループもサルコーも出来るのにトウループだけ出来ないとか笑いもんにもなりませんよ。」
「そうね〜何で出来ないのかしら?」
「後ろ向きに滑りながらアウトサイドエッジで踏み切り、逆足のつま先を突いて跳んで、右足外側のエッジで滑りながら、左足のトウをついて右足で踏み切って跳び上がるって言われて、その通りやるとキモイジャンプになるんですよね。」
「ん〜何でだろ?普通にアクセルすら出来る君が、何で出来ないのか私も分からないのよね…」
「他のジャンプは試行回数20回以内なのに、コイツだけ未だに出来ないから、試行回数が100超えますよ。ジャンプし過ぎて足過労死します。」
「もしかしたら、脚力が高過ぎるのかしら?」
「瞳先生、それって、やばくないですか?」
「うん、ヤバいのよ。普通じゃ有り得ないことね。化け物よ」
「え?ナチュラルに化け物扱いされたんだけど?泣くぞ?」
「とりあえず、次はジャンプする時に力を加減してみて!」
「分かりました、それじゃあ行ってきます。」
俺は自前のシューズを持って
氷上に向かって歩いていると
先程、話に出した、司先生といのりさんが居た為
彼女に2度目だが話しかけてみる事にした
まぁ、いのりさんはふにゃふにゃになってたが
「やぁ、司先生、いのりさん、お疲れ様、パフォーマンスの調子はどうだい?」
「あ!明星君もお疲れ様!それでいのりさん何だけどね?物凄くて─…」
「OK分かった、司先生の話はクソ長いって事は理解してるから放置しよう、いのりさん、どうだい?氷上は楽しいかい?」
「綺麗に滑るのは難しいですが、楽しいです」
「それは良かった、君が楽しそうに踊っている姿は皆を元気付ける事が出来るんだ、だから、氷上では周りに流されずに自分が思い描く光景に従うんだよ?」
「はい〜」
「それじゃあ、熱心に君を褒めてる司先生は頼んだよ。」
俺はそう言うと、氷上に向けて歩いて入る
そのまま、マリオネットを起動してから
滑り始める、まずは俺が得意なジャンプであり
1番楽しいジャンプであるアクセルジャンプをする為に
軽くスピードを上げつつステップやターンを挟みつつ
イヤホンから出る音楽に従い演劇を開始する
そして音楽が中盤に入る頃合いにアクセルジャンプで
反時計に4回転半をするための準備として前向きで
右足バックアウトサイドに重心を乗せた状態から
重心を左足フォアアウトサイドに移動させる
それと同時に右足を回転方向と同じ方向に振り上げ跳び上がり
なおかつ振り上げた右足をそのまま空中での軸にする
そのまま遠心力に任せたまま、4回転半まで回ったら
ゆっくりと音を立てずに更に氷にダメージを与えない様
慎重に後ろ向きのまま右脚から降りながら、後ろ向きで滑る
そうして勢いそのままに脚の力加減に気を付けながら
後ろ向き右足のアウトサイドエッジに左足のトウを突いて
右足で踏み切って跳んだら、遠心力に身を任せ4回転後に
後ろ向きのまま右足から降りた後はスピードを上げ続け
ステップシークエンスを使い
複雑なターンとステップを軸としながら
両方向への回転、身体の動き、クラスターを織り交ぜていく
そして、4回転ルッツ後に4回転トウをして体勢を立て直し
そのまま4回転サルコー+オイラー→4回転ループに移行
そして、ステップシークエンスで場を繋ぎながら
ステップとターンで最後の大回転に備える
脚に全力を込めて解き放つエネルギーを推力に変えて
4回転ループ+4回転半アクセルをする
だが終わらない、此処で終わったらただの馬鹿
スピードを段々と上げながら軽快なステップを踏み
デスドロからシット・フォワード、シット・サイドウェイズと
どんどん持ちうる技を繰り出していくが
動きに精彩を欠くことはしない、全てに魂を込めて滑る
最後にシットスピンからアップライトスピンへ移行する
フライング足換えコンビネーションスピン後に腕を天に向ける
これにて適当に決めた演劇は完結となる。
「ふぅ…脚痛いなコレ、足首を挫いた後にやるもんじゃねぇな」
とりあえず、トウループが出来上がって終わったから
瞳先生が立っている場所に滑りながら向かう
「Hey、俺の先生、トウループが出来上がった事と、挫いた右足首がクソ痛ぇ事を報告します。」
「ちょ!?貴方が痛がるって、まさか、ループ+アクセルの時に!?」
「正解ですね〜、普通に痛ぇけど、酷くても炎症程度だわ。」
「とりあえず、靴脱いで足の関節を冷やしてね。」
「了解しました」
とりあえず、言われた通りさっさと出入口から
出て、シューズを脱いで更衣室に向かう
更衣室に毎日持ってきているクーラーボックスから
氷を取りだし、袋に詰めて患部に当てていく…ん〜キモチェ
とりあえず患部に当てて熱が取れるまで待つのも暇なんで
観客席で皆のスケートを見ながら待つ事にした
「おぉ…あの子、良いジャンプ力あるな…あの子は体幹がいいね。芯がしっかりしているから回転してもブレが少ない、ふむ…良いね。あの子も強い子だ、転んでも直ぐに立ち上がるのは向上心がある証拠だ、挫けるなよ…」
そうして色々な子達のスケートを眺めていると
隣から声をかけられた為、横を見てみると
結束いのり さんだったのだ
「あの!明星くん、お話しても良いですか?」
「大丈夫だよ、いのりさん、それで、どうしたんだい?」
「あの、その…何で滑っている時に無表情なんですか…?」
「あぁ、それか〜、まぁ至極簡単な事なんだが…俺は演技をしている時だけは何故か表情筋が死ぬんだよね。」
「え、そうなんですか?」
「まぁそうだね。楽しくないって訳ではないんだよ?」
「そうなんですか…あ、あの!年齢をお聞きしても良いでしょうか!」
「ん?4月20日産まれの年齢は11歳だよ。」
「じゅう…いち…さい…?えぇ!?同い年!?」
「ん?もしかしていのりさんも、小学五年生の同学年かい?」
なんとびっくり、小柄な少女は俺と同い年だったのだ
コレには流石の俺も驚愕を隠せないね!
まさか高くて3年生だろうと思っていた少女が
同い年とは…人間の神秘はふけぇぜ!
「それじゃあ、初心者同士よろしくね」
「え?ショシンシャ?」
「そうだよ、俺も入って1ヶ月のペーペーだからね」
「ぇぇぇぇぇぇえええ!?」
うぉ、俺の大咆哮に負けない
…いや俺の方がデケェわ
何だ俺の肺活量、化け物かよ…化け物だったわ…
まぁ普通に凄い声で叫んだね。
「身長が違い過ぎるぅ〜…」
「まぁ男子と女子の差もあるけど、俺は平均身長よりは高いからね。」
そう、いのりさんと俺は11cm程度の差があるのだ
男女差もあるが、いのりさんが小さいのもある
まぁ、コレはしょうがねぇよなぁ?
なんならフィギアスケートは低身長の方が有利なんだよね。
高身長だと体重によってジャンプ後がキツくなる。
その体重を支える為に筋肉を増やすと
今度はパフォーマンスに支障が出るのだ。
つまり、彼女の肉体は結構理にかなってて
俺の肉体は、身長的にも筋肉量的にも
スケート界に中指立ててる様なものだ
そんなこんなで、いのりさんと軽く会話しているが
「はてさて、この肉体が満足するのは何時になるのかね〜」
「え、何か言いましたか?」
「いんや〜、特に何も言ってないよ。」
⟡.· ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ⟡.·
別人の視点って書くのムズいよネ