架空TCGアニメゲーム実況RTA~実績解除【絶対無敗神話】を添えて~   作:Tsutsutsuki

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やっとカードバトルだ!!


Part4 星見紋人vs光崎遥①

「そ、そうじゃなくて。この学校の生徒として──」

「わかるよ」

 

 私はあくまで生徒会長として、いつもの文言で攻めようとしている途中、彼に言葉を被せられた。

 

「オレも同じだ」

「……へぇ」

 

 星見君は目線を下げて、私の後方を見た。

 

 先程、圧を掛けている最中から星見君に見えないようにデッキを取り出していたのだけれど。

 どうやら鯉口を切り、煽っていた事はバレていたようだ。

 

「話が早いわね。なら早速やりましょう」

「待て、そのデッキじゃないだろ」

「えっ……」

本気(マジ)で来い。そうじゃなきゃ──」

 

 何故、私が下級生と戦う時に別のデッキを使っていることを知っている? 

 

 この生徒に興味が尽きない。

 まだ話したい事が沢山あるが、次の彼の一言で全てぶっ飛んでしまった。

 

「雑魚を倒してもつまらない」

 

 え? 今、彼は私のことをなんて言ったの? 

 ざこ……ザコ……雑魚と言ったの? 

 カードバトルにおいて、全国でもトップクラスのT専付属、更には繰上げではあるが校内ランキング1位で生徒会長でもある私を?? 

 

 いや、ダメよ遥。

 相手の挑発に乗ってはいけないわ。

 ここは最上級生で生徒会長でもある私が、大人な対応を執らなければならないわ。

 同じ土俵で戦うなど、幼稚な行為よ。

 クールに、理路整然と行きましょう。

 

 

「 ……あ、あなたねぇ。さっきから敬語ができていないわね。しかも私は自己紹介しているにも関わらずアンタ呼び。そして極めつけはその人を下に見るような態度、特に眼が──」

 

「話が長い。要するになんだ」

 

「星見くんをカードバトルで端正するッ! 私の全力でッ!!」

 

「OK。ゲームを始めよう」

 

 

 ようやく、彼はその無表情を崩して小さく笑顔を見せた。

 それはまるで、餌に魚が掛かった釣り人のように。

 

 

 ☆

 

 

 空き教室に移動し、お互いデッキをステージディスクにセットする。

 

『ステージオン!』

 

 私と星見くんの声が教室に響き渡る。

 

 そして、世界が塗り変わる。

 勉学に適した学び舎から、決闘に適した闘技場へ。

 

 私の目の前に、半透明の光板が現れる。

 その板の上には、私が先程ディスクにセットしていたデッキが鎮座されていた。

 

 そう。

 手加減無しの、ランキング戦で使用した私の本気のデッキが。

 

 光板の上のデッキは既にシャッフルされている。

 アナログで行うカードゲームの煩わしさは全て、ステージディスクが排除してくれている。

 かがくのちからってすごい、と改めて思う。

 

 そんな思考とは別に私の腕はカードバトルに最適化されているので、バトル始める準備を行っている。

 

 自身の分身であるマスターカードを、フィールド後衛中央に裏向きでセット。

 その後、デッキからカードを5枚引く。

 

 うん、いい手札だわ。

 

「先行後攻はコインで良いわね?」

「異論ない」

「私がオモテ!」

「俺はウラ」

 

 2人の間に巨大なコインが現れ、そのまま回転しながら宙を舞った。

 

 コインが地面に落ちる。

 出た面は。

 

「やった、オモテね! 私は先攻を選択するわ」

「大抵のTCGは先攻有利……まあ、良いハンデだ」

 

 ふん、なんとでも言いなさい。

 絶対に勝って、あなたのその不遜な態度を正してあげるわ。

 

 二人の間を、迫力あるフォントで『Start The Battle!!』の文字が駆け抜けた。

 

 それと共に、お互いのロールを公開する。

 

「マスターカードオープン、【白の調べ ピアニモ】!!」

 

 

【白の調べ ピアニモ】

 カテゴリー:マスター

 適正属性:光

 種族:ヒューマン

 マスタースペル:白の旋律

 

 

「マスターカードオープン、【禁術士 クロノ】」

 

 

【禁術士 クロノ】

 カテゴリー:マスター

 適正属性:闇

 種族:ヒューマン

 マスタースペル:禁術─夢幻ノ闇夜─

 

 

 星見くんは闇属性のデッキを使うのね。

 あのマスターカードは見たことが無いわね……知っていれば対策も立てられたのに。

 まあ、無いものは無い。

 ならば、今は全力で自分の強みを押し付けるしかない。

 

「私のターンッ!」

 

 光崎遥のターン

 ターン数:1

 LP:20/20

 MP:0/0

 ハンド:5

 フィールド:カード無し

 

「『ファーストフェイズ』レスト状態のスピリットが居ないためリフレッシュをスキップ。そして先攻1ターン目のためドローもスキップ。最大MPを+1してフルチャージ!」

 

 MP:0/0→1/1

 

「そのまま『セカンドフェイズ』、私はMPを1消費してノーマルスペル【序章─嵐前─】を詠唱するわ!」

 

 私は手札から【序章─嵐前─】のカードをフィールドの後衛、マスターカードの右隣に置いた。

 

 

【序章─嵐前─】

 カテゴリー:ノーマルスペル

 属性:光

 コスト:1

 効果:詠唱したプレイヤーはデッキを上から5枚確認し、コスト5以下の【武奏】スペルを相手に見せて手札に加える。

 

 

 すると辺りから柔らかく緩やかで、しかしどこか小さな不安を煽る様な音楽が奏でられた。

 

「このスペルの効果により、私は【鍵盤武奏オル=ガン】を手札に加えます」

 

 効果を終えたノーマルスペルは、そのまま墓地へ。

 

「『サードフェイズ』は戦闘可能なスピリットが居ないのでスキップ。よって私のターンは終了よ」

 

 1ターン目から動けたのは運が良いわね。

 最高の立ち上がりよ。

 

「俺のターン」

 

 星見紋人のターン

 ターン数:2

 LP:20/20

 MP:0/0

 ハンド:5

 フィールド:カード無し

 

「後攻は最初のターンのみ2枚ドロー。MPを1回復してターンエンド」

 

「私のターン!」

 

 光崎遥のターン

 ターン数:3

 LP:20/20

 MP:0/1

 ハンド:5

 フィールド:カード無し

 

「ファーストフェイズ、ドロー! 最大MP+1してからフルチャージ!」

 

 私の演武奏デッキは、序盤からもガンガン攻めるムーヴができる、アグロとミッドレンジの両刀型なのだ。

 星見くんのエースが出る頃には、覆す事の出来ないアドバンテージを取って戦意喪失なんてのも良いかもね。

 

「MPを2消費して、サモン! 【鍵盤天使ピアノエル】」

 

 私は手札のピアノエルをフィールドの前衛に出した。

 

 すると目の前に現れたのは、鍵盤柄のワンピースを着て、純白の翼を生やし、天使の輪を頭に浮かべた女の子。

 少女はふわりと地面に降り立つと、一回りしてスカートの端をつまみ、華麗にポーズをキメる。

 

 うん、今日も可愛い。

 これもステージディスクの拡張現実を利用したカードバトルの醍醐味だなと思う。

 

 

【鍵盤天使ピアノエル】

 カテゴリー:スピリット

 属性:光

 種族:エンジェル

 コスト:2

 パワー:2

 効果:①このスピリットをサモンした時、手札にコスト3以下の【武奏】スペルがあるなら、MPを消費せずに詠唱できる。②①の効果で詠唱したスペルが【鍵盤武奏オル=ガン】だった場合、相手マスターへ2ダメージ。

 

 

「ピアノエルのサモン効果により、手札のオル=ガンをコストを支払わずに詠唱するわ!」

 

 手札にあるオル=ガンを後衛に配置する。

 すると、先程華麗にターンを披露していたピアノエルの両肩に、本人の2倍はあるかのような鉄の筒が装備された。

 

「え、えげつねぇ……」

 

 星見くんから、ボソッとツッコミが入る。

 

「可愛い女の子がデカイ武器を持つのはロマンなのよ!!」

 

 ピアノエルも嬉しいはずよ! ……なんかすんごい女の子がしちゃダメそうな顔で、両肩のオルガン砲をプルプル震えながら支えているけれど、嬉しいはず……よね? 

 

 

【鍵盤武奏オル=ガン】

 カテゴリー:アームドスペル

 属性:光

 コスト:2

 効果:光属性のスピリットを対象にとって詠唱可能。パワー+2。ターン終了時に相手マスターへ2ダメージ

 

 

「オル=ガンをピアノエルの効果で詠唱したので、相手マスターへ2ダメージ。更にターン終了時にオル=ガンの効果で追加の2ダメージよ!」

 

 巨大な鉄の筒から、音の砲撃。

 

「ぐあっ……!」

 

【禁術士クロノ】

 LP:20/20→16/20

 

 ステージディスクの現実拡張により、砲撃の衝撃演出として辺りに砂埃が舞う。

 

 その奥で光る、彼の怪しい手札。

 

「カウンター、スペル……!」




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